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新・地震学セミナー

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  [3066]苫小牧第3地震は小さかったが、完全終了時には大きな地震が起こるだろう
Date: 2019-04-03 (Wed)
本日午前9時44分北海道胆振東部でM3.8(深さ40km)の地震がありました。2月21日のM5.8(深さ33km)地震と比較すると、震源はほぼ同じであることが分かります。



経済産業省では「減圧」によって地震が起きることはないという認識のようですが、3月27日の圧入停止(前後2日の減圧)でも地震は起きる事が証明されたようです。

また、同じ場所で、一ヵ月半で歪が蓄積される筈がありませんから、「蓄積された歪が解放されるのが地震である」という「通説」は崩壊しています。

今日の地震はCO2の一時圧入停止(3月27日の1日だけ)から7日目の地震です。[3060]でコメントした 4月1日~10日前後要警戒日の通りとなりました。

中断を含む減圧が3日程度でしたので、地震の規模は小さくて済みましたが、累計30万トンを圧入して完全に終了する時点では昨年9月の胆振東部地震程度の規模の大きな地震を覚悟しなくてはならないような気がします。

苫小牧CCS実証実験は、圧入した炭酸ガスが漏れ出ないかどうかを実験している節がありますが、じつは「地震爆発論」の実証実験をやったことが後で理解できるのではないでしょうか。

様々なデータをつき合わせて、「地震は液体の圧入によって人為的に起せる」ことを確認していただきたいと思います。

  [3065] 九州の九重山が活動的になっている原因について
Date: 2019-04-01 (Mon)
[3053]で紹介したように韓国では「浦項地熱発電所の未熟な操業方法によって誘発地震を発生させてしまった」ことを韓国政府が認め謝罪しています。

大量の水を一気に圧入し、汲み上げるという「地下圧力の急増・急減」を引き起こす無謀な操作をやっています。

日本の地熱発電所ではこのような操業方法は採用していないとは思いますが、3月28日の福岡管区気象台の火山情報が少し気にかかっています。解説情報1号を紹介します。

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火山名 九重山 火山の状況に関する解説情報(臨時) 第1号
平成31年 3月28日09時20分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続>
 
九重山では、28日07時頃から火山性地震が増加しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 九重山では、本日(28日)07時頃から硫黄山の北2km付近を震源とする火山性地震が増加し、09時までに20回観測しました。
 聞き取り調査では、現地で体に感じる揺れを確認しています。
 九重山で1日あたり20回以上の火山性地震を観測したのは、2016年2月21日の22回以来です。
 火山性微動は観測されていません。

 遠望カメラによる観測では、硫黄山の噴気の状況などに特段の変化は認められません。

 本日、九重山の現地調査を実施予定です。

2.防災上の警戒事項等
 今後の火山活動の推移に注意してください。 

 <噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続>

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九重山で火山性地震が増加していて、「噴火警戒レベル1」が継続しているという発表です。

じつは[2360]~[2365]で紹介しましたが、九重山の近くには日本最大の地熱発電量を誇る「八丁原地熱発電所(九州電力)」、「大岳発電所」、「九重発電所」などが稼動しています。



大分県側にあるために熊本地震との関連を当初は見落としていましたが、熊本地震の震源とは数十キロの位置にあり、熊本地震との直接的関連も疑われるものです。

その八丁原地熱発電所や近くにある地熱発電所での操業において「地震発生に関する知識の欠落に基づく操業ミス(浦項ほどでないにしても)」があれば、当然「地震または火山活動」を刺激してしまう可能性があります。

[2791]、[2796]などで紹介した中南米の火山爆発はいづれも近くに地熱発電所が稼動しています。

地震爆発論の知識が完全に欠落している専門家集団ですから、今回の九重山火山の活動活発化が人為的な操作ミスによるものであることも考えておくべきだと思います。([2799]~[2803]も参考)

これ以上自然災害との区別が困難であるような人為的災害(疑惑)を増やさないように、慎重に新しい知識(地震爆発論)をも導入して検討していただきたいものです。

参考:

3月31日の苫小牧のCO2圧入量です。



  [3064]地震学という学問の全体主義が苫小牧の悲劇を生んでいる
Date: 2019-03-30 (Sat)
国会の審議で、「CCSは世界で実用化されている技術である」という答弁がなされたことは[2915]に紹介しました。また、[2956]でも世界中で安全に実施されているかのような表も紹介しました。

日本CCS調査(株)のサイトにも、世界で実施中の現場を紹介しています。



しかし、だから日本で実施しても問題がないと考えるのは、間違いです。問題が無いと考えるのは「断層地震説」を信じているからです。

何度も説明していますが、次図からもわかるように日本は地下の浅い部分にマグマが存在する「火山帯」に位置しています。世界のCCS現場は「火山帯」ではありません。


世界の火山分布


地震爆発論で考えれば、「地震は熱解離した解離ガスの爆発」ですから、ノルウェー、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ブラジルのような火山帯から離れた場所のCCS現場の状況を参考にすることはできません。しかも、カナダ、アメリカ、ブラジルはEORという方式です。

地震学の間違いが人為地震という災害の基礎にあることを国民に知って欲しいと思います。

アメリカにおけるCCS地震の知識(小さな地震しか起こらない)は、日本のCCS地震には適用できないのです。

日本の経済が中国にも抜かれ、生活が良くならない原因は「財務省の役人(東大出身者)が、俺達が一番頭がいい」と思い込んで消費税上げで税収をもくろんだ結果だと言う話があります。消費税率をアップする前のほうが税収が多かったと言う「笑えない話」が現実にあります。

同じように地震学は関東大震災の後にできた「東京大学地震研究所」の教授たちが「俺達が一番頭がいい」と思い込んで、研究費を独り占めにし、学問の全体主義を進めてきた結果でありましょう。

なぜ、「マグマ爆発」を地震の原因だと考えていた高木博士のような主張を排除してしまったのか、残念なことです。

地震学者の一部にでも「マグマ爆発説」を信奉する研究者がいれば、上に紹介した二枚の図面から、日本は海外の現場と違うじゃないか、マグマの上に浮かんでいるような日本と海外の「無事故」とは同じ扱いはできない、と叫んだでしょう。

地震学という学問の全体主義(東大一辺倒)を排除しなければいけないことも教訓になることが、苫小牧の悲劇から明白になったのではないでしょうか。

後記1:

堺屋太一の話題

「団塊の世代」の名付け親である堺屋太一氏が今年2月に逝去し、彼の遺した大作『平成三十年』が再び注目を集めている。

 本書は約20年前に生まれた近未来小説で、作中では平成30年を生きる“未来人”の世界が仔細に描写されており、20年越しの「予言小説」として世に衝撃を与えている。

副題の「何もしなかった日本」にあるように、改革を不得手とする日本型組織への警世の念も込められており、むしろ我々“未来人”に刺さる内容ともいえる。

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地震爆発論も誕生後30年である。戦後の日本人地震学者はアメリカの後追いで、何もしてこなかった。

後記2:

3月30日の圧入量は600トンペースです。



公開情報
より



残り6万5千トンをこのペースで圧入すると、108日掛かります。7月中頃まで圧入が継続するのでしょう。

しかし、2度も同じ間違いで住民を苦しめておきながら、CO2の圧入を継続するのは、狂気の沙汰というものです。

全体主義はやがて紅衞兵をも生むでしょう。

  [3063] 経産省が苫小牧CCSの圧入期間延長を決定
Date: 2019-03-29 (Fri)
日本CCS調査株式会社は本日、予定(平成30年度末)を変更して二酸化炭素の圧入期間を延長すると発表しました。予定の30万トン(累計)を達成するようです。

そんなに簡単に延長していいのか?!




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おしらせ
2019年03月29日

二酸化炭素の地中への圧入期間の延長について

経済産業省は、累計30万トンの二酸化炭素の圧入達成に向け、
2019年度も二酸化炭素の地中への圧入、貯留を継続することになりました


当社では今後も引き続き、地域の皆さまや関係自治体及び機関などのご理解とご協力を頂きながら、
安全最優先で本事業を進めてまいります。

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明日以降の圧入量を見ないと分かりませんが、減圧が起きないとすれば。4月1日~10日前後の要警戒日は移動するかもしれません。

しかし、30万トン圧入が完了するときの誘発地震の規模は大きなものになる可能性があります。

地震爆発論学会としては「無謀な実験延長」であると判断します。

後記:

3月29日の圧入は元に戻っていました。


[3060]でコメントした要警戒日は先送りになる可能性があります。

  [3062]現在の知識で政府がCCSなどに関する論拠の構造化を行なうのは危険である
Date: 2019-03-28 (Thu)
[3061]の資料には「はじめに」と題して以下の文章があります。報告書だそうですが、環境省の仕事なのか、経産省なのかよく分かりません。

内容は間違っています。
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はじめに

「地震国であり地殻が圧縮場(①)にある日本列島とその近海において二酸化炭素地中貯留を行った場合、岩盤の亀裂に圧入された流体によって亀裂面の摩擦力が低下し、蓄積された歪み(②)が開放されて地震が誘発される可能性が懸念される。
ここでは、CO2 地中貯留、ダム、地熱発電やEOR及び液体廃棄物処分等における誘発地震についての調査から得られる知見を整理し、これに基づき、誘発地震の生ずる可能性あるいは圧入地点付近で生じた地震が誘発されたものであるか否かを判断するための基準及び実際の例(中越地震等)への適用(③)と関連する論拠の構造化を行う

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①:日本が圧縮場にあるという認識は地震学者だけの認識ではないでしょうか。粘弾性体である地殻には長期間に渡って圧縮力だとか、引っ張り力だとかが作用することは無いはずです。何万年も圧縮力が作用していれば、粘弾性体は応力を消す方向に変形します。

「マントルは固体だけれども対流する」というプレート論の解釈は粘弾性体であることを前提にして解説しているのですから、日本が圧縮場という解説は矛盾があります。

②:粘弾性体は短時間の衝撃的な外力には弾性体として挙動し、歪が発生しますが、蓄積されるような歪は存在しません。摩擦力が低下し、蓄積された歪は開放されるというのは力学的には意味不明です。

③:中越地震に関して参議院の災害特別委員会で風間議員による質門がありました。質問後に政府は4人の地震学者の意見を聴取し、「CCSと地震とは無関係」という証言を得たという記事が「日経エコロジー」に紹介([2915]参照)されていますが、4人の地震学者の意見というのは「断層地震説」に基づいていますから、間違った意見を聴取したことになるのではないでしょうか。

政府がアメリカの基準をそのまま採用して、「CCSなどに関連する論拠」の構造化を行うのであれば大変危険な判断をしていることになります。

後記:

3月28日の圧入量がありました。完全なストップではないようです。警戒予定日も若干変更になるかもしれません。

公開情報
より



  [3061]誘発地震に関するアメリカの議論
Date: 2019-03-28 (Thu)
誘発地震の生起可能性の判断基準に関する調査」というアメリカの資料があります。

その中で議論されている「誘発地震の生起可能性」の地震発生論を紹介します。

液体の圧入によって地殻内部の土圧が変化し、断層がづれて地震を生起させる、という発想で、地震が爆発現象の結果として発生しているという発想はまったくありません。

これでCCSの安全性を議論するのは大変に危険です。アメリカではまだ苫小牧のような大地震は起きていないようですが、日本とアメリカは地下の様子が全く違います。

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1. 誘発地震の生起可能性

深井戸への流体注入によって引き起こされる地震活動の多くは、既存の断層帯で発生するとされている[52]。一般に断層の強度は、岩盤の降伏強度よりも小さい。断層面に沿う摩擦力、拘束圧および鉛直応力は、断層活動が生じるかどうかを決定する役割を果たしており、一般的に、断層周辺に作用するすべての応力が断層活動を抑制している。

しかし、深井戸への流体注入は、しばしば断層周辺に作用する応力状態を変化させ、地震を誘発するとされる[52]。

地下深部の断層中の流体は、上載荷重に相当する圧力で加圧されている。しかし、流体はせん断強度が小さいため、断層に沿う摩擦抵抗の減少と、地震イベントを発生する断層ブロックのすべりを発生させる。差圧を一定に保った深井戸からの流体注入は、鉛直応力や流体注入層準に作用する拘束圧を減少させ、断層周辺における力学状態を破壊方向に変化させる。そして、既存の断層におけるクーロンの破壊基準に接する応力状態になったときに破壊が生じ、地震が発生する[52]。


図 1-22 流体注入圧による有効拘束圧と鉛直応力の減少の概念



図 1-23 モール・クーロンの破壊基準による地震発生の判断の概念

流体注入により、拘束圧と鉛直応力が減少し、クーロンの破壊基準に接した時点で破壊(地震の発生)が生じる


一般的に深井戸への流体注入の開始は、地震発生数を増加させる。流体注入によって誘発される地震の多くは、規模の小さいものであるが、しばしば規模の大きな地震の前震となることがある。流体注入によって誘発される地震は、当該地域における過去の地震活動の傾向に比べて小さい場合と大きい場合がある。例えば、流体注入開始後に多くの地震が発生するが、これらの地震イベントは当該地域における自然地震の規模に比べて小さい。
流体注入によって発生する誘発地震の震源は、注入井を中心とする影響半径内に分布する。

一般的に、流体注入の影響範囲は、注入井から数km から数十km とされる。1962~1967 年のデンバー地震の震源は、注入井の周囲数km に分布しており、その分布は当該地域の断層の卓越方向とほぼ一致している。また、誘発地震の震源深度は、注入井の孔底下数km の範囲であるが、流体の注入深度の影響を受けているとされる[52]。

流体注入による誘発地震の発生回数は、流体の注入圧力や注入量と調和的な関係を示すとが知られている。

デンバー地震における地震発生回数とそれらの地震を誘発した深井戸における流体の注入量のデータによれば、深井戸からの流体注入を行った1962~1963年と1965 年に、地震の発生回数が増加している。流体注入により誘発される地震は、地中を伝播する圧力波により誘発される可能性があるため、流体注入時期と誘発地震の発生時期の間には、数日程度の遅れが生じる場合がある。また、注入井における急激な圧力変化が、誘発地震を発生させる可能性がある[52]。





図 1-24 デンバー地震における流体注入量と地震の発生回数の関係


流体注入時期および流体注入量に調和して地震の発生回数が増加している。


誘発地震と深井戸への流体注入の関連性は、断層に沿う破壊を発生させる臨界流体圧の検討によって示される。断層でのすべり(地震)を発生させ得る状態が流体注入層準で生じるか否かは、モール・クーロンの破壊基準を利用して検討される。

しかし、この方法による検討は、断層強度や応力状態の見積に対して仮定を含んでいるため、単純ではないとされる。例えば、Davis ら(1989)によれば、テキサス州での複数地点における事例では、地震活動を誘発するのに対して十分な注入圧で流体注入が行われているにもかかわらず、地震活動が発生していないことを報告している。

[52] Sminchak, J. and Gupta, N. Evaluation of Induced Seismicity Aspects of CO2
Injection in Deep Saline Aquifers. 2000, Report for U.S. Department of Energy
National Energy Technology Laboratory. Project #DE-AF26-99FT0486.


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土圧関係から吟味されたこの資料で、「地震活動を誘発するのに十分な注入圧で流体注入が行われているにもかかわらず、地震活動が発生していない」というケースもある、というのは地震発生のメカニズムが違っているからではないでしょうか。

誘発地震は小さいケースが多いが、しばしば規模の大きな地震の前震となることがある、というのはどのように説明するのでしょうか。歪はどこから来るのでしょうか。

「注入井における急激な圧力変化が、誘発地震を発生させる可能性」は土圧の均衡破壊とか、断層地震論では説明できないもので、別のメカニズムが働いていることを示しているはずです。

「土圧のバランスが崩れて断層が滑る」というのは「断層地震説」の思考ですが、バランスが崩れる程度では、厚真町で起きたような山地の斜面崩壊のような斜面崩壊は起きないはずです。地震は爆発現象であることを考慮した知識の集積を図らなければ、問題の解決にはなりません。

クーロンの破壊基準などをはるかに超えた爆発力によって地震災害が起きていることを認識しなけばいけません。

厚真の山地は地球内部から「かち上げ」を食らったような衝撃を受けて木石が空中に「飛び石」のように舞い上がったのです。

  [3060]苫小牧CCSの圧入量がゼロになったので、再度警戒を要す
Date: 2019-03-28 (Thu)
苫小牧のCCS実証試験で、26日の大幅な圧入量の減量に続き27日は圧入量がゼロになっています。


公開情報より


年度末で圧入が終了されるということなら、前回と前々回の圧入ストップと同じ「減圧による地震誘発」が起きる可能性があり、警戒する必要があります。

前々回(胆振東部地震)は5日後、前回(2月21日)は13日後に発震しましたから、4月1日~10日前後は要警戒日です。
[3031]第3苫小牧地震のほうが発生確率は高いはずである参照)


発震までの期間は熱の戻り加減によって決まりますから、長岡のCCS実証実験のように、実験終了後2年半後に発震したケースもあります。

地震の規模(爆発の規模)はCO2の圧入量よりも、解離ガスの貯留量によって決まります。長岡では1万トンの圧入でしたが、苫小牧は23万トンにもなっています。必ずしも圧入量に比例して規模が大きくなるわけではありませんが、大きな規模になる可能性は秘めています。

鳩山氏の言うように調査団を形成して「CCSと地震の関係」を調査するべきですが、地震学者だけでなく、物理・化学を探求した方や、幅広い常識を持った方を参加させていただきたいと思います。


  [3059]このセミナーで地震学者の妄想だと断じた論文は不正論文だった
Date: 2019-03-27 (Wed)
京都大学理学部で地震学者の論文に不正があったことが報道されています。

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熊本地震論文で不正、撤回を勧告 京大
2019/3/26 21:05

京都大学は26日、大学院理学研究科の林愛明(りん・あいみん)教授が2016年に米科学誌サイエンスで発表した熊本地震に関する論文について、不正があったとの調査結果を発表した。6つの図のうち4つで改ざんや盗用を確認した。林教授に論文を撤回するよう勧告した。処分については今後検討する。


記者会見する京大の潮見佳男副学長(右)、湊長博副学長(中央)ら(26日、京都市)=共同


京大に外部から通報があり、2017年11月に外部の有識者を交えた調査委を設け、調査を進めていた。研究不正が故意かどうかは判断できなかったという。記者会見した潮見佳男副学長は「ご迷惑をおかけしました」と謝罪した。

論文は、熊本地震によって地表に現れた地割れなどを調査した結果、阿蘇山周辺のカルデラで新たな断層が現れたほか、地下のマグマだまりによって断層の破壊がくい止められたと主張した。新たなマグマの通り道ができて噴火のリスクが高まったと指摘していた

林教授は東京大教授らが作成した地下の断層の状況を推定した図を引用したが、左右を反転させて掲載していた。地震を引き起こした地下の震源の位置が大きくずれるなど、結論を導き出す前提に問題が見つかった。防災科学技術研究所が公表している図を書き写している箇所も複数あった。

京大は「基本的な注意義務に著しく違反した」ため、不正と判断した。一方で、論文の共著者の不正は認めなかった。林教授は調査委の聞き取りに対し「ケアレスミスだ」と繰り返し主張。「論文の結論は変わらない」と強調したという。

林教授は中国出身で、海外の有力科学誌に成果を発表している。08年の中国の四川大地震では、現地調査にも加わった。

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該当する論文はこのセミナー[2351] 京都大学による熊本地震の妄想的考察で紹介したものです。

当時のコメントでは「未知の活断層は本震で揺さぶられたものの、マグマだまりで動きが止まったと推測される、という結論は妄想に過ぎない」と述べてあります。

不正疑惑の図面が東京新聞で報じられています。



 京都大の男性教授の論文が掲載された科学誌サイエンス。不正が疑われる図は右のページの一番下


小川琢治や石本巳四雄らの先人から見たら、「現代地震学は断層地震説に席巻され、何ら真相を見抜けていない」と批判されるのではないかと思います。

[1732]高木博士の”がんしょう爆発説”を見直せの「序説」にある

「海底拡大説やPlate説、断層説等は、観念的な遊びに過ぎない」


というコメントも参考にしてください。

(高木聖博士の論文『十勝沖地震を批判する』は新しいリンクになっています)

査読論文であっても、査読者に不正は見抜けないようですから、地震学の論文は信用できません。

「原子力規制庁は二十六日、林教授らのチームに委託した活断層の研究報告書に関し、データなどに問題がないか京大に説明を求める方針を示した。」という東京新聞の報道もあります。

小川・石本・高木らの流れをくむ地震爆発論学会の見解では「断層は大きな爆発の結果発生するもの」であり、「活断層」というものは存在しません。「地震爆発は断層の有無には無関係」に起きています。

原子力規制委員会での「物々しい議論」はまったく不毛であり、日本の発展を大きく阻害しています。

  [3058]調査団を作れという鳩山氏の再度のコメント
Date: 2019-03-27 (Wed)
鳩山由紀夫氏が苫小牧のCCSについて再度コメントし、「調査団を作りCCSと厚真地震の関係を調査すべし」と述べています。

主張内要は当然のことで、誰も異存はないでしょうが、自分の「間違い判断」(CCSの地元誘致)が露見することになるのを承知の上で言われているのでしょうか。そうだとすれば勇気のあることです。ついでにCO2削減宣言も間違いだったと宣言してほしいものです。

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鳩山元首相「デマ」認定も懲りずに北海道地震を「人災」再強調
2019年3月25日 15時28分
東スポWeb


 鳩山由紀夫元首相(72)が25日、ツイッターを更新し、2月に北海道・厚真町で起こった地震に言及した。

 鳩山氏は同地震の後、「人災と呼ばざるを得ない」などとツイート。これがサイバーパトロールを行っていた北海道警の目に留まり、多くの被災者を不安にさせる「流言飛語の事例」として紹介され、事実上「デマ」と認定された。

 ところが、鳩山氏はこれに反論。揺れの原因が二酸化炭素を地中に閉じ込める「CCS」と呼ばれる技術にあったとし、正当性を主張した。

 ほとぼりは冷めたと思われたが、鳩山氏は納得していなかったようだ。 

「韓国政府は1年半前に浦項(ポハン)市で起きた地震が周辺で進めた地熱発電が原因と認めて謝罪した。地下に高圧の水を注入したことが地震を引き起こしたという。同様のことをCCSも行なっている。浦項も厚真もそれまで大地震はなかったのだ。日本も調査団を作り厚真大地震とCCSの関係を調べるべきである」とつづり、改めて人災説を強調した。

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浦項(ポハン)市で起きた地震は地熱発電が原因だったと韓国政府が謝罪したというのですから、地中に圧力を加えることでは同じ作業であるCCSも公的な調査団を作って調べるべきです。

しかし、日本CCS調査が実施した北海道胆振東部地震のCO2貯留層への影響等に関する検討報告書平成30年11月には、地震学会会長まで名を連ねていますから、外部調査団を結成しても、企業サイドの報告書と違った報告は期待できないかもしれません。

鳩山氏が言及した北大の研究([2903])も、韓国の調査団の内容([3053])も「断層理論」を基礎にしていますから、真相には迫っていない筈です。

地震の発生するメカニズムを把握しない限り、真相追究は困難で、人為地震の発生という悲劇が今後も繰り返される危険性があります。

ところで、苫小牧CCSの昨日の圧入量が大幅に減量になっています。


CO2圧入量が前日(593トン)から331トン(56%減)も減量になっています。


年度末で終了する予定の作業かもしれませんが、圧入ペースが下がったということは、地中圧力の減圧が始まるという意味でもありますから、第3の苫小牧地震をそろそろ警戒したほうがいいと思います。

地震爆発論学会以外にはどの学会も、マスコミも言及していませんが、2度起こったことですから、警戒が必要です。([3031]第3苫小牧地震のほうが発生確率は高いはずである参照)

  [3057]地震学は地震波の研究であって地震の原因を探求していない、必要なのは地震現象学である
Date: 2019-03-26 (Tue)
5年前に原子力規制委員会の委員長代理島崎邦彦氏(当時)らに送った「公開質問状」([1954]島崎氏への公開質問状)には今も回答がありません。質問状で問題にしたのは島崎氏の執筆による「活断層とは何か」(東京大学出版会)に載っている「地震の正体」の記事が正しくないという点でした。


石本博士の「地震初動分布」について(「地震とその研究」p.300)......島崎邦彦氏が執筆された「地震の正体」(「活断層とは何か」p.7)


島崎氏の記述には、「地震とは震源域で何かが起こり、その結果地震の波が発生し、・・・」とありますが、何かとは「マグマの爆発的貫入」である可能性もあるわけです。

しかるに、後半では「ある面(断層面と呼ぶ)を境として地塊がずれ、そのずれる運動によって地震の波が発生する」と置き換わり、「断層運動が地震の波をつくりだすのだから、これが鯰の正体(地震の正体)だといってよい」という巧妙なる「すり替え」結論になっています。

この断層理論なるもので、「初動の押し引き分布が証明される」としてもそれは証明したことにならないと言うのが石本先生の主張です。

つまり、「最初に「震源」に「断層の成生」を仮定し、「初動分布」がその仮定に背馳しない(反しない)という理由から、「地震の原因」がそれであると決定する。これは、「結論たるべき主張」が、すでに「前提」の中に含まれていることから、論理上からすれば「正常な証明」とはならない。すなわち、もし「地震波の放射」が「断層成生」にあらずと仮定しても「初動分布」が説明される場合に逢着するならば、以上の主張はただちに頓挫することとなるからである。」

と述べておられます。そして、初動分布を説明したのが有名な「押し円錐理論」になります。

何故「マグマの爆発的貫入」が頭から除外されているのかが不思議です。

推定すると、この原因は島崎氏の記述にもあるように、「震源域で何が起きているの分からないので、とりあえずブラックボックスとして棚上げにし、そこから出た地震波のその後を論じる」のが地震学だということになったのでしょう。

だから、地震学という学問は地震現象学ではなく地震波の科学、または地震後学となり、全て後付けで解釈が出てくるのではないではないでしょうか。必要なのは地震前学でしょう。

地震爆発論は地震前学で、地震後学とは異質の学問と把握するのが良いのかもしれません。

とすれば、地震学者がCCSの安全性を審議すること自体が滑稽なことになります。参議院の災害対策特別委員会は再審議の必要があるのではないでしょうか。

参考:

昨日(3月25日)の苫小牧CCSによるCO2圧入量は593.0トン累計圧入量は233,274.7トンでした。

  [3056] プレートテクトニクスは拒絶すべし
Date: 2019-03-25 (Mon)
朝日新聞の科学記者だった泊次郎氏の「プレートテクトニクスの拒絶と受容」という書籍の紹介記事を上田誠也氏が書いている事は7年も前に、[1726]反プレートテクトニクス論などで紹介しました。([2103]も参照(地団研からの反論))

「日本のプレートテクトニクス(PT)の受け入れが先進諸国に10年も遅れたことの原因を、科学史的史観から本格的に論じた始めての著作」

「長年の記者経験に支えられた文章の明快さも見事なものだ。日本の「PT」受容の遅れは国際的にも謎なのだから、ぜひ英語版も出していただきたい」

とべた褒めの評価ですが、地震爆発論からみれば、

「石本博士の夭逝が「PT」拒絶を押し通すことができず、竹内均先生や上田誠也先生の「プレートテクトニクス伝道者」の活躍で「受容」せざるを得なかった」

と言うことになります。

竹内先生の「私はしつこいのです」という熱心な「地球物理学宣伝者」の伝道活動の紹介をNHKでもやっています。


NHKアーカイブス あの人に会いたいより
クリックすると動画になります。


しかし、このセミナーで何度も述べてきたように「粘弾性体である地殻(プレート)には、長く作用する力によって歪が蓄積されない」ですから、地震の原因になるような瞬発力はプレート運動からは生じない、のです。

また、海洋プレートの潜り込みと伊豆半島の衝突は矛盾する内容です。

どちらの説明も正しくはありません。こんなことは起こりません。


この力学的な間違いが「CCSは地震と無関係である」という「地震学者からのお墨付き」となり、苫小牧で大きな災害を生んだ原因になっているのです。

やがて再再度、その悲劇的な地震災害が苫小牧で起きる可能性が高まっています。

竹内先生や、上田先生がNHKからも信頼される地球物理学の泰斗であることは世間が認めるところではありますが、「正しいかどうかは別問題」です。

勇気を持って泰斗の「教え」も打破していかないと、地球物理学の進歩はありませんし、民衆の被る悲劇的な災害がなくなることもありません。

もう一度東京大学地震研究所の所長でもあった石本巳四雄博士の「教え」を素直に聞いて、地震学を再出発させていただきたいと願っています。

現代地震学の崩壊が明らかになる時が刻々と迫っているのを感じます。

地震学者もNHKもプレートテクトニクスを拒絶してください。


  [3055]現代地震学はどこに問題があるのか?
Date: 2019-03-24 (Sun)
現代地震学は地震波形の解析学という面が強い学問ですが、地震発生のメカニズムに関しては[3043]でも紹介したように、「地殻内部に蓄積された歪力の解放」で完結してしまっています。

何十年も「歪解放が地震」という立場から抜け出せないでいます。もう一度石本巳四雄先生の「地震とその研究」から、現代地震学の問題点を見つめてみます。次の文章をよく吟味していただきたいと思います。


石本巳四雄著「地震の研究」p318より


地震はその影響を考えればいいのであって、原因を探求する必要はない」という関東大震災以前の学会の空気がそのまま残っているのではないでしょうか。

「プレート運動による歪力の蓄積」という概念から脱出できなくなっています。

石本先生なら「粘弾性体の地殻にはプレートが押す力によって歪力が蓄積される筈がない」「何万年もの間、歪が開放されず蓄積していると言うのはナンセンスだ」と言ってプレート論や弾性反発説を拒絶されたのではないでしょうか。

つまり現代地震学は「地震後の波形解析」が中心であり「地震の発生原因」を真面目に探求してこなかったのです。

したがって地下に水を送ることが「爆発を引き起こす」という事に思いが至っていません。世界中で人為地震を引き起こし、民衆を苦しめています。バーゼルしかり、韓国、アメリカしかりです。そして日本でも、長岡や苫小牧で同じ無知をさらけ出しています。

「地震後の波形解析学」に熱中するのでは、地震の発生原因を探る努力さえ放棄されてしまいます。

「歪の開放が地震」という「思考停止」に陥って、本当の地震のメカニズムを探求する努力がなされていないのが現代地震学の大問題なのです。

  [3054]地震は断層運動という常識はすでに崩壊している
Date: 2019-03-22 (Fri)
石本巳四雄博士が「地震の原因を断層運動ではない」と考えておられたのは、何らかの原因で「マグマの爆発的な貫入」が起きているからだと見ていたからですが、博士の記述した記事からそれを見てみます。



「地震とその研究」には「地震の原因はマグマの運動に起因する」「マグマの圧力は温度の低下によって増大する事実」とあります。
当時は解離水という理解はありませんでしたが、解離反応は吸熱反応ですから、マグマの温度低下によって、マグマの圧力が高まるという視点(畏友坪井(誠)博士の助言)は現代の地震爆発論へと繋がる知見であります。

そして、「地震原因として、岩漿(マグマ)運動の最も確からしき事を信ずるに至った」とあります。

他の地震学者は何故、地震の原因は断層運動だと確信したのだろう?




地質現象の新解釈は小川博士の著書ですが、その中に石本博士の見解が収録してあります。
「(濃尾地震のときに)地震後極めて緩やかにズルズルと段違いになったと言う話を目撃者の農夫から大森博士が聞いてこられたが、幻惑されたのかその後の大森氏の著作には断層が地震を発生させると説明したいる」

とあります。断層が動くことが地震なら、地震の後にズルズルと緩慢な動きで断層が出来ることはありえないはずです。

この件は中国の四川省地震でも見られました。地震後に生徒たちが広場に集合してから、断層がコンクリートの破壊音を伴って出現したと報告されています。


中国四川大地震より


地震は断層が急激に動いて起こるものであると言う「地震の常識」は完全に崩壊しているのです。

現代地震学は間違っている!

だから、何も説明できないのだ!


  [3053]浦項地震調査研究団が誘発地震・触発地震のメカニズム公表
Date: 2019-03-22 (Fri)
浦項地震に関してハンギョレ新聞の報道を紹介します。内容は、「断層地震説」の知見に拘束されていますので、完全な事実関係の把握とは言えません。しかし、日本の国会審議で「CCSと誘発地震は無関係である」と証言した4人の地震学者([2915]参照)は肝を冷やしているのではないでしょうか。

抜粋して紹介します。

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地熱発電の注入水が断層を刺激…2本目の地熱井、浦項地震の引き金」
3/21(木) 17:45配信 ハンギョレ新聞


微小誘発地震と浦項地震触発の関連性(時間)=浦項地震調査研究団提供//ハンギョレ新聞社


 2017年に起きた規模5.4の浦項(ポハン)地震が、自然現象なのか地熱発電という人為的原因によるものなのかという論争に終止符が打たれた。浦項地震政府調査研究団は20日、浦項地震と地熱発電の関連性に関する報告書を通じて「浦項地熱発電研究活動中に地熱井を掘削し水を注入・排出する過程で、断層において微小地震が誘発(誘発地震)され、時間の経過により結果的に浦項地震が触発された」と結論を下した。


 政府調査研究団が、地熱発電が浦項地震を触発した原因と指定したのは、地熱発電活動で誘発された微小地震が起きた平面と浦項地震を起こした断層面解が一致するという事実が決定的な根拠になった。


微小誘発地震と浦項地震触発の関連性(空間)=浦項地震調査研究団提供//ハンギョレ新聞社


イ・ガングン政府調査研究団団長(ソウル大学教授)は「研究チームが最も尽力したのが震源の位置決定だ。浦項地震が地熱発電の地熱井から数キロメートル以上離れていれば解釈が変わりうるため」と話した。

研究団は、2009年1月1日以後に浦項地域で発生した520回の地震のうち、地熱発電実証研究敷地から震央までの距離が5キロメートル以内、震源の深さが10キロメートル以内の98回を対象に精密地震位置分析をした。その結果、2本目の地熱井(PX-2)から水を注入して誘発された微小地震がほとんど平面に近い分布様相を見せ、さらにこの平面が浦項地震本震の断層面解の走向と傾斜がほぼ一致していることを明らかにした。

 浦項地熱発電実証研究は、2010年12月に始まり、二本の地熱井をボーリングして2016年1月から2017年9月28日まで5回にわたり1万2800余立方メートルの水を注入し、7000立方メートルの水を取り出す水理作業をした。この期間に数十回の微小地震が発生した。3回目の水注入が終わった2017年4月15日には、最も大きい規模3.2の地震が起きた

 政府調査研究団の海外調査委員会委員長を務める米国コロラド大学のShemin Ge教授は、浦項地震を誘発(induced)地震ではない触発(triggerd)地震と表現したことに対して「誘発地震は水の注入による圧力と応力の変化で岩石の空間的範囲内で起きる地震、触発地震は人為的影響が最初の原因だが、その影響で刺激を受けた空間的範囲を大きく外れた規模の地震と定義した」と説明した。

浦項地震は、誘発地震の範囲を越えているが、自然地震と区別するために触発地震という用語を使ったという話だ。

 研究団は、浦項地震が触発地震であることを示す証拠が、地震発生後にも確認されると明らかにした。
一本目の地熱井(PX-1)は地下約4100メートルまで映像撮影が可能な反面、2本目の地熱井(PX-2)は3800メートル付近で詰まっていた。浦項地震の断層面を延長すれば、この深度と一致する。浦項地震でボーリング孔が破裂したという解釈だ。

この地熱井で急激に水位が低下して地下水の化学的特性が変わったのも、浦項地震が触発地震であることを裏付けると研究団は明らかにした。

 イ・ガングン教授は「2011年の東日本地震と2016年の慶州(キョンジュ)地震などが浦項地震の断層に加えた応力を計算してみたところ、浦項地震の断層を動かすほどの応力が蓄積されないという結論が出た」として「臨界応力状態の断層を変化させれば危険度が増加するということが証明されただけに、地熱発電のリスク管理方法に別のアプローチが必要だ」と話した。

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触発の関連性(時間)(上の図)を見ると、短時間で大量の水を送り込み、熱水を汲み上げていることが分かります。このような激しい変動を与えることは、解離ガスの発生という点では大変に危険であります。

誘発地震と触発地震という新しい定義が導入されていて、今後日本でも検討されるだろうと思いますが、苫小牧地震はこの定義では、触発地震ということになるでしょう。

韓国の方が地震を真剣に考えているように思えますが、日本の地震学者はこれほど深く議論ができるのでしょうか、日本の地震学は世界一だとどなたかが言っていましたが、大丈夫なんでしょうか。

イ・ガンクン教授にも地震爆発論の概念は把握されていませんので、どうして、触発地震が起きるのかまでは理解できていないようです。

  [3052] 韓国の浦項地震を避ける機会が4回あった、日本でも苫小牧地震は止められた筈
Date: 2019-03-21 (Thu)
イ・ジンハン教授は浦項地震を避ける機会が4回あった、と述べていますが、日本でも石田地震科学研究所と地震爆発論学会の警告をマスコミが報道していたら、苫小牧地震は避けることができたのかも知れません。今また、3回目の苫小牧地震が警告されていますが、毎日圧入が実施されているのですから、これはもはや手遅れですね。

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「浦項地震を避けられる機会が4回あった」

3/21(木) 12:00配信
中央日報日本語版

高麗(コリョ)大学地球環境科学科のイ・ジンハン教授は、この日中央日報とのインタビューで「浦項(ポハン)地震を避けることができる機会が4回あったが無知や不十分な資料解釈、安全管理の不在などで機会を逃してしまった」と主張した。

イ教授は
(1)2015年10月ボーリング作業中に泥水(水分を含んだ泥)が大量に流失して地震が発生した時にボーリング作業をやめて詳細な調査をしているべきだった
(2)2016年1月水注入量より大きな規模〔マグニチュード(M)2.1〕の地震が発生した時に詳細な調査を求めた専門家の意見を受け入れて2回目の水注入を中断しなければならなかった
(3)2017年4月15日M3.1の地震発生時にその理由如何を問わず水注入の中断と詳細な調査を実施しなければならなかった--と分析した。
(4)また微小地震の分析が不十分で、断層帯に水を注入したことの問題点を認識できなかったことも惨事を引き起こした原因だと指摘した。

イ教授の主張通りなら、このような部分に対する政府次元の真相調査が実施されなければならないということだ。イ教授は昨年4月に国際学術誌「Science(サイエンス)」に掲載した「2017年浦項地震の誘発地震の有無調査」というタイトルの論文で、浦項地震が地熱発電所が原因である可能性が高いと明らかにしていた

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日本も、せめて北九州市で計画されているCCSは中止とし、地熱発電も停止したほうがいいと思います。

ところで、脱原発を叫ぶ小泉氏は結構頭脳明晰だが、安倍さんはどうにもならん、とか原発は危険だから火力発電に頼るのは当面致し方ない、といった空気が良識派を自認する人の中に存在します。

そのような議論が飛び交う郷里の仲間が作るサイトで、

・火力発電をやれば、CCSをやらざるを得ないことを知ってますか?
・CCSをやれば、苫小牧のような地震が起きることを知ってますか?

と言って始まったのが仲間内のサイト上討論でした。

結局は、原発を含む電力のベストミックス問題に関して、郷里の仲間に持論を述べて打ち切りにしました。

私が書いたコメントを載せておきます。

仲間の主流意見は、原発廃棄を叫ぶ小泉氏を支持し、ドイツを見習って再生可能エネルギーに移行すべし、中国は独裁だから別でいい・・・という論調です。

「馬鹿なことおっしゃるな」と私が書き込んで熱い論議になったのですが、論点を整理して終りにしました。そのときのコメントです。

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「論点整理して終りにします 投稿者:パトロス 投稿日:2019年 3月19日(火)15時02分56秒


論点1:

同じような悲惨な災害を防ぐには、失敗から反省し、二度と失敗を繰り返さないようにすることですね。

福島の失敗は津波災害を想定できなかったことですね。地盤を下げちゃってねぇ・・。

ならば、津波が襲う低地には作らないようにすればいいですね。

チェルノブイリまで引き合いに出して、「おそがい、おそがい」(怖いの意)というのは恐怖感を過剰に煽っているように思いますが・・・。

論点2:

ドイツはフランスの原発に頼っているのじゃなかったですか。フランスの原発被害は「そんなの知らん、ドイツはお客だぞ」というのはおかしいと思うけどねぇ・・。

論点3:

中国は独裁国家だから、文句を出させないだろう・・・。それは中国の勝手、という問題ではないと思います。

原発を持っているということは「いつでも核をもてますよ。核による脅しには屈しませんよ」という国家安全保障上の問題だと思うのだけどね。核・原発を持っている中国から脅されたらどうしますか・・・。

だから、ニュージーランドでも核は持たないと言っているけど原発は22.5%も維持するんでしょうね。

ニュージーランドの原発


米朝関係が振り出しに戻って、北の脅威も振り出しに戻りましたね。あんなチンピラに脅されたくないものです。

使用済燃料の件は、「もんじゅ」の廃棄が痛いねぇ・・・。でも、技術革新がすすんだら、埋めたものを掘り出して、再使用の道が開けると思います。またそうなるように努力すべきでしょうね。

論点4:

錚々たるメンバーが集まって書いた「胆振東部地震の報告書」では、CCSと地震は無関係と言っていますね。中越地震、中越沖地震のときも国会質問までやって、錚々たる地震学者が否定しました。

でも論より証拠で、二つの中越地震、2回の苫小牧地震が起きました。心配なのは、4月か5月に起きる可能性のある3回目です。

それでも、錚々たるメンバーは「無関係です」というかもしれませんが、歴史の検証では「関係あり」の判断が下ると信じています。

でもそれじゃぁ住民は堪ったもんじゃないですよ。原発災害よりも頻発する可能性の高い災害ですからね・・・。

CCSはやがて商用化の予定ですが、伊勢湾でやられたら、怖いですよ。

○○ちゃん、(錚々たるメンバーは)御用学者というよりも「地震学の間違い」に気づけないでいるのですよ。オイラのような「地震爆発論」を振りまく者は「ご用だ!ご用だ!」って追いかけられるんです。意味が違う「ご用学者」です。


  [3051]韓国政府が浦項地熱発電による誘発地震を認定・謝罪
Date: 2019-03-21 (Thu)
「2017年11月に韓国・南東部の浦項(ポハン)市で起きた地震([2748]にて言及)について、韓国政府は20日、周辺で進めた地熱発電開発が原因だったと発表し、謝罪した」という報道がありました。

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地震の原因、地熱発電の開発だった 韓国政府が謝罪
2019/03/21 11:05


© 朝日新聞2017年11月に韓国・浦項市で発生した地震で自宅が損壊し、体育館に避難した被災者=武田肇撮影


 韓国政府は20日、2017年11月に韓国・南東部の浦項(ポハン)市で起きた地震について、周辺で進めた地熱発電開発が原因だったと発表し、謝罪した。国策による開発が拙速だったとの指摘も上がり、被災者が政府に賠償を求める騒ぎになっている。

 韓国気象庁などによると、この地震はマグニチュード(M)5・4で、広範囲の建物が損壊し、118人が重軽傷を負い、850億ウォン(約85億円)の財産被害が出た。政府は一帯を特別災難地域に指定し、現在も復興事業を進めている。

 国内外の専門家で構成された政府調査団の調べでは、地熱発電の開発で地下に高圧の水を注入したため、時間の経過によって地震を引き起こしたとみられるという。10年に国家研究開発課題として地熱発電開発を始めるまで、周辺で大きな地震は発生していなかった。政府は開発の中断を決めたという。

 地下に注水することで地震が発生しやすくなる現象は、シェールオイルの掘削が進む米オクラホマ州などでも知られている。水によって地下にかかる力が変化することが原因と考えられている。(ソウル=武田肇)

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「地熱発電の開発で地下に高圧の水を注入したため」としていますが、苫小牧のCCSも液体を高圧力で地中に押し込めているのですから、地中の圧力を改変するのは同じ理屈です。

残念ながら「地震爆発論」の知識が拡散していませんので、「断層地震説」の知見で判断がなされています。

それでも、韓国政府は意外に素直に認めたものだと感心します。

それに比べ、日本政府はどうでしょうか。責任を誰も取らない体質が蔓延しているように見えます。

「断層地震説」の知見で地熱発電やCCSを「安全である」「圧入と地震は無関係である」として「非を認めず」、続行していると、大変なことになることを理解すべきです。

苫小牧の勉強会の有志の諸氏にエールを送ります。頑張って経産省への注意を喚起してください。

  [3050]ダム誘発地震でも減圧時に起きているケースがある
Date: 2019-03-21 (Thu)
苫小牧でCCSの勉強会を開いておられる方から飯田汲事先生の「貯水による地震の発生について」情報連絡がありました。

経済産業省担当者の「CCSを停止したときの減圧によって誘発地震が起きることはない」という認識に疑問を持っておられるようで、ダムの誘発地震では減圧(貯水深の低下)によっても地震が起きることがあるという報告を見つけられたという事です。

飯田先生とは互いに大学を離れた時期でしたが、会食して小生の「地震爆発論」を討議したことがあり懐かしいお名前です。先生は石本巳四雄の弟子に当たるのですが、学会は全て「プレートテクトニクス」「断層地震説」に席巻されてしまったので面白くなかったのかもしれません。
以前から土木学会活動などで面識はあったのですが、地震学のご教示を願って面会しました。最初から「板論(プレート論をそう呼んでおられました)はおかしいよね」と言っておられたのを覚えています。

さて、飯田先生の論文ですが、ダムによる誘発地震の例をたくさん挙げて調べておられます。そのなかから、水位を上げて地震が起きるケース、水位を下げて地震が起きるケースを紹介します。




苫小牧で実施中のCCSは3月末で終了だとすれば、4月頭から減圧に入ることになります。昨年9月と今年2月の地震は共に、減圧後に起きています。([3031]参照)


飯田先生の論文を読んでも何故ダムの貯水深と地震が関係しているのかは、「断層理論」によって解釈されているので、要領を得ませんが、地震爆発論で解釈すれば納得のいく「誘発地震発振メカニズム」だと言えます。

地震を誘発しないためにはダムならば水位調節を「ゆっくり」と行なう事ですが、圧入が開始されてしまっているCCSでも停止作業を「ゆっくり」「時間をかけて」実行するしかないでしょう。でも、学識経験者が「地震爆発論」を無視していますから、どうなるでしょうか。

昨日の圧入量は604.7トンで、累積圧入量は23万トンを超えました。


公開情報より


  [3049] 人為地震の原因で住民と企業が対立するアメリカ
Date: 2019-03-20 (Wed)
4年前の記事ですが、テキサス州でも人為的に起こした地震の原因が分からないために、住民と企業の対立が起きています。

苫小牧でも当然起きても不思議ではない話ですが、日本では地震学者の「無関係」の一声で企業は無罪放免になるでしょう。罪な地震学者、ですねぇ。

参考のために記事を紹介します。

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テキサス州で地震急増 原因めぐり地元混乱 石油掘削説あがるも石油企業は否定
Jun 12 2015

アメリカ・テキサス州で、マグニチュード3以上の地震が急増している。地震学者らの研究では、石油・天然ガスの掘削活動に伴う人為的な地震だとする見方が有力だ。しかし、原因を作っている企業の一つとされる石油メジャー、エクソン・モービルの子会社は、10日の州議会の公聴会で掘削活動と地震の関連性を否定した。住民の不安と、地域経済の根幹をなす石油産業の利害が複雑に絡み合う中、地震の原因を巡る攻防が続いている。

◆大学の研究報告は「人為的」企業側は『自然発生」

 米地質研究所(USGS)のデータによれば、テキサス州、オクラホマ州など米中南部で、この6年ほど地震が頻発している。1973〜2008年にはマグニチュード3以上の地震の発生回数は年平均24回だったが、09〜14年には193回に増えた。14年は最多の688回だった。テキサス州北部のダラス・フォートワース地域では、10年代に入って石油・天然ガスの掘削で水圧を利用した破砕活動が普及するまでは、体に感じるような地震はほとんどなかったという(ウォール・ストリート・ジャーナル紙=WSJ)。

 石油・天然ガスは、地中からは塩水と混じって掘り出される。これに加え、近年盛んになった水圧破砕という掘削技術によっても、塩水と薬品が混じった廃水が大量に出る。これらは、地下に広がる巨大な廃水井へ注入されて処理されている。地震の原因調査を行った同州のサザンメソジスト大学(SMU)の研究チームは今年1月、この廃液の注水が断層のずれを引き起こし、地震の原因となっている可能性が非常に高いとする報告を『ネイチャー』誌に発表した。

 これを受け、石油業界を管轄するテキサス州鉄道委員会は、ダラス・フォートワース地区で廃水井を運用するエクソン・モービルの子会社、XTO社と、ヒューストン地区のエナーベスト・オペレーティング社を公聴会に呼んだ。XTOへの聞き取りは10・11日に行われ、同社はSMUの報告で関連を指摘された2013年11月から翌年1月に起きた一連の地震について、震源は同社の廃水井よりも深かったと反論。代理人弁護士を通じ、「自然に発生した動きで、人為的なものではない」と地震との関係性を否定した(WSJ)。

◆市民生活の安全か、地域経済の利害か

 テキサス州は昨年、地震との関連性が強く疑われる場合、廃水井の認可を取り消したり改訂することができるルールを新たに導入した。環境保護団体やメディアを中心に、その早期適用を求める声が高まっている一方で、「テキサス州の基幹産業を脅かす」として、安易に地震との相関関係を認めてはならないという意見も強いようだ。

 こうした状況を伝える地元紙サンアントニオ・エクスプレス・ニュースによれば、学者の間でも意見が割れているようだ。SMUの調査を主導したブライアン・スタンプ氏の元教え子で、州の“お抱え”となっている地震学者、クレイグ・ピアソン氏は今年1月、ダラス・モーニング・ニュース紙への寄稿を通じ、掘削活動が地震の原因であるとするのは、「メディアの誇張」だと批判した。

 しかし、石油業界の中にも地震との関係を認める者もいるという。石油メジャーの一角を占めるコノコ・フィリップスのライアン・ランスCEOは、「全てのデータと証拠を確認した。その結果、いくつかの地域で廃水が地震を作り出しているように思われる。今、それがどれくらいの範囲に広がっているか突き止めようとしている所だ」と語っている(石油情報サイト『Oilprice.com』)。

◆州議会は企業側に反論できない?

 しかし、サンアントニオ・エクスプレス・ニュースによれば、ほとんどの関連企業は、より信頼性の高い調査に必要なデータの提供を拒んでいるという。一方で同紙は、石油関連企業は多くの雇用を抱え、莫大な投資もしていると、企業側の立場にも理解を示す。地震との関連性を認めれば、州の検査にも合格している廃水井の操業停止につながることになり、莫大な損失を被ることになるからだ。

 同紙は、XTO、エナーベストを含む州内の石油関連企業は、地元政治家に莫大な政治献金をしているとも指摘する。石油業界に詳しい法律家、ジョン・マクファーランド氏は、公聴会のメンバーは企業側に反論できないのではないかと懸念し、同紙に次のように述べている。「企業側が自社の井戸と地震活動の関係性を否定しても、それに反対尋問する能力と意思を持つ議員はいないだろう

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日本でも新潟県長岡市でのCCS事業に関して「二つの中越地震との関連」を風間議員が参議院災害特別委員会で質問しましたが、4人の地震学者が「関連なし」と証言したので、そのままになって終了しました。
後ろ盾になって尽力したのは山本寛氏でしたが、もっと慎重に「地震学者に反対尋問する根拠」を練り上げておかなければいけなかったのではないでしょうか。石田地震科学研究所には全く相談することがありませんでした。

そうした機会が再度あれば、地震爆発論学会の知見が役に立つと思うのですが、何せ学問の世界で多勢に無勢ですから、国民の応援が無いと無理でしょうね。

いろんなサイトで取り上げていただき、「地震爆発論」が国民の常識になっていれば、力強い援護射撃になると思います。

参考:

米オクラホマ州で人為的な地震が増加
全米各地で訴訟

「事業者は、この地下水を廃水として、地下へ戻して処理している。
ほとんどの廃水は、「アーバックル地層」と呼ばれる岩の層へ注入される。すると、さらに奥深くにある地震を引き起こす基盤岩の層に水圧が伝わる。注入される水の量が増えるほど、ただでさえストレスがかかっている断層の間隙水圧がますます上昇し、通常はしっかりと固く接着している断層面が滑りやすくなって、地震が発生するのだ。(参考記事:豪雨が数年後の大地震を誘発?) 」

廃水の圧入によって圧力が伝わり、断層がすべりやすくなるという認識ですが、地震爆発論では別の解釈になります。



FrackingそのものよりもFrackingに使用した廃液を深部に圧入することが危険である

  [3048] 地震の教科書に見る地震発生のメカニズム
Date: 2019-03-20 (Wed)
地震学の教科書では地震をどのように教えているのでしょうか、有名な宇津徳治著の「地震学第3版」を見てみます。



宇津の教科書は、Reidの弾性反発説を紹介するだけで、マグマ貫入理論は全く紹介されていません。

石本博士が書いているように([3045]参照)「地震はただその影響を考えればよいのであって、地震の原因を探求する必要はないという態度の学者」が今も多く、地震現象を解明するという意欲は薄いのかもしれません。

さらに地学団体研究会編による「地震と火山」も調べてみました。


遠方から働く外力とはプレート運動による力のこと、石本理論はそれを否定している


この教科書にはReidの弾性反発説のほかに、小川琢治や石本巳四雄らの研究も紹介されています。しかし、この程度の言及では、学生に地震現象のメカニズムを探求する面白さ・意欲を持たせることはできないように感じました。

地震学という学問は、結果として放出される地震波の挙動を調べる学問であって、何故地震が起きるのかについて納得できる説明がないままになっていることが分かります。

フンボルトが中南米の火山地帯やイタリアの火山噴火を体験しながら、直感的に地震像を把握しようとした姿勢は、コンピューターによる地震波解析によってどこかに消えてしまったようです。

石田理論の着想は、水(結合水)が熱解離によって酸素と水素に分離するという事実を知った事から始まりました。30年経って、それがCCS誘発地震にまで発展し、自然災害と見られていたいくつかの災害を防止・軽減できるところまで発展していることを認識しています。

今後教科書には地震のメカニズム探求に関する魅力的な話題が掲載されることを願っています。

  [3047]粘弾性体の力学から見たら原発サイトの活断層論議は不毛である、怒れ国民
Date: 2019-03-20 (Wed)
アメリカの地質調査所(USGS)に載っている地震の定義を見て見ます。

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What is an earthquake ?

An earthquake is caused by a sudden slip on a fault. T

地震は断層の急な滑りによって引き起こされます。 構造プレートは常にゆっくり動いています、しかし、それらは摩擦のために端部で動けなくなります。 端部での応力が摩擦を克服するとき、地震が起こります。地震のエネルギーは地球の地殻を通って移動し、私たちが感じる揺れを引き起こします。

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やはり「断層ありき」から始まっています。断層がなければ、地震は起こらないことになりますが、これは現実とはかけ離れています。火山爆発のようなものが地下で起きれば、断層の有無とは関係なく地震動は発生します。

USGSの説明では、爪が伸びるくらいのゆっくりとしたスピードで動くプレートが端部で衝突し、動けなくなった状態を想定しています。それでも長時間経過すると歪応力が高くなり、地震を起こす、という解釈です。

しかしこれは[2341]で解説したように、粘弾性体の力学とは違いがあります。[2341]の内容は次図のようにも表現できます。



地殻は粘弾性体ですから、爆発力に対しては弾性体として挙動します。しかし、何百年、何千年にも及ぶプレート運動(存在すると仮定してですが)では歪・応力は形成されません

プレート説でも長い年月掛かれば、固体のマントルでも移動する、と説明しているくらいです。移動・変形してしまいますから、歪力は消えてしまいます。何万年もの間に蓄積した歪が開放される活断層の存在は危険である、といった原子力規制委員会での論議はまったくの不毛であることが分かります。

活断層は存在しない


石本博士らが言うように「何らかの爆発で歪応力が地盤の耐力を超えると、地盤が断裂して断層ができる」という解釈の方が地震現象を説得的に説明しているのではないでしょうか。

地震爆発論はその爆発が解離ガスの爆発によって起きているという見解ですが、ゲラー教授から「爆笑」されるようなものではないと思っています。ゲラー教授にも「断層ありき」の「証明」はおかしいのじゃないかと公開質問状を送ってありますが、回答はありません。

参考:

気象庁の「地震発生のしくみ」を見ると、まったくアメリカのUSGSと同じ考え方です。
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地震が起こるのはなぜ? ‐プレートテクトニクス‐ 


地球内部の模式図


地震は地下で起きる岩盤の「ずれ」により発生する現象です。
では、なぜこのような現象が起き るのでしょうか。硬い物に何らかの力がかかり、それに耐えられなくなると、ひびが入ります。地 下でも同じように、岩盤に力がかかっており、それに耐えられなくなったときに地震が起こる(岩 盤がずれる)のです。

では、どうして地下に力がかかっているのでしょうか。これは、「プレートテクトニクス」という説 で説明されます。

地球は、中心から、核(内核、外核)、マントル(下部マントル、上部マントル)、地殻という層構造に なっていると考えられています。このうち「地殻」と上部マントルの地殻に近いところは硬い板状の 岩盤となっており、これを「プレート」と呼びます。地球の表面は十数枚のプレートに覆われています。


プレート運動の模式図


プレートは、地球内部で対流しているマントルの上に乗っています。そのため、プレートはごく わずかですが、少しずつ動いています。そして、プレートどうしがぶつかったり、すれ違ったり、 片方のプレートがもう一方のプレートの下に沈み込んだりしています。この、プレートどうしがぶ つかっている付近では強い力が働きます。この力により地震が発生するのです。

長時間作用する力の下では、
地殻は粘性体として挙動・変形し、
歪力は消えてしまう。

地震を起こす力など発生しない。






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