←主役は降海型。 水族館や水産試験場でも飼育不可という遡上サケの仲間達。 現代でも全てが解明されていない謎多き種類です。 氷河時代の解明にも繋がるヒントが眠っています。 身近な小さな謎を解き明かすのも重要です。 (有名にはなりませんケド) 生物学研究というのは最大のネック、世間様がお休みだろうと、 クリスマスだろうと正月だろうと、カップルが青春を満喫している時だろうと、 それらを犠牲にして取り組まなければなりません。 ああ、ブルー。 ボクサーは日本チャンピオン以上にならないと食っていけないと言われますが、 地道な研究者はもっと厳しいです。 新聞に載る程度が最上級。 これが日本で優秀な研究者が育たない理由じゃないかな。 そして!!! 以下の記事、知らない人には何処が凄いのか サッパリ分かってもらえないのが辛いところです(笑) わらいじゃない(涙)っす。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 月ロケットやスペースシャトルを飛ばす基本の理屈は 高校の物理や数学を知ればソコソコOKですが、 実際に飛ばすとなると大変難しいのが現実。 理論・理屈と実践は違うほどのもの。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 何かを研究し導くためには相当幅広い科学知識が必要で、 今回は科学と言っても薬学、解剖学、生態学…などが必須。 しかも月ロケットほどでは無いけど、お金がすこぶる掛かります。 それを自腹程度の金銭で成し遂げたのだったら貴方はどう思うでしょう? 工夫する事で何かが出来るのであれば夢が広がりませんか? この研究実績は、そんな夢が現実にある…ということも感じてください。 研究して何かを見つけた時の楽しさ。 これは格別ですよ!!! (最後に悲喜劇が待っているのだけどね) では、行ってみよう!!! ←これは陸封型30cmちょっと。 ←見たことはあるかな?渓流の女王 ←赤い点々が見分けるコツ ←釣ったサツキ(35cm) 主役は↑。私が釣ったものです。同じ魚なのに、輝きが銀色でサケみたいな顔つきに… 世界最南端のトッテモ珍しいサケが日本にいるぞ!!! | 「幻の魚」イトウよりも生息の幅が少ないサカナ。 世界中で日本にしか住んでいないという超貴重なサケです。 北海道や東北に登ってくるサケたち。 有名ですね。 でも南のほう…、関東や名古屋、大阪、四国などにも サケはほんの極僅かですが登っています。 ただし、北海道などのサケではありません。 別の種類です。 日本に世界最南端の貴重なサケが居る!!! | わたしは夢ばかり追っているわけではありません。 研究家として、お金にはならないですけど、じみ~な研究もしています。 かなり前の記事で恐縮ですが、作者がある謎を解き明かした例です。 熱き・若き作者の墓標!じゃなくて、金字塔!! ←これがイトウよりも”幻の魚”降海型メス38cm その前に、これを読んでおかないと話がサッパリですので、読んでくださいネ。 川に戻ってきたサケ科サケ属は、産卵が目的なのでエサを食わない | 知られざる大論争 ←小さいが30cm超のアマゴ(陸封型) 以前、川に戻ってきたサケはエサを食う食わないで大論争がありました。 多くの渓流釣り研究会、水産・生物学者が中心でした。 エサを食う派主張は ・釣れるのだから、えさは食う というものでした。単純明快、もっともです。 エサを食わない派は ・消化酵素が働いていない論文が出ている。 ・体重が川へ入ってから産卵までで3分の2になる。 ・大学・水産試験場、水族館などの専門機関でエサ付けが出来なかった。 というものでした。 例:渓流倶楽部2(関西廣済堂出版)  ↑胃袋内の内容物には、エサと認識できるものは無かった。と書いてありますが、 論争が長引いたのは、両者とも決定的なものが無かったからです。 しかし、専門機関でエ付けが出来なかった事でエサを食わないという意見が優勢でした。 そして、消化酵素が働いていない駄目押し論文が出て、エサを食う派は撃沈。 学者の意見には、素人では太刀打ちできません。 釣り人たちはじめ、エサを食う派は黙るしかありませんでした。  ↑まだ燻る(くすぶる)エサを食う派の少数達にたたみかけるように 「エサを食う証拠を付きつけられたら、腹を切る!!」的な、とっても強烈な 「エサを食わない宣言」まで釣り人から出てくるほどになりました。 そして、一般の図鑑なども「食わない」と書かれるようになりました。 例:「魚 淡水編」桜井淳史著・山と渓谷社  海に降りたサケ科サケ属は、産卵の為に生まれた川に戻ってきます。 現在では、ほとんどの図鑑などで「エサを食わない」と解説されています。 釣り雑誌を始め、「エサを食わない」で統一されました…。 | さて、ここで作者の絡む事件が起こりました。 ←渓流で大物といわれるものの1.5倍以上になる魚。 絶滅の危機! 世界中で唯一の自然繁殖大河川の長良川でサツキマスが絶滅!? 木曽川も揖斐川、淀川も既に漁獲できなくなっている! 最後の砦の長良川に河口堰が。絶滅秒読み!!(当時) | 関東以北では、亜種のサクラマス(ヤマメ)がいますが、他国でも生息しています。 サツキマスは世界最南端サケ科記録魚の西日本特産。 そんな貴重な魚を絶滅させたら…という日本の文化レベルが他の国々と 肩を並べられるかどうかが問われていた件です。 出来ればマスコミもこう言うところまでツッコんでニュースにして頂きたかったです。 なんとか生き残らせる事を考えたいが…。手段が無い…。 上で説明した通り、エサも食わないんだから。 ↓ 大学や水産試験場など専門機関が餌付けにやはり成功できず、 学者の論文が(サツキマスも)消化酵素が働いていないと駄目押し。 ↓ やはり絶滅するのか? ↓ エサを食わせている写真を引っさげて、筆者が登場!! ↓2件とも読売新聞社(中部)より執筆者として掲載許可済 ←1998年10月13日・48cmがエサを食う!!! 3年間の研究の後で数10例以上のエ付けをサツキマスで成功できました。 秋を越えたら死亡する致死遺伝子の発動も日照時間と薬品でなんとか防止。 これで、いざと言う時は絶滅は免れる! ★当時”世界初”の成功事例らしいです。 (学説を覆したのですから当然といえば当然ですが…) <体重が減る理由> 海と違って、えさの絶対数が比較にならない渓流で産卵まで過ごすわけですから 必然的に体重が減っても不思議ではないと思う。餌を食べていても…である。 北海道のサケなんて、川を覆い尽くすほど登ってきます。餌が食べられない魚も 多いはずでしょうから、解剖したら胃に何も入っていなくても有り得る事でしょうねぇ。 <消化酵素が無いとされた理由> 論文をシッカリ読んでいないので間違っているかもしれませんが、 食うか食わないかの論争に終止符を打たないといけなかったから理由をつけた(後つけ)のじゃないかと…。 現在のサツキマスは? 当サイトをしっかりお読みになられていらっしゃる読者さんは、お気づきかもしれませんネ。 河口堰の上流側を、海と勘違いして湖沼型のサケ類となって小型ですが、遡上しています。 重要な誤解の注意: サケ科といっても、幅広く居ます。 遡上しても餌を食い、産卵しても死なないニジマス属、イトウ属、イワナ属は別の種類です。 詳しくはサケ科分類表を作っていますので、そこを見てください。目からウロコの何たるかがあります。 一昔前の渓流危機で、ヤマメ(アクラマス)やアマゴ(サツキマス)がやばいという状況で、 輸入され養殖された外来魚であるニジマスは上手く流通することができました。 高めの水温にも対応する、さすが屈強を誇る欧米の魚。 「マスの養殖なんて昔からできてる」という方は、たとえ専門家でもいますので注意ください。 これは100%ニジマスを指して言ってるので、サケマスのジャンルでは素人の方です。 少しの専門がズレると素人当然というのは記事によく書いていることですが、 いくら最高位の「教授」とかでも、間違って説明したりすることはしょっちゅうあります。 多くは少し専門がズレている時に起こりがちです。 それほど専門が細分化された現代のデメリットです。 | まぁ、だから「知識」というのは逆に(現代は)広がり難くなってるんですけどね(笑↑ アマゴ、ヤマメ、イワナ、なぜ”海に降りる子と、降りない子”が出現するのか | 上のサカナ達、海に降りるものと川で幼魚のまま生きるものがいます。 降海型と陸封型って、どうして分かれるのでしょう? これは簡単そうで、かなり難しい謎でした。 色々な説がありまして断定できていませんでした。 ↓ 分かれる原因の説としては殆どが研究所の推測で 自然系のTV番組ではソレを元に作られていまして、 オス・メスの差、温度、水質、日照時間などなどでした。 海に降りるのはメスが多い事からオスメスの差が第1の説でした。 第2の説は温度。南へ行くと陸封型ばかりだったからです。 しかし決定打がありませんでした。 ↓ ←1999年発表 私の行った約90例の実験では陸封型のアマゴが死にかけると 高確率で降海型サツキマスの子(シラメ)に!!!青色色彩刺激以外でも起きるとは何故か? 前ページに出した実験とともに新聞のカラーを飾りました。 現在は、この理屈でマスコミは統一されているようです。私が解明したんですぜ。(信じられないよ~ どうやら、中部地方は水温が微妙に高いので、エサが食べれなかったり 何らかの理由も入れて死にかけ、それが海へ降りる最大因子となったと推測できました。 水温が高いか低いか。両方出現する理由が判明した瞬間です。 すべて降海型か陸封型かに偏れば、こんなに疑問は出なかったのだと思いますが、 サケ科って面白いです。 超マイナーな、いや、超マニアックで誰も知らないけど凄い発見…と自分で慰めた(笑) この実験は研究者が壁にぶつかる”ある難しい理由”がありましたので、 なかなか定理らしいものが導き出しにくかったです。 (その”ある難しい理由”は説明が教科書になるので省略) ちなみに海に降りるのはメスばかりと言われていましたが、オスも相当数が海に降りていました。 ←こいつはオスです。 実はウッカリある薬品を規定量の数倍を与えてしまい、死にかけてしまったものがシラメに! 裏話を言いますと、こんな情けないきっかけだったのです。 オマケ=イワナは、降海型なりにくかったです。 ヤマメとかアマゴよりも水温の低さを要求するようです。 普通なら学者が「消化酵素も働いていない」とした時点で諦めてしまうでしょう。 人間の能力は無限です。無駄に使うも、有効に使うもあなた次第。 誰でも知識さえあれば何とでも言えます。しかし行動を伴わせるのは大変難しい。 南限のサケって「ドラード(ドラド)」じゃないですか!? ←黄金の河の虎・ドラド 週間釣りサンデー「さかな大図鑑」P412の写真より↑ ドラド(ドラード)という魚は、ルアーマンやアクアリストの中では、 わりとメジャーな存在で有名、南米パラグアイ、 ブラジルのパラナ地方の川に生息しているサケにそっくりな魚です。 似てはいても種類は違いましてカラシン科です。 大きさは70cm-100cm。 カラシンの仲間に有名なものではピラニアがいます。 そしてカラシンにはサケと同じようにアブラビレがあります。 北半球はコイ科、南半球はカラシン科が制覇しているかのように 幅広い分布を誇っています。見事に分かれています。 ドラドは体が細長く形がサケに似ているので 「南のサケ」とアクアリウム雑誌やTV番組で紹介されました。 そのせいか「南限のサケはドラドじゃないでしょうか?」と 数多くのご指摘を頂戴しました。 マスコミさん先入観植え過ぎでんがな。 南限のサケはサツキマスで間違いありません。 (新種のサケが見つからない限り) ちなみに私はドラドを飼育したことがありましたが、 ウロコの具合など全く異なりました。 水質変化や温度変化に強く、悪食で大食漢、 見る見るうちに育って行きエサと間違えて指に食らいつくし、 いや、サケよりも遥かに強靭な魚…。 ところでドラドってサケと同じように海へ降りて渓流で産卵したり、 生活史も似ているのかな? (←ココも重要) 「南限サケ=暖かい限界はドラドじゃないですか?」と質問するなら ソレぐらいは調べてくださらないとイケマセンぞ。 ドラドの学名=Salminus maxilliosus.(Castelnau) ▲海に降りない様です(byTOFさん) サクラマス(ヤマメ)じゃないですか?台湾にもいるし… なんだか多く来たクレームです。 ”質問”じゃなく”クレーム”という表現が多くて閉口してしまったのですが、 なぜ、どうしてヤマメ(サクラマス)にしたがる人が多いのかなぁ? 確かに海外にもヤマメは居ます。 だから日本だけしかいないサツキマスが重要なんですけど。 そうであれば日本内での棲み分けが逆転するはずですから 温度の高い限界はサクラマスではないです。 交通事故やガンにも役立つカモ!!! 海に降りて産卵の為に遡上してきたサケ科魚類。 産卵したら、ほとんど死ぬ(遡上魚はほぼ100%)のが現実です。 平均寿命は2-3年(河川残留型)。 それは致死遺伝子が関わっているとも推測されています。 しかし今回の研究では生かす事が出来ました。 これはイロイロな事に応用できます。 交通事故からの延命。 死までのギリギリの際、出血性ショック死と呼ばれているものですが、 病院まで死を延ばする”何か”を見つける事が出来るかもしれません。 末期ガンなどからの延命。 体内には死へ向かうのかガンを押さえるのかブレーキ作用があります。 普段から微妙に調整がされています。 ガンの発症はブレーキ作用がダメになるためとも推測されています。 元気一杯のブレーキ作用をもう一度発動させ、 死へ向かう作用を押さえれるかもしれません。 細胞分裂回数(人間56回)の増加 これ何を指すかと言うと”若返り”デス。 生物には細胞分裂の限界が遺伝子DNAで設定されているらしく人間はわずか56回。 これを延ばすことが出来るキッカケが今回の実験としたら、不老長寿とまでは言わないけど、 何だか美味しい匂いがしてきませんか? あるマイナーな研究成果が全く違うメジャー分野に応用できる事も多いです。 研究をそのジャンルだけで特定せずに如何に他の科目と絡ませるか? これは重要なことですネ。 思いっきり簡単に説明しましたが、変に聞こえたかもしれませんね。 死を延ばすということは旧帝国大学(東大など)の医学部老年科で研究されています。 ちなみに私は元K大学の講師、系列の病院で若き幹部だった立場で書いてますが、 最先端科学はオカルトみたいなもんです。 住む世界が違うのか!? 環境保護を訴え乱獲防止をデモで叫ぶだけじゃなく、こんな行動の仕方もあります。 絶滅を防ごうと実際に作業をする事。 寄付金や研究費、アドバイス依頼が沢山くるでしょって? 環境保護団体や動物愛護団体、専門機関から申し出とかなんて一切無いです。 住んでいる世界が違うんでしょうね。あっちはお金が飛び交ってるから。 ▲マジメな活動をされている方々には失言↑申し訳ないです。 詐欺まがいでルール無視の団体さんには御注意下さいネということで…。 オマケ・特に募金を集めているNPOや団体さんの胡散臭さの判別 ・担当大臣の認可を受けている団体さんかどうかを確認しよう。 (ちゃんとしている団体へ寄付したお金は税金控除の適用が受けられる。) ・少なくともネットにて収支報告がちゃんとありリアルに確認できる事。評判も。 (幹部・スタッフへ支払われる報酬・給与は所得税の対象なので誤魔化しが多い。) ・有名人や活動の写真は本当にその団体がやっているのか確かめたい。 (問いかけても「当然ウチです」と返ってくるから難しいですが。よく別の写真を出してるから。) ・子供・中高学生や女性ばかりをスタッフのメインに据え、募金箱を持たせたり窓口にする。 (男女平等、外見関係なし等の理念とは別に現実世界はマスコミはじめ使うもんです。) | そして一つだけ言っておきたい!!! サクラ&サツキマスの消化酵素が働いていないとした学者さん!!! 雇ってください←おいおい、こっちか… サケマス系のサイト、いや、それどころか、 一部研究機関や書籍ですら「エサ食わない」ままにしています。 とはいえ個人的にはエサを食う食わないのは、どちらでもいいです。 私の研究は医学部致死遺伝子の発動絡みでサケを扱っていたのですから。 ●エサを食わない派=闘争本能、であればルアーが1番売れ筋だろうし(←誰も指摘しない) ●エサを食う派=生命維持&精巣卵巣への供給、ならエサ釣りでも工夫が広がります。 釣り人が何処かに躍らせられようが知ったこっちゃありません(←をい) まぁ、たまたま”エサを食わない”と雑誌で広まった時期が ”ルアータックルが広がった時期”と一致していた気がしただけだけどね。 昔書いた記事でしたが、読み返してホント作者、語ってます…スミマセン(滝汗) 表紙 |