一般に役立つ記事として個人情報やアドバイス記述を大幅削除しました。
突然、余命1カ月と言われたら…
まずは、分かりやすく担当医や他からの助言が予想できる範囲で説明いたします。
<ガンとは>
病気には細菌、ウイルス、化学物質など、様々な要因によって引き起こされますが、ガンだけは特殊な色があります。
人が傷つく⇒治る。
この間に細胞は変化して筋肉になったり、血管になったりします。その分化の途中で何故かストップし、集まっていき、毒をまき散らすのがガンと簡単に解釈ください。すなわち自分の細胞の一種類であり、免疫で退治する異物質ではありません。その異常な途中状態で止まった細胞は、子供のころの記憶があり、大人になってからは排出しない、子供時代の物質を出します。例えば、大腸がんのCEAです。大人になってからは大量に存在しません。そこで早期発見の検診では「腫瘍マーカー」としてCEAを狙って見つけます。普段の治癒で放出されるCEAの量は大人には存在しても少なく、急増していればどこかにガンがあるのではないか?の指標となります。今回の膵臓ガンでは、アミラーゼの上昇があります。そして膵臓のランゲルハンス島(インシュリンと同じような働きをするグルカゴン)の弱体により、血糖値+ヘモグロビンA1cの上昇を伴います。各種ガンには何を放出するかが多く判明しており、成人病検診、人間ドックの血液検査の内容に反映されています。医療機関によって技術差はなく、どこでやっても検査項目次第です。疑いが発見できれば、細胞診などの精密検査をして確定診断とします。
膵臓がん5年生存率
ステージⅠ 41.3 %
ステージⅡ 17.8 %
ステージⅢ 6.4 %
ステージⅣ 1.4 %
ステージⅠ=2㎝以下、手術可能(57%)
ステージⅡ=2㎝以上、手術可能(44%)
ステージⅢ=リンパ節転移など、1部手術可能(24%)
ステージIV(a)=がんがすい臓の周囲の主要な血管や臓器を巻き込んでいる。1部手術可能(11%)
ステージIV(b)=リンパ節や遠くの臓器に転移を認める。1部手術可能(3%)
乳がん5年生存率
ステージⅠ生存率:96.63 %
ステージⅡ生存率:90.93 %
ステージⅢ生存率:72.48 %
ステージⅣ生存率:42.65 %
なおレントゲン、CT、MRIには撮影者としての腕の良し悪しはあります。飲みやすいが写りの悪いバリウム、飲みにくいが写りのいいバリウムなど、2種類のバリウムを混ぜ合わせる加減の腕もあります。
<治療>
こと膵臓ガンを中心に、ガン自体を切り取ることが一番経過がいいです。(切り取らなくて済む場合は、放置でも治ったかもしれない簡単なガンでしょう。)大きい癌が見つかった場合、切り取れるぐらい小さくしてから手術します。小さくするためには、抗がん剤治療、陽粒子治療、重粒子治療があります。粒子治療は効果がありますが、蠕動で動く臓器、それに近く照射しにくい部位、こういう病巣には使用できず且つ高額なので課題です。早期の場合、またはガンが小さい場合だけ、胃カメラ・内視鏡を使用したレーザー切除(喉を通過する際に全身麻酔で昏睡、気づいたときには入院ベット上)や、炭酸ガスを注入して腹部を膨らませカメラやメスなどと一緒にお腹に1~4か所の穴をあけチューブを入れる内腔鏡下手術のように体への負担を軽くできるものがあります。執刀時間は3~7時間。病巣の周りに血管が多く走っている臓器や太った方には腹部切開に切り替えたりして胃の裏にある膵臓まで辿り着く8~12時間級の大手術となります。いずれにせよ、しっかりと全身麻酔で眠り、起きたところで痛みは硬膜外カテーテルで麻酔継続しており、痛みもありません。率先して手術に挑んでください。不安でずるずる延期するより、手術で切り取りが出来るときにするのがお勧めです。なお、手術が第一選択でない早期の前立腺癌や下咽頭ガンなら通院経過観察から入ります。白血病・リンパ腫ならそもそも手術で切除できるものではありませんから最初から化学療法や放射線治療で根治を目指すことになります。
画期的治療法:2011年に新開発された「光免疫療法」。これは近赤外線と薬を合わせて副作用なくガンを撃退する、過去から何の薬と何の線を組み合わせれば効果的なのか、世界各国の医療研究者が探っていたものが絞り込まれてきました。2015年にアメリカで、2018年3月から国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)にて臨床試験が始まったばかりで、実用化されるのはまだ先の話ですが、順調にいけば、2020年東京オリンピックまでに凡その結果が出る模様です。
膵臓ガンの抗がん剤(化学療法に用いられる薬剤)
フォルフィリノックス(FOLFIRINOX) | 一番延命効果が高いが副作用酷く年齢次第で使えない。 承認⇒2013年認可実用化 |
アブラキサン(パクリタキセル改) | 骨髄抑制が発生しやすい⇒血小板減少(出血しやすくなる)2010年7月に承認 |
アブラキサン+ゲムシュタビン | 延命効果高い、年齢次第。仕事継続は不可能。 |
ジェムザール | 体への負担は少ないが効果はやや弱 |
ゲムシュタビン | 体への負担は少ないが効果はやや弱 |
TS-1 | 体への負担は少ないが効果はやや弱 |
エルロチニブ+ゲムシュタビン | 承認⇒2011年認可実用化。副作用がゲムシュタビン単独での使用に比べて強い。 |
ナブパクリタキセル+ゲムシュタビン | FOLFIRINOXより副作用小。実績データ詳細まだ。承認⇒2015年認可実用化 |
ロイコポリン+TS-1 | 実績データ詳細まだ。承認⇒2015年認可実用化 |
抗がん剤の効果なし | 対症療法 |
などがあります。日常生活や仕事をしながらという条件だと、ゲムシュタビン+TS1ぐらいしか選択肢がありません。基本的に患者さんの希望(通院・入院・お仕事)に沿うような形を勘案しながら抗がん剤の種類選択と治療方針が決まっていきます。
★分子標的薬:エルロチニブ(商品名:タルセバ)の表記を統一しました。
<ガンの扱いが難しい理由>
本人を元気にさせる、調子をよくさせるタイプの免疫療法は、ガンがそもそも分化途中で止まっただけの自細胞のため、自分自身とともにガンをも活性化させるケースが多くあります。(民間療法の殆どがこれに当てはまります。)元気いっぱいな子供でもガンにかかることを想像すると理解しやすいかも。ワクチン系「新治療法」が出ては消え、出ては消え、を繰り返す理由でもあります。
<膵臓ガンと周辺:胆のう、肝臓>
膵臓が悪くなると血糖値が上昇することは先の検査のポイントで述べましたが、血糖値が高い=糖尿病=合併症が出ると「アレを直そうとすればコレが悪くなる」というループにはまり込みます。これが医療側として古今東西、大変な悩みどころです。糖尿病だけなら血糖値を下げるインシュリンを投与し続ければ平気なのですが、視力、黄疸など合併症が出ますといい方は悪いですが究極のロールプレイングゲーム、手が出しにくくなり、それゆえに最も強く世界中にて啓発されています。胆のう、すい臓、肝臓は繋がっており、特に十二指腸を介して胆のうとすい臓は密接。結石で胆管と膵管のいずれかが詰まると大変、すぐに手術をして取り除かねばなりません。それほど十二指腸界隈は大切です。腹が痛い⇒その日に入院手術した、という有名パターンの多くがこれです。すい臓がんは十二指腸への膵液の通り道である膵管から発生するものが9割以上、さらに6.5割以上は膵頭部に発生するというデータがあります。膵体尾部なら助かる可能性はやや高い模様。
<遺伝子>
血縁者に配慮することの中には、定期検診において血糖値の上昇を見つけた場合、膵臓も丹念にMRIで角度を変えて見てもらうことをお勧めします。
<アドバイス>
ガンの特性をよく理解して、「効果があった噂話」には慎重にしてください。「実は効果がなかった話」は表に出にくいものです。また第三者には「余計なことは何もしないこと」という治療法もあります。意外と出来ませんが心構えとか、姿勢とかのレベルです。ガンを小さくするための第一歩は病人のストレスフリー、ここからスタートです。
担当医(内科)、担当看護師という直接患者さんと接する機会の多いスタッフと相性などで合わないと感じた場合、決まっているならば執刀医(外科)への相談も可能な場合があります。患者さんの詳細情報であるカルテが閲覧でき、正確なアドバイスができます。
血液検査表を病院からいただいて見ても、普通の方はまったく理解できませんよね?血液検査のデータ変化は、化学療法治療開始から効きやすい場所(大腸・皮膚など)、効きにくい場所(体の奥・骨)、進行の早い肺や胃・遅い胃の表層等々で、治癒と悪化の結果が相殺しながらデータに現れます。
<まず最初に>
私が病院の検診部統括責任者(2Fフロアー長)の職にあったころ、痛切に感じていたのは、年間に数万人の被験者をこなしてこそ、敏感な検査結果の異常に気付くものでした。20年前の話です。今回の検査結果を拝見し、時代、基準値、項目の違いはあるものの、すい臓について見抜きにくい結果であったことが分かりました。それでも肝臓などの機能不全、全般的な血液データの悪化、訴える痛みの症状から、更なる血液検査の項目を追加し、MRI等の検査などでの原因追及が出来る時間はどの医療機関でも充分にあっただろうと悔しく思いました。ここは残念でなりません。また、すい臓がん発見に至る過程。ピロリ菌などの腹痛治療をしていた医療機関の血液データが(もし早期発見できたかどうか知りたいなら)必要となります。こういうものは普通は複写を貰えるものなのですが、貰われてない場合は、第三者的に見ますと信頼性低い医療機関かもしれません。しかし医療機関とのコミュニケーションが上手く取れていなかったのか断定できませんが、ここは話を前向きへ。人間ドックの被験者さんを年間数万人こなしていますと、3か月後に血液検査の結果が、ガラっと変わる方が多々おられました。つまり検診は年に一回ではなく、3カ月に1回が理想、しかし健康保険組合が破綻してしまう、医療に絶対はありません。膵臓ガンでは末期といっても常に全力で治療に取り組むことを願います。
<重視する項目を抜粋してみます。>
以下の項目を参考に「肝」とか「膵」とか検査結果表にマーキングされると多少は意味が読み取りやすくなると思います。ここにあげていないナトリウム値など他項目は把握しなくてもOK、専門家に任して、ご家族の共有知識でこれからも役立つだろうと下記のみ詳細に検査データをご覧ください。★ナトリウム値は病気になると下がりがち。
ビリルビン値 | 肝・胆道系 | |
GOT | さまざまな臓器 | |
GPT | 肝障害 | |
γ-GTP | 肝臓、小腸、膵臓、腎臓 | お酒飲み過ぎでも高 |
アミラーゼ | 膵臓や唾液腺 | |
リパーゼ | 膵臓 | 日赤では実施していない模様★ |
アルカリフォスファターゼ | ほとんどの臓器 | |
CA19-9 | 膵臓用の腫瘍マーカー | 但し経過観察用 |
CEA | 全体系腫瘍マーカー | がん胎児性抗原(子供の記憶を持った癌細胞が出すもの) |
DUPAN-2 | 膵、肝・胆道癌系腫瘍マーカー | 日赤では実施していない模様★ |
血糖値 | 血糖値 | 日赤では「グルコース」のみの項目でやってる模様 |
ヘモグロビンA1c | 糖尿病と密接な関係 | 同上★ |
CRP | 体内にある急性の炎症 | |
ABC検診 | ピロリ菌感染の有無 | 日赤では実施していない模様★ |
血管が複雑に絡んでいる肝臓、すい臓周辺に病巣がありますと、とにもかくにも小さくしないと手が出せませんから、手術まで頑張れるかが焦点になります。すい臓の炎症は部位によってアミラーゼの正常値を示している場合、そこから見抜きにくいのは事実と推察されます。加えてガン入口のCEAの異常も(40とか60ではなく10以下の場合)たいしたことがなく、血液のみのデータ上では膵臓よりも肝臓の方が悪く見えますので、医療機関が痛みの原因を胃に焦点を当てピロリ菌の治療を行う、肝臓等の腫瘍マーカー検査を省略したのだろうというケースが考えられます。私が見たケースでは、すい臓がん自体は7-8年間ぐらいかけて徐々に大きくなり、ようやく日赤でのう胞が見えてきて発見といった感じでしょうか。医療機関にはそれぞれ「こういう項目を検査する」松竹梅コース設定や、大量治癒・治験データから独自の基準値を決めて厳格化しているところがある一方、検査項目を一般健康診断の最小限にしたりとちょっと不安な診療所など様々です。「病気の発見は項目次第、技術差はないです」と時々私は発言しますが、肝心な項目をしなかったがために肝心かなめな発見が遅れることが多々あります。しかし「最低限」をやっていれば法律には触れず、責任も問えません。さて、膵ガン経過観察で良好さを見る「CA19-9」の数値に注目してください。「CA19-9」は即反応しない”にぶい値”の腫瘍マーカーです。これが若干とはいえ下に動いているのは癌治療が効果を上げ、良くなっている兆しといえます。大量にあるので誤差と言われればそれまでですが、希望を持つなら好い材料です。抗がん剤治療も繰り返しますと苦しくなっていきますから、本当につらいと思います。ご家族にも様々な不安や知識的欲求が生じてまります。そのような場合、担当ナースがつきますから、どんどん利用してやってください。入院の話題はなさげでしょうか?病室が空いていないのでしょうかね?食欲がまだあるのは幸いですが、介護する家族の精神力も疲弊していきます。とはいえ、変な民間療法へは決して進まないでください。
ご注意:「まだ数カ月はいけるような調子の良さ」を患者さん本人が感じていたとしても、次の日に急変しないという保証はありません。膵臓ガンは他のガンより特殊イメージです。あっという間に膵臓自身や周辺の臓器を消化してしまいます。その後、多臓器不全、心不全で亡くなる恐れ。なぜ入院しないのか?させないのか?患者さん側と医師側のコミュニケーションが充分取れていれば、細かな不安は払しょくできます。
<第二段階>
今まで注視していた項目に加えて、今後は以下も追いかけて行ってください。
・CPK(クレアチンキナーゼ):内分泌器官~膠原病、甲状腺等……抗原抗体反応への体内の動きみたいなもの。経過観察で使ったりします。
・白血球数:血液中~主にウイルスへの攻撃担当。……風邪などで上昇、多すぎるとご存知、白血病。
・好中球:体液中~ばい菌に対しての攻撃担当。……ケガなどで侵入したばい菌を退治。低いと消費し過ぎの危惧。
・リンパ球:リンパ節やリンパ管~外部物質全般を排除。……外部と触れる体全体からの異物に働き、口や耳のある首、手足付け根に多い。
気になるところは仰られる炎症のCRP値/上昇、続きまして、CKP(クレアチンキナーゼ)/下降、もし体に赤斑が出てきましたら、全身性エリテマトーデス(全身性紅斑性狼瘡)。甲状腺機能低下も若干でます。リウマチなどの膠原病まではないので、次回の検査では数値改善しているかもしれない微妙な数字を示します。同時に起きる白血球/上昇、好中球/下降、リンパ球/上昇は気にします。風邪などのウイルス、ばい菌、外部侵入異物に最も注意します。血小板は下がってきていても、まだまだ標準よりも高い場合は外傷注意です。引き続き脳栓塞ができやすいですから意識障害や皮膚感覚の異常(麻痺や鈍感)があれば直ぐに病院へ行きましょう。うっかりスルーして大変なことが起きることが避けれます。体を休め、バランスの良い栄養のある物を食べ、散歩外出は避けて、この勝負所をクリアーしましょう。勝負どころの時期は大変大切です。思いつく限り全力で”余計な材料(民間療法の類)”の不安要素を排除ください。
Q&A↓
結局、民間療法はどうなのですか?
がんの治療は1-3割負担の保険適用の標準治療オンリーがお勧めです。ただし、先端治療法は保険適応外治療であり、5年後の生存確率は殆ど変わらないデータです。「最先端」には民間療法とともに悪くなるのを手助けする場合があます。先日、雑誌ダイヤモンドががん治療の値段の記事を書いていました。重粒子線治療は約302万円、陽子線治療は約276万円、腫瘍脊椎骨全摘術は約202万円など、高額なイメージがありますが、これらは高度医療と呼ばれるジャンルです。先進医療費の平均は約54万円。治療法がピンからキリまであるからといって、高額だからよいというわけではなく、メディア戦略の一つで編集部や出版社などメディア側の忖度もあり。安全性を担保しない医療技術までも先進医療に認められたりしているのが現状です。先端医療よりも標準医療のほうが長い歴史と安全性に優れています。とはいえリンパに転移している末期ガンの場合、死を待つばかりになるから先端系を選択したくなる気持ちもよく理解できます。しかしながら、それでも垣根があり…例えば
●例:筑波大学付属病院・陽子線医学利用研究センター
1ヵ所に固まったがん細胞をたたくのに効果を発揮。広い範囲にがん細胞がちらばっているケースは原則的に対象外。=すい臓がんだけならまだしもリンパ線と肝臓、他にも広がっていると思われる場合、胃や腸などの蠕動のある臓器の場合は治療できないと申し込んでも断られます。すい臓がんの場合、3-4か月の間、歩くのもままならないほどお腹が痛くて色んな医療機関を受診したことと思います。(私の勤務していた病院の患者さんにも多かった。)見つけるまでが時に長く、善玉菌や悪玉菌、胃腸の問題ばかり検討しがち、倒れて救急車で運ばれるぐらいですら、すい臓に気づかないCTスキャン結果もありました。しかし、この段階ならCTスキャンの位置や幅をアドバイスすることにより早期発見できます。
<まとめ>
がん末期での発見、これは多くの医療現場ですら「仕方がない」と称され、実際、訴訟でも大多数が発見の難しいものは責任が問えない現実があります。早期発見できて完治したなら奇跡的な話となり、名医者と呼ばれます。言い方に工夫して「色んな自称”先端”治療法はガンにはあまり効果がありません」ということを間接的に述べています。
ガンにいいという感じで飲まれている健康食品を分析しました。
結果:事実羅列。引き続き、アドバイス的なもの。
●健康食品 乳酸菌系A(商品名伏せました)
「乳酸菌は小腸」、「ビフィズス菌は大腸」。急に飲み始めた場合、腸内バランスが崩れて体調を悪くさせることがある。特に健康体なら無問題でも、抗生物質などで治療開始の場合は悪い方へ加速させる危惧を持ちます。多くの種類の乳酸菌を摂ることで、女性ホルモンに似た働き(エストロゲンの代謝)を促進、心臓病や糖尿病につながる慢性的な炎症のリスクが減少するなどの一方で、すでに糖尿病などの病気にかかっている人、アレルギー持ちの人、肥満の人は腸内に存在する菌の種類に偏りがあることも分かっており、それを加速させる危険があります。健康な人の場合だけ、様々な種類の菌を摂取する方が毎日の健康づくりに役立つ。最低でも5種の乳酸菌を摂らないと腸内細菌に偏りが出るらしい。例えば、肥満の人には腸内細菌に偏りがあるが、一度偏った腸内細菌はなかなか戻り辛いのにも注意。つまり痩せにくくなるのが普通に理解できる事例です。冒頭で乳酸菌とビフィズス菌の活動場所を示しましたが、更には「有胞子性乳酸菌は十二指腸」…というのもあります。十二指腸の中間付近にはファーター乳頭という胆のう、すい臓に繋がる開口管があり、「この健康食品A」には含まれているので、治療担当医と一緒に治療方針と現疾病状況と突き合わせた方がいいでしょう。
●健康食品 乳酸菌系B(商品名伏せました)
活性酸素と戦うといわれる低分子植物発酵エキスで、活性酸素による身体の酸化(#医学的根拠は微妙)から身を守るとのこと。抗酸化ビタミンや体内で生産される活性酸素消去酵素であるSODと同様の働きをする”SOD様作用”食品。米胚芽・大豆発酵抽出エキスが主成分で、緑茶エキス、植物由来の抗酸化成分、霊芝エキス、サンザシエキスなどの天然成分。普通のサプリメントですから代謝アップはあるでしょう。
ご注意:言い方に工夫して「ガンには効果がありません」ということを間接的に述べました。ガンペプチドワクチン(免疫を高めてがんを克服する免疫療法)は2013年ごろからNHKの特集により一気に世間に広まりましたが、東京大学を中心に25医療機関の新薬”臨床試験”による患者さん追跡調査によって効果がなかったことが報道されています。
インターネット上では未だに最先端として怪しげなものが広がっています。先の光免疫療法と違い名前が似ているだけで全くの別物、くれぐれもご注意ください。
最大限の効果を発揮させるために。
今までの注意点は治療効果が最大限出るように心がけました。しっかりと守られていると思っております。本来の危険な最大時期を超え、急変の可能性が少なくなっている時点、ひとくぎりの「まとめ」を示したいと思います。
1、抗がん剤”効果中”は抵抗力が落ちますので外部の細菌・ウイルスに要注意。(外出を避ける。怪我・内出血や血栓については血小板下降のおかげでクリアー。)
2、栄養のバランスのいい食事をとる。筆頭はカロリーメイト。余計な「健康食品」は避けます。特に乳酸菌、ビフィズス菌など偏らせない。メディアなどにある「必ず治る」みたいなものは癌治療には不要です。
3、理想の環境は清潔、栄養バランスのいい食事、すなわち入院イメージ。家族が行う介護の不要、急変に対する心配の不安軽減を配慮。
4、つけていなければ体温の上昇・下降をチェックしましょう。毎日、定時に計ります。体重もお風呂の前に計ってノートにつけておきます。睡眠時間とか、今後、役立ちます。
5、一般的治療薬と同様に、抗がん剤も利きが悪くなります。慣れるにしたがって利きが悪くなる前に最大限の効果を発揮させたいのがこれまで。従っていれば、今後はパニックになるような特に大きな変化は起きない筈です。
例えば、大腸ガンの場合、どんどん長くなるおトイレを軽く考えないこと。治癒率が高い大腸がんや乳がん、子宮頸がんなどが末期まで進んでしまうのは基本的な知識不足から来ます。抗がん剤効果が上手く来ている場合、担当医を信頼し、注意事項を守り、そのまま進めばきっと良い結果になることでしょう。手術が可能になれば「余命一か月」から随分の進歩、成果です。
一般的によくあった質問
最初のころはさっぱり医師の言っていることが分からなくても、一生懸命に理解しようと努力すれば徐々に分かってきて、それらは一生の財産になります。今はまだ難しそうに思えても頑張って乗り切りましょう。専門用語も多く、知るのに手間と時間はかかりますが、ある期間を過ぎればアラ不思議、看護士はじめ医師や臨床検査技師、薬剤師とも会話が容易にスムーズとなり、相手が知識のない人かどうかもすぐに判別できて、医療側が誤魔化しに入っているかどうかすら、性格も把握できて対応も可能となります。では早いうちに頑張ってマスターしていきましょう!!!
●例えば、愛する人が「余命あと一か月」という衝撃を簡単に受け止めれる人は少なく、医療側もその衝撃を知っているうえに敢えて冷静に距離を取るため、いきすぎて(間違った解釈をして)「冷淡」にみえる対応する医療スタッフが出てきます。患者さん本人が治癒した暁には些細な問題だったと思えるようになれます。まずは周囲も知識をため情報を集めて、冷静な平穏心を心がけて頑張ってまいりましょう。
●肝臓に関する血液データの値など、一つ一つ分かりかけてきますと、詳細に調べる切っ掛けになり、ついひと月前までの自分とは別人になっているほど知識量が増えます。
●腫瘍マーカーには大きく分けて「経過観察用」と「早期発見用」があります。CA19-9は膵臓の炎症反応が収まっても直ぐには減らず、ワンクッション置いて減ったりします。逆もしかりで、その為に早期発見の人間ドックではあまり役には立ちません。経過観察重視です。CEAは早期発見専用で、大腸がんが最も大きな数値をたたき出します。30~60とか半端でないです。検査結果CEAの値はストレートなガン値に比べると大きくないですが、仰られる通りリンパ系の話とも関連していると想像できます。もっと値が大きくなると腸にも入ったかと云々。従いまして、CA19-9は膵臓治癒効果が出ているかもと解釈、CEAは気にするほどではないかも、と解釈。今はこれが(精神的に)妥当かなと思います。
●検査項目を省略している理由。すでに病巣のMRI画像や顕微鏡などを使用した細胞診での「確定検査」を済ましている段階では、血液検査は全てが「経過観察用」になっていっています。DUNPAN-2だけでなく、血糖値・HBa1cという検査ではなく、グルコースのみということからも病気が確定できてしまえば、重複する項目は削っていきます。ただ治療効果の変化を患者さんへ見せるため、初期の検査と同じ項目を継続させるのが理想ですが。依頼して追加金が発生してもOKなら依頼できます。
●医療保険という裏話では、確定診断後は保険が利かない項目が出てきますので、高いから省略する項目が出てくるかもしれません。腫瘍マーカーセットが私の時代は2000-3000円でしたが、東京の中には異様に高額な小項目ボッタクリ人間ドックを見たことがあり、この値段ということが言えません。
●リンパ腺にガン転移が認められている場合、血液検査全般に悪影響が出てしまい、絞り込むのがかなり難しいです。物理的に画像診断するのが医療側の最も早道になっています。家族がする分なら、血液検査の項目を追いかけて、各値が減っていけば、全体の何かが良好に転じてガンが小さくなっていると解釈しても良いと考えられます。
●CRPの炎症値が上がっているのは、気にかけるべきです。体のどこかに炎症が出ればヒットして値が上がっていきますので、あるところが治れば減少、別の部位に出現すれば上昇、このバランスで相殺差が出ます。今の段階では一喜一憂できるという面でも、炎症値は治療方針にも大きく影響します。
●抗がん剤治療が行えると判断している項目は白血球数とCRPです。特にCRP炎症の進行進退状況、白血球数は体内のウイルスや細菌、炎症を抑える増加目安です。ガン治療をするにあたって、ガン細胞はもともと体にある自細胞の一種みたいなものと説明しましたが、体の正常な自細胞全体へも負担を当然かけてしまうというデメリットがあります。必ず体に負担をかけますから、そこそこの状況改善と患者さん本人の体力と病巣画像と様々な目安で決めますので、第三者が把握できる限界は血液検査の前項目あたりです。
●入院はいざという時の対処に最も早く、ホスピス機能、患者さんの中には自殺など多様な行動へも注意し、ご家族の安心感があり負担も軽減できると考えております。また自宅療養も理想的な方法の一つですが、患者さんのミス判断による悪化、最先端医療のズレた流れみたいなものが把握できません。
●ガン手術後のリンパ浮腫について
(今まで出てきたガンの基礎も書いてますので理解しやすいです。過去記事2016年末)
●抗がん剤はとにもかくにも患者さんにとって辛く厳しいロードです。まさしく闘病です。しかも膵臓がんは体の最奥部にあるために抗がん剤が届きにくく、肝臓やリンパ節・リンパ管のガンは減少していっているのに、しんどさや痛みは膵臓発のまま、というようなイメージです。抗がん剤は2クール以降も、休薬期間を置いても、同じような展開で苦しいです。ガンを克服できるか、それまでの体力が保てるか、本当に戦いです。また、すい臓がんは、抗がん剤(数種類あります)の与え方が難しいです。よく効くもの(副作用が強い)、効果小のもの(副作用弱い)、6-7種類を組み合わせて2-3カ月の経過判断で切り替えていきます。投薬できない体力と判断すると症状軽減の処置を施して楽にする方向(ホスピス)へ。
●スティーブ・ジョブズ(の闘病)は民間療法に頼って急速悪化、星野仙一野球監督も膵炎からの膵臓ガン、そして記者会見のあった沖縄知事の翁長氏もすい臓がんの疑いで今月中に入院手術だそう。
●自覚症状が出てから膵臓ガンが発見されると、だいたいが入院、手術、抗がん剤治療に入ります。余命宣告された患者さん本人のメンタル、人生の経験、いろんな思いが交錯し、個性によって様々な行動を見せます。それに振り回されてしまうのが身近な家族です。共依存のごとくまいってしまうので、それを避けるためにホスピス機能のある大病院へ入院するのがベストです。ときどき入院を断る患者さんがいらっしゃいますが、自宅にいたい、病院ではリラックスできない、等、気持ちは理解できます。私はこのパターンではないかと前提で話をしております。
●1か月も過ぎますとかなりきつくなってきています。再度アドバイスするなら、入院のリクエスト。担当看護師に「ご家族から」聞いてみてください。今後の副作用がどのようなものになるのか心配になってきます。基本、同じですが、人によっては、ますます精神的に辛くなります。体が楽な時、ネガティブなことを含め色んなことを思いだします。それが辛くなった際に表面上に出てくるため、言動も辛辣さを増す場合があります。ご家族はそれを承知で対応しているという形ですから、これからしばらくの間で、「限界かも」と感じられたら、入院コースを担当に相談してやってください。
●2クール以降はどのような症状がでるのでしょう?副作用は更に辛くなり、症状も酷くなるのでしょうか?これ以上、倦怠感が増したらどうなるか心配です。⇒体と共に精神もしんどくなっていきます。性格によっては言動の変化はありません。慣れるという感じで上手くいくことを祈るしかないのが現状です。
●食欲もおちてきて、何を食べたいのか、何なら食べれるのか毎回難しいようです。⇒想定内の状況ですから、好き嫌いよりも管理栄養士のいる病院食(つまり入院ですね)、私が現役時の病院では、通院の方には「液体のカロリーメイト」をお勧めしました。以前にもお話ししましたが、栄養が摂れなくなってまいりますと危険です。
●いよいよ髪の毛も抜けてきました。⇒はい。かなりの難関ですから頑張ってください。またいざという時に対応が出来るのならOKですが、車で近所の病院へ運ぶのは大変ですから、入院の心構えをなさってくださいませ。自殺を選択する方もいらっしゃいます。注意しておいてください。(入院して病院の屋上からというのすらあります。)
●検査結果を拝見しますと、炎症も減り、患者さん本人の頑張りが見て取れ、治療効果がはっきり出ています。肝臓やリンパなどのガンは減少傾向かなと感じましたし、膵臓あたりは進行ストップの現状維持になり(効果は微妙に他より遅れて出る)、がん以外では特に鉄欠乏性貧血(女性に多いやつ)が出てきていますので、フラつきなどがあるなぁという原因はコレですね。
●CEAはすでに確定していますので省略、すい臓のCA19-9も反応が鈍いので今回は省略、何はともあれ、炎症値のCRPが下がっていることが嬉しいお知らせとなります。血小板の減少が多いのは、このページにもあげているアブラキサンを使用した合体薬、この頃(2012年ごろ)の抗がん剤が強い骨髄抑制が発生しやすい(⇒血小板減少)印象になっていますので、世間では名残のごとく残っているものかな、と思います。血小板が減少すると出血が止まらなくなるので使用している抗がん剤を変えることになっていました(当時)。
●血小板上昇の原因は脊髄にあった腫瘍でしょうから”血小板増加症”状態、上昇を下げるために将来的にアブラキサンを使うかもしれませんが、体の奥にある膵臓と同様、脊髄にも現在の抗がん剤が届くのが遅いですからこれから改善していくものと考えればいいと思います。
●抗がん剤が効いてきている数字として具体的なのはGOT、GPT、γGTPが良好になりつつあり、血小板も下がってきて、すい臓系を含めた癌細胞が減ってきて各臓器が持ち直して働き始めている印象⇒肝臓、脊髄、リンパ腫系は改善傾向。炎症反応CRPは抗がん剤スタートより一か月、一時休憩かなと思うほど微小変化です。全過去データを並べて眺めてみますと、CRP増加原因は白血球数の増加が絡んでいる場合が多いです。抗がん剤治療の場合、抵抗力が下がりますので、風邪を引かないように屋内での運動にした方がいいかもしれません。
●セカンドオピニオンを受ける際に持ち出していただきたいカルテは、各医療機関のルールがあります。院内相談窓口などに行ってください。
●友人知人に医療関係者がいる場合、担当医に前もって挨拶など引き会わせておいてください。尚、化学療法等の治療が開始される前が理想です。
★CRPの炎症値が上がっている、白血球数は少なすぎると抗がん剤が投与できません。
”早期”膵臓ガンに強い病院一覧
東京大学医学部附属病院
東京大医科学研究所付属病院
東京医科大病院(消化器内科)=国内初ナノナイフによる膵がん治療
山王病院がん局所療法センター(東京都港区)
昭和大学江東豊洲病院(東京都江東区)
都立駒込病院(消化器内科)
東京女子医科大学病院
国立がんセンター中央病院(肝胆膵内科)
杏林大学附属病院(腫瘍内科)
慶応大学医学部附属病院
三井記念病院(東京都千代田区)
北里大学メディカルセンター(埼玉県北本市)
埼玉医大国際医療センター包括的がんセンター(埼玉県日高市)
医療法人社団美心会黒沢病院(群馬県高崎市)
福島県立医大附属病院
国立がんセンター東病院(肝胆膵内科)(千葉県柏市)=2018年3月から光免疫療法の臨床試験スタート
千葉大学医学部附属病院
千葉東病院
千葉県放射線医学総合研究所重粒子線医科学センター病院
千葉徳洲会病院
静岡県立がんセンター
名古屋大学医学部附属病院(消化器外科)
愛知県がんセンター中央病院
名古屋セントラル病院
京都大学医学部附属病院(放射線治療科)
京都第一赤十字病院(病理診断科)
京都第二赤十字病院
大津赤十字病院
金沢大学医学部附属病院
神戸低侵襲がん医療センター
神戸大学医学部附属病院
兵庫県立粒子線医療センター
大阪国際がんセンター
和歌山県立医科大学付属病院
広島大学医学部附属病院
JA尾道総合病院(兵庫県)
下関市立市民病院
札幌医科大付属病院
▲発見されたら43%ぐらいがステージⅣという絶望的ともいわれる膵臓ガンを早期発見するために血眼になって研究しているのが上記に羅列した医療機関たちです。今のところステージⅠで発見できる例は6%にすぎない現実がのしかかってきます。特に膵・肝・胆において早期発見の技術開発や早期治療において創意工夫が公開された実績でピックアップしました。
私の場合、CTスキャンを通常5㎜幅で行っていたところ3㎜幅で行うように指示し、早期発見につなげたことがあります。膵臓周辺にこだわる医療側とそうでない側が乖離していた1997年、中部労災病院(名古屋大系列)でした。また、基本的に各都道府県にある旧帝国大学医学部付属病院はその地域の中核病院なので、最新医療機器や治療レベルは常に高く維持されています。地方の○○病院など市立・企業系・私立系は、その旧帝大医学部付属病院より指導教員が医局員を派遣して相互交流を図り、困難な疾病が発見された場合、行き来を繰り返しても結局中核病院に行くこととなります。そのため最初の診療所や医院・小病院から紹介される時点から旧帝大系列病院の希望を医師に伝えるのが早道となります。残念ながら”早期”以外ですと治療法が限られているため、転院しても治療内容を殆ど変えられないかもしれません。ホスピス専門のような特化した病院も各地域にあります。通院に徹する場合、在宅医療の体制を完全にしなければなりません。
絶望的な膵臓ガンとはいえ中ごろに記述した%をご覧の通り、わずかでも可能性がありますので、その可能性を希望にご家族が先に参らず患者さんをケアしていけることが大切です。
お役立ち
ガンと共に生きる会:患者さん相互の交流組織。
特定非営利活動法人パンキャンジャパン:患者さんらのフォロー組織。
がんの臨床試験:開発されたばかりの新薬の効果を確認するために被験者として患者募集されます。
フォーラム「がんと生きる」1月27日に宮城県・仙台:がん医療の最前線を伝える
京都大学、すい臓がんのメカニズムを解明:ようやく。共同通信|2018年05月26日
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