挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
RE:幼馴染が女勇者なので、ひのきの棒と石で世界最強を目指すことにした。 作者:のきび
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
2/5

あれ?俺のステータスっておかしいのか?

ここから一人称です

 城塞都市クレセアに向かってすぐ、俺たちはゴブリンやワイルドウルフなどの魔物に襲われた。しかし隠れたるものを暴く物(センサー)がきちっと仕事をしてくれたおかげで、居場所が手に取るようにわかるので流れ作業のように馬車に石を置くだけでサクサクと魔物を狩れていた。

 しかし、この方法は効率が悪い。と言うか面倒くさい。

 一匹倒すのに石を二つも使っている、一々補充する度に真名命名(ネーミング)をかける手間を省きたい。


「ちょっと、改変して見るか」


真名命名(ネーミング) 敵を暴き追撃する(ホーネット)


 日頃真名命名(ネーミング)の練習をしているおかげか、なんなく真名命名(ネーミング)を考え出すことができた。俺の考えでは発見と追撃を一度にしてくれるはずだ。


「ガリウス様は、凄い魔法使いの方なのですね」

 助けた少女が興味津々と言わんばかりに俺の真名命名(ネーミング)を背後から覗きこむように見ている。

ちょ、当たってますよ……。


「魔法を石に込めて置くと、いざというときに魔力枯渇で苦しむことが無くなるからね」

 嘘である、魔力など1ミリも使っていない、真名命名(ネーミング)は名前を付けるだけで良く、コストパフォーマンスは最高なのだ。

 マイラは人懐っこくボディタッチが激しい。胸もかなり大きくさっきからバインバインと当たる。

 胸の大きさが武器だと勘違いしてる娘なのかな? だが残念だったね俺は胸の大きさには少ししか興味がないのだよ。

 俺とマイラが楽しく談笑してると、先ほどの真名を付けた敵を暴き追撃する(ホーネット)が発動した。

 発動した石は分裂して10体のゴブリンの頭を撃ち抜いた。思ったよりも効果がすごくてビックリしたが結果オーライだ。


「凄いです! さすがガリウス様です!!」


 そう言ってマイラは抱きついて喜びを体で表現する。さすがにベタベタしすぎなので軽く注意をして離れさせた。

 結婚前の娘が未婚の男に抱きつくのは童貞殺しなのでやめるように。まあ、それはさておき、取り合えず雑魚に使える技をゲットした。怪我の功名だな。


「そういえば、ガリウス様はレベルはおいくつなのですかな?」

 ボディランゲージが激しい娘をウィルソンは手でそこから動くなと合図をしながら俺のレベルを聞いてくる。まあ、その牽制を無視して俺のとなりに座るから牽制は全く意味がないんだけどね。そんな娘を見てウィルソンはため息をつきネバダはクスクスと笑って微笑ましくマイラを見る。

 俺はそれを見ないふりをして「レベルは調べたことがないんですよ」と答えた。


 普通レベルを知るためには教会に行き、高いお布施を払って鑑定するか鑑定持ちの人に見てもらうしかない。

 どこの村でも教会は小さく鑑定する者もいない。なので大抵は自分のレベルを知らないのが普通である。


 鑑定か……。もしかしたら真名命名(ネーミング)で簡易鑑定とかできないかな?


真名命名(ネーミング) 汝は全てを見通す神眼パーソナルエクスポーズ

 真名命名(ネーミング)したその石を俺の胸元の持ってくると、石が光り灰になると同時に俺のステータスが眼前に映し出された。


名前:ガリウス

LV624

HP7500

MP10000


投擲:S級

剣術:S級

槍術:S級

体術:S級

耐性:S級

etc


 ……問題なく調べられた。と言うかなんだこの数値、普通こんなにステータスって高いものなの?


「ええと、魔法で調べることができたのですが、LV624ですね」


「え? 24ですか?」

 ウィルソンは一瞬驚いたような顔をしたが聞き間違えたような振りで聞き直す。


「624ですね、どの位の強さになるんでしょうかね?」

「ガリウス様も冗談がお上手ですね、さすがに600越えはあり得ませんよ」

「ハハハ、バレましたか冗談です一応128位かな?」

「それでも100越えですか!? 確かにガリウス様の強さならそのくらい強くてもおかしくありませんね」

「100越えは少ないのですか?」

「それなりにいますが大抵は王公貴族や軍に取り立てられますので、護衛するような冒険者で100越えは滅多にいませんね。ガリウス様の若さならエリート街道まっしぐらですな」

 つまり王公貴族につかえる連中はそれなりに高レベルな訳か。ならウィルソンが知らないだけでレベル600台がいてもおかしくないかもな。俺は話を会わせるように愛想笑いをして場を誤魔化した。

「ハハハ、自分は皆さんを送ったら村に戻るつもりですので村人街道まっしぐらですけどね」

「ワハハハまたまたご冗談を、しかしガリウス様はその若さでなぜそこまでお強いのですかな?」

「そうですね、多分月一回ドラゴンと戦ってるからですかね?」

「は? ど、ドラゴンですか? あのあたりにドラゴンなどいましたかな?」

「はい、メルティナと言う名のドラゴンがいますね」

「ふぁっ! メルティナですか!?」

 ウィルソンのあまりの驚きように馬車を引く馬も挙動不審になり馬車が大きく揺れる。

「ちょ、ウィルソンさん?」

「あわわ、すみませんガリウス様が驚かせるもんだから。さすがにあなたでもそれはありえませんよ」

「なぜです?」

「メルティナと言うのは精霊龍でこの世界にマナを満たしている存在、言うなれば神様ですよ。しかも精霊龍(メルティナ)と戦ったものは誰一人として帰ってこないと言われ、精霊龍(メルティナ)が住む山は”帰らずの山”と言われているのですよ」

 たしかにメルティナはアホほど強いけど誰独り帰さないほど狂暴じゃないと思うんだけどな。噂に尾ひれがついて話がおかしくなってるんだろうか?

 その時、すべての敵を暴き追撃する(ホーネット)が作動し一点を貫いた。しかしその一撃は敵を倒すことなく打ち砕かれた。

 そこにいたのは、ゴブリンの進化種であるオーガの最終形態、B・オーガ(ブッティー・オーガ)が仁王立ちしていた。


 B・オーガ(ブッティー・オーガ)の強さは土竜(モグリュウ)(最弱ドラゴン種)に匹敵しうる力を持つ。


「はわわわ」

 馬やウィルソン達親子は奴の持つ威圧感で恐怖のあまり動けなくなっている。


「やるしかないか」

 俺はそう言うと馬車を降り、間髪いれずにポケットから石を取り出しB・オーガ(ブッティー・オーガ)にむかって投げた 。

 石は頭部を狙い打つが、すべて叩き落とされた。

 まあ、まっすぐ飛んでるから少し知能と力があれば叩き落とせるか


 俺は地面に落ちているひのきの棒を拾うと真名命名(ネーミング)を使い真名をつけた。

分裂鞭ノ剣(ヒュドラブレイク)

 ひのきの棒から九つのエネルギーの鞭が伸びそれを敵に向けて放ったB・オーガ(ブッティー・オーガ)は数本の斬撃を避けたが九つからなる鞭の斬撃をすべて避けることは叶わず四肢を吹き飛ばして弾かれるように仰向けに倒れた。

 なかなか動きが早いが精霊龍(メルティナ)に比べたら止まっているようなものだぞ。


「もう少し強くなってから出直してくるんだな。」

 俺はそう言うと腰の長剣を抜きB・オーガ(ブッティー・オーガ)の首をはねた。



+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。