飼育について

釣り師から「釣魚を水槽で飼いたい」とよく聞かれます。
生態を家での飼育で見抜いて実際の釣りに応用したいという。

釣魚には色々な魚が居ます。
飼育するのに簡単なもの、難しいもの、様々です。

飼育のジャンルでは、
フナ・コイ・金魚⇒熱帯魚⇒海水魚⇒冷水魚
・・・の難度があります。

最も難しいのが冷水魚の降海型。次は海水魚です。

技術的にアクアリウムのテクニックが要るようになるのは熱帯魚からですが、
熱帯魚と海水魚の間には、かなりの壁があります。

海水魚は出す尿がアルカリの海水では毒水になるのが
思いっきり難しくなる筆頭。

淡水では尿の毒性が弱いので、熱帯魚やフナなどは水質に
それほど神経を使わなくて大丈夫。

冷水魚:アユ、ヤマメ、アマゴ、清楚で綺麗な為、飼育したい方が多いですが、
水を冷却する設備が大変な事、魚が水の悪化・病原菌にすこぶる弱くて
直ぐに死んでしまう事が最も難しい理由としてあげられます。

寿命も短いです。

一方、同じように見えるニジマス、イワナは産卵しても死なないし、
わりと飼育し易いです。初心者にはオススメですね。

降海型のサケ科(サツキマス、サクラマス、シロサケなど)は、
餌も食わないと言われているほど飼育は難しく、
秋を迎えると衰弱して死亡します。

水族館で展示されていても冬になると居なくなってしまうのは
エ付けが出来ず、全て死んでしまうからです。

どうして作者が成功できたのかは、
週間釣りサンデー別冊渓流スペシャル'98&'99や
97年ごろの中部読売新聞などに書いたため、ここでは書けないのが残念!

執筆者といえども、記事にして出版となると著作権は出版社に帰属します。

…といってしまうと身も蓋も無いですから書いてしまいましょう。

▲水槽内でのエサ食いの様子(写真)などは前出のため、
ページに直接来た人は戻って最初からどうぞ。

サケ科渓流魚の飼育ヒント。

1,秋は日が短くなります。
魚が成熟してしまいますので電灯で日を長く調整します。

2,釣った時期が8月までは餌付けは3日~1週間で出来ます。
9月に釣ったものは長くかかり2週間~1ヶ月。平均です。
これは日照時間の影響による成熟から来ていると考えれます。

3,エサはオキアミのフリーズドライが1番良いです。
早く食わす為、川虫などをあげる人もいます。
どちらにしろ水が汚れやすく、そっちのせいで死ぬことが多くなります。

頻繁には水替えをせず、汚れを最小限に押さえる工夫が必要です。

4,温度は以下を推奨します。
温かい地方の方は水槽用クーラー(10万円ほど)が必須です。

5,強烈な縄張り争いを回避するには、
縄張りが意味をなさないレベルの多くの魚を入れ濾過漕をフル稼働させるか、
90cmとか120cm水槽を仕切って個別に飼うかが必要です。

市販の安い60cm水槽では20~30cm前後の魚だと1匹が基本で、
最大33cmぐらいが何とか飼える限界です。

90cmか120cm水槽で仕切る方法がオススメ。
(仕切り板は市販されています)

←18.5度の冷水で設定。渓流魚でも120cm水槽でもOK。

病気はほぼ100%襲来する。

最も注意すべきは水槽へ入れてから10日前後
亜硝酸という有害なものが増えて呼吸も苦しくなる時期です。

熱帯魚だけでなく海水魚を飼育しているレベル方でも、
サケ類の飼育の場合は間違い無く白点病などの疾病におかされます。

そこで市販薬で対応するのですが死なせる場合が多いです。

治療すれば耐性が数ヶ月ほどつきますから、
ぐっと楽に飼育できますので、毎日観察して症状が出始めたら
「グリーンF」などの治療薬を中心に対応してください。

ただし、アマゴ・ヤマメなど陸封型は規定量の投薬。
サツキマス・サクラマスは魚の様子を見ながら投薬は3分の1ぐらいからします。
規定通りで死んでしまった敏感ケースが多いです。

▲サツキマス・サクラマスの病気はエラ病が多いです。
それに白点病も加わります。

エラ病が多いのは、私の経験から
「海水と淡水を往復していたから」と考えています。

細菌性の黄色くなるヤツと青色になるやつの混合液が
中上級者にはオススメ。

中上級者とは海水魚を長期間(1年ぐらい)軽く飼育出来た人。

飼育初心者は他の魚で練習してからの方が良いです。
多分、まず全滅してしまいます…。

渓流魚でも
ニジマス⇒イワナ⇒アマゴ・ヤマメ⇒降海型
というステップ・難度があるとお考え下さい。

=魚も人間も正確に知ってから…(お腹の中で孵化させるもの)

次は治療中のサツキマスの写真から総合的なシメです。



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