Yahoo!カテ昇格記念 魚種別編=メジナ1m級を目指せ!!!

私が生まれて初めて大型のメジナを釣ったのは静岡県今切口。
潮流の速い防波堤のポイントで友人のカズオ君とキャンプ道具を揃えて、
黒鯛を釣るまで帰らないぞと夏休みを謳歌していました。エサはイワムシ。

夜、電気ウキが微妙に沈み、退屈していた感じで合わせると上がってこずにノンビリ動く。
そう、典型的な大物とのスタートです。その後、両軸リールから糸はどんどん出るは、
磯竿2号が満月の様になるはで若かった自分は本当に焦りましたね。

今からは想像を絶する太い糸を使っていた為”いなし”などのテクニックもせず取り込めましたが、
42-3cmぐらいだったかな。二人揃ってのドタバタ劇は周囲も巻き込み爆笑物でした。

料理しても包丁で硬いウロコを取るのが大変で、その一匹で刺身から塩焼き、
バター焼き、肉厚も素晴らしく、二人でも充分お腹一杯になった事を覚えてます。

そこで”巨メジナを追う”なんて安いバリバリの煽り文句でタイトルをつけようか思いましたが、
それでは南方系の方々で対象も60cmオーバーになってしまう。
後述しますが30cmちょいで身近では最大級です。

実際、木っ端グレ(子メジナ)はファミリーフィッシングでの楽しいお友達。
防波堤で釣れる25~30cm程度ですら大変な引きが楽しめ、子供なら何が掛かったかビックリ、
大人ですらハッスルしてしまうほどの魅力があります。しかも良く釣れる!!!

一方、荒磯で大型に育ったメジナは強烈な締め込みと中々無くならない体力、
滅法釣れないイシダイ・イシガキダイの代わりに釣具メーカーのトーナメント主催もあり、
クロダイと並んで上級者の心を掴んで話さない主要なターゲットであります。あのおちょぼ口も魅力。
その巨グレを如何に釣り上げるか、周りが釣れてない時こそ釣るを合言葉に、
食う・寝る・エッチ(もとい食性・睡眠・生殖)を駆使して解説してみたいと思います。

メジナの基本

読者さんなら「そんなこと知ってるよ」という事を書いてしまいますが御容赦下さい。
知らない方々にとっては重要ですからね。

メジナには3種類がいて、40cm前後のオキナメジナ、50cm前後のメジナ、70cmのクロメジナ。
オキナメジナは翁=オキナというようにソレ顔っぽいのが特徴、単独で居ることが多く、
メジナはクロメジナより冷水系。
”尾長”と言って沖磯でメインとなっているのがクロメジナで特に静岡以南に多く、
対してメジナを”口太”と言います。図鑑などに出ているcmは平均全長ですから、
尾長も1mにもなる大物が居ないとも限りません(←誇張過ぎ?)6kgを越すものも多いです。
区別は鰓蓋のフチが黒い事、尾びれの先端が長く伸びているかどうかです。

産卵期はメジナ=5月頃、クロメジナ=11月頃。

メジナ類の食性はオキアミを主にゴカイ類から藻類のアオサやミカンなど雑食性で、
特に小動物が多い夏は冬と違って植物性は食べません。
幼魚は流れ藻等に乗って堤防などで群を作ります。
食味は白身で弾力性があり、煮て良し焼いて良しフライよし、冬は特に美味いです。
”根”に潜っている習性があり、釣る際は、撒き餌(コマセ)を敷き浮かせてからが順序です。
日本記録は74cm(1980年長崎県男女群島)←更新されているかもしれません。

似た魚にイスズミ類(関西呼称イズスミ)がいまして、上記3種の亜種レベルではなく、
まったくの別モノでイスズミ科。藻類を多く食しているせいか身に脂が少ない感じ。
大きさも70cmを超えクロメジナに特に似ているので
「おお~っ!!!」⇒「ああ……」式の落胆で楽しめます。

知っていると良いこと

”脳”の発達具合はイシダイ>クロダイ>メジナとサイト内で簡単に紹介していますが
魚影が濃くとも賢さで釣れないイシダイが飛び抜けているだけでメジナの頭が悪いわけではないです。

メジナは色彩感覚はあまりないようでクロダイと同様に色盲と考えています。
あまり目は良くなさそうです。
ノウハウで「目が良くライン5号ぐらいだと見破られる」という記述もありますが、
糸の太さのため、水の抵抗を受けた仕掛けが不自然に動くから食い付かないだけと思いマス。
金属ラインを使用したら楽勝じゃないかしらね。

この魚を飼育して観察できる事柄に警戒心が高い行動があげられます。
根に潜っている習性は水槽内でも本当によく目立ち、
隠れ場として放り込んでいる障害物から他魚を追い出して定位しています。

イシダイやカワハギ、キュウセンベラ、フグなどと混泳させても無問題で仲良くしています。
夜間、メジナはカワハギやベラと共に活性が低いですが、クロメジナは活発で元気、
クロダイやイシダイ並です。夜釣りで大物を狙うのが盛んな理由ですね。

飼育経過のご報告
家に居る「エサ取り君の科学」記事の連中は隠れるどころか以下の慣れっぷり。
そして、ずいぶん大きくなりました。
メジナはイシダイの間にいるやつネ。

=あれから2ヶ月(元気!!!)

30cm以上になると沖へ移動して、各々好みの棲み家を見つけるらしいです。
移動範囲は研究中だそうですが、食事をする場所へ昼間出ていき、夜戻ってくるそうな。
イシダイのように1日10Kmとはいかないまでも。
生態からしても、地磯・堤防では30cmを少し超えるぐらいが最大級といえます。
1万キロの沖磯に行けば幻の1m級が釣れるかもネ。(←まだ書くか…)読者さんの心

いずれにしても堤防や地磯の根に居付いている一匹狼の巨メジナはいるでしょうから、
私が工夫してやってみたものを紹介しましょう。

私が過去に工夫した釣りテク

メジナ釣りは主にウキフカセで行われ”そこに居る魚を撒き餌で寄せる”が基本です。
エサ取りが殺到するので寄せ餌を撒く場所を定期的(適度)にズラして雑魚を避け、
根から浮かせた本命に挿し餌を食わせるのがウキフカセのテク。
ポイントはサラシのある波のヨレ、潮流のぶつかる場。

メジナは群れるし、何処に居るかわからない、
魚影が濃いと大型も小型もエサに早い者勝ちで釣れてきますから、
本命だけをテクニックで抜き出すというのは運といえますし至難の技です。

只、寄せる作業なだけに食い気がない時はお手上げ、
潮のせいにし日が悪かった…これがパターンですが、
潜んでいる巨メジナを攻めることはされていないのが唯一の穴、隙間。

通常の磯竿2号を長いものに替え、リールをスピニングから両軸にし
(両軸リールにすると竿の弾力を生かした操作に集中できる…ような気がする)、
金属ライン釣法に切り替えてみます。
ウキフカセもいっそ止めてしまうと、自然と探る釣りになりますので、それを。
金属ラインは接続方法(編み込み)が大変ですから本でしっかり学んで下さい。

仕掛け図。
実際にやったのは15年ぐらい前で
釣果は確かにありましたけど手間が……。

手持ちが出来る限界の竿を選んでみて下さい。
先調子で穂先は食い込みを考えて柔らかいもの。
釣れなくなった時にやってみては如何でしょう。
(エサ取りの居る時は手返しが間に合いません)

竿=6.3m以上手持ちで出来るだけ長い先調子。
両軸リール又はスピニング
ミチイト6号
ハリス4号
グレ針10号
ガン玉適度
金属ライン4m~5m(編み込みはしっかりと)

糸切りなどで驚かさない限り、エサの付け方や誘い方法など細かい点は配慮不要で、
潮流に合わせて上手く海底の根を探れるかどうかが分かれ目です。
最大の敵は他魚(エサ取り)がいるかどうか、狙ったポイントに棲んでいるかどうかザックバラン。
兎にも角にもイシダイやクロダイのようにボウズばかりが無いのが最大のメリットですネ。

更にオマケ

=薬浴中

これは現在水槽に居る海からの遡上サツキマス(長良川産)。
大きな口でも賢い魚は小さい餌を選んで食う傾向があります。
この魚も、でかいオキアミ餌より、割れた5mm程度のカケラを好んで食べてます。
まさに賢さイシダイ級です。そんな大物たちの食性傾向も機会を得てご紹介。



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