スミ1を守り切る。あわよくば追加点…。連勝と貯金へのシナリオが逆回転を始めたのは、6回だった。2死三塁。ビシエドを迎えたところで、広島は佐々岡投手コーチがマウンドへ向かった。間を取り、指示を伝えた上で申告敬遠。ビシエドは怖い。アルモンテは怖くない。常道だ。そして4球目の140キロは高く上がり、二塁・菊池涼のグラブに収まった。
「少し迷いがある感じがする。状態がいいとは思っていませんから、少し考えていかないといけない」
試合後の与田監督は、アルモンテの処遇に言及した。開幕から14打数無安打。左打席(右投手)では10打数、2日に先発を外れたのは、右打席(左投手)になると4打数で3三振とさらに内容が悪いからだ。内野ゴロが8と打球が上がらない。外野飛球が1度だけと飛んでもくれない。1回もそうだった。1点を取ってなお1死一、三塁から投ゴロ併殺打に倒れたのも痛かった。
「チームに貢献した打者であることは間違いありません。だから力になってもらわないといけない」
昨季の実績は考慮する。その上でチームにとっての最善が何かを考える。それが与田監督の説明だ。使い続ける。高橋と打順を入れ替える。右投手のときだけは使い、復調を待つ。先発を外す。2軍で再調整させる…。考えられる選択肢はざっとこんなものだろう。この日の惜敗がアルモンテだけに責任があるとは思わないが、打席に立つ姿から自信が伝わってこないのは気にかかる。
「(2軍再調整もあるかは)こちらで判断します。現状、何も決めていません」
与田監督がアルモンテに触れたのはここまでだった。モヤが2軍で好調だ。そこもまた判断材料にはなる。「準備できている選手」を優先するのが与田の流儀。まだ先は長いと考えるか、機は今だととらえるか…。