ウモッカ好き~特別編Part2

木星の衛星エウロパ(英語:ユーロパ)や土星タイタンに生命は居るか?
生物学を使った科学遊び

特別編Part2は秋田大学で惑星科学研究の秋山博士リクエストの
エウロパという木星の月の海に生物が存在できるかどうか
…という超難題。む、難しい!!!


特別編Part2予告(で、出来るかな…)

秋田大学で惑星科学研究の秋山博士日記あり)より

5月末に打ち上げ た小天体探査機”はやぶさ”や2008年頃に打ち上げたいと思っている
月着陸探査 機SELENE-Bなどの計画を進めております。

が、ホントはエウロパという木星の月の海で地球外生命を見つけたかったんですけどね;
”エウロパ魚は氷羊の夢を見るか?” など、お時間のあるときにでも読んでみてください。

▲推測には必読ですネ!(東京大学の文字が)

ちなみにここでの結論は、 ” 光合成の出来ないエウロパ環境では
多量の分子状酸素が存在しないため、炭素の サイクルをまわす酸化剤は
硫化水素等しかないため多細胞生物は無理、単細胞生物のみが発見できる”という物でした。

が、私のこの文章を読んで、林さん(サイトご紹介) とい う日本のSF作家が、
全く同じ条件下で巨大生物?が存在するストーリーを作ってくれました。
これは、もう、びっくり。研究者だからと過信は禁物だと思いまし た。

エウロパ探査を提案したのが1998年で、
このときに日本人が”そういうことはア メリカに任せておけばいいじゃん”等と
言わない国民性なら、もちっと計画も進 められたんですけどね。

さくだいおうさまには、是非独自の科学的視点で”エウロパの生命”に関して
一 筆書いて頂けると嬉しいのですが。

そうすると、日本の惑星探査ももうちょっと 盛り上がるかな?

か、かいかぶりデス。

硫化水素といえば海の科学で紹介しているヘドロ
地球の海でもヘドロ化したらまともな生物は生存していませんから
現実路線で言えばバクテリアがせいぜい…と頭に浮かびます。

いえ、それでは面白くないですからハオリムシ系のイオウ環境であれば
ちゃんとした生物(硫化鉄の足を持つ貝)から進化した
とてつもない怪物が居ても…。モヤモヤ……。抜け道を考えてみます。

でも、設定段階で気が遠くなりそうですから難しいですね…。

<エウロパについて>

画像とデータは同朋舎発行/角川書店発売「分解博物館21」7,400円(税別)より

←木星の衛星(地球で言う月)エウロパ

氷で出来た衛星で、表面は滑らか、水を含んでいる事が分かっています。

ガニメデ、カリスト、イオという他の衛星よりも小さいですけど、木星衛星のビック4。

・ガニメデとカリストは氷で出来ているようで、表面にはクレーターがあります。
同じ氷質衛星でも表面が滑らかなエウロパは液体の水が多い可能性がありますね!!!
・イオは赤色やオレンジ、黄色の斑点があり活火山で出来たイオウ物質と考えられてます。

ちなみにエウロパでも第9番惑星・冥王星より大きいです。
最大の衛星ガニメデは、なんと!!!水星よりも大きいという存在感。
木星の大きさ、衛星の大きさは飛び抜けてますねぇ。

エウロパは月と同じぐらいの大きさ。岩石質の月と違って氷質。これ、ポイントです。
唯一液体の水を持っていそうな天体です。木星からの平均距離67万900km。

<木星について>

←ガリレオ探査機と木星

エウロパの母星となる木星は太陽から5番目の惑星で、太陽系最大です。

直径は地球の約11倍、岩石質のコア(核)の周りに水素とヘリウムを中心とする
ガスで覆われてます。

衛星は上で紹介したガニメデ、カリスト、イオ、エウロパの4つ以外にも沢山あり合計16個。
地球の月ひとつだけとは違い贅沢ですね。自転周期9時間55分。速い!

<天体> 表面温度 コア(核)の温度 大きさ・自転周期 特徴
金星 約480度 ------- 12,103km/243日14分 硫酸の大気が荒れる環境最悪。
地球 約マイナス88度⇒58度 約4,000度 12,756km/23時間56分 液体の水を唯一持つ
------- 約1,500度 3,470km/27日8時間 岩石製、大気無し
火星 約マイナス40度 ------- 6,786km/24時間37分 酸化鉄の砂に覆われた地表
木星 約マイナス120度 約30,000度 142,984km/9時間55分 ガス惑星・衛星16個
エウロパ ------- 数1,000度 3,138km/-------- 水を持っていそうな他天体
天王星 約マイナス210度 約7,000度 5,118km/17時間14分 ガス惑星・横倒しの回転軸
冥王星 約マイナス220度 ------- 2,300km/6日9時間 小さく遠方なので不明多し

上から太陽に近い天体順です。
学生の読者さんの為に表にしてみました(休みのレポートはこれでバッチリだネ)。
-------は、自分で調べて書き込もう!!!
又、後で考察を募集しますので、その際にこの表を役立ててください。


電気羊の夢を見るアンドロイド Harry博士(医学)寡学的考察大全←サイト出来ました!!!


・・・・なるほど!
秋山先生さすがですね.

 Europaで「生命誕生」の条件がクリアーされていれば,
生命が現存する可能性は「極めて高い」と言わざるを得ないようですね.
当然そのためには液体としての「水」の存在が不可欠でしょうが,
ここ(Europa魚は氷羊の夢を見るか?:以下「Europa魚」)にも記載されているように,
それを裏付ける多くの観測結果が得られているのは非常に心強いですね.

 もちろんここで言う「生命」の定義はあくまで「Europa魚」記載の
3条項をもとにするという大前提のでのはなしで,より高度に進化した真核生物,
さらには多細胞生物の存在までは期待すべきではないでしょうが・・・.

 しかし,確かに科学とは,それまでの様々な「観察」・「論理」・「実験」・「考察」・
「再現性の確認」・・・そういったものの積み重ねのもとで構築・発展されてきたわけですが,
時として,それが逆に盲点を作り出すこともあるかと思います.

なにしろ生物(あえてそう言いますが)とは,我々の英知を越えた能力を持っています.

我々がそれを実現するためには,それこそ大規模な実験施設を創らねば成し得ないことを,
微生物あるいは1個の細胞がいとも簡単にやってしまったりもしますし・・・.
今私が食べているブルーベリーマフィンを如何にして消化吸収し,
エネルギーに変換するかを科学的に表現すると,いわゆる「代謝マップ」を使ったそれこそ
とてつもない複雑きわまりない反応式,数式の連続になるわけですが,
「TCAサイクル」さえ忘れかけている私にはそれをすべて記述することなど
ほとんど不可能です.

にもかかわらず,私の肉体(細胞・組織)は,いとも簡単に消化吸収し,
それをエネルギーに(皮下脂肪にかぁ?)変換してくれますものね.

 おっと横道にそれましたが,逆な言い方をすれば,考えられなかったものの発見が,
科学を更に発展させる加速装置となることもあるでしょう.

もしかすると,Europaの特殊環境で独自の進化を遂げた思いもよらぬ高等生物
(といっても「電気羊の夢を見るアンドロイド」を創るほどの高等生物はいないでしょうが)が
発見されても何ら不思議ではない気もしてきますね.

 私個人的には,実に頑強な地球産多細胞生物である「クマムシ」
Europaの海に沈めてどうなるかみてみたい気がしました(笑).
乱文失礼

Harry


先生はご勘弁(^_^; 秋山博士(理学) [URL]

> 秋山先生さすがですね.

先生はご勘弁(^_^; 確かに生徒でもないですが、学生の面倒も見てませんし
4月以降はポスト未定で流浪の民ですから(^_^;

> より高度に進化した真核生物,さらには多細胞生物の存在までは
> 期待すべきではないでしょうが

いえいえ、それがさもあらず(笑)
さくだいおうさまに御紹介して頂いたときに引用して頂いていますが、
http://www.asahi-net.or.jp/~zq9j-hys/SFwork.htm
に書かれています
2002年 7月31日 早川書房 『ウロボロスの波動』という書籍、是非お読みください。

ここにSFマガジン1999年5月号に初掲の『エウロパの龍』が集録されています。
林さんは私と同じ前提条件にたって、それこそ巨大な”龍”が
生息出来る環境を描かれています。
このあたりがSF作家の真骨頂なんだなぁ、と感心させられました。

> 私個人的には,実に頑強な地球産多細胞生物である「クマムシ」を
> Europaの海に沈めてどうなるかみてみたい

火星に向かっている”のぞみ”でも問題になっている様な、
他天体の生物汚染という観点から見るとかなり危険な発言ですね
でも興味在りますが、私もw

”エウロパ魚”はもう数年前の文章なので、現在ではかなり書き直しが
必要となりつつあります。
たとえば私は氷中での生命誕生を最初から考慮していませんが、
現在はこういった低温起源説もまた勢力を盛り返しつつあります。


アメリカが計画している”エウロパオービター”は現在は名前を
”Jupiter's Icy Moons Orbiter"に変えてこうなってるようです
http://www.jpl.nasa.gov/jimo/

これは軌道上から調べますが、IcePickは着陸・潜水探査計画です
http://www.europa-icepick.org/index.shtml

こちらでIcePickの活発なメーリングリストのアーカイブが見れます
http://www.mail-archive.com/europa%40klx.com/

英文テキストのみでうざったいですが、真面目に調べるにはここを
ちまちま読む必要があるようです。私はもう2年ほど読むのを放棄しています(^_^;

現在国内ではエウロパ生命探査の動きは(私の知る限り)大きなものは在りません;
しかし分子レベルで生命発生を考えるという研究は、
日本でも細々とではありますが、しかし着々と重要な研究が
横浜国大・北大他で進められているので、今後世界をリードする
一つの分野になるのかもしれません。

来年だったか、この方面(アストロバイオロジー)の国際会議も
日本(たしか新潟)で予定されているらしいです。

そういえば、(⇒恐竜の科学パート2に水について)で
-2度でも凍らない魚
の話を紹介していますが、
こういった生命の凄い部分を持った生き物が現に居ることもポイントですね。

さぁ、あなたの知識を駆使して推測してみよう。ご意見募集。

太陽系では最も生命が居る可能性が高いエウロパ。
知識を駆使してエウロパに生命体が居る可能性を論じてください。

考察ポイント

水、氷質。

温度(太陽からの距離やヒントの潮汐作用)

酸素を基本とする、又は酸素以外の環境。

生命の中心・光合成って出来るのかな?

20世紀最大の発見・イオウ中心の環境で発展する生命圏がある(海の科学)。

ヒント

表面は凍っていても、コア(核)に近い所なら液体の水の可能性が。
では、その水は海水?淡水?どのような水なのでしょう…。

温度は火山で温められて…(=海の科学・ハオリムシのアレです)。

水や氷が有るということは、木星の引力などにより満ち引き(潮汐作用)が生じるので、
これは地球でも同様ですがエネルギーになります。熱が発生!!!

▲同じ衛星のイオが火山活動が活発なのは引力で起きる潮汐作用のせいでしょう。

太陽光で氷水から水素+酸素が発生し、水素は宇宙空間に飛散するため
酸素だけ残るといいます。希薄では有るけど大気はあるようです。しかも酸素が…。

さぁ、時間のある方は宇宙関係・惑星関係・木星関係のサイトさんを探しまくってみましょう。


オマケ:宇宙の生命体について

よく”宇宙に生命体が居る居ない”の白熱した論議を耳にします。熱いですよね。
もしも居れば(知的生命体は置いておいても)、人類にどうやって役立たせるかの方に
興味が行ってしまいます。

貴重なタンパク源になれば食糧難は解決出来るかもしれないですし、
医療に応用出来るかもしれません。

広大な宇宙空間を地球の生命だけが専有しているのは勿体無いですよね。
シーラカンスのように”陸上の空間を勿体無いと感じて両生類に進化した”ごとく
宇宙にも必ず生命が居ると思えばロマンも最高です。


火星、定説より温暖で湿潤だった?…探査車データ公開

 【ワシントン=笹沢教一】
米航空宇宙局(NASA)や米コーネル大などの研究チームは、
今年1月に火星に着陸した無人探査車オポチュニティーが
最初の3か月間に行った探査データの分析結果を公表した。

 かつての火星には、数十万年にわたって流水や海が存在し、
従来考えられていたよりも温暖で湿潤な環境が存在したという。
3日付の米科学誌サイエンスに掲載される。

 研究チームによると、オポチュニティーが採取した
メリディアニ平原一帯の鉱物や土壌の成分分析で、
かつての火星に存在した海は、塩分が濃い上に酸性度が強かったと判明した。

 この海の底で堆積(たいせき)したと推定される
付近の地層(厚さ約600メートル)には細いしま模様が規則的に残されていた。
しまの一つ一つが火星の1年の季節変化を示した年輪と考えると、
全体で約25万火星年(1火星年は約2年)かかった計算になるという。

 現在の火星の表面は、赤道地域の最高温度が20度以上、
極地域の最低温度が氷点下100度を下回る。
硫化物や鉄分の高い含有量から、地層中の鉱物は氷点下8度以上の環境で
形成されたと推定され、比較的温暖な環境が安定して続いていた証拠とみられている。
(読売新聞) - 2004年12月3日6時38分更新

(Yahoo!NEWS)侵食跡、霧も存在か タイタン地表のカラー画像リンク切れ⇒日本惑星協会のリンクへ

~タイタン(土星衛星)に生命の謎を追う~

宇宙、それは広大な開拓地。宇宙大作戦「スタートレック」、
これは人類史上初の有人探査船エンタープライズ号の
驚異に満ちた物語であった。(ナレーション少し捏造)

いやぁ、好きでした…。

さて、当サイトでは「木星の衛星、エウロパに生命は存在するか?」
というテーマで記事が有りますが(↓)、土星のタイタンも衛星といいながら、
水星よりデッカイという天体です。

タイタンでは原始的な地球をイメージ出来る為、
生命誕生の謎に迫れるか期待が持たれています。

見に行きたいよね~。

残念ながら「宇宙飛行」が難しいのは、そのスピードにある事です。
地球上のスピードというのとはスケールが違いまして、
「等速直線運動」すら研究室内でしか再現できない一般人の感覚において、
新幹線や飛行機を遥かにしのぐスピードの世界が宇宙。

1秒間に何kmなんて遅いほどなので、物質同士の衝突なんて破壊力満点。
小石がぶつかっても宇宙船は簡単に壊れてしまうそうで。


上記リンク先記事やデータを読まれて、掲示板またはメールで下されば有り難いです。
的確な良い理論ばかりでなく少々奇抜でも可ですが、
優秀な記事はサイトへ転載しますので、お待ちしています。



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