身近な貝では、亜種や新種発見が、かなりあります。

鉄のウロコを持つ貝参上!!!

深海に適したもの、岩にくっつくもの、淡水で頑張るもの、
河口・汽水域(海水3分の1)で頑張るもの、巻貝、陸上に出たもの。
貝は本当に色々な所に住んでいます。

金銀パールという3種の宝、その一角のパール(真珠)を作るアコヤガイは有名です。
あとは食卓にのぼるハマグリ、シジミ、アサリ。アサガオと似合うカタツムリ。

高級食材アワビ、茶の間の人気サザエさん。
この辺りが「貝」と聞いて誰もがさっと思い浮かぶ筆頭でしょう。

巻貝が退化したウミウシ類、オウムガイなどまでは当サイトで紹介していますので
一般的にはこれで充分です。

貝というのはあまりにも多い種類ですから専門家以外はサッパリ。
そして貝を調べる学者は、あまりのインパクトの無さ、世間さまの反響の無さに
他の研究をしながら貝を調べているという現状。食卓以外で活躍できる場がありません。

キングオブ地味学者。悲しき存在に光を!!!
(ちなみに他記事にしたキングオブニクも貝類だったが…)

ということで日々他人とのバトルなどで暇を持て余している方々は、
時には図鑑を紐解いて手近な海湖沼河川で貝殻を調べてみると良いです。
多分、十年は暇つぶしが出来ます。貝学者の役にも立ちます。

(友人の学者によると、冗談ではなく真剣に人手もお金も無く困っているそうですよ)

最近の大発見に続け!

今を遡る事20世紀の大発見は海底の温泉の硫黄(イオウ)を利用して
群生しているグループが見つかったことでした。普通は光合成で、二酸化炭素や酸素です。

そのイオウを利用した生物、ハオリムシ…などの生態系があることは、
この科学始まって以来の大発見。まだまだ解明しつつある…という段階です。

ハリオムシハオリムシ君。かごしま水族館にて撮影提供

そのハオリムシを凌駕(りょうが)する生き物が発見された!!!
インドの海底温泉街で「足に金属のウロコを持つ貝」です。

なにそれ?貝の足にウロコがあるの?しかも鉄製???

にわかに信じがたいこの名前、本当に居たという事です。

鱗に覆われた足をもつ貝←Asahi.com(米科学誌サイエンス)より

Asahi.comの記事から=リンク切れにより転載しました

足を覆う硫化鉄の「うろこ」 新種巻貝、インド洋で発見

インド洋中央部の熱水が噴き出している海底から、「うろこ」に覆われた足をもつ新種の巻き貝が見つかった。魚類、爬虫(はちゅう)類など脊椎(せきつい)動物のうろこは、体表保護や乾燥防止が役割。この貝の場合、サザエのフタのようにして捕食者から身を守る効果などがあるらしい。

スウェーデンと米の研究者が7日付の米科学誌サイエンスで発表する。

巻き貝は5センチほどの大きさで、うろこのある足は、ヒラヒラした飾りに覆われているよう。

うろこの主成分は硫化鉄で、体の骨格に硫化鉄を含む生物は初めての発見。硫化鉄は熱水中に豊富に含まれており、巻き貝は独特の環境に適応し、この硫化鉄を利用できるように進化したらしい。DNAや形態の解析から、比較的最近に進化したとみられる。 (11/07 03:02)



探検隊第二派 とくがわさん

とくがわです。お久しぶりです。

深海にすむ生物ってのは、どうしてああ異常な生態なんでしょうね。
今回見つかった貝はすごすぎる…。

硫化鉄そのまま利用するように進化したってのは、
1.硫化鉄の持つ毒性に耐性を持つ
2.それを利用するように進化する
という二段階の過程が必要ですね。

ウモッカも深海にいるからひょっとして鉄のうろこを…
いや妄想です。すいません。


投票いきましたか? 黒のガーターさん

こんにちは。
「硫化鉄のウロコをもつ巻貝」には、みなさま同様オドロキました。
(つーか、元々熱水鉱床に生物がいるのが、オドロキなんですが・・。)

それにしても”硫化鉄”。
記事中に「捕食者から身を守る効果・・」とありますが、そんな生物がいるのでしょうか?
さほど広くもない特殊な環境である熱水鉱床に、5cmの貝を食らう生物が?
それとも、ワザワザ外からこの高温水エリアに来るモノがいるのでしょうか?
(取ってつけた理由?)

私、化学は小学生並みなのでみなさまにお聞きしたいんですが、
普通の海水中でも”硫化鉄”は安定なのですか?化学変化しないのですか?
ヨロシクお願いします。

それにしても、この”貝”。レントゲンにどう写るんだろう?

さくだいおう様、次は「ウモッカ」だ!


やっぱり・・ poyonさん  

世界の珍獣が「よし、一発いってやらな!!」と一念発起・・。
>硫化鉄は有害
ほんとうですか!?でも硫化だし、有害じゃなければおかしいか・・。

貝もとうとう医学に影響する破壊力を身につけた!!!

上でご紹介した「金属中毒にならないのかなぁ~」という読者さんの指摘があるように、
金属と言うのはホンの少しなら我々の血液中でも有用な物質です。
分量が多くなると毒になります。

鉄を体にまとうほど持っていたら、毒が強くて死んでしまうのが一般的な感覚でしょう。
この貝も生物なわけですから、死なないためにどうやって回避しているのでしょうか?

そこから想像を膨らますと面白いです。

方向を変えてみれば金属アレルギー治療法の足がかりをもたらすかもしれません。

現在、金属アレルギー疾患は難度の高い重要な医学課題でありまして
腕時計でも金属反応の低いといわれるチタン製ケースが採用されたり、
細かい部分で、なかなか苦労している難関。

急にアレルギーが出た~という方が原因不明で病院を転々とすることがあります。
原因は歯の治療に使われた金属だったりしした事も。

言われればなるほど!!!この鉄の足を持つ貝くんは応用出来るかもね。

硫化水素のヘドロを無くせたらダイビング・レジャー

この貝が住んでいる海底のイオウ環境については「海の科学」で書いていますが、
正直研究が進んでいるという段階ですから分かっていない事が多いです。

イオウという毒素を利用し、無毒化する生物たちが居るのは事実ですから、
何かに応用できないでしょうか。ちょっと考えてみました。

一般的に馴染みのある”イオウ系”は硫化水素で発生するヘドロです。
特殊な生物たちがイオウを無毒化するシステムを解明し、何らかの科学に応用できれば
工業排水や河口堰などで出来たヘドロを無くすことが可能になるかもしれません。

東京湾、大阪港、名古屋港でダイビングが出来たりするかも。

科学というものは夢があるものです。しみじみ(少々飛躍し過ぎか)。
では、究極の解説を兼ねた掲示板の書き込みをどうぞ。


はじめまして ぴぐもんさん

はじめまして。いつも楽しく拝見しています。私も鉄のウロコと聞き、
TVの前に飛んで行きました。ついにウモッカが!!と。

そういえば伊豆で噴火があったときに、海底の熱水の噴出孔のまわりにも、
種類は不明ですが貝が群がっていた覚えがあります。

どなたかご存知と思いますが、確か硫黄だか、溶岩だかを食べる
プランクトンがいたような・・・この鉄の貝もそんなのを食べて
硫化鉄を取り入れているのかなぁ?などと思ったりもしました。

捕食者から身を守る為と言われていますが・・・そんなものいるのでしょうか?
私は耐熱の為と思いますが、さてどうでしょう。

それにしてもやはり硬いのでしょうね。触ってみたい気がします。
動画も流れたそうですが、残念ながら見逃してしまいました。

本当は自身の遭遇したUMAのカキコをしようと思ったのです
が、つい鉄の貝について書いてしまいました。
次回にまわします。その節は皆さんにいろいろ教えていただきたいと思います。


Re: はじめまして Harry医学博士

その貝とは多分体内に硫黄酸化バクテリアを共生させているシロウリガイのことだと思います。

確かに、世の中には信じられないような生息条件や、食性(?)を呈す微生物が
数多く発見されていますね。いわゆる「極限環境微生物」と呼ばれる仲間です。

およそ生物が棲めそうも無い高温・高圧・無酸素・高酸・高アルカリなどなど
・・・の条件を、どういうわけか好き好んで棲むという微生物群です
(というより、進化したんでしょうが・・・)。

ふた昔(?)前なら、科学者も「ありえん!」などと、思わず声高に叫んでしまうような
妙な生物たちのことです。そういった微生物のつくるもの中には我々人類にとって、
もはや切っても切れないものが多くあります。

ひとつだけ例を挙げると「Thermus aquaticus」という微生物から発見された酵素である
「Taqポリメラーゼ」などがそれです。
これは極々微量のDNAをものすごく増幅させる操作である
PCR(polymerase Chain Reaction)に応用されている酵素です
(ここ数年の理系の学生さんなら生化学などの実習でPCRを
経験している可能性大だと思うのですが)。

この操作ではこの酵素を含んだ反応液の温度を40℃台から94~5℃まで
数十回も繰り返し上げ下げしますが、こんなツライ条件下にさらしても
全く平気な「酵素」です。

この酵素の恩恵を受けているのは医学・生物学・農学・水産学あらゆる分野の
DNA研究ですが、実は我々の身の周りでも既に広く応用されています。
世の中のことに疎い私でも知っているのは、親子鑑定、犯罪捜査、
病原菌やウイルスの検査・・・などなどです。
他にもたくさんあるでしょう。

PCRは極めて重要な変革をDNA研究にもたらしました。
当然、この技術応用を成しえたKary Mullis博士は1993年にノーベル賞をもらっています。
PCRを使う者にとっては「そりゃ当然だわな」という実感を得てしまいます。

もっとも、幾分感度が「よすぎる」嫌いがありますので、注意しないといけないことも多々ありますが。
いずれにしろ、微生物はまだまだこれから、それこそ「信じられない!」能力を携えて、
我々の前にその姿を現し(見えませんが)、我等に多くの有用なる贈り物を
与えてくれることでしょう(って、勝手に利用してしまうだけか)。

ちっぽけでも「UMA」に通ずるものがあるような気がしますね、確かに・・・。
硫化鉄の貝にもバクテリアが共生しているのでしょうかね?それとも・・・!?

Harry

ふとその辺に生えている植物でも、すごく役立つものだったりします。
見る人によって発見できたり、踏み潰されたり。

新世紀に入ってスゴイ生物が見つかりつつありますが、まだまだ地球は不思議。

←そういえば新種のカエルもありました。

写真:たまたま現地に居て「これはスゴイ」と発見したS.D.Biju博士撮影(1998年)。
カエルって4,800種も居るらしいのですが、全ての種に当てはまらなかったそうです。
2003年末に遺伝子調査の結果、1億年前に固定されたタイプとのこと。

4,800種も覚えれません(汗)。


はじめまして、時々サイトの方拝見させていただいています、ENXと申します 。
鉄のウロコの有る貝の記事、非常に面白く読ませていただきました。

そこで、過去に「世界ふしぎ発見」という番組で、 どこかの王侯貴族が航海時代に
珍しい生物を集めた博物館がヨーロッパ(詳しく 覚え ておりません。申し訳ないです)か
何処かにあるそうで、そこに「ウロコの有るイカ」というのが標本として残っている
ということを番組中でやっていた事が有る のを 思い出しました。

何分、かなり昔(おそらく10年ほど前です)に放送したものですので、
自分の 記憶 も曖昧なのですが・・・ ひょっとしたら、その鉄のウロコの貝と
同じような進化を辿った、或いはその貝 の進 化経路の延長に有る
深海のイカなのかもしれないですね。

ちょっと気になったので、メールさせていただきました。
それでは、サイトの方、お忙しいとは思いますが頑張ってください。

ENXさん、情報ありがとうございました。
ウロコのあるイカというお話。記憶のある方、情報下さいな。


はじめまして 「ウロコのあるイカ」については記憶があります。
たしかモナコ水族館の地下の所蔵庫の標本棚にあったと 思います。
引き出し状になっている下のほうの段の棚でした。

番組名は定かではありませんが「世界不思議発見」だったかスペシャル番組だったか。
海洋学者でもあったモナコの王様親子を紹介していた時だったと 記憶しています。

ひげおやじ

まじ、居たんですか…。ひげおやじさん、情報ありがとうございました。

さて、まさにハレー彗星のごとく周期・半年間で巡ってくるワリックさんからの報告、
この超大作を堪能下さい。

お久しぶりです、ワリックで す。
少々今更な感じは否めませんが、流行に乗ってブログなんぞ始 めてみました(笑)
こうしてメールを出すのも、年始のご挨拶以来ですので、
ほと んど半年ぶりになりますね。

何となく生存報告に近いような感 じも…(苦笑) あ、お礼が遅れましたが、
前回取り上げていただいてありがとうご ざいました。

全く想定外のことだったので、正直恥ずかしかっ たです。
あんなことになるなら、もっと校正とかしっかりやっ て、
気の利いた言い回しとかバンバン使っておけばよかった( 笑)

ところで、さくだいおう様はあいかわらずお忙しそうですね。
片付けても片付けても一向に減っていかないどころかどんどん 溜まっていく一方で、
うず高く積み上げられた絶望的な仕事の 量を目の前に、
思わず石川啄木の「一握の砂」の「はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり」
という一節が脳裏をよぎ る―― あたかも数年前の自分の置かれていた環境が思い起こされ、
他 人事ながらご心労お察しいたします。

あの当時は、「『無間地獄』っていうのは、きっとこういうこ とを言うんだろうな」
なんてことを思いながら、ただただ機械 のように坦々と仕事をこなしてましたけど、
ああなるともう「 ぢつと手を見る」しかないっていうのは、本当なんだなと実感 しました。

さて、いや~な気持ちになることうけあいの思い出話はここま でにして、
実は最近思い出したことがあるので聞いていただき たいなと。

今から二十数年前のことです。 当時小学校低学年だったぼくは、
田舎の子どものくせに虫や魚 、爬虫類などに一切触れないという
都会的な繊細さを持った紅 顔の美少年(?)でした。

それを面白がって、虫やカエルなんかを捕まえては、ぼくのと ころに持ってくるという、
いわゆる「ジャイアン」的な輩もい たわけなんですが、
ある時、その「ジャイアン」があり得ない ようなアマガエルを持ってきました。

そのアマガエルは「5本足」だったんです。

右だったか左だったかは覚えていないんですが、そのどちらか のわき腹の辺りから
もう一本前足が出ていたんですね。
その姿 のあまりの気味悪さに、ぼくはその場を走って逃げ出してしま い、
その後そのカエルをどう処理したのかはわからずじまいで すが、
その異形のカエルは「呪いのカエル」としてワリック少 年の心に
長らくトラウマとして刻まれることとなったのでした 。

とまあ、そのわりについ最近まですっかり忘れてたわけなんで すけど、
あれってなんだったんでしょうか。

オタマジャクシからカエルへの成長過程で余分に足が生えてく るなんてことは
ざらにあることなんですかね?
あれ以来「5本足のカエル」についは全く話を聞きませんでし たけど、
ぼくが知らないだけで珍しいことではないのかもなん てことも考えてみたり。

今となっては「不思議なモノを見た」という思い出だけとなっ てしまいましたが、
もしもあの時の「見てはいけないものを見 てしまった」という衝撃と興奮を
忘れることなく大人になって いたら、ぼくもインドへウモッカ を探しに行っちゃうような
『素敵なオトナ』になっていたのか も知れません。

惜しむらくは、あれがカエルじゃなかったらな~(苦笑) ウモッカの行く末も気になりますが、
さくだいおうさんもくれ ぐれもお体にはご配慮くださいますよう。

とりとめもなく長々と失礼いたしました。 ではでは~

この超大作、文章アレルギーの方は、すっ飛ばしだったかな?
カエルの足が5本になる事はありえそうです。双頭のヘビと同じ出現率ぐらいか?



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