謎の解明:パート2

アマゴ、ヤマメ、イワナ、なぜ”海に降りる子と、降りない子”が出現するのか

上のサカナ達、海に降りるものと川で幼魚のまま生きるものがいます。

降海型陸封型って、どうして分かれるのでしょう?これは簡単そうで、かなり難しい謎でした。
色々な説がありまして断定できていませんでした。

             

分かれる原因の説としては殆どが研究所の推測で自然系のTV番組では
ソレを元に作られていまして、オス・メスの差温度水質日照時間などなどでした。

海に降りるのはメスが多い事からオスメスの差が第1の説でした。
第2の説は温度。南へ行くと陸封型ばかりだったからです。しかし決定打がありませんでした。

             

=読売新聞中部支社

私の行った約90例の実験では陸封型のアマゴが死にかける
高確率で降海型サツキマスの子(シラメ)に!!!青色色彩刺激以外でも起きるとは何故か?
前ページに出した実験とともに新聞のカラーを飾りました。

現在は、この理屈でマスコミは統一されているようです。私が解明したんですぜ。(信じられないよ~

どうやら、中部地方は水温が微妙に高いので、エサが食べれなかったり
何らかの理由も入れて死にかけ、それが海へ降りる最大因子となったと推測できました。
水温が高いか低いか。両方出現する理由が判明した瞬間です。

すべて降海型か陸封型かに偏れば、こんなに疑問は出なかったのだと思いますが、
サケ科って面白いです。

超マイナーな、いや、超マニアックで誰も知らないけど凄い発見…と自分で慰めた(笑)

この実験は研究者が壁にぶつかる”ある難しい理由”がありましたので、
なかなか定理らしいものが導き出しにくかったです。
(その”ある難しい理由”は説明が教科書になるので省略)
ちなみに海に降りるのはメスばかりと言われていましたが、オスも相当数が海に降りていました

←こいつはオスです。

実はウッカリある薬品を規定量の数倍を与えてしまい、死にかけてしまったものがシラメに!
裏話を言いますと、こんな情けないきっかけだったのです。

オマケ=イワナは、降海型なりにくかったです。
ヤマメとかアマゴよりも水温の低さを要求するようです。


教訓は…

論理的に良く常識・説とされているものでも覆(くつがえ)せるものがあるということ。

普通なら学者が「消化酵素も働いていない」とした時点で諦めてしまうでしょう。

人間の能力は無限です。無駄に使うも、有効に使うもあなた次第。
幽霊を捕まえてくれば、長い議論は終わります。ツチノコを捕まえてくれば、お金が入ります(笑)
誰でも知識さえあれば何とでも言えます。しかし行動を伴わせるのは大変難しい。

未確認動物(UMA)でも居る居ないの論議も面白いですが、実際に居ると仮定した上で
どう捕まえるか?それを考える方がずっと面白いような気がします。

よくあったQ&A~南限のサケって「ドラード(ドラド)」じゃないですか!?

←黄金の河の虎・ドラド

週間釣りサンデー「さかな大図鑑」P412の写真より↑

ドラド(ドラード)という魚は、ルアーマンやアクアリストの中では、
わりとメジャーな存在で有名、南米パラグアイ、
ブラジルのパラナ地方の川に生息しているサケにそっくりな魚です。

似てはいても種類は違いましてカラシン科です。大きさは70cm-100cm。

カラシンの仲間に有名なものではピラニアがいます。
そしてカラシンにはサケと同じようにアブラビレがあります。
ちなみに私はドラドを飼育したことがありましたが、ウロコの具合など全く異なりました。

北半球はコイ科、南半球はカラシン科が制覇しているかのように
幅広い分布を誇っています。見事に分かれています。
ドラドは体が細長く形がサケに似ているので
「南のサケ」とアクアリウム雑誌やTV番組で紹介されました。

そのせいか「南限のサケはドラドじゃないでしょうか?」と数多くのご指摘を頂戴しました。
マスコミさん先入観を植え過ぎでんがな。
水質変化や温度変化に強く、悪食で大食漢、見る見るうちに育って行き
エサと間違えて指に食らいつくし、いや、サケよりも遥かに強靭な魚…。

ところでドラドってサケと同じように海へ降りて渓流で産卵したり、
生活史も似ているのかな? (←ココも重要)

「南限サケ=暖かい限界はドラドじゃないですか?」と質問するなら
ソレぐらいは調べてくださらないとイケマセンぞ。

ドラドの学名=Salminus maxilliosus.(Castelnau)

▲海に降りない様です(byTOFさん)

南限(高温水)のサケはサツキマスで間違いありません。(新種のサケが見つからない限り)
サクラマス(ヤマメ)であれば関東以北&海外での棲み分けが逆転するはずです。
温度の高い限界はサクラマスではなくサツキマス(アマゴ)です。

交通事故やガンにも役立つカモ!!!

海に降りて産卵の為に遡上してきたサケ科魚類。
産卵したら、ほとんど死ぬ(遡上魚はほぼ100%)のが現実です。
平均寿命は2-3年(河川残留型)。それは致死遺伝子が関わっているとも推測されています。
しかし今回の研究では生かす事が出来ました。これはイロイロな事に応用できます。

交通事故からの延命。

死までのギリギリの際、出血性ショック死と呼ばれているものですが、
病院まで死を延ばする”何か”を見つける事が出来るかもしれません。

末期ガンなどからの延命。

体内には死へ向かうのかガンを押さえるのかブレーキ作用があります。
普段から微妙に調整がされています。
ガンの発症はブレーキ作用がダメになるためとも推測されています。
元気一杯のブレーキ作用をもう一度発動させ死へ向かう作用を押さえれるかもしれません。

細胞分裂回数(人間56回)の増加

これ何を指すかと言うと”若返り”デス。
生物には細胞分裂の限界が遺伝子DNAで設定されているらしく人間はわずか56回。
これを伸ばすことが出来るキッカケが今回の実験としたら、不老長寿とまでは言わないけど、
何だか美味しい匂いがしてきませんか?

あるマイナーな研究成果が全く違うメジャー分野に応用できる事も多いです。
研究をそのジャンルだけで特定せずに如何に他の科目と絡ませるか?

これは重要なことですネ。

思いっきり簡単に説明しましたが、変に聞こえたかもしれませんね。
死を延ばすということは旧帝国大学(東大など)の医学部老年科で研究されています。
ちなみに私は元K大学の講師、系列の病院で若き幹部だった立場で書いてますが、
最先端はオカルトみたいなもんですね。

環境保護を訴え乱獲防止をデモで叫ぶだけじゃなく、こんな行動の仕方もあります。
絶滅を防ごうと実際に作業をする事。

ところで、サケマス系のサイト、いや、それどころか、
一部研究機関や書籍ですら「エサ食わない」ままにしています。
とはいえ個人的にはエサを食う食わないのは、どちらでもいいです。
私の研究は医学部老年科致死遺伝子の発動絡みで、サケを扱っていたのが主目的ですから。

エサを食わない派=闘争本能、であればルアーが1番売れ筋だろうし(←誰も指摘しない)
エサを食う派=生命維持&精巣卵巣への供給、ならエサ釣りでも工夫が広がります。

釣り人が何処かに躍らせられようが知ったこっちゃありません(←をい)

まぁ、たまたま”エサを食わない”と雑誌で広まった時期が
”ルアータックルが広がった時期”と一致していた気がしただけだけどね。
昔書いた記事でしたが、読み返してホント作者、語ってます…スミマセン(滝汗)

サイト内関連記事

⇒あるワシントン条約で制限されている魚の疾病研究
絶滅を防げPart2…記事内容はコピペされまくり業界に知られた研究。
これまた(私は)有名にはなりませんでした。

⇒もっと専門的に知りたいという方は、サツキマス発見者・俵先生や
中国大陸でのサクラマス遡上研究&調査に10年携わった堀先生を紹介したりしているサイト、
(私の渓流魚生態解説のサブサイトですが)を後に紹介しますから、ディープに勉強ください。

「説も覆せる事がある」おしまい。




戻る     表紙     ⇒次へサツキマス変わる釣り方など

さて気を取りなおして渓流ファンご用達、エサを食っている写真だ!
実験で得た魚類図鑑や釣り雑誌とは違うデータなどをご紹介します。