昨年12月にアイドルグループNGT48のメンバーが住む寮内で起きた暴行事件は、4月を迎えてもなお収束の気配が見えない。それどころかCMやテレビ、ラジオ、イメージキャラクターなど、NGT48の関わっていた仕事は続々終了、および継続見合わせとなっている。この先、NGTのメンバーを総入れ替えし再生するなり、新潟から完全撤退するなり、様々な筋道が検討されていることも考えられる。
事件の発覚当初から、NGT48を運営する株式会社AKSの対応には疑問の声が上がっていた。12月、マンション内の自宅玄関先で男2人がかりで襲われたという山口真帆が、1月にネットを使い「クリーンなNGTにするっていったのに何もしてくれなかった」と告発。瞬く間にこの告発は拡散したが、AKSが事件について公表するまでタイムラグがあった。
事件発生は事実であり、新潟県警は男らを逮捕していた。だが12月中に釈放されており、AKSとしてはそれで一件落着したとの認識だったのかもしれない。だが山口真帆にとっては、それは何の解決も意味していなかったことは明らかだ。
この問題認識のズレは、どこから来ているのか。
執行部は「山口真帆の個人的な問題」として捉えている
3月21日に、AKSは第三者委員会による調査報告書を公表した。それによれば、犯人グループと接触していたNGTメンバーがいることは確かだが、メンバーが犯行を唆したとは言えない。かつ、複数のメンバーがファンと私的領域での接触を持っていたようだが、運営側の管理が行き届いていなかったことに責任があるとして、メンバーは不問とのことだった。
3月22日、AKSの松村匠取締役、NGT48の早川麻依子支配人らが新潟市内で会見を開き、第三者委員会による調査報告を発表したが、その会見中に山口真帆はTwitterを更新。
<只今、記者会見を行っている松村匠取締役は第三者委員会が行われる前に「繋がっているメンバーを全員解雇する」と私に約束しました。
その為の第三者委員会だと、
私も今までずっと耐えてきました。コミュニケーションも何も、このことに関して聞くと連絡が返ってきません。>
<記者会見に出席している3人は、
事件が起きてから、保護者説明会、スポンサー、メディア、県と市に、
私や警察に事実関係を確認もせずに、
私の思い込みのように虚偽の説明をしていました。
なんで事件が起きてからも会社の方に傷つけられないといけないんでしょうか。>
この内容をマスコミ記者が質問するなどして、会見は紛糾。松村氏は「コミュニケーションを取りたい」「話し合いたい」と繰り返した。
これ以上ないほどわかりやすい、しどろもどろな会見になってしまったわけだが、取締役ら上層部以外の、AKSスタッフはこの事象をどう捉えているのだろうか。驚くべきことに、一部からは「執行部は、山口真帆の個人的な問題として捉えている部分が多く、グループ全体として対応すべき重要な問題とまでは捉えていないのではないか」という声が聞こえている。