三塁ベース上で胸を張った。1回、石川の先制2ランのあと、追い打ちをかけたのは6番・吉納。2死一塁で右翼線へ適時三塁打を放ち、習志野の山内の立ち上がりを一気に攻めた。さらに、8回にはチームトップの打率4割5分と今大会好調だった5番・長屋が6点目の右犠飛を放ち、優勝を決定付けた。
吉納が「先発の石川さんを勢いづけられた。試合の度にミスが減って、結果が出ていなかった人も決勝に向けて調子を上げてきた。一人一人が優勝に向けてやるべきことができた」と胸を張れば、長屋も「堂々とプレーをしろという監督の言葉が染み込んでいる。決勝の舞台でもしっかりやれた」と力を込めた。
大会3本塁打の石川だけでなく、全員で好投手も打ち砕いてきた。広陵戦はプロ注目右腕・河野を3回途中でマウンドから降ろし大量得点を奪った。準々決勝の筑陽学園戦は、石川が5打数無安打に封じられたが、下位打線で4得点をたたき出した。昨年11月、森田監督が腎不全の治療のため入院。「帰ってきたときに成長した姿を見せよう」と石川らナインが奮起し、結果で示して見せた。
センバツの優勝回数、勝ち星は、同じ愛知のライバル校の中京大中京と並んで最多タイだった。通算56勝で5度目の優勝を飾って単独トップに躍り出た。「自分たちが世代ナンバーワンと思ってやれ」と森田監督が鼓舞した選手たちが、令和最初の夏の甲子園も制して、真の世代王者になる。 (佐藤健志朗)