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【野球】

東邦、平成V締め王手だ 吉納、7番降格に発奮、意地の決勝3ラン

2019年4月3日 紙面から

明石商-東邦7回裏東邦2死一、二塁、先制の3ランを放つ吉納=甲子園球場で(松田雄亮撮影)

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 平成元年の優勝校が、平成最後の優勝に王手をかけた。準決勝2試合があり、1989年以来の大会制覇を狙う東邦(愛知)は、明石商(兵庫)に4-2で競り勝ち、決勝進出を決めた。両校無得点で迎えた7回に、7番・吉納(よしのう)翼左翼手(2年)が決勝の3点本塁打を放った。愛知県勢の決勝進出は2005年に優勝した愛工大名電以来、14年ぶり。3日の決勝は、明豊(大分)に6-4で逆転勝ちした習志野(千葉)と対戦する。

 一塁ベースを回ると、拳をグッと握り締めた。0-0の7回2死一、二塁。東邦の吉納が、明石商の2年生エース・中森の直球をとらえた。中堅左に飛んだ打球はグングン伸びて、スタンドに吸い込まれた。高校通算12号の貴重な先制3ランが決勝の一発になった。

 「抜けるかなという感触だったので、入ってうれしかった」。前打者の河合が死球を受け、治療のために試合が一時中断。高ぶっていた頭と体を落ち着かせ、バットを思い切り振り抜いた。

 春日井市の松原中時代は横浜、東海大相模など全国の甲子園常連校から勧誘された左打ちのスラッガー。過去3試合は5番を打ったものの、準々決勝の筑陽学園戦で無安打3三振と結果が出ず、この日は打順を7番に下げられた。

 「ショックだった。きょう打てなかったら、次はないと思っていた」。前夜のミーティングで打順降格を知ると、終了後、バットを手に向かったのは宿舎の屋上。悔しさを振り払うように、素振りを100回繰り返し、本番で結果を出した。

 この勝利で平成最後の優勝に王手をかけるとともに、センバツ通算55勝で中京大中京(愛知)と並ぶ1位タイに浮上。愛知県勢の春夏通算300勝目の記念星にもなった。決勝も勝てば、優勝4度で並んでいる中京大中京を抜き、優勝回数でも、センバツ通算勝利数でも単独トップになる。

 「優勝するために来た。何が何でも優勝する」と森田泰弘監督(59)。決勝翌日の4日は、森田監督の60歳の誕生日。シナリオは出来上がっている。 (麻生和男)

【戦評】東邦は7回に四死球で2死一、二塁とし、吉納の3点本塁打で先制。8回に2点を失いリードは1点となったが、直後に敵失で1点を加えた。石川は8回に本塁打で許した2点のみで完投。明石商の中森は9三振を奪う力投も実らなかった。

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