【ドラニュース】阿部、王者・広島を絶叫粉砕V打 与田竜ナゴヤ劇勝快幕2019年4月3日 紙面から
本拠地開幕戦は鮮やかな逆転勝ちだった。中日は2日、広島戦(ナゴヤドーム)で3度リードされながら打線が奮起。8回、代打の阿部寿樹内野手(29)が勝ち越し2点適時打で突き放した。与田剛監督(53)の采配もさえて、昨年王者をたたきのめした。 竜党の願いを込めた打球が中前に落ちると、ナゴヤドームに割れんばかりの大歓声が響いた。ベンチからはナインが飛び出し、ヒーローを大声でたたえる。その先で、背番号5が会心の笑顔で左拳を突き上げた。 3度リードされながら追いつき、同点で迎えた8回1死満塁。代打・阿部が試合を決めた。フルカウントからの9球目、豪腕フランスアの153キロ直球に食らい付く。バットを折りながらもフラフラと上がった打球が中前へ落ちた。 「みんながつないでくれたので何とか決めたいと思った。球も速いし角度もある。とにかく当たれという気持ちだった。落ちてくれと思いながら走った」。2ボール1ストライクから4球連続ファウルで粘るなど、執念で勝利をたぐり寄せた。 阿部だけでない。他のナインも奮闘し、次々といいプレーをした。不調のアルモンテに代わって5番・左翼で出場した福田は2回に同点適時二塁打。堂上も適時打を含む2安打。高橋、京田も、素晴らしいプレーを見せた。まさにチーム一丸の勝利となった。 試合前、観戦に訪れた白井オーナーはナインにこう激励していた。「しっかりと役割を果たせるように集中してやりなさい」。そんな声に応えるような集中力を見せて、勝った。 試合を終えた与田監督の声は、かすれていた。「疲れました。ホントに」。第一声でこう話した指揮官は「興奮していたんでしょうね」と言って笑った。興奮しまくり、アドレナリン全開の試合展開だったが、勝ったからこの上なく心地いい。阿部の一打を「バットの先、数ミリといったところに当ててファウルにするなど、執念深さ感じた。こういったところで自信をつけてほしい」とたたえ、「終盤にひっくり返し、見事な守備もあった。全てのプレーが勝ちにつながった。よく頑張ってくれた」と目を細めた。
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