神々のしわざDNAのカオス |
「淡水と海水の世界の違い」の続き。しかし、一歩深く最先端科学の深遠に入ると、そこはカオス。
様々なジャンルの科学がひしめき合い、どれが簡単に理解できるのか、どの知識が役立つのか、
それらどころか、何を示しているのかすら不明な数値が散らばる摩訶不思議な世界。
科学的応用力、日本6位に後退・OECD概要、前回2位(各種新聞タイトルそのまま)。
プロが打ち出してるのに私並に下手なタイトルつけ、いきなり芝居がかった文章表現でスミマセン。
何が面白いのか、何を面白く感じるのか、すなわち、私自身すら翻弄・篭絡(ろうらく)される世界に
読者さんをいざないます。さぁ垣間見ましょう。
カオス序章
私は子供の頃、内陸部に住んでいまして、海といえば夏に海水浴で両親に連れられる別世界でした。
海に近づけば潮の香りがして「ああ、海なんだぁ~」と無邪気に感動していました。
塩辛い水の味には驚いてましたし、体は川や池よりも浮くんだよと教えられて納得、そこかしこにカニ、
砂浜で小さな腕を使って波うちをせき止めれば、でかいプランクトンらしきものがピューピュー走り去り、
砂に潜る様子に飽きずに何時間も観察したりしました。池の水でプランクトンを観察しようなどという、
小学校時代にやった理科の実験での小さなプランクトンに比べれば超巨大生物でしたね。
超巨大生物といえば、時々砂浜に転がっている死骸を思い起こします。
あれらなんかはウバザメかクジラってことで、首長竜なんかの正体説は指摘されなくなりましたが、
疑問を出したとしても「ウバザメの腐乱死骸は、ああいう感じになるんだよ」と学者に念を押されれば
納得してしまいます。
私としては、なぜ似ている程度の説明で納得できるのか逆に不思議だったのですが、
例えばニュージーランド沖で捕獲された”ニューネッシー”事件というものがありましたでしょ?
引き上げられた謎の死骸ニューネッシーの解剖図・骨格図を診てみましょう。
←イラストの6個の首骨に注目。
東大医学部の先生が鑑定で言いました。「海棲ほ乳類のヒレには、先端まで骨があって角質繊維はない。
従ってクジラやイルカのような海棲ほ乳類ではないと断言できる。」1977年7月26日サンケイ新聞。
私が同じ立場で説明すれば、「これは6個の首骨です。哺乳類は例外を除いて首骨は7個ですから、
少なくとも哺乳類ではありません。」と解説します。角質繊維とか耳慣れないものを出さなくても簡単です。
どうして首の骨に注目されなかったのか。当時TV報道で示されなかった原因はいったい何でしょうね。
当然、今でも言われてません。生物学者が参加せず、適切な指示や提案をしなかったのかな。
首骨を強調したゆえに、読者の皆さんもハタと気づかれたはず。6個の骨は、どんな生物に当てはまるのか?
是非とも自分で調べて考えてみて欲しいです(なんちゃって失礼)。
科学進歩に繋がったかもしれない、これの足を引っ張ったのは、中途半端な学者なのか、
中途半端な知識をもった知識人なのか、首の骨の重要度に気づかなかったのは困ったものです。
今なら私が「各学者・大学教員の全員は給料を返還するように」と乗り込むところです(ウソウソ冗談)。
読者さんは、今後正体不明な死骸が打ち上げられ「クジラの死骸」という結果が出ましたら
首の骨の数に注目ですよ。7つ以外なら鑑定を信じずに何が背景にあるのかドキドキですぜ。
こんな基本すら知らない専門家がTVで意見を述べていることが普通、我々としては楽しみ倍増です。
これ以上怪物の話をしますと、違う世界になってしまいそうですので割愛しましょう。
つまり、未知野分野に切り込む場合は各専門家が群雄闊歩し、多種説が行き通い、混乱、
どれを選抜して一般の人に届けるか、それがTVや専門雑誌などマスコミの力量だと思うのです。
さて前回、海水と淡水の違いを説明しましたが、それが成功だったか失敗だったかはさておき、
誰もが知っているはずの違いがあるのに、魚が海から川へと簡単に行き来するということは、
”慣れ”という言葉で納得しがちだということへ”もっと疑問を持とう”と提案してみました。
スズキやクロダイが河川の中流まで入ったり、カレイやヒラメが中州(三日月湖)で釣れたり、
果てはサメやエイが湖に入って発見されたりするのに、簡単に納得してしまいます。
塩水クサビという底は海水、表層は淡水、河口堰が出来れば、それらが混じりにくくなるので、
硫化水素が発生しやすく含有酸素もなくなり、ヘドロもたまるし、ってなことまでは不要かもしれませんが、
怪物が近づけないほど汚れが酷くなるのはイケマセン。個人的にもネタが無くなってしまいますし。
そして、どうして水と直接エラを通じて接する魚が、塩水と淡水を行き来できるのか、
考えてみれば不思議でして、淡水魚と海水魚は体内の浸透圧を保つために、
濃い水を排出したり取り入れたりの腎臓機能が必須、その秘密は塩類細胞というものに行き着くことでした。
特にサケ科魚類やアユ、シシャモ、ワカサギなどは、川と海を行き来するため研究活動も進んでおり、
河口に出来る薄い海水である汽水域で長いものは3ヶ月、短いもので半月の期間を過ごします。
そう、サッと川と海を行き来しているように見えても、本来、塩類細胞が増減する時間が必須なのです。
そのエリアが無くなる河口堰は魚道を作っても、過去とは違う生態系を生む可能性が高く、
堰の上流部で湖化しているせいか、擬似降海型の魚が増えていると最近注目を浴びつつあります。
ただ、本職の研究者が参加し始めてはいないので(専門家といってもビンゴ専門外の研究者が多い)、
今後、新ネタとして界隈を揺るがすことになりそうです。ちなみに上流部にできる人工湖にはバスなどの
外来種が増え、私の地元の湖沼調査でも、なんと外来種が60%を占めるようになってきました。
(地元ニュースで既報済みなので本当です)
そんな感じで雑誌連載でのジャンル間の想像を越えた試みである
”最先端の渓流釣り'08”と”磯投げ情報”とのコラボレーションは、
まずまず成功だったフフフと思いつついたけど、読み逃した読者さんのためにも、
内容を濃くしてマトメてしまえば、こんな数十行で出来てしまうのでは、
実は文章が多くても内容が薄かったのでは、と心配を禁じ得ません。
ニューネッシーの首の骨数は別にしても。文章は多くとも内容が薄くなってるのは
マジメにいただけませんが、濃くしすぎると専門単語炸裂の解説で、
ただ、専門書を読んでいるような錯覚は嫌われますから、時々は解説文を省みねばいかんですね。
海水魚&淡水魚のDNAカオス
「淡水と海水の世界の違い」の続きとしては、重点展開を「どうして鳥形に反応するのか?」を考えました。
以前、カルガモでモズ模型の反応実験を教えられ、それじゃぁ魚ではどうなのか?と実験したものです。
水槽上部に飛行機タイプ、鳥形タオプの模型を各種飛ばすと魚はどういう反応をするか。
カルガモなどの弱い小鳥では、飛行機やブーメランなんかを飛ばすと反応が殆ど無い反面、
鳥形、特にタカなどの猛禽類に似せた模型を飛ばすとパニックなほど反応する不思議があります。
まだ学習をしていないヒナの頃からなので「これこそ本能のなせるワザ」として面白いです。
そこで、魚たちはどうなのだろうか、飼育室で危険な目にも遭わせず、安全に餌を食える環境で育て、
数匹にして大きくしたものを用意します。種類は海水魚(低層魚・表層魚、中層魚)と淡水魚です。
海上層魚&淡水魚の傾向としては予想通りで、根魚などは模型はスルー状態でした。
こんなお約束結果だけではネタとして不十分なので、透明水槽へ反応の好い魚を移してから、
今度は横から鳥形を見せてみました。
水族館や自宅のアクアリウムで、誰もがコンコンと指で水槽壁面をはたくヤツ、
このケースでは馴染んだ魚は逃げるどころか寄ってきて覗き込んできたりしますよね。
そういえば、私のコブシを写し込んでトライ中の何件か写真を撮ってましたので探しますと、
あったあった、コレです。手(←作者の)がコッソリ工夫されてる秀作写真でしたね。
=ありましたコレ。
警戒心の強い渓流に住む左のヤマメですら横から小突く場合はノンビリしたもの。
上から覗き込んだ時のパニック状態に比べれば明らかにノンビリです。
歩く振動に対しても反応は速いですけど、本能の指令に従うというのは面白いです。
アジアアロワナは獰猛な肉食魚(希少なワシントン条約魚)。こいつは逆に興味津々覗き込んでくるほど。
こっちは壁を叩こうがお構いなく虎視眈々と生きています。1994年で12cmでしたから10年オーバー級ですねぇ。
←まだ生きてるぞ!!!(2008年1月末)初公開。
つまり、海水浴の時(岩場の付近を泳いでいる時)にイシダイが突ついてくる場合と一緒ですよね。
ダイビングして群れの横にいる時は、彼等にも警戒心が少ないというもの。
意外なことに、この本能は未だ漁業にも役立てられてはいないです。
=水槽飼育では食欲より癒し効果が炸裂する。
小魚たちは記事にするためだけに釣りに行って得たものですが、懐かしさに涙するというより、
実はまだ生きてるんですよね、自宅で。もうシマダイも20cm超ほどになっていて、
イシダイと呼びたくなるほど。60cm水槽ではキツくなっています。
そろそろ海にお帰り願おうかという状況です。ペット化すると食欲が湧かないのがお約束ですしね。
=大きく(報告)
▲現在はイシダイと呼びたくなるほど逞しくなりました。
左にコッソリ見えるのは磯投げ情報2月号(2007年12月25日発売)です。
彼等ほど馴れると実験では使えません、ハイ。
DNAカオス:頭上を飛ぶ物体に対する反応(極端に表現してますが)
飛行機・骨付き肉のケース ⇒魚の反応は無関心。 | |
↓ 飛ばす形状を変えると、模型なのにも関わらず… ↓ | |
猛禽類・白鳥系のケース ⇒逃げ惑う(表層魚と淡水魚のみ) |
浅い場所に住む魚(淡水や海の表層)は鳥形の飛行物体に反応する。
その形状が猛禽類であるワシ・タカ形や鶴を思わせる首長形に近ければ近いほど。
これは学習ではなくDNAからの指令であり、表現を変えれば、学習を超える条件反射の世界です。
どうして危険か分かるのでしょうか、その魚の反応実験から導かれるのは「本能です」という、
簡単な言葉で納得させられてしまいますが、そう!淡水←→海水で示した通り、簡単に納得してはダメっす。
疑問を持とう。で、色々と形を変え微妙な形状にしたりして試しても正直よく分かりませんでした。
とすると、難しいDNA話へ突入せざるをえないです。
…いや待て。こういう展開は読者さんに「難しい話はイヤ」と引かれてしまう可能性があるし、
そもそもDNAというのは未解明な部分ですからねー。そこから話をしなければいけませんし、
終わりのない話をするのもやぶかさぎみなので、遺伝子で危険な敵を判断していると推測、
しかし、生物を考えるには哲学者の感覚が必要なのかもしれない、などとワケワカメな解説になりがちです。
今まで、専門的な本を読んで「ワケワカリマセン」となった方々は、同じパターンだとよくお分かりでしょう。
著者自体が理解できてないのに、読者に解りやすく伝えれるはずがありませんからね。
遺伝子を調べていきますと、常識って何?というような不思議な感覚にとらわれる時があります。
その感覚、例えばですが、野生動物は弱肉強食の中で生きてますので全てが凶暴といえますが、
一応、アフリカで人間を食ってしまった(死亡事故)順番を凶暴性ランキングとして紐解いて見ますと、
1位=カバ
2位=ダチョウ
なんということか、何かがランクインしていません。
ダントツなイメージを抱くライオンは下位ランカーだったりします。
イメージと実情が最も離れているのはカバでしょうねぇ、あんなに可愛らしいのに。
話は変わってワニは”世界最大”の爬虫類で、アリゲーターは口を閉じたときに上の歯だけが見え、
クロコダイルは口を閉じたときに上下の歯が見えるという、そんな違いだけだったりします。
最先端のDNAの話が如何に奇妙になるか、非常に得したと思えるような、思えないような変なトリビアが、
遺伝子研究をしていると頭に入ってくる感じで、とっても奇妙なフィーリングなのです。すみません。
現状は、警察でDNA鑑定が行われていますが、正確には科学捜査研究所が行います。
ヒトゲノムが医学会のテコ入れで解明されたのは最近、しかし、どの部分が何を司っているかは、
製薬会社を筆頭に巨額な予算が割かれ、現在、特許習得の競争中です。
人間ですらそのレベルですから、一般の生物では共有しているデータは多くなってきましたが、
まだまだ先は長いです。すなわち、好い説明が出来ないのに、説明を強いられるため、どんな書籍でも、
解りやすい解説が出来ないのが現状です。そういう現状をお伝えするのに誌面を割いてしまいスミマセン。
そもそも海水魚と淡水魚を分けるものって何だったっけ?
サケなどの海と川を往復する魚がいます。彼等は海水魚なのか、淡水魚なのか、どちらでしょう。
DNAを調べて分析して結論を出すのが最近の科学的な方法ですが、これだと一般人は理解しづらい。
ポイントを考えてみました。
海水魚のウキ袋と淡水魚のウキ袋が違うことに注目しますと、酸素不足に陥りがちな淡水エリアでは
鼻上げをして酸素を補給できる方が有利。
進化の順番では、海から淡水へあがったシーラカンスが両生類になっていきますので、
淡水魚が進化しているといえます。
そこで、例外を無視して簡潔に出せるのは何があるだろうか、これまたありましたよ!!!
覚えてますかイラスト
←有気管ウキ袋:淡水魚 アップアップ(鼻上げ)をして酸素を補填できる。 | |
←無気管ウキ袋:海水魚 取り囲む毛細血管から気体を滲ませ溜める。 |
サケの腹を開いてウキ袋を診れば、有気管ウキ袋(淡水魚系)か無気管ウキ袋(海水魚系)か、
どっちかと判ります。もちろん、海水魚にも有気管ウキ袋の魚がいて絶対とはいえませんし、
その場合はDNAに加え浸透圧の違いによる腎臓機能の発達具合なども調べる必要がありますが、
ウキ袋なら誰でも判断の一助に出来る簡単な方法でしょ。塩類細胞のチェックとは違うトリビアです。
で、私はアマゾンに住む淡水アジ、淡水カレイ、淡水フグなど、ペットショップでも売られているので、
彼等を調べたくてしょうがないです。
←蝙蝠淡水エイ(ディノ氏提供)
淡水XXXを買って調べるのは高いので実現していませんが、本当に淡水で生活史が送れるのか、
本当は汽水(3分の1海水)にしないと長寿じゃないとか進化的にどうなのか、実は嘘だったとか、
こんな所からでも興味が湧いてきます。私って変かなぁ。
ウキ袋の仕様が違うとか、塩類細胞って何?とか、多くの場合、何回聞いても記憶に残らない話でしょうが、
それは「食えればどちらでもいい」からかもしれません。
釣りでも同様ですが、魚類学を学ぶより「釣れればどちらでもいい」というところ。
こうやって人は勉強し、知識をためていくのですね。
ここで、なぜか南極の話にも繋がっていく
南極大陸から南米側に突き出した南極半島の東側、ウェッデル海の深海で
500種類以上の甲殻類をはじめとする新種の生物多数を発見したと、
ドイツなどの国際研究チームが英科学誌ネイチャーに発表しました。2007年の話です。
南極海では温暖化で崩壊した棚氷に覆われていた海域でも新種とみられる生物が多数見つかるなど、
従来考えられていたより豊かな生態系があることが分かってきているようです。
それにしても、いいですねぇ……。
出来ればホンのちょっとの違いしかない、見分けが中々つかない”新種”じゃなくて、
腰を抜かすほどの驚愕なヤツは見つからなかったのかな?
サソリに魚の尾が生えてるとか、そんなヤツ、それが重要です。なんて失礼しました。
首の長い哺乳類(よく言われるのは首長アザラシ)がいて、首長竜のようにどくろが負けるのなら、
ナマケモノとマナティを除いて、実は画期的な発見となってしまいます。
なぜなら、今回の記事にもあるように哺乳類(人間も含める)の首の骨は7本と決まっているから、
キリンのような首長はあっても、首長竜のようなドクロは巻けないものなのです。
南極は分厚い1kmもの氷が大陸を覆っていますが、いくつかのシダや木片などが見つかり、
どうやら昔は温かい地方だったのじゃないかと言われるようになりました。
実際、所々温度が高くて水が溶けているような場所もあるそうですが、
火山か鉱脈かと色々と考えられているようです。ウラン鉱脈なら大変経済的な資源になります。
これらの事情などから各国が争って南極を研究するのだそうです。研究の中心はアメリカ。さすが。
暖かい謎については地軸転倒(ポールシフト)とか呼ばれるSF好きの妙な説の根拠になってるそうですが、
本当の謎はそれでは無いです。もっと美味しい現象があり、それは……。
探検家がしまっていたり捨てていた食べ物が味も変わらず保存されていました。
最初は氷のせいと思われていました。当然ですよね。天然の冷蔵庫ですから。
ところが、「未知のもの」がそういうものを腐らせにくく、保護したりしているのでは?となりました。
アザラシやペンギンなど動植物を菌やウイルスなどから守っているとか。
その謎の物質を付きとめれば新たな新薬(抗生物質)が出来るだろう。…と研究が進んでいます。
私は確認していませんが、どれぐらいなんでしょうね。本当なのかな?
実を言いますと、前回紹介した俵さん(サツキマス発見者)は、サツキマスの専門ではありません。
▲前号で俵先生紹介部分がボツであれば、紹介表現を適当につくろってくださいませ。
水産試験場に勤めてた際に研究していたのはフダラクという海草でした。
その海草は養殖どころか、人工的に増やす操作すら出来ない、難しく環境に敏感なものでして、
それに含まれている物質にMCMというものがありました。
「MCM?何ソレ」が大多数の方々の反応でしょう。ごもっともです。
キーワードは南極水、羊水、ガンに掛からなくする物質。それが多く含まれているものに南極水があり、
こちらは大量の水と汚染問題などでコストパフォ-マンスに問題がありました。
羊水はお母さんのお腹にたまる子供を守る液体ですが、人体から色々と試みるのは人道的に問題がある。
そこで、濃厚に含まれているものは他に無いかと探せば、海草のフダラクがありました。
=氷に包まれた南極にて発想された抗がん剤MCM。
フダラクの出番により、光明が見えたとガン学会でも当然注目され、簡単に入手しガン患者を救えると、
俵さんも講師として迎え入れられ、フダラクの増殖を試みたということがあったほどです。
結果としてフダラク増殖は薬にできるほどは不可で失敗、MCMの存在は医薬では知られていても、
まとまった入手が出来ないために、幻の治療薬として医学史に1ページを刻んでいます。う~ん残念。
でも確実な養殖方法が見つかればノーベル賞ものということは間違いなさそうですけどね。
このように専門細分化はジャンルの垣根が高くカオス化する弊害だけではなく、
海草の増殖がガン治療に関わったり、私のやっていたサツキマス研究が
脊椎幹細胞を利用した脳梗塞治療に役立ったり、上手く結び付ければ大きな効果が出るもの。
最後に、俵先生の口癖を紹介しましょう。「海と女性は偉大なり」。ではまた次回!!!
フダラク&羊水・南極水についての”抗癌物質”を科学ネタ囲い込みにするつもりでしたが、
途中のダラダラ感を逆に振り切れ好くつなげれましたので、判断をお任せ致します。
上の本章で賄えなかった場合、以下をどうぞお使いください。全てボツ前提で用意したものです。
今回の”DNAつながり”科学ネタ(前置き)
遺伝子で決められている動物のトレビア集をやってみたいと思います。
哺乳類の首の骨は例外を除いて7個とか、淡水と海水への対応は塩類細胞が司る、これらもDNAが決め、
決して学習では克服できない壁です。どれが普通で、どれが異常なのかを判断するには、
普通をよく知っておかねばいけませんから、面白おかしく楽しんで読んで下さい。友達に威張れるかも。
これが釣り人の新需要を形成する”初心者”掴み記事デス!!!
バージェス動物群とエディアカラ生物群=遺伝子すら混乱していた時代
地球支配者の順番、初期の訳の分からない時代に発生した生物は、
化石の分類研究から”バージェス動物群”とひとくくりにしています。
これの時代は5億5千年前とおおよそに設定されていますが、
海水の軟体/節足動物であるアンモナイト・三葉虫などのように、
誰もがイメージできるものは特別扱いであげられています。
ところで、特に5億4400万年~2億5千万年前には更なる恐るべき生物たちが存在していたようです。
通常、生物というのは左右対称です。右手と左手が違う構造だと我々も大変です。
しかし、その時代には左右非対称のグループがいました。約3億年も存在しつづけたらしいです。
兎にも角にも面白い話です。解明自体は未だまだコレから。
古生物学の研究者たちは”エディアカラ生物群”と特別に呼んでいるようで、
自然淘汰されていったのは至極当然の結果といえそうですが、それでも長期間存在しつづけたとは驚き。
もしも生き残って進化したら、右手は吸盤のついたタコ型、左手はハサミのあるザリガニ型という、
ヘンテコリンな人間が出来たかもしれません。
地球の初期の時代は、遺伝子すら安定せず、何らかの環境により左右されまくったようで、
オカルトやSF真っ青の生物がひしめいていました。これこそ”事実は小説より奇なり”ですね。
サーベルタイガーの絶滅=悲しき遺伝子
恐竜・首長竜の絶滅については隕石落下などの派手な説で有名ですが、
恐竜の後で絶滅した動物には何があるでしょう。シベリアの氷漬けマンモスが筆頭でしょうか。
マンモスは人間の狩のせいで絶滅したようです。
一方、マンモスとタメを張るのはサーベルタイガー。ライオンに体型が似て約1万年前に全盛期。
トラの牙2本がグーンと伸びた格好の良さは、図鑑を広げたチビッコも夢中になります。
これの絶滅理由は余り知られていませんし、人間のせいでもない。私も詳しく知りませんでした。
絶滅原因がハッキリしないものについては、現存の類似動物の絶滅具合を参考にします。
だてに”絶滅危惧種”を環境関係の国組織・団体が発表しているわけではございません。
比較資料にも使えるのです。
…ということで、サーベルタイガーの参考になるのは悲劇の最速の貴公子・チーター。
チーターは動物界の世界最速を欲しいままにし、世界的知名度も抜群、多くの人が知っています。
彼等も今まさに絶滅に瀕しているワシントン条約のVIPですが、調べてみますと以下の事実が判明。
かいつまんで簡単にご紹介しますと、疾走速度を出すため頭が小さくなり、噛む力は弱く、
体もガッチリした強靭さではない。泣き声は小さく「キューン」というか「コーン」というか、子猫のよう。
シカを獲物とするには足は遅くてもガッチリした体格がベストですが、チーターには無理。
争いではハイエナにすら勝てないといいます。スピードを出すため体重も軽くなってます。
チーターが絶滅に瀕しているのは、捕獲できるエサ(小動物)が減っているから。食物連鎖です。
これです。サーバルタイガーはライオンに体型が似ているので、同じような採餌としますと、
一度に50kgの肉を食うというレベルだったと推測できます。
とすると、サーベルタイガーの当時の獲物を調べてみると、トクスドンが主なエサだったらしい。
トクスドンはカバに似た水辺に棲む哺乳類で、これが減少したからサーベルが絶滅したといえます。
頭骨のみの化石ですが、カバ同様やや大型で、古生物学者たちからは注目されています。
サーベルタイガーが僻地でエサにありつき生き残っていたら、大ニュースでしょうね。夢の動物です。
そうそう、ライオンは子供を強くするため谷へ子を突き落とすといいますが、
子供を持つメスを残し、オスが病死などでいなくなると、代わりに来たオス2号が子供を殺すそう。
残酷なことに見えますが、前の子供がいるとメスがDNAの指令のため発情しないので、
オスとしては子孫を残すという理由で必要なことだそうです。
我が子を谷に突き落とすのではなく、前の子を殺してしまう…だったのですね。
こんな風にちゃんとした理由があったそうで、ライオンDNA雑学でした。
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