【競馬・ボート・競輪】[競馬]2007年ダービー制覇 名牝ウオッカ、英国で死す2019年4月4日 紙面から
2007年の日本ダービーを牝馬として64年ぶりに制するなど、GI・7勝を挙げ、11年に顕彰馬となったウオッカが1日、蹄葉炎(ていようえん)のため、英国で死んだ。15歳だった。 繁殖馬としてアイルランドで繁養(けいよう)され、配合のために2月23日から英国ニューマーケット近郊の牧場に滞在していたが、3月10日に右後肢の第3指骨を粉砕骨折していることが分かった。手術し治療が続いていたが、両後肢に蹄葉炎が発生して回復の見込みがなくなり、安楽死の処置がとられた。 同馬は2006年10月に栗東・角居厩舎からデビュー、同年の阪神JFを制した。翌年桜花賞は2着に敗れ、オークスへは向かわず日本ダービーに果敢に挑戦。同馬の持ち味である素晴らしい末脚で差し切り、快挙を成し遂げた。GIを3勝した09年は年度代表馬に。10年3月のドバイ遠征を最後に引退した。通算成績は26戦10勝(うち海外4戦0勝)。 引退後はアイルランドへ渡って繁殖生活を送ってきた。2016年までに生まれた産駒5頭はいずれも日本でデビュー、重賞勝ち馬は出ていないが、タニノフランケル(牡4歳、栗東・角居)が現在オープン馬で、2月の小倉大賞典で2着に入った。1勝しているタニノミッション(牝3歳)も角居厩舎に所属している。 ▽谷水雄三オーナー「七つのGIを勝ち、その全てが印象に残っていますが、特に挙げるのであれば、やはり64年ぶりの制覇となった日本ダービーと、13分の写真判定の結果勝利となった天皇賞・秋、同じく鼻差で制したジャパンCです。多くのファンに応援していただいた馬で、ファンレターもたくさんいただきました。これまでの応援に心から感謝しています」 ▽角居師「厩舎をメジャーにしてくれた功労馬で、私にとっても大切な馬でした。ファンも多い馬で残念です」 ▽武豊(コンビでGI・3勝)「大変思い出深い馬でした。名馬と呼ぶにふさわしい馬だと思います。ファンの多い馬でしたし、本当に残念なニュースです」 ▽四位(ダービー制覇時の鞍上)「ショックです。ぼくにとっては子どものころからの夢だったダービーを取らせてくれたかけがえのない馬です。スーパーホースの背中を知れたことはねそれからの競馬人生としての指標にもなりました」
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