「韓米同盟に問題を生じさせようとしている」「非核化の行き詰まりを打開する」
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、長官候補者2人の就任辞退後最初の大統領府主席・補佐官会議を開催したが、会議の中で最近大きな問題となった人事での混乱については一言も語らなかった。その一方で文大統領は野党や保守陣営に対し「過去に回帰しようとしている」などと批判し「行き詰まりがあれば打開し、道がなければ作っていく」などと述べた。いかなる批判があったとしても、南北交流やトップダウン方式の対北朝鮮交渉を今後も続ける意向を明確にしたのだ。これに対して保守系野党・自由韓国党などは「人事の失敗に対する責任を回避するため、他人のせいにすることで局面の打開を図っている」などと反論した。
会議の冒頭、文大統領は野党に対する批判で口火を切った。文大統領は「韓米同盟に問題を生じさせ、韓半島(朝鮮半島)平和の波を押し返そうとする動きがある」「南北米による対話の努力そのものに反対し、葛藤や対決の過去に押し戻そうとしている」などと述べた。その上で文大統領はこれらの動きについて「国益と韓半島の未来に決してプラスにならない」「対話が始まる前の緊迫した危機的状況をいま一度思い返せば、本当に無責任なことだ」などとも批判した。会議後の会見で尹道漢(ユン・ドハン)国民疎通首席秘書官は「韓米同盟に問題を生じさせようとする報道は実際にあった。事実と異なる報道も多かった」などとコメントした。
文大統領は2回目の米朝首脳会談が始まる前の今年2月11日にも「敵対と紛争の時代が続くことを望む勢力は決して少なくない」と主張した。さらに2月25日には「南北関係と米朝関係の改善について相変わらず快く思わず、足下をすくおうとする人間たちがいる」などと語っていた。
文大統領は今月11日に予定されている韓米首脳会談について「2回目の米朝首脳会談で合意が形成されず、韓半島平和プロセスの進展は一時的に困難な状況となったが、一方で南北米のいずれも過去への回帰は望んでいないという事実もはっきりと確認されている」「今回の訪米は、対話の動力を早期に復活させるための韓米間の努力によって実現したものだ」などと述べた。