釣りキチ三平その後

オフィシャルサイトとの相互リンクで消したものの、読者の「もう一度読みたい」リクエストにつき再掲。

<三平&ユリッペの幸せな日々>

バタン…と玄関のドアがしまった。。

「あ、さんちゃん、おかえり。」

釣りが好きで理科が得意だったこの男、子供の頃は天才釣り少年と呼ばれ、
アユ釣りトーナメントはじめ、ヘラブナ釣り、ブラックバス釣り、キングサーモン大会で優勝、
果てはハワイ・ビルフィッシュトーナメント(ハワイカジキ釣り大会)でも超大物をあげ、
船に乗せられなかった為、サメに食われ優勝を逃すなど伝説を築いてきた。

その天才少年も35歳になり、背広もくたびれた、しがないサラリーマンになっていた。
今では幼馴染のユリッペと結婚し、周りからは「遊びも出来なかった理系」と言われ、
しかし本人はいたって気楽で、ユリッペも三平一筋で遊んだりしていなかった。

只、三平の呼気は酒くさかった。アルコールには目茶目茶弱かったはずだ。

「ユリッペ、ムネがボヨヨォォ~~~ン(触った)」(ウキィーーー)

「いやっ、さんちゃんのエッチ!!!」(前もって言ってくれれば良いのに)

▲世のヲタ連中は「前もって言えば良いんですね!!!」と色めきたったという。

確かに二人とも全然成長していない部分は残っていた。
しかし下手を打ったとしても三平には決めセリフがあり「オラは理系だから」でOKさ。

一般的ではあるが、浮気のケンカも無く平和な家庭といえよう。

「ふぅ、疲れただ。熱い風呂にへえるべ。」

釣りの天才も、げたばきの資本主義である毎日を企業で過ごせば、
以前の覇気も無くなろうというもの。天才肌の芽は潰され職場のためだけに生きる…。
現代ニッポンでは、そうしていないと食っていけないのは明白で、
三平も社会へ出てから現実を受けとめざるを得なかった。

子供の頃からソコソコ釣り好き外人と知り合ってスムーズな英会話もOK、
社会では有用な人材と思われたが、天才的な発想を直ぐする癖が有ったため、
上司から嫌がられて中々出世しなかった。ストレス発散は夫婦でチチクリ合う時ぐらいだ。
そんな状況が長く、腐ってしまい、釣りも当然行けずに欲求不満が溜まりつつあった。

背広をハンガーにかけていたユリッペが、何かを見つけた。

「あなた、何コレ。」

ある店のマッチだった。大概、バレる時はマッチと相場が決まっている。
そんな常識すらも三平は忘れていた。持って帰る時は覚悟が必要だろう。

「ああ、それな、先輩に貰っただ。」

三平は理系らしくセンスのない言い訳をはなったが、これは理系以前の問題だった。
男女問わず都合の悪い嘘つく時は、大概聞いてもないことを自分から言い出すもの。

「その先輩がスケベ男でな、いつもオラはタジタジだったな。ダハハ」

更に追加して話を加えて行く…
しかしマッチ箱には”三平さんへfromエリザベスloveTELXXX”
これでは無理というものだ。

「さんすけ、エッチな店なんか行ってるんじゃねー!!!」

風呂に入ろうとした三平の後ろから、ユリッペの必殺回し蹴りが炸裂した。

もんどりうって倒れる三平。
ユリッペはおしとやかな女性ではあったが、コイ釣りの巻で見事な回し蹴りをはなった様に
運動では男性顔負けの格闘派になっていた。

三平は真面目で覇気が無いと言われているが、実は彼女のせいだったことは秘密である。

PS:ぐれた三平編にしようかなと悩んだ末、今回の記事となりました。
酒場を舞台にしたネタは幾らでも出来てしまうので、止めておきました。
それにしても、夢やロマンで食って行ける世界だったらなぁ…と思う。

<魚紳&愛子の幸せな日々>

魚紳さんは日本釣り行脚を敢行していた時、2mを超える巨ゴイを狙う三日月湖編で登場。
飲ベエでズボラなオヤジ臭い役柄で下手すれば腹が出てそうな勢いだったが、
三平君に出会ってから後に、見る見るうちにスマートなハンサム好青年と変貌し、
大学生物学者の友人など人脈豊富な全てが万能で尚且つ先生役のモテ兄貴に。

愛子ねえちゃんも三日月湖で三平君のボートサポート役として登場。
天才少年であった三平君を一人前の人間として扱い釣り勝負に誘った魚紳さんに
「大人気無いですよ、貴方!!!」と食いつくが最後にはホの字でゴールイン。

さて、サラリーマンの三平が退屈な日々を送っているのとは逆に、
魚紳は弁護士としてある程度の仕事ぶりを発揮していた。

「フフフ、今日は検察と裏打ち合わせが上手く行って良かったぜ。」

魚紳は負けが決まる程の裁判でも、なんとか工夫して刑を軽減する手腕に長けていた。
アメリカナイズされていたのが良かったのだろう。検察との交渉も凄んだりして物怖じしない。
両手を背広のケツポケット(ジーパンなどの後ろのお尻ポケット)に突っ込む癖も残っていた。

弁護士事務所を大都会に構え、依頼も多く来ていたので国選は断れるほどだった。
TV局から「行列の出来る法律事務所」への出演依頼まで来るようになったことで、
将来は約束されたも同然であった。

弁護士の仕事でネガティブな部分は片目というハンデが逆の効力を発揮した。
法廷でサングラスで凄めば半端で無い破壊力を相手に与え、
「外せ」などと言おうものなら「これでもか!!!」と父親に傷つけられた片目を見せて
勝訴へと導いて行った。相手の「ウウッ」という反応を見るたびに決めセリフが出る。

「それが、あなた達の正体なんだよ!!!」

これは正当派とはいえないが、正当派ばかりで物事を語るのは子供過ぎる。
利用出来るものは全て利用する。それが現代ニッポンの寂しい現実である。
魚紳は「悪いな」と心の底では思っていたが…。

退屈な裁判では、突然弁護席のイスの上に立ちあがり、金メダリストも真っ青である必殺
”スーパー切りもみ空中回転”を披露して傍聴席の人々を湧かせる事もあった。

一方、愛子は名前の通り愛情一杯で膝枕が得意、そんな魚紳に尽くしていた。

ここで素晴らしい夫婦生活を営めて居る筈だったが、
子供(女の子)が出来、教育方針に差が出て来て夫婦仲に亀裂が入った。

魚紳教育方針=子供は自然の中でスクスクと育て、下手にいじらず能力を伸ばしてあげたい。
そして、釣りを全て叩き込んで世界中のトーナメントを制覇させたい。

愛子教育方針=理想と現実は別。塾へ通わせ大学まで行かせ大企業又は財務省キャリア。
出来れば学習院あたりで皇族と出会ってラブラブ…など。

魚紳は三平に対して行ったのと同様に、自然に触れ合いながら成長する娘を希望し、
一見すると教育ママ的な愛子と反目しあった。

しかし超現実な愛子をダメと言うなかれ。それが現代ニッポンの宿命だからだ。
与えられたフィールドで全力を尽くさず「社会が悪い」などと逃げてはいけない。
夢で簡単に食って行ける世界であれば彼女もこうはならなかったはずだ。

離婚するなよ…。

<一平じいさん>

生きているのに脳死に至ったと診断ミスされた宇宙戦艦ヤマト初代艦長沖田十三のように、
佐渡先生クラスの医師が一平じいさんを診たらしい。実は一平爺さんは死んでいなかった。

これは困った。

葬式はやってしまっていたし、仲間が多数集まり「もっと釣りしたい。自然を守ろう。」と
国会議事堂へ行進したキッカケを作ってしまったのが爺さんの死。

今更戻れないじゃないか。ゾンビとして「生きてたよ~」と、お茶を濁そうか。
いや、ゾンビはダメだ。睡眠障害で昏睡状態だったとか、無難に軟着陸させねばならない。

実際、多数の読者から講談社へ「生きかえらせて欲しい」という要望が殺到したらしいが、
どうしよう…?矢口高雄は悩んだ……。こういう場合は外伝を多数作るのが手だが。

「ケヘヘ ちげぇねえ」

これが講談社と矢口高雄との確執になったということは誰にも知られていない(嘘)

<他の人々>

一郎君
キャスティング編で安定した成績を収めた魚紳さんの弟子。
彼はクロウト好みなので、そのまま釣具メーカーのフィールドテスターとして活躍した。
テスターの収入は少ないので独身のままだ。

網元
イシダイ編のサポーター役。各所の海釣堀へイシダイの養殖魚を提供することで成功し、
裕福をまっしぐらだったが、魚紳さんのご両親とは長い間懇意の後、些細なことで袂を別れた。
ウツボの画期的調理法を編出し、のちに料理の道へ進んだ。

魚紳さんのご両親
経営する会社の事業が上向き、大企業化して財を成す。
その後、野口英雄もいたロックフェラー財団と業務提携し、医療分野で頭角を現す。
息子・魚紳の目を治してあげたいという心温まる背景があり、やすらかな人生を過ごす。

三平君のお父さん
質実剛健の性格、曲がったことが嫌い、昔かたぎの人物だった。
しかし記憶喪失だった為、知人の住民票を使って数回逮捕された。内緒にしてある。
息子に出会ったものの、また放浪の旅に出て、家族は持てなかったが自由な人生を歩む。

ユリッペのお父さん
相変わらず太った奥さんとともに、元気一杯にお酒を飲み楽しい日々を過ごす。
早く孫が欲しいのだが、ユリッペも三平も子供が出来ないのか心配な今日この頃だ。
おかんはナベをシャモジで叩いて村を巡回する癖があり、時々お巡りさんに目撃される。

まさはる
三平師匠の1番弟子、まさはるは釣りは結局上手くならなかったが、
持ち前の努力でコツコツと勉強したことが大成し、政治家への道に進んだ。
業者の頼み事に対して「私に任せなさい」と見栄を張る癖があった為、良心の呵責に苦しむ。
持病の「てえへん病」(←大変だ~とパニくる)が出て睡魔の国会が混乱した事もあった。

シャークのジン
体罰系のオヤジを持つキャスティング編の三平ライバル。
別れの時、涙を隠しながら海へ飛び込み感動のウェーブを読者へ与えた。
父と子とでレスリングなど新しいジャンルへ進出し、競技成功を収める。
キングサーモン編でも良く似た人物が登場したが、まぁ、そういうものだ。

青いフナの金持ち兄ちゃん
「竿は腕の延長、お前はノベザオで充分」と一平じいさんに言われ、目からウロコと、
ボンクラ息子から正当派に開眼。
ユリッペのオッパイを揉んだ風呂場で三平のミミズと自分のウナギを比較、親しみ易かった。
株に手を出しM&Aで成功するも、最後まで赤字で終わった見かけだけで人生の幕を閉じる。

イシダイ釣りの密漁あんちゃん
磯でサザエを密漁し、高値で売り捌いて遊び呆けようと言う悪者一味のリーダー格。
三平に現場を押さえられ魚紳にシリを引っぱたかれ自尊心を傷つけられる。
なぜか人権擁護団体に所属する闘士へと転身を見せ周囲の仲間を驚かす。

タキタロウのお姉ちゃん
フィッシング競技会ヒロイン選手。魚紳に「実践で来い。教えてやるぜ。」と言われホの字に。
三平に「ぼうや、ルアーを見るのは初めてなの?田舎ッペね」と言い放つ都会ッ子。
後に魚紳と出会う事も実践を教えてもらうこともなく失恋してしまい普通のOLとなる。

タナゴ釣りの外人
小さな大物であるタナゴを三平に教えられ、お返しにフライフィッシングを教える、
魚紳さんが教えるより先に出た師匠。「へい、サンペイボーイ!!!」が口癖。
日本のワビサビを堪能し、小さな大物タナゴで開眼、ミクロの決死圏を製作する。

キングサーモン編のお姉ちゃん
ボートを操らせたら1‐2を争う凄腕の美人。三平君のボートでペアを組んだ。
魚紳に淡い恋心を抱くもスルーされるが、彼女はのちに語った。
「ギョシンから時々電話を頂いたわ。愛子さんと婚約中だったのに、もう、プンプン」

谷地坊主
2mオーバーのイトウを釣る際の北海道のライバル。三平との妙な友情に厚い。
環境保護団体NPOを数個持ち、自然保護NGO代表を兼務し、大変忙しい毎日を過ごすが、
金が底をつき、募金を募集するも集まらずに自己破産。理念と現実にギャップを感じる。
優しさとは何か?を自問する毎日で一生を終える。

キャプテンエイハブ
ハワイ・ビルフィッシュ・トーナメントのライバル船長。巨大カジキを白鯨にたとえ登場。
三平が釣って優勝するならまだしも、サメにかじられた跡で失格となった現実。
生きていた目標を失った為、人生の残りをノンビリ(寂しく)過ごして生涯を終える。

愛子のお父さん
カッパを信じていたお父さんは(三日月湖で)三平君に熱く語っていた。カッパは怖い生物だと。
「ケツから手を入れられ、肝が抜かれるのだぞ!!!」と。実は、オカルト・UMA大好き♪おやじさん。
それゆえ、科学を重んじ、非科学性を排除する法廷弁護士の魚紳とは中々相容れなかったようだ。
いいじゃないか、カッパ居たって。一生涯、酒を飲みながらUMAを語り充実した人生を過ごした。

服部名人
時々出て来た釣り名人。
釣具のTVCMで奥さんとの私生活をネタに出演する。NHKの趣味釣り番組でノウハウを提供中。

「釣りはフナに始まりフナで終わる」の格言通り、
連載最後のほうでヘラブナ大会に参加、探していた父親に会い、
同時に一平じいさんの死を迎え、残りは「自然保護」の大合唱で大団円。

「最後は強引だったネ…」と思われつつも釣りキチ三平は名作のまま終了した。
いや、やむをえない事情ってもんがあったそうでして(嘘)

ところがマンガ不況となり、鉄腕アトムやキューティーハニー、
ガンダムなど古い人気ものを復活せざるを得なくなった業界の昨今。
懐古主義とかで復活を遂げるのもアリであろう。

連載当時とは環境も保護団体の活動も、ブラックバスのキャッチアンドリリース問題など
釣りを取り巻く時代がかなり変わっているだけに、どんな展開で再開していくのか興味深い。

<訂正>

●「三平はミミズではなくてドジョウ、ボンクラ息子はウナギ」でした。
謹んでお詫び致します。(滝川クリステル風)

●こんばんは。滝川クリステルです。
「ていへん病」は「ていへん病」の間違いでした。
謹んでお詫びし訂正させて頂きます。

●みのもんたです、おはようございます。
外人が魚紳より先に教えたのはフライじゃなく毛鉤じゃないのかっ!?
いい加減にしなさいよっ…んっとにもう!!!

作者注:フライとテンカラは同じ毛鉤を使った見た目のタックルが違うだけの差です。
みの氏の指摘は的を射ていないことは、釣り好きなら分かるよね。

おしまい。


ところが、お終いだったはずなのに、この元記事を親UMAサイトにアップして数年後、
待ちかねていた矢口高雄オフィシャルサイトが出来ました。これはヤバイ。

←official 矢口高雄←2002年だったかな。

ファンゆえに早速相互リンクしてもらって、その証拠、
なんとオフィシャルの個人リンク集の2番目に位置してますぜ!!!
1番手は釣りキチ同盟、2番目がウチ。)

しかし、再掲した結果、変な読者が行かないか心配だ……。
BBSにおいて、まず、こういう人がいるでしょう。

「矢口先生、このページ、すごくバカにしています。リンク切られた方が良いのじゃないですか?」

こういう場合、参加しているロムの人が「好きじゃなきゃ書けないでしょ」と返して欲しいス。
⇒直リンク用「釣りキチ三平その後」(釣りのサブサイト)



日本からの援助活動も見逃さないようにしよう。⇒JICA国際協力機構

インドネシア・スマトラ沖 大地震で打上げられた魚達

知人がこの深海調査に参加するという話で、
なにか面白いネタ(=研究結果)が入れば教えてくれるとのこと。
頼むよ、Y氏。途中で外されないように祈ってます。←トモダチ甲斐のないセリフ


ウモッカ協力隊員のカッパ@カッパの南国さんより

本当にご無沙汰しております。

実は、大分前に手に入れた写真なのですが、
すぐに送るのは 不謹慎かな、という思いもありまして、
今まで手元で眠らせて いました。

昨年末の津波後に、岸に打ち上げられていた魚の写真との 事です。
マレーシアのローカルから手に入れました。
(実は2005年の3月から3年間マレーシアで勤務予定です)

私の知識では、この写真がどの程度めずらしい物なのか、
さっぱりわかりませんが、普段目にしない魚がいっぱいです。

使えない物も多いと思うのですが、
手に入れた写真をすべて 送付させて頂きます。

必要ない写真は削除してください。
全部で25枚ほどありますので、2回に分けて送ります。

これをお送り頂いたのは2005年の寒い頃。
その後、数点がネットで見れましたので典型的なものは削除しておきました。

<一覧>

一応、既知の生物は図鑑と照らし合わせて読者さんサイドで探してみてください。
それも楽しいですよ。

多くの出所は知っていますし地震関係無しの深海調査ものが混じってますから
どれがどれだか分ける必要もあります。
出所についてはいつか釣り雑誌に書きますので(NHKへも取材済)よろしくです。













←分類に使うトレーとラベル

















←水族館で類似エビが見れます。

←フグ類はおちょぼ口だがアンコウ類か







←有名な深海魚





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