今回の狙い=釣り場で鍛えられ学習する前の魚たちの性質をまとめる、その2です。 走性ルールを守らない一部の魚を狙って釣果を得る(=皆が釣れないのにプロだけは釣れる) 釣り人の憧れのプロ釣り師は、基本外の状況を把握し釣果に結び付けている、という理屈。 そのような特殊例を積み重ねても、釣法として定番にならない裏の知識の話。 導入あいさつ コラムの好い所は、1回で簡潔に表現し結論へ導くのではなく、 前回までにジックリ基礎を学んでもらい、次でイレギュラーな事象をも紹介できることと思う。 その中でどう紹介しようか方向性も修正できますから、非常に読み返してマスターしやすい、 最もお気軽に読めて学べる教科書になっているかと自画自賛… =さぁ、磯投げシーズン到来だ!!!(今回は伊豆の写真が多々) …おっとっと、また前置きが長くなりかけました。 しかも自画自賛は書き手がやってはいけない禁じ手、サクっと内容へ突入しましょう。 走性の絡む、釣り人の「皆が釣れないのに釣る上級者」の秘密に納得、を目指します。 ←今回から明るく撮影に工夫。 ←右がAFTER(写真・友人カズオ氏撮影提供) 「前回・おさらい」~The previously File 魚達を支配する本能である走性は4つ、走化・走流・走光・走触性。 遺伝子が支配しているそのエリアでは、大物が釣り人による作為を経験して学習してるのではなく、 エサを食ったら突然ヒモに引っ張られ「ハテ?」程度で反応したりして、モッソリ程度の反応が長かったり、 岩場・根に潜ろうかとか、「また来やがったか!!!」とガンガン抵抗する反応のよさが無い場合があります。 具体例としては、イシダイの船釣り。 もちろん、竿の弾力性、ミチイトの長さによる張力吸収性なども関わってますけど。 結果、遺伝子に支配されている本能というものでは、どのような種類の魚であっても、 その種類の掟により、現象に対する走性が決定されているというのが専らの生物学の常識。 その常識というやつ、これを崩してしまうと厄介になるのですが、 数学や物理のようにA+B=Cと常になるのと違い、生物はそうそう簡単にいかないのがタマニキズ。 光へ向かって近寄る魚の中で、あの光はヤバイと避けるものがいないとも限りません。 ←というわけで、イカ君は光に寄ったり逃げたり(伊豆)。 大発見!?地道な確認実験の際に起きる生物ハプニング この走性については、私が魚の応用研究をし始めた際、過去の論文を紐解いたり、 科学者によってデータに差があったので、自分自身で確認する基本実験をしました。 走性はそんな中で色々と行い、しかも、1995年ごろなので古くてゴメンナサイですが、 この作業は特殊でも何でもなく、自分の目指す応用実験のためにやらなくてはならないものでした。 科学実験は過去の論文を「はいそうですか」で直ぐに信用して応用していくのではなく、 論文が出れば、それを世界各国にいる同ジャンルの科学者が確認したりするので、 捏造データがあったとしても相当珍しいジャンルで尚且つ権威じゃないとバレるものです。 ここで、私の実験のどれを紹介しようか、釣り人さんのなるべく多くが経験しているだろう件は何、 少し考えてみますと、釣り場で夜釣りにおいて起きること。 懐中電灯を足元にピカリとやってデカイのが居るかどうか探すと、光の中でボケ~ってしてたり、 光に反応してサッと逃げたりの大き目の魚を見た事を経験している人は多いだろうと推測、 それに関するもので実験を紹介してみましょう。 ←根魚系はボーってしてるイメージが強いが実は激しい(沖縄)。 また、実験で使用した魚は生け簀などで見慣れた魚が好いですよね。  | 実験水槽例:生け簀1の魚・ブリ 流れに向かうもの、ゆるい所にいるもの。 色々な生け簀のある活き魚料理店や、 一昔前に流行った海の釣堀で周知の槽。 たいがいの弱ったブリは定位置があり、 適流水を考察するのも面白かった。 流れをこちらで作り出すため観察しやすく、 暗くして横から光を当てたり、明るくしたり、 観察から大きな変化として報告するほど いいものは導けなかった経験があります。 つまり、明暗は同じような反応で、 暫くすると人の反応にも慣れるので 実験が難しい魚ともいえました。 水の流れを止めるとあちこち走り回って、 酸欠で死亡するケースが多々。 余談ですが、河口の汚濁が酷いと、 ボラが狂ったように走りまくって死亡、 酸欠・走流性必須のいい例です。 |  | 実験水槽例:生け簀2の魚・クロダイ クロダイの時は立体のナワバリが必要で、 深さを作り出す特殊槽を用意していました。 そうしない水産試験場もありましたが、 データがバラバラで微妙だったみたい。 大型は流れる水がぶつかる排水傍の壁、 元気なもの中型は流れ込み、 小物や一服状態のものは角の隅といった 多くの釣り人が想像している通りの 位置に定位しています。 水質安定メーカー、餌メーカーの実験棟、 養殖技術が確立され、安定供給出来る クロダイが多く使われるようになりました。 (モルモットがクロダイってヤツですね) 明暗の変化はご想像通り。サッと逃げます。 直ぐに慣れる学びの良さで実験が難しいです。 |  ↓  | 実験水槽例:生け簀3の魚・ナマズ 明暗の走性を調べるには、 ウナギやナマズ、ヒラメが多く使われ、 もちろん、他魚種も豊富に実験します。 私が選んだのはナマズ。 個人的に個性が強く可愛く感じて、 時々、試験魚に加えて雨の川で 釣ったナマズも入れていました。 ただ、日本のナマズは混泳させると 共食いをするので、いつの間にか 小型のナマズが居なくなっていき、 飛び出したかと水槽外を探しました。 一気食いするのではなく一匹ずつ、 徐々に食っていくので発見が遅れ、 草魚やウグイは食い散らかしますから 直ぐに分かるのですが。 イレギュラー例: 光を当てると避ける負の走性魚なのに、 それが光に寄って来る…のが2匹AとB、 同じ種類なのに遺伝子が違うはずと、 取り出して分析にかけました。 数が少なく上手くDNAを取り出せないと、 しかも遺伝子地図は難しいので、 中々実験は進みませんでした。 (結局、いい結果が導き出せず失敗) | この通り、敏感に察知して壁や岩にぶつかって逃げ出すもの、ゆっくり逃げるもの、 光が当たろうがお構いなしのノンビリ屋までいます。 中には、それがエサの合図と思って、エサを探すそぶりを見せる正反対のものがいたり、 ほとんど99%の仲間が同じ行動をしているのに、それだけが違うので面白いです。 で、こういった基礎研究をステップさせる毎々の中で、時々、ブリの1%のように、 データに無い珍しい現象が起きたりして、それを目の当たりにします。 アレレ?こんな事って、どうして?信じられないぞ。云々かんぬん。 一方、水質の安定剤メーカーさんに協力した際、植物を安定のために利用した海水水槽に、 クロダイが数百匹入っている設備で行った時のこと。 大きさを揃え30cm前後。クロダイは数匹のアクアリウムで飼育しているわけじゃないため、 フタを開けて覗くと逃げる逃げる、透明の水槽ではなくスティール製の箱であり、 堅い金属製の蓋です。水族館やアクアリウムとはかけ離れた実験室ですね。 明暗を分けてそれぞれの反応を観察すると、やっぱり一部に変なのが居ました。 弱っているのも居たため、それらは除外し、数を数えた後、タモで捕獲して、 ウイルスや疾病の検査をします。数の数え方は、渡り鳥と同じようにします。 最初は目茶目茶でも、慣れると割と正確になるのが素晴らしいところ。慣れないとダメです。 弱ったり病気になっていた魚は、当然ながら仲間と同じ行動をとりませんが、 元気一杯でも別行動の一匹狼が居るのが面白いところです。 ただ、よく見たらクロダイの中にキビレが混じっていた、とか、無さそうで結構有ったりします。 アユの稚魚放流でブラックバスは普通だし、(おっとっと)…オホン、 生きエビの中にドンコとか混じってたりしますが、それと同じで、魚を揃えるのと、 研究する人が違うところにウッカリが混じってしまうお約束です。 その中で、実験の想定をはるかに凌駕する現象が起きますと、血沸き肉踊ります。 つまり、「すげぇ、これは新発見ではないか!?」とコーフンすることも多くあります。 しかし、期待もむなしく、大概、そういう場合は再現性がないんです。偶然のタマタマ。 再現性が無いと云う事は、科学的には証明できない、科学とは言われません。 イレギュラー例については後で紹介することとして、その珍しい現象を分析するのには、 基礎的な知識がないと難しく、下手を打ってしまうと「特殊例」を「基礎」にしてしまったり。 そうなんです、発見って言っても、基本の走性を充分熟知してこそ、変なものを識別できるのです。 ←異世界・水中、基礎重視から外れちゃダメ(釣り人が居る…) 釣れない状況下で、なぜかいつも釣る「上手そうな人」 水温や明暗が変われば、4つの走性も若干変化するというのは前号で書きましたが、 同じ条件でも、仲間と違う一匹狼の個体がチラホラ出てきます。 実験している側にとっては「頼むから仲間と一緒の行動をしてくれよ」と思うわけですが、 これが個体差の大きい魚の世界、いや、人間社会でもアリですけど。 たまたま釣れちゃったよ…というのもありそうですが、それでも”いつも彼は釣る”とかありますよね。 まさにオーラが背後から後光が差して、全身が輝いているかのごとく男前、 華麗な竿さばき、変更グラスの中にある鋭い目、風に吹き飛ばされない帽子、 その帽子から少し出てなびく髪。笑顔で白い歯がキラン、しかし臭いタオル…(もういいか)。 まぁ、そんなイメージの差は置いておいて、本題に戻りますと、 その場にいる釣り人全員が同じタックルを使用すると仮定しましょう。 30人ぐらいで場所は防波堤。 全員が同じ条件なので、釣果は経験の差、得意不得意は、経験の差の中に含めます。 エサもラインも同じ物を使用します。あとはポイント選びぐらいでしょうか。探り方の差も大きいですね。 それでも、他の多くが運とも寸ともアタリが来ず、釣果が無いのに彼は釣ってしまうとしたら? 私は、そんなケースにこそ、特例的な魚類行動を把握した釣り人さんとして称号を与えたいです。 潮の干満、吹く風向きやその時の太陽、夜なら月の出方(気象)、街灯の明かり、水温推測。 たまたま他が釣れていなかった時にイレギュラーで釣れた得意な例を「最高のテク」と信じてしまい、 それ以来、その方法ばかりを続け、サッパリな釣果しか得ていないケースはこれに当たるかも。 走性ルールを守らない一部の魚を狙って釣果を得る(=皆が釣れないのにプロだけは釣れる) 釣り人の憧れのプロ釣り師は、基本外の状況を把握し釣果に結び付けている、という理屈と思います。 ご本人たちが自覚しているかどうかには関わらず。 そして、経験して導き出したのではない素人が見よう見真似でそのような特殊例を積み重ねても、 釣法として定番にならないのではないでしょうか、と夢の無い結果になりそうですから、 この展開を別に結び付けましょう。 特例な現象が周りが釣れないのに釣ってるプロ(地元)の称号を得てる理由だったのかなぁ。 ←潜らないと見つからない魚君も釣りたいものだ。 失敗しまくった魚の実験 細胞やウイルスなどを培養したり使用する実験では大体上手く行きますが、こと魚はそうはいきません。 なにせ直ぐに弱るし、死んでしまうことも多く、果ては水質管理が下手で全滅を引き起こしたり、 巨大な濾過層の掃除をしっかりせず薬剤を用いたりしたら一発で朝ガクゼン、そうでなくても、 何故かタンパクが浮遊して真っ白な濁りが漂ったりして、大掃除がスタートで実験どころじゃありません。 大水槽で魚達を全滅させてしまったりすると、色々な気持ちが湧き上がり、魚よゴメン、濾過層が臭い、 資金が…、となりますが、大掛かりな研究施設を借りる実験も、自宅でアクアリウムを楽しむのも、 水質管理をシッカリするというのはお約束。この場で、あの時の魚たちに謝りたいです。ゴメン!!! 私がアクアリウムをやってるのは、研究室で失敗したのを自宅でも応用できないかと、 重ねて行うためでしたが、水質がよく温度が3℃以上急変しなければ、まことに元気で居続け、 そうそう死んでしまうことはありません。 失敗する時は、水質管理がダメだったという結果以外ないのがツライ。 ←水槽内でも走性を観察することが出来る。しかし… 過去に海遊館(大阪)などで飼育されていたジンベイザメの死んだニュースが流れたりしましたが、 1回水質を悪くすると、それまで元気でも階段を転げ落ちるように死んでしまうのはよくあります。 先に死ぬのは貝、サンゴ、エビなどの軟体動物、節足動物。その後、魚の環境変化に弱いもの。 科学なのに、科学にならない特殊例 未だに覚えている強烈な現象を紹介しましょう。  | 実験水槽例:生け簀4の魚・小魚数匹 これは走化性を実験していた時のものです。 中央に魚が通れる穴を幾つか開けた仕切り1、 右側の餌の直前には半透膜を応用したり、 網目を利用した仕切り2を入れてあります。 エサを仕切りの向こうに置き、 魚数匹の反応を見ながら穴をくぐらせます。 ハッキリ言って、これは余興でやった実験。 何事もなく、右側に到達する魚たち。 慣れた頃を見計らって、エサを化学物質に、 人工の貝エキスなどに切り替えていきます。 ホルモンや塗料、灯油……、 あまり意味はなさげで、つまらなかったです。 |  | 実験水槽例:生け簀5の魚・小魚多数 その後、魚の数を増やしていきました。 でも結果は同じで、求める匂いを辿って、 最短距離で到達していきました。 見事な嗅覚能力で、物質から出る物の 「濃い・薄い」を辿るのですね。 前を泳ぐ魚の尾ヒレで掻き混ぜられ、 時々、匂いを見失った魚が左往右往しますが、 その様子は観察していれば判別できます。 相変わらずツマラナイと感じながら やるわけですが、これも確認作業。 |  | 実験水槽例:生け簀5の魚・小魚多数 地道な実験はスポットライトも当たりませんが 応用研究の為です。 イレギュラー例: 直線を行く魚たちが妙に「ズレ」るのを観察、 今までほぼ直線だったのに。まぁ、いいか。 しかし、3年間のデータを見直して認識し、 波動のような影響が出た群れの行進と推測。 ただ、思うように再現が出来なかったため、 理由も深く考えていません。 水分子や光子でなく泳ぐ魚ですからね(笑) でも、大発見に繋がるネタだったりして。 | なぜか、波動のように群れ同士が影響しあうので、私は「物理的波動と走性には関連性がある」とし、 生命体の動きにすら意思や本能とは別の部分で物理法則が当てはまる…と考えました。 すみません。若干難解ですがご容赦ください。 しかし、その時を含め、波動現象は3-4年で100回は超えず、十数回しか観測できなかったので、 忘れた頃に現象が起きる、非常に悔しいものでした。今でも思う、何だったんだろう?と。 これら以外にも「おやっ?」と思う動きをした時があり、残念ながら再現性がないために心の中に閉まいます。 結果として、科学として論文には「オマケ」としてしか載せれないので、科学的お約束にはなりません。 今年は「ラニーニャ現象」で猛暑・渇水の恐れ さて、走性の実験でイレギュラーがあったこと、それが特殊な例でありながら、 ひょっとしたら自然界で起きていて、それを経験で狙うようになった勇者が、 「あいつだけは釣る」上級者なのかもしれません。 プロ級のテクを発揮する釣り師には、そんなイメージ、素質が備わってるのかも、 と強引な展開に持っていきましたが、実はそんな程度の推測が正解なのかもしれませんね。 こんな話は科学が進めば明らかになっていくことでしょうから、続報を期待してください。 今年は、多くの水産試験場、水族館、専門大学、実験施設などを訪問して、 読者さんに満足いけるネタを収集してきますから。 そうそう、ここで重要なお話。 最近、耳慣れない言葉がニュースでやっていましたが、見た人もいるかもしれません。 それは「ラニ-ニャ現象(La Nina)」。赤道付近の東風が強まる現象で、これが起きると、 日本の南の太平洋高気圧の勢力が強くなるといいます。 ←伊豆の海にも異変が!?いや日本全国。 前線の北上を抑えるオホーツク海高気圧はあまり強くないため、 梅雨明けが遅れることは少なく、早まってしまうのです。 過去の事例をみると、多くの日本地域で梅雨明けが早まる傾向があります。 真夏のような日が早く訪れ、しかも高温になるケースが多いらしいのに加え、 今年は豪雪地帯でも雪が少なく(郡上八幡では異常な雪の少なさでしたし全国傾向も)、 関東では利根川上流ダムの貯水量が不足することも考えられ中部でもアウトの予感。 連想ゲームで記憶する作戦。 エルニーニョ現象と同じように、海水温の変化を促し、気候を変動させるラニーニャ現象。 とりあえず、この2種は仲間なのですが、そして、更にここで関係ないのですが、 ラニーニャ現象から連想してしまったことに、マルセラン・アニャーニャ博士…、 いや、Dr.アニャーニャ水産省・生物学者がいます。どこの共和国の方かは置いておいて。 高野さんが重い石を持って帰ろうとして協力したというか、しなかったといいますか、 国立科学博物館の学芸員さんの記事がありますが、 これらの人々、機関、単語・関係がスンナリと理解できた貴方、素晴らしいです(謎)。 知らない方、ネット、語句検索で辿ってください。 知ってる人が多いでしょうからクスリと笑ってください(ネタ・コラムでした) | 高齢者に釣りブーム再燃を期待 それにしても趣味というのは様々な楽しみ方があります。 本格的になる楽しみとはチョイと違い、安上がりで長時間楽しめる経済的な遊びの代表が釣り。 釣った魚を飼育してアクアリウムを楽しむのも可ですし、 エサ代だけで丸1日遊べて無心や童心になれてしまうのだから素晴らしいです。 団塊の世代が退職し、暇を持て余した近い将来、釣りがブームに返り咲くこともありそうですよね。 登山のように自然に戯れるのは既に流行っていますが、事故や遭難も多いのが難点、 より安全な釣りが見なおされるのも近いと期待している業界人も多いことでしょう。 実際、ブームを引っ張るカリスマ人が出てくれば早いでしょうね。 (海辺・渓流の別荘が高値になるのも見逃せない…?) さて、次回は走性その3、釣って、探って、料理して、見る、観る。まだまだ続きますよ。 高知大学の海洋研究所へ1週間出向いた時の話で、釣って料理して、プランクトンの分類作業(地獄)。 あなたも研究してみませんか?苦労や自虐が続くので、乞うご期待。 今月の一手:釣魚を飼育してみよう(その2) 人が頭を使えば使うほど睡眠時間が長くなりますが、魚にもそんな傾向があるのかも、 …などと考えながら、惰眠をむさぼりたいと思う今日この頃です。 何かあるたびに水質が一番大切だと書く癖がついていますが、前回は1万円ほどでセットが買え、 消耗品も人工海水程度で長く飼育できるとアクアリウムを提案しました。 やってる人は承知でしょうが、この水質というのが非常に厄介。60cm水槽だし。 気を抜いた時に汚濁が始まり、朝起きたら魚が死んでいたりというのがお約束です。 水質浄化に好いという貝や特にホヤを同居させても、先に死んでしまって連鎖反応。 ポイントとして、ひとまずの固い約束をしましょう。まずは信じて実行下さいな。 ・水槽が安定する1ヶ月までは数匹(2-3匹)で飼育してください。1匹は死ぬかも。 ・水槽内には隠れ場所は作るものの、不要な飾りを一切なくし、サンゴ砂だけをひく。 ・エサを1日1回少量で徹底しましょう。コレ、これが大切です。ドバっと与える厳禁。 魚は釣ってくればいいからといって数多く入れないこと。カサゴはやっぱツマラナイけどね。 理想は最初1匹飼いですが、寂しいので2-3匹。これで一ヶ月経てば次のコツを伝授しましょう。 ショップで売ってるナポレオンフィッシュなんかは高級魚ですが強くて飼育OK。 しょせんベラですから(笑)あのヒイラギなんてプラチナ色や鮮やかな黄色線で大変美しい!!! ←伊豆のハコフグ。充分観賞用にOKだ。 カワハギの特筆すべきは狭い水槽内で仲間とケンカばかり。 ということはナワバリ意識が強いという事。群れているとばかり思っていました。 コトヒキ、シマイサキ系はスケールイーターと言ってウロコを食う事が多くあります。 可愛いので混泳させると、他の魚のウロコをはがしてしまうので飼育には向きません。 こういう雑学も水槽飼育をして初めて知るんですね。 これで一ヶ月経てば次のコツ”水温管理・マイナーエサの試し”を伝授しましょう。 ★主な写真は友人のカズオ君撮影・提供のもの。大感謝。 戻る← 表紙 ⇒走性その3(出張した国立高知大学海洋研究所、札幌市豊平川さけ科学館での想い出) |