空からオタマジャクシや魚が降って来た!?ファフロツキーズ現象の科学解説 |
怪奇…空からオタマジャクシ降ってきた!?2009.6.8石川県七尾市(MSNサンケイNEWS)
数日後には魚までが降ってきた。
BBSで「科学解説するかなぁ~」と書いたものの、スッカリご無沙汰。約束した以上、書かねば。
このニュース、複数の地域で起きたオタマジャクシと魚(フナ)が降って来た事件。
朝になったら「半分砕けたオタマジャクシ」や「綺麗なままのフナ」など、
陸上で移動できない生物達が、車のボンネットや庭、道路に散乱しているという恐ろしい超常現象。
神の怒りが炸裂したのだろうか、こんな恐ろしいことが起きるなんて。
いや、悪戯に違いない。水中に棲んでる生き物が、いろんな場所に出現するんなら当然。
しかも、神ならば全ての地域で起きているはずじゃないか?という意見。
通常じゃない落下物があった際にカッコ良くファフロツキーズ現象と呼ぶらしいが、重要じゃない。
これの理由って、界隈を巡回していないので、解説している相互リンクサイトがあれば申し訳ない、
もしも記事を否定しまくってしまったら、お許し願いたいです。以前は配慮してやったりしてたけど、
もう今はネットの巡回も出来ていないので厳しいです。なんて言い訳を先に書いておきます。
さて、こんな説明が出来そうにないオカルト現象、否、超常現象の場合でも、
当サイトの重要オススメである考え方「食う」「寝る」「エッチ」で分析や推測を行うべきです。
この3つを知らない初心者さんは、サイトを始めから読めば、何回か解説が出てきて、
気が付けば身についてるので、読み飛ばさないように、暇な時に読んで欲しいです。
「食う」「寝る」「エッチ」で分析や推測が必須
生物を考えるとき、この3つを出して考察することにより、解決の糸口が出てくる。
どんな未確認動物だろうと、普通の新種だろうと、人間の殺人事件だろうと、通用する。
言われてから気が付くのじゃなく、自然とこれで解釈と分析を進めれるようにならないとダメだぞ。
そして、どんなTV報道だろうと、解説だろうと、生物学のスキルがあれば、
普通にこの3つを使って考察し、原因を導き解決する。使ってない人は生物学に弱いということ。
雨と共にオタマジャクシと魚(フナ)が降ってきたとすると、他の生き物や野菜なんかは無かったのか?
その種類以外には降ってないか、場所は離れているのか、季節的にはどうなのか、等を調べる。
異次元から降ったとか、空には別世界があり、そこに棲んでる住人だとか、まぁ、色々ありますが、
何が考察に重要かを絞れない人は、この基本科学を自分のものに出来ていないのと、
記憶だけで過ごしている人、分析力が足りないといえるので、しっかりと夏休みに勉強しておこう。
でも、これは大人にも当てはまる。中学・高校の理科が80点とか90点取れなければ、
科学知識が薄いと自覚して、安易にオカルトなどを否定してはいけません。素直に学ぶべし。
1、野菜は降ってきていない。
2、オタマジャクシは半壊や綺麗なものがあった。
3、小魚(フナ)も半壊や綺麗なもの。
4、沼や池と共にゴッソリと持ち上げられた。…という噂があるがどうだろう?
5、大きなコイとか爬虫類カメは見当たらない。
この中で”事実”としてあるのはオタマジャクシと小魚(フナ)。
大きなコイやカメや野菜が含まれてないことに、まずは単純に注目しておきます。
その次に、これらが空気中に上昇していくという絶対的な”物理的”パワーが必要ですから、
何が考えられるでしょうか。頭で直ぐにピックアップしましょう(私も何も見ずにいつも書きます)。
まず今回は、沼や池ごと浮き上がらせる方法は無いでしょうね。ゆえに除外。
野菜の場合は、たまたま荷台から落した八百屋さんの可能性があるので、これも除外しておきます。
1、飛行機・気球など人工的なもの
2、上昇気流(空気が暖められて上昇)竜巻。
3、鳥
4、人の悪戯
5、異次元
6、雲に棲む異界の生物達
ここで、異次元とか、空に棲んでいる幻の連中とかは考えてはいけません。
理由としては、何でもOKに出来るので。宇宙人の操縦しているUFOしかり。
全てピックアップしている基本項目が消えるまでは、現実路線で考察するべきです。
上昇気流はよく言われますが、実は上昇気流は可笑しいです。
まず降ってくる種類が決まっていること。この時点で、沼や池から来たなら、
オタマジャクシだけじゃなく、ザリガニとかドジョウとかもあるはずです。絶対にある。
オタマの親であるカエルがどうして含まれて居なかったのか?
足のあるオタマジャクシは降ってるのに、カエルが無いとはいかに。
カエル、カメ、大きなコイ、ブラックバスのランカーサイズとかは無かったのですから、
全ての同じ体重のものを見境なく持ち上げる上昇気流ではないです。
しかし、小魚のフナは降ってきたとの事ですから、もう一考。
TVで言及してたのは、上昇気流&人の悪戯ぐらい。「不思議ですねぇ」で終わってる筈です。
フナはあっても、大きなコイや大きなブラックバスが降っていないので不思議でしょうが、
やっぱりドジョウやブルーギルなどのバイタリティあふれる種類になっていないのは変。
それを可能にするケースを深く考えてみましょう。
人の悪戯という意見も多いと思うけど、こういった現象で人間のせいにするのはダメです。
またもや何でも可能になってしまうので、人にした時点で頭を使っていない証拠。
まぁ、確かに悪戯は基本的にありますし、そういったものが大きく面白さを歪めたのは事実。
飛行機や気球、悪戯なら車から落したとかを考えても、オタマ魚が降ってきている地域が複数あり、
降った日々が細々違っていることから考えれば、キリがなくなって考えるのも面倒くさいので却下。
そもそも、メリットは無いですから、趣味だったミステリーサークルの人たちが特別なだけ。
結局、残っているのは鳥さんです。頭の中では2-3分で結論に達すれば合格です。
1、鳥のエサとして好まれている種類。オタマジャクシとフナという種類限定はビンゴ。
2、鳥が集団で移動する前に、どこかの沼や池でオタマと小魚を食いまくった。
3、鳥が移動中、何らかにビックリしたせいで、食ったばかりのエサを吐き出した。
4、エサが落下して道路や車のボンネットに。
もうお分かりでしょう。原因の正体は鳥。鳥さんだからこそ、全てが説明できます。
半分砕けたようなオタマジャクシやフナは、消化中のものです。
ちゃんとした形で残っているもの達は、食ってから時間が経ってないものだろうからです。
カエルは水の中でも集団になってないですし、オタマジャクシや小魚フナなら群生。
鵜飼を思い出してください。川鵜という鳥は、アユを食らって鵜匠が咽喉から吐き出させる。
伝統中の伝統の国家公務員の仕事だ。岐阜長良川のみ宮内庁職員だったかな。
他の地域での鵜飼は、県の観光課など職員だったと聞いた(余談だけど)。話を戻そう…
科学的に証明出来るかは、出来ます。発信機をオタマジャクシと小魚に仕掛けて、
今回の落下場所たちから水源を推測、追跡調査をすれば簡単です。
ただ問題は、金が掛かるだけですね。費用対効果では非現実なので悪魔の証明レベルかと。
”専門家”により鳥説は否定されているといった情報もありますが、
例えば、加賀市鴨池観察館「軟らかいオタマジャクシは消化が速く、
原形のまま出てくるのは考えにくい。」としているとのこと。
・・・これは、おかしい。
私の知ってる専門家(理学博士生物学専攻)では、鳥説を否定する人はいないです。
理屈から考えても、消化が早いという理由で、原因から鳥まで外すのは無茶と思える。
加賀市鴨池観察館や、ソレを取材して記事にした新聞社等には悪いけど、
生物学専門じゃない専門家なのでは?
力学的に鳥では持ち上げれない重量級コイが降ってきたならまだしも、コレはダメ。
ちなみに私でも、生物の消化スピードの知識は当然といいますか、あります。
それ前提に考察しているので、当記事に対してのご指摘は、よく読んでからにしてね。
少しだけど雑知識として読者さん向けに書いておきましょう。大サービス♪なんちゃって。
=作者自宅の水槽。アユとサツキマス。
▲研究対象の消化スピードをチェックするのは生態学や行動学の基本ですが…。
30分で餌を消化して排泄するサンマ、寿命は1年。
食ってから8時間で消化するフナは寿命が50年ほど。
「え?フナってそんなに寿命があるの、ウソぉ~」と思った方、
コイの寿命が100年は知ってるよね。それよりもサンマですよ、サンマ。
30分で消化排泄を行うというウルトラ速攻、まさに常に体重を軽くしなければならない鳥並です。
なぜに消化をそんなに急がせるのか?
排泄までの時間が寿命を著しく違えていると考えるのも好いのですが、
身肉の差はあるのでしょうか?アユは年魚として有名ですよね。
サンマとアユの1年寿命共通点はハラワタも美味しく食べれる事。食味は重要。
サンマの腸(わた)が美味いのは、これが理由なのかもしれません。
消化排泄が短いから臭みが残らないといったところでしょうか。アユはコケですが。
魚の体内では化学反応フル稼働で物質の変化が起きています。これは人間も同様。
”サバの生き腐れ”という言葉を聞いた事はディープじゃなくとも知ってる人は多いですよね。
釣っても直ぐに腐ってしまうほど痛みやすいので食べる際は要注意、
保存のため塩締めするのが塩サバ。
サバは死んでからヒスタミンという物質が増大するので食中毒になりやすい。
信じられないほど食材として悪くなる進行スピードが早いのですが、似た傾向の魚種も多いです。
ソウダガツオとかも同じ。
また、こんな投稿メールも着ていた。
「オタマ魚の落下時に無数の鳥が上空を飛ぶのが目撃されれば、原因と認識されたであろう。
そのような記録もないことから、鳥原因の可能性は高くないと考えられる。」
この”鳥説否定”説明も科学的要素に不充分。目撃というのは主観だから。
ネッシーの目撃が多数あっても、物的証拠を探さないといけない同様に、
上空を飛ぶ鳥の目撃が無いからというだけで、鳥説を否定してもいけないです。
このメールってWikiからの引用なのかな? Wikiは間違いがあることを忘れずに(投稿者さんへ)。
夢が壊れましたか?違いますよ。謎なんて一杯あります。
分かる部分と分からない部分をキッチリ判断できる知識、本当の謎というのは、
こういった基本の上にあるので、それが分かるようになれば、めちゃめちゃ面白いものです。
最近では、白いオタマジャクシが異常に多く見つかっていて、しかも、目が黒いものがいる。
このことから、単純にアルビノウ(アルビノ)とは言えない。謎は常に身近にあるのです。
温暖化が実は気象めちゃめっちゃ化なんて解説も、出来ればサクっと身につけるレベルでね。
洪水被害のNEWSが多いけど、記録的降雨を各地で記録してるらしいね。救う側は大変なんだよね。
ゲリラ豪雨とネーミングしてるだけじゃなく、生命を左右するギリギリの場合は知識に依る!!!
そんな基本啓発を視聴率が悪くなろうが、繰り返して放送するなど、もう国策レベルと思う。
夏休み、ガンバロー!!!(私は年中無休だが)
PS:TVで「鳥」と言ってた番組があれば、それを私へ指摘するのは要注意ね。
逆輸入というか、私が番組スタッフに教えたケースだから(たぶん他の学者より早い段階)。
=オタマが降ってきたぞ!!!NEWS
=今度は魚が降ってきたぞ!!!NEWS
餌を直ぐに食べずに木の枝などに引っ掛ける鳥がいます。
モズという鳥で、腹が減ってなくてもカエルやトカゲなどを捕え、保存の為はやにえします。
「はやにえ」というのは木の枝に刺す行為をいいます。獲物をね。
語源は、早い(はやい)+生贄(いけにえ)⇒短縮して”はやにえ”になったのかな?
腹が減ってなくても殺して枝に刺す。大きな鳥さえも獲物対象とします。
枝に刺さった大型鳥を見ても、一般的にモズの仕業とは思えないので「何者の悪戯か!!!」と。
今回は雑記だったのに、オマケ知識が多いな……
表紙