iPhoneを新しくした。
バックアップでデータを引き継いだが、これがいけなかった。
LINEの引き継ぎの途中、元彼のLINEが一瞬だけ表示された。
ブロック削除してるんだから、LINEもわざわざ表示しなくていいのに。
「おはよう」と一瞬文字が見えた。日付は去年の1月だった。
心臓がバクバクして、呼吸困難になった。
危うく新しいiPhoneを割るところだった。
どこまでも、彼は私の邪魔をするのか。
さすがに八つ当たりだが、またしも泣かされてしまった。
一昨年の正月といったら、まだ付き合いたてで、とてもラブラブだったのだ。
でもラブラブといっても、それも幻だったのだが。
好きだった時間を幻だと思うのはとても悲しいが、振り返った時に幻になってしまうから仕方がない。
「私の好きなとこどこ?」
に対して「顔」と即答した、それが答えだ。
彼は、一年も付き合ったのに私という人間をわかってなかった。
ちっとも中身なんて見てくれていなかった。
私は付き合う前から、彼が私の悪口を言っていたことを知っていた。
付き合う前にちょっとした喧嘩をして、それで書かれてたのを見てしまった。
なんやかんやで付き合ったが、喧嘩する度に悪口をかかれた。
私は、それを黙って見ていた。
Twitterでぶちギレながらも、LINEで怒ってないアピールする彼が分からなかった。
「TwitterとLINE、どっちが本当のことを書いてると思う?」
という問に対して、
「俺はLINEのほうが本当だと思う」
と返ってきたからそれを信じることにした。
だけど、それから喧嘩する度に、悪口ばっかりかかれて、彼に対して不信感を抱いていた。
半年たったある日、とうとう言った。
「書いてたの、見てたよ」と。
それに彼はショックを受けていた。
罰として1ヶ月Twitter禁止令を出した。
彼は禁止令を2週間しか守らなかった。
新しいアカウントを作らせて、鍵をかけさせた。
そうしたら、もう悪口を見ないで済むと思ったから。
でも、やっぱりまた悪口を言われてるのだろうと思うと、悲しくなった。
鍵をかけてから悪口を言ってる言ってないは関係なく、ただ悪口をいっていたという過去は消えないのだとわかった。
私は彼を信頼してなかった。疑っていた。
その時点で、もう二人の関係は終わっていたのだと今ならわかる。
結局半年以上、彼は何を言っても変わらなかった。
変わろうとしなかった。
改善する気はないとすら公言された。
私は、彼から逃げるという思考すらなくなって、ただただ耐えようと思った。
彼の、気持ちがない「結婚しよう」を、本気で捉えて、その言葉に縛られていた。
彼が変われないなら、私が変わるしかないと思った。
だけどやっぱり急には変われないもので、喧嘩は続いた。
いつだって、キレられる理由は理不尽だと思いながら許してきた。
毎回毎回「別れよう」と持ちかけるのも面倒になったし、それで彼を従わせようとするのも自分で嫌になった。
だから私は彼に「もう別れようなんて言わない」と約束した。
私はずっとその約束を守っていた。
喧嘩は相変わらず続いたが、毎回もう別れたい、もう嫌だと友達に愚痴っていた。
ストレスからくる熱と嘔吐が月刊となった。
それぐらい限界だった。
だけど私は約束を破るのが嫌だからか、もしくは意地なのか、付き合うことに固執した。
そのうち、言いたいことが言えなくなった。
会ってる時ぐらい喧嘩したくなかったから、気になっていたこと、全部黙っていた。
でも、そうしたら彼はますます態度がでかくなった。
偉そうになった。
私は、それを横で怯えて見ていた。
外出する時、だんだん無口になってしまう自分がいたことに気づいていた。
男の人を立てるとか立てないとか、たぶん無意識にやっていたが、私は本来こんなのではなかった。
ただ、ひたすらに大人しくなっていた。
彼と出かけるうちに、私は店員さんと喋らないようになった。
会うのも億劫だと思っていたが、やっぱり情なのか会えばそれなりに楽しかった。
けれど、なんとなく、このままではダメだと感じていた。
彼との関係は苦痛だったが、耐えていたら必ず、いつかマシになるのでは……環境がかわったら、私達も変われるのではと思っていた。
だけど、それは無意味だった。
私は色々過ごしていくなかで、彼のことが足枷のように感じることが多くなっていた。
でも、その重みも背負っていくつもりだった。
だけど、頑張る恋愛とか、私だけ変わる恋愛なんて、やっぱりおかしいものだ。
彼はちっとも頑張ってなかったもの。
「人をいじめるやつは大人気ない」と言っていた彼が好きだった。
だけど彼は結局、私のLINEを晒しあげて笑わせるという、いじめをした。
彼は過去の彼さえも、私が好きになった彼もを汚した。
それを見ていられなかった。
好きだった彼はもういなくて、この世に残ったのはただの私の敵だった。
「知らない人を傷つけるな」
と彼の周辺に言われけど、彼らにとってわたしは知らない人ではなかったのだろうか。
私だったらいい、と心の中で思っていたのだろうか。
それとも、見てないと思っていたのだろうか。
もしかしたら、傷つかないと思っていたのだろうか。
それとも傷つけてる行為を自分がしているだなんて、思っていなかったのかもしれない。
彼らのせいで、一人の女が眠剤を必要なほど追い込まれたのに、「傷つけるな」だなんて失笑ものだわ。馬鹿みたい。
こうやって自分のしたことを振り返らずに正義面するやつが大嫌いだ。
まるで、自分は人を傷つけてないみたいに振る舞っている。
こんなことで傷ついた女さん、とでも思ってるんだろう。
人にマイナスな言葉をぶつけておいて「こんなこと」って言っちゃうような精神が羨ましいな。
私にとったら今回のことも「こんなことぐらいで怒らないでよ」なのにな。
でもそれを言ったら怒るんでしょうね。そういうことだよ。
何にもわかってないのだろうな。
見せかけの正義を見てたら反吐が出る。
みんな正義面をして面白がるのに、立場を急に変えたりする。
それを見ていると、思わず変な笑いがでてくる。
変なの変なの。みんな都合が良すぎる。
見ていたら人間不信になりそうだ。
誰もが人間の、一面的な部分しかみずに、面白がって叩いている。
情報を得ずに、未完成な人物像を作り上げて祭りにする。
とっても単純な人達だ。
なのに私という人格がちらっと見えた途端、バツが悪くなったのか黙りだす。
なんなら耳を傾けてくれる、優しいのか単純なのか分からないけど、人間らしい人もいた。
そして集団意識というものは恐ろしい。
彼を擁護していたはずが、彼を見下すようになるなんて。
いや、そもそも、みんなが彼のことを見下していたのかもしれない。
人は人を蹴落とすことが好きなんだなぁと思うとしみじみとする。
こんなことをしておいてだが、わたしは彼がいじめられて欲しいとは思ってない。
彼が嫌われたその果てに孤独があったとして、それはそれでしょうがないことだ。
私には、そんなことどうでも良い。
自分がやられたことを全て返した。
その先のことなんて、私にはどうでも良い。
まぁ表立っていじめることはないが、きっと色々言われてるだろうなぁ、とぐらいは考えはする。
それぐらいのことを、彼はしたと思う。
あまりにも詳細で、しかも、事実が含まれているマイナスな情報を、彼は私に与えすぎたのだ。
やっぱり、人の悪口なんて言うものではない。
今回はあまりにも、大きなことをしすぎたせいで後遺症が酷い。
前進できているのか立ち止まっているのか分からない。
でも、きっと私なら乗り越えられるのだろう。
目的のためなら、なんだってやる私なのだから。やると決めたら、それが正義でなくとも貫き通す私だもの。
本当に、大学の友達にこのことを言わなくてよかった。
何も知らない友人達がいるのは気が楽だ。
巻き込まなくてよかった。
そして知っているのに、ずっと支えると言ってくれる人達がいて、私は本当に幸せだ。
頑張りすぎて心配だったと言われて、思わず泣いてしまった。
私は、ひどいことをしているのに、どうしてそんな優しいことを言えるのだろうか。
こういう優しい人になりたい。
人の痛みがわかる人になりたい。
私が笑っていても、上機嫌でも、彼らは「大丈夫か?」と言ってくれた。
たぶん、きっとわかっていたのだろう。
私もそういうふうになりたい。
明日も多分書くのだろう。
きっと書かなくなった日が始まりだと思う。