IRは国際観光拠点に
近畿圏のGDPを1%かさ上げ
大阪万博は夢洲IRとの相乗効果も期待できる。
万博と夢洲IRはセットにして誘致が図られた。夢洲は半分が万博会場、残り半分は夢洲IRとなる。
IRはカジノと同一視されがちだが、カジノはIR施設全体の3%程度に過ぎず、それ以外の施設はレジャー施設や宿泊施設だ。
夢洲IRの背景にあるのは、経済効果の大きい観光分野を基幹産業として位置づけ、豊富な歴史的・文化的な観光資源が集積している京都や奈良などとの交通網を拡充したり連携を強めたりして、大阪にIRを核とした国際観光拠点を形成しようというコンセプトだ。
夢洲IRの想定事業モデルは、敷地面積約60ha、投資規模9300億円、施設規模総延床面積100万平方メートル、年間来場者数1500万人、年間売り上げ4800億円というものだ。
夢洲IRも、実現すれば相当な経済効果がもたらされることは間違いない。
大阪府によれば、建設時の経済効果は1.24兆円、その後も経済効果は続き、毎年0.76兆円の波及効果があると試算されている(図表3)。
大阪万博は2025年だけのイベントであるが、夢洲IRは永続施設なので、経済効果は毎年続く。
大阪府のGDPが39兆円、近畿圏では同83兆円であることを考えると、IRによって近畿圏でGDPが1%程度、かさ上げされることもあり得る。
この意味で、夢洲IRの近畿圏に対する経済効果は大きい。