幽界の特徴
幽界には引力が働いている
幽界にも上下があって、しかも引力が働いています。物体を投げると、それは放物線を描いて飛んで落下します。これは非常に興味深い事です。なぜなら重力は肉体次元の物理宇宙に偏在する力の一つとされているからです。それが幽界においても働いているということは、もしかしたら幽界は「心の中の世界」で片づけられるものではないのかもしれません。
しかし幽界で空を飛ぶ事はできるのです。人は幽界で引力にあらがう力をもっているようです。また幽界では物体を念力で動かす事ができます。小さくて軽いもの(たとえばお菓子とか)を手を触れずに宙に浮かせる事ができます。ですがそれを自由自在に操れるかというと、なかなかそうもいきません。10センチぐらい浮き上がらせるのがやっとだったりします。なぜ自分の意図に反して10センチしか浮かないのか、なぜ気を抜くとそれは意に反して落下するのか。自分以外の別の力が働いているように見えます。幽界の引力に人はある程度さからえる力をもっていますが、引力から自由になっているわけではないというのは興味深い事です。
幽界には星・月・太陽がある
幽体離脱したときそれが夜ならば幽界も夜、昼なら幽界も昼であるようです。 そして昼間なら太陽がまぶしく輝いていますし、夜なら星や月が輝いていることを確認できます。それらは物質世界で見えるそれらと、だいたい同じものとして見え、太陽はまぶしくて長時間は直視することができません。肉体の目を介さずに、これほど強い光を知覚するというのには驚きです。月は日によって満ち欠けしており、出た日によって月相は異なるようです。
幽界にも天候がある
私が離脱したとき天候はほとんど快晴で真っ青な空が広がっている事が多いです。雲が浮いているときもありますが。最初はいつも晴れなのだと思っていたのですが、まれにですが曇っているときもあります。物質界が雨の日に離脱したのですが、幽界では曇っていました。今のところ雨とか嵐だった事はありません。雷鳴も聞いた事がありません。
幽界の空間はどこか水中を思わせるものがあります。ですが海の中のように視界全体が青みがかるとか、視界が悪く十メートル以上先は見えない時があるというわけではありません。それは通常の大気中と同様、クリアな視界なのです。しかし移動する際に、水中で動くときにそうであるように、わずかに抵抗があるのです。水中ほど強いものではないのですが、粘りけのある空気の中を動いているような感じです。この粘りの強さは日によって違い、ある時はまったく感じないときもあれば、非常に重たくて水中にいるのと大差ないと思える時もあります。
幽界は時間の流れがおかしい
幽界において時間は主観的なものだと思います。非常に長時間離脱していたとしても、戻ってみるとせいぜい5分程度だったり、一瞬のことでも30分くらい離れていたりと不定期です。
ころころと場面が変わってしまう状況では、時系列的に時間を追いかける事もできません。最初は自分の部屋にいても、次の瞬間には知らない場所にいて、また別の場所に移ってしまったりします。部屋にある時計を見るなど無意味な事です。見るたびに違う時間を指していたりするからです。
動物もいる
幽界にはユニコーンやベヘモスといった幻獣のたぐいがうようよしていると思われるかもしれませんが、実際のとこはそのような生き物に遭遇することはまれです。多くはネコや犬やハトやカラスといった、どこにでもいそうな動物ばかりで、なんかつまらないなあと思った事もしばしばです。特にネコは幽体を持っていると言われますが、ネコにかかわらず犬や鳥類とも遭遇したことがあるので、ネコだけが特別というわけでもないようです。ただネコとの遭遇率は、動物の中でも一番高いです。
とはいえたまには変わった生き物に出会う事はあります。足が六本あってたくさんの乳房をもつネコのような生き物。頭は犬だけど胴体が二メートルくらいあり、毛皮のところどころにハゲのあるヘビのような生き物。翼を二対もったへんな鳥。日本ではあまり見かけない巨大な甲虫。などなど。
動物のたぐいは自分から積極的に探した事はありません。離脱したら部屋の中に居座っていたとか、町を散歩していたら野良犬に会ったとかです。
幽界で会う動物たちは興味深いものがあります。時々あるのですが動物が自分の幽体の中に飛び込んできて融合してしまうのです。その瞬間、原始的で野蛮な感情が、一瞬ですがわき起こります。それから性的な興奮を伴います。そして、そのときその動物の内的な意識を一瞬ですが経験します。それはおおよそ人間の理解を超えています。空間認識も色彩に対する意味づけも違いますし、人間には見えないものが彼らには見えていたり。 しかし「セックス」と「食欲」これは共通みたいなんです。笑っちゃいますけど。
植物もある
幽界の動物同様、植物も多くの場合はありきたりの植物ばかりみてきました。ケヤキ、サクラ、キリといった樹木。バラ、タンポポ、ドクダミ、スミレ、ペンペン草、チョウセンアサガオ、ヒマワリ・・・。花の類は花をちぎって香りを嗅いだり、花弁の数や雄しべの数をかぞえたりもしましたが、それがもう実に精巧にできています。どこまでも本物の花と区別がつきません。花粉一粒一粒を見てとることができます。
幽界でみる花は妙に色が鮮やかで、毒々しいほどの色彩を放っていることが多いです。花弁の周囲には薄いスミレ色のオーラが発散しているのがはっきり見てとれるほどで、妙に生命力にあふれています。