サケ科サケ属の遡上魚・餌食い話 遡上後、サクラマスやサツキマスなどサケ属は胃に消化酵素がない論文が出たそうで、 「エサは食わない説」が定着しました。今でもエサを食わない説は生きていますが、 あくまで噂ですから、少し立ち止まってみましょう。 長良川河口堰問題でサツキマスが餌付けが出来ず全滅かと心配されたころ、 それを受けて私が新聞と雑誌で発表した1994年~1999年の「餌付け・餌食う」記事。 読まれたことのある釣り人は多いでしょうが、今回は更に陸封タイプも入れて 生活史全体像をフォローしながら説明したいと思います。 デジカメで餌食いをタイミングよく撮影も大変で頑張りました。そのスピードに驚きます。  ↑遡上型45cmぐらい:2007年3月(昨年入手・飼育しているもの)失敗中。デジカメはシャッタースピードが遅くて……。 下の写真も1997年食わせている写真です。エサを食っているサツキマスは2匹とも釣ったたもの。 もう元気一杯で若干慣れにくい性格、餌を食う時は異常に速いです。 ↓それぞれ別の個体たちです。  | ←↓過去の個体=遡上48cm(釣った魚)オス とにかくスピードが速いのでデジカメシャッターは難。 左はニコンの一眼レフで撮影したからこそで、 現在のデジカメでは偶然に頼るしかない辛さです。 世間に出たえさ食い写真の記念すべき第一号。 ~1999年にかけて、見た人から驚きの反響は 個人からプロ(機関)まで凄まじいものがありました。 10年近く前です。 餌を食うと言っている人の多くが 私の記事を読まれていると信じたいけど、 多分、伝言~でしょうね。 時が流れるのは早いです。 それから渓流誌には書いてないんですよね。 エサ食い派オリジナル作者の佐久間が 再開初(ボツじゃなければ)~なんてね。 |  |  | ←↓この水槽、高さが45cm。 こちらは別の遡上型(釣った魚)メス。 38~40cmぐらいで綺麗でした。 |  | | 最初、胃に消化酵素が出ていないという論文が出たと書きましたが、実は探しても未発見です。 でも、釣り雑誌で「エサを食わない」と主張されたのですから、根拠の資料があるはずです。 一般の人なら「論文が出たのならしょうがないな」と思われるでしょうが、ちょっと待った。 魚類の胃は消化するだけ、栄養吸収は腸とその入口に陣取る幽門垂(ゆうもんすい)ですが、 いつ消化酵素が無くなるのか、幽門錘は働いていなかったのか、調べてみると不詳でした。 そして、その疑問から、ここ数年に自腹で調査し「ああ、なるほど」と思う件に行き着きました。 ここを読まれている皆さんへ、 今風に考えを巡らし、解り易く、面白おかしく、その件を紹介したいと思います。 たぶん、何年も変わらない”噂”になると思いますから、保存版としてください。 ちなみに、大型研究設備のある実家や大学研究室など本格的な施設もやっていますが、 自宅でも質素な水槽を設置していまして、サツキマスの豪快な食いっぷりをお見せ出来ます。 実際、大学教授など研究者が、わざわざ見に来た事も多く、 毎回、あっという間に時間が過ぎてしまう面白さがあります。 表紙 次へ |