作者の生物学研究家の証明その2

死んでしまったら大変!!!超高額な鑑賞魚を使った治療法紹介。
このアジアアロワナは18歳で亡くなりました。

ある冷水魚の絶滅を防ごうとした研究に引き続き、
今度は温かい水に住むアジアアロワナ(龍魚)をご紹介しましょう。
飼育に興味の無い方は写真だけでも見てください。スゴイよ!!!

海水魚・淡水魚の転覆病の新・治療法

温度の上げられないイワナ・ヤマメ・ニジマスなど冷水魚、
そして海水魚にも適応可能!!!
(温度上昇テクは使えない)
何にせよ以前は治療不可の恐るべし疾病。
しかし、あらゆる合併症を防いで治療に専念すれば治るはず!!!



(↑写真引用&文献)
「知っておきたい魚の病気と治療」
発行:日本動物薬品株式会社

著者
・日本獣医畜産大学教授:畑井喜司雄
・東京大学助手:小川和夫
・日本動物薬品(株)研究室:柴田俊幸

上の書物は代表的な飼育魚の疾病と治療法が紹介されています。
転覆病は「原因不明、治療不可」となっています。
一般的治療法は、水面上に出ているお腹にばい菌が付くのを避けるために
消毒を繰り返すことしかされていませんでした。
熱帯魚、金魚のみ水温アップ、塩混入は運を天に任す基本治療法だった…

最新の治療法をあなたに!!!

当治療法は、治療不可に光明をもたらした事が重要で、
手術する前に治癒したケース数%。今回の治療法は73%の治癒率です。
数%から73%と上昇すると言っても死ぬ場合は多くあります。

小型のもの、症状の軽いものは治ったり体力の無いものは死にました。
万能ではない…ことも承知の上お願いします。
真っ先に考えつく注射器で空気を抜く場合も相当やりましたが説明が面倒なので省きます。
色々と試した結果、今の形になったのだと考えるようにしてください。
(全部書いていたら論文になりますからね。ゴメン!!!)↓
手術まで行わず注射器のような器具で浮袋の空気を吸い出して治したケースでは
転覆病のウイルス(SJNNV)は見つかりませんでした。
空気を抜かなくても自然治癒する別の原因が主です。


当時”日本初”の成功事例らしいです。(この研究は1996年です)
…とはいっても専門家が集中して研究すれば誰もが出来ると思いますので
そんなに威張れたものではありません。

いや、怪しいサイトながらもペーペーとは言え大学の先生のことだけはある?

=アロワナ

↑この魚、ワシントン条約で取引が制限されている希少種。

アクアショップでの店頭価格を知っている人で、尚且つ、
魚の病気治療法をそこそこマスターした上級者なら天を仰いでしまうクラス。

果して生還させることができるのか!?

転覆病とは?

魚の2室ある (ひょう)が膨れ上がり、正常に泳げずに餌も採れず
衰弱して死亡するという病気です。 鰾とは、浮き袋と解釈してください。
前室と後室があります。言葉通り、浮き袋が何らかの作用で上手く調整できず、
転覆状態で水面を泳ぐようになるということです。

また、同じように 鰾が肥大するのではなく、縮小してしまい、
浮かなくなってしまう事もあります。

鰾の病気としては逆さになって浮いたり、沈んだりとバリエーションがありますが、
沈む場合はめったにありません。逆さになって浮く場合を特に転覆病と呼びます。

現在、公的には原因もよくわかっていませんので治療法が確立されていません。

みなさんも、池や海で魚がひっくり返ってお腹を出しながら泳いでいるものを
見たことがある人も多いと思います。

「死にそうじゃない?」

はい。みなさんの直感は正しく、あの魚たちは確実に死んでいきます。

ただ、通常の魚の場合、ただ死を待たせていればいいのですが、
ことペットの魚の場合、飼い主が必死になって治療したいと思います。

普通に見られる白点病や、ヒレ腐れ病、くち腐れ病、穴開き病、目の白濁、
…などの病気は治療可能です。

治療が難しい松かさ病(うろこが松かさのように立っていって、
病原菌が体内に入って死亡する)より、この転覆病にかかったら最後、
神に祈るというだけでした。

そうです!さりげなく、治療出来たよ~~と書いていますが凄い事なんですぞ!
これだけのことで「おおっっ」となるのは、専門の水産学修士以上か、
水産学博士レベルでしょう。いや、マジで、です。

さて、転覆病の原因の1つには水温が急激に下がる事が報告されています。
ただ、水温が急激に下がってもその症状にならない場合もあります。
これはいわゆるウキ袋のマヒと思われ転覆病とは異なります。
また、 鰾の中にはウイルスなども発見されません。

水温によって微妙なホルモンのバランス異常という理由もあるかもです。
(ご存知、人間でホルモンの異常になりましたら基本的に治療不可能です。例:糖尿病)

さて、転覆状態で泳いでいますと水面に出ているお腹にウイルスやカビなどが付き、
餌も採れないので結果、死亡します。それが現在の段階です。

熱帯魚・コイ・フナ・ウグイは温度変化・水質汚染に強いので成功率は高い。
しかし他の魚は水温変化に弱く温度を上昇させる治療法は使えません
くれぐれも注意してください。

25℃で治療するとか聞いてやったら天に召されます。
単純に「治療法は水温を上げる」と覚えると死亡続出です。
熱帯魚の専門家は、誰もが見れるBBSでは”特に”教える際には注意ください。
冷水魚の特性も勉強くださるといいです。理由は後述します。

←水温上昇テクは使えない。

↑サツキマスという魚は冷水魚といいまして、水温20度を超えると生存がそもそも厳しいのです。
サケ目サケ科サケ属の遡上魚で…水温30度上昇ってのは治療というより……略。

冷水魚は転覆病にかかりにくいです。ただ、冷水魚特有の病気が多いです。
クーラーが壊れて水温が上がると、限界は25度(6時間程度)。
熱帯魚と違って、転覆病にはならずに多くが水温変化が原因で死亡します。

海水魚も水温変化に弱く、水温差が原因で多くが死亡します。
それゆえ温度変化が原因で転覆病となるとは言いきれないです。

←浮き袋と腸(例=コイ)

←写真失敗(例=イシダイ)

飼育している魚の体は調べておいてください(解剖学のついている図鑑や語句検索などで)。

←有気管ウキ袋

どうして違いがあるのか?
←無気管ウキ袋

取り囲む毛細血管から
気体を滲ませ溜める。

シマイサキやカサゴなどは釣ると音を出しますが、それはウキ袋を動かして出します。

今回の治療法は切開方法が書けません。、魚種別に書かないといけないからです。
海水魚と淡水魚ですら浮き袋の構造が違うので(⇒ウキブクロ作者解説)、キリがないです。
切開するなら自分の飼育魚の解剖書をあたり、最小限の傷、転覆状態のタイミングを計ってください。

擬似・転覆病もあるので注意

「引っくり返る」という症状から一般的に混同されているものがあります。
勘違いしヘタを打ってしまうと死なせてしまいますので区別をしましょう。

まず筆頭の勘違いなモノは…

エサの食い過ぎで転覆する場合。

クリルなどの空気を含んだエサを大量に摂取する大食漢野郎、
ウグイやイワナなどの細い体型の魚で時々起きます。
もちろん金魚や熱帯魚などの初級ペットでは食いすぎがメイン。

転覆病とは違いますので数日放っておいたら治った場合がコレです。
熱帯魚で水温を上げて治った…という多くもコレが含まれていることでしょう。

治ったと言うよりエサを消化しただけ!!!
治療とした水温上昇&塩混入は消化活性を高めたダケ!!!(熱帯魚・金魚のみ)
予防はエサのやり過ぎを止める事

1週間エサやらなくても1ヶ月ですら耐えられるのが魚類。
人間とは全然違うので「腹へってるだろうなぁ~」は捨てて欲しい。
どんどん成長させるのでなければ3~4日に1回のエサやりでOK。
(ペット屋さんに怒られたけど、そんなもんだ↑)

ただ弱ってるだけ

水質が悪く、水温が急激に変化し唯弱っている神経・筋肉マヒと同様に
転覆病に似ていて非なるものっぽいので紛らわしいです。

転覆病とは下記の写真一覧で分かるようにエサを食っていなくても、
体力があって元気な状態でも
遊泳不能になる病気です。
筋肉の回復が早いか、それまで生命維持が持つのかで分かれ目。

エサ食い過ぎや水質水温問題で弱った場合、両者とも焦って水替えを頻繁にしたりすると、
そっちの原因で死亡する場合が多い
。要注意です。
つまり転覆病とは判断からして混乱しているので治療法も確立するのが難しかった理由です。

←筆者の手と魚のエサにするオキアミ・フリーズドライ(クリル)。

フリーズドライはカップメンの具を作る製法で空気が多く入って…仮想転覆病だ!!!


転覆病にかかった後は餌が採れなくて徐々に衰弱し魚は死亡します。
耐久力のある魚の場合でも、お腹がばい菌で腐り、自然に破裂し、
遊泳不能となって死亡するのが普通です。

しかし数週間ぐらいは生きているのが当たり前です
直ぐに死んでしまった場合は、あなた(飼育者)に問題があります

急激な水換えや大量の塩分投下(OHショック死亡=後述)。
分量を間違えた薬剤の投下…。

そもそも転覆病じゃなく食い過ぎだっただけなのに
「にわか治療法」とやらから色々とやっちゃったんじゃないですか?

エサのやり過ぎや水槽の長期放置で水が悪くなっているのに
(エサだけは一生懸命やるのが傾向なので濾過も詰まってるのに)
見かけだけの”ナンチャッテ水換え”じゃ余計飼育水が悪くなるだけ。

キツイ事を書きますが転覆病の治療をアレコレ考える以前の問題だ!!!

まずは濾過槽を取っ払い水を替えて安定させ様子を診ること。
食い過ぎなのか、どんな病気が併発しているのか落ちついて観察する事!!!
(転覆病じゃなく一般的な病気ならコレをスタートに殆ど治せます)

あっという間に死んでしまったとしたら、その原因は病原菌ではなく
飼育者の「幻の必殺技・水質悪化攻撃」のせいですぞ。

実はこの事が無茶苦茶多いのが現実です。
ちゃんと正確な知識を得るよう、普段から心がけましょう。
(病気だけじゃなく、どんなことでも同じです)

要反省して次回からは上手く飼育してください。


どうして、転覆病って治療が難しいのでしょう?

1、自然治癒/投薬治療で完治したデータが過去にない(小型除く)。

2、注射器でお腹にたまってしまった空気を抜いてみても、正常の状態にならない場合が多い。
(結局、あとで同じ転覆状態に戻る。)

3、水温が下がって起きたのなら、もう一度下げたりして直せないか?とやってみても
変温動物である魚は3度前後の変動までは絶えられるが、それ以上の負荷を与えることになり、
結局衰弱するだけ。

4、切開手術をして空気を出してみても、結局、微妙な浮き袋の筋肉の作用が戻らず、
合併症にかかって死亡。(これが大多数)

5、水温を上げれる魚(熱帯魚・コイ・金魚等)は、自然治癒率は高い。



失敗と成功率

まずは机上の治療を、様々な転覆病の魚に試してみました。

1、注射器で空気を吸い出す⇒結局2日ほどで転覆し、同じ状態になる。(失敗)

2、腹部を元気なうちに切開して⇒結局浮き袋が役に立たなくなる。(失敗)

3、水温を上下動させ、温度による浮き袋調整を試みた⇒温度差で逆に弱る。(失敗)

4、メチレンブルー始め、各種治療薬で様子を見る⇒治癒の傾向が見られず。(失敗)

5、下記の治療を考え出す⇒治癒率は73%にも上った。(成功)32匹中23匹治癒。

この成功率は、治療法としてかなり有効と思われます。
失敗した場合は十分な体力が魚になく、治療中の死亡といえました。

また、環境を適切に設定しなかったミスも含まれますので、
的確な治療を行えば成功率はすこぶる高いと言えます。



治療法

1、水面に浮かんでいる段階で、ひょうの空気を抜きます。
水中に魚の全身が漬かるようにほんの少し浮力を削ぎ落とすのがポイント。
(消毒済のナイフ、カッターなどで、小さな穴をあけます。初心者さんのみ注射器で)

2、水には、メチレンブルー(消毒剤)、パラザンD(抗菌剤=オキソリン酸)、
エルバージュ(又はグリーンFゴールド=ニトロフラゾン)を混合して溶かし込んでおきます。
ヒレ腐れ病、松かさ病、白点病などの治療対策の混合版です。

注意1:

古代魚といわれるジャンルの魚では、魚病薬に弱い魚が多いので、
基準投薬量の3分の1~半分に留めておきます。

注意2:

海水魚の場合は、効果が出ないメチレンブルーの代わりに、
銅イオンを溶かし込みます。
慣れた人なら10円玉を入れて代行する人もいますが…。
(規定量を間違えるといけませんので10円玉は避けたほうがいいです…)

この状態で、清潔さを水槽内で実現させ、魚の体力を回復させます。

3、この状態で1ヶ月経たせて、浮き袋調整( 鰾の回復)を気持ち的に待ちます。
いくら防いでも、ばい菌がお腹に着いて腐ってくるのは避けられませんので、
ある程度お腹が薄くなるのを待ちます。そして、切開手術をします。

すると、一気に水底に沈み、今度は泳げなくなります。
この切開を通常のお腹状態でヘタに早めにやると、傷も深く、魚が暴れるので
結局、傷が元で死んでしまうと思います。(これ重要!)


・魚が行う浸透圧の調整を軽減させるために、食塩(あら塩、海水の元)を濃度3%
(止血用高濃度の短時間薬浴)に徐々にしていきます。⇒切開手術に合わせます。

2日前ぐらいから入れ始めます。

急にドボンと塩を入れますとアルカリ性になって「PHショック(下部に解説)」を起こして
治療どころか、あっという間に死んでしまうことがあります。ご注意を。

塩分濃度を利用した止血については、魚の個体差によって様々な状態でした。
兎にも角にも、出血を如何に少なくするか、それをテーマにした作戦ですから、
少ない濃度で出血がなさそうであれば、その時点でストップします。



海水魚の場合、浸透圧を逆に緩めます。
バーモメーターで通常1.021~1.023のレベルを1.017程度にします。

←クロダイ/海水では尿が毒になる(作者飼育のもの)


クロダイは釣り難い魚と言われていますが、
すごく悪食で色々なエサを食べます。

イシダイと一緒に飼って実験していた時も多くあり、
イシダイもタジタジなほど。

多分、釣りが難しいといわれているのは
直ぐに釣れてしまって居なくなってしまうのだと思います。

釣りのポイントに居れば真っ先にエサに食らいつくはず。

ちなみにニジマスも同じでした。
放流されても真っ先に釣られてしまうのでしょうね。


4、水底に接触している魚体に、ばい菌が付いていきますので、
様子を見ながら水を動かして少しでも感染を防げるようにしますが、
現実は必ず炎症が起きてきます。

それまでに、穴のあいた腹部が治癒されるように綺麗な水の交換、
新陳代謝を高めるために、温度を2~3度高めにします。

ワンポイント:

結局、机上の論理でやり方がわかっても、実際にするのとはわけが違います。
そう!ネットビジネスと一緒ですね。

「楽にビジネスで成功する法」という本があっても、ハイハイってなもんです。

クドイですが、今回のポイントは、

・転覆病にかかってお腹が膨らんできても直ぐに切開しない。

・浸透圧の調整の負担を軽減してやる。淡水魚は塩分投下。海水魚は塩分低下。

・ひょうを調整する筋肉の復活の時間を稼ぐ。

・切開後は体液の流出を防ぐ為、淡水魚は更に塩分投下、海水魚はそのまま維持。
清潔さを保つ。合併症を防ぐ。

です。


合言葉

合併症からの致死を防ぎきれ!!!

ご注意:

魚類の場合、餌をやらずに最低一ヶ月は持ちますが、
この治療法の場合3ヶ月のえさ無しで持つほどの、
良好な体力を普段から持たせておかなければなりません。

一般的には分厚い背中に肉つきがポイントでしょう。

治癒までの3ヶ月でかなり痩せますので、
普段からえさをケチって痩せていれば
2ヶ月目ほどで死亡することもありえます。

このような病気を発生させない環境を常に維持することが大切です。

PHショック

水替えをした時にトッテモよく起きます。

原因は水質変化のせいなのに、魚が息苦しくするために「酸欠か!」と勘違いし、
ブクブクを多めにしたり、薬品を入れたり…。結果、努力の甲斐なく死亡します。
水替えした為に水の異常は無いと考え勝ちですが、その水替えのせいです。

速攻でPHの調整を行わない限りアウトです。息苦しくする理由はえらの損傷
そして、損傷が進むにつれて酸素が取り入れれず体色が変わって行きます
えらの細胞のすべてを破壊させる前に水替え前のPHに戻しましょう。

(淡水では古い水の場合PH5ぐらい)


で、実例。今回の治療対象魚は、アジアアロワナ

あろうことか自分のペットで転覆病が起きてしまいましたので、
写真を撮って実際に治療効果をお見せしましょう。

普通諦めてしまいますが治せると信じることが重要です!

↓腹部を切開し、空気を抜いた状態

アジアアロワナとは?

世界的に絶滅危惧種(サイティスランク1。養殖固体は2)

輸出入証明書も必要で飼うのにシビアな手続きが要る。

←まだ生きてるぞ!!!(2005年11月末)

5~6年前(1990年代)は一匹50~数千万円もした恐るべき魚。

現在は養殖固体(サイティス2)が魚体識別チップを挿入されて輸出、
各国で「幸運を呼ぶ龍魚」として飼育されている。

ウチのはチップが埋めこまれてなく証明書のみの時代のやつです=野生に近い希少品だ。
死んでしまったら、それはそれは大変だぁ!!!

(雑談)

とある大メーカーの創業者のバカボンが、マンションの一室で何十匹も飼っていて
ひんしゅくを買った事がありました。基礎知識もなく養殖にチャレンジしていたんだそう。
「やっぱ、大企業のお金に苦労していない大バカ息子だ」と散々。
まぁ、数十匹のコイを部屋で飼うようなものですからね。

関係ないですが、甲状腺ホルモンを水に混ぜると多くの魚類がピカピカのメタル色になります。
3か月ぐらい経つと徐々に効果が薄れて半年で元の色彩に戻ります。
私はアマゴ・ヤアメでの各種ホルモン投与を実験してパーマークが消え遡上型プラチナ色となり
驚いていましたが、アロワナではその特性を生かして高い価値のあるものに見せることが可能。

ホルモン剤投与と聞くと、魚の健康や人間の医学研究の一部と思えるでしょうが、
こと甲状腺ホルモンでは魚類の体色効果、色上げみたいな用途があります。

手術前、逆えびになったまま1ヶ月経ちましたので、背中が腐ってきた症状が見れます。



頭部にカビが生えて皮膚がはがれてきています。
水底に接触しているヒレも腐ってきています。
目もばい菌が進入し、白目となります。

通常では死ぬのを待つばかりの状態です。

↓内臓すら見える状況。
傷口から体液の流出があります。いかに防ぐかが生死の分かれ目ですね。

←これは下腹部の切開約4cm

←人間と同様、腹部は複雑だ。

普通は元気な疾患初期のころに急いで切開して治療しようとします。

その為に、魚が暴れまわって傷口も広がり、合併症を起こすので失敗。
…言葉の通じないペット達だから、人間のような早期の切開手術は出来ません。

治療の経過

・転覆病にかかって1ヶ月目で腹部の切開。破裂して水底に沈む。

・2ヶ月目に、腹部の傷の治癒が見られ、立てれるようになった。

・泳ぎ始めるのにさらに2週間を要した。

・3ヶ月後、腹部も癒着しつつ、溶けてしまったヒレ、
ばい菌が入った白目も治癒傾向。餌も摂取するようになった。

目は未だ白濁しています。

←ここまできたら安心だ。

腹部の傷も残っていますし、溶けたひれも確認できます。
でも、餌食いも良好、完全治癒に向かっています。

←ほっと…

                    
                    
                    
1年半後:ウロコの剥がれていたところや、
腹部の傷は良く見ると残っていますが、ほぼOK。

お腹の赤く丸いところは、傷ではなくシミです。
間違って、その部分を手術しないようにネ。

←復活!!!


ちょっと面白いネタ~水の浄化~

水を浄化させるのに、納豆を少量入れると大変スゴイ効果が有るそうです。
納豆菌が、濾過細菌の働きをするそうで。

河川や湖沼の強烈な汚濁を取るには良い感じです。何と言っても安い!
(日本全国の地方自治体、漁協、環境関係、観光関係の方々は採用を考えてみては?)



(ふくちゃんより)

納豆使用後はすぐさま浄化槽のウールマットを交換する必要があります。
また、沈殿物は残さず吸い上げる等の注意も必要です。

続編:唐辛子が利くかも!!!


 唐辛子が効果有り…の経験[R no page のRyyuさん]

うちの実家では昔から金魚を飼っているのでおなかが上になって
弱っているところも何回か見てますが、これも転覆病なのでしょうか?
それとも転覆病は金魚には縁のない、もっとレアな病気なんですかね?
うちの金魚の例だと、かなりの確率で復活可能でした。
方法は簡単なんです・・・七味唐辛子を入れるだけ・・・
でも高級魚が死んでも責任は取れませんのでまねしない方がいいかと。



(さくだいおう)転覆病と,純粋に弱ってひっくり返っているのでは
区別がつかないのが辛いのですが,金魚が唐辛子で!
いや、これは貴重な情報です。今度の実験で使ってみます。
結構,水の浄化には「納豆」とか、面白い応用が
効くものが、この世の中には沢山有りますものね。




金魚唐辛子荒療治の件ですが、あれは唐辛子を入れるだけでなくて
金魚が食べないと効果がなかったような気がしました。
ですから、餌も食べない程弱ってしまうときついかもしれません。
でも金魚なら大概は食べます。食べない場合は口に押し込んでやるのも
ありかもしれませんね。転覆病(腹水病?)にも効果があるといいですね。



(さくだいおう)そういえば、昔の抗生物質発見の事例と似ています。
墓場の上に植物などが生える状況が別の場所と
違う事に気付いた学者が、カビを見つけたのがキッカケ。

火葬をする現在では、発見される事は無かったでしょうねぇ。
納豆の「納豆菌」が汚水の浄化に有効だという事が
判明したのは去年だったカナ?「UMAの毒に注意」の
下部に入れていますが,納豆菌が濾過細菌と
同じ働きをするなんて!と感動したのを覚えています。
でも、都市関係の環境部って、なぜかそういう最新情報を
知らないので汚水対処に役立たせて欲しいところです。




ー続報1ー Ryyuさん

唐辛子荒療治について、唐辛子の成分を自分なりにいろいろ調べてみました。
結果は、微量栄養素(ミネラル等)をかなり多く含んでいるとのこと。
銅も850~1200?g/100gとかなり多いです。

エネルギーも366kcalと以外に豊富。

他には生物的には体温を上昇させる働きがありますが、
魚類にも効果があるかは謎です(笑)ましてや免疫力アップ等は・・・

でも魚類にも刺激的なものであることは間違いないでしょう。
なぜって? それは食べたのを見たらわかります(悪)



ー続報2ー Ryyuさん

こんばんわ、最近金魚唐辛子ネタばかりですみません。
新しい情報を確かな筋から入手しましたのでご報告を。

まず、焼酎をトールグラスに入れお湯で割ります。
それに大葉と唐辛子を入れます。
すると、なんとこのカクテルのことを「金魚」というらしいのです。

京都の老舗の和菓子屋さんが創作したものらしいです。

以上、全く役に立たない情報でした。ごめんなさい。



あれ-続々報- Ryyuさん [URL]  

またまた金魚の続報です。(今回はまじめ)
金魚には民間療法として鷹の爪を入れるというのは
そこそこ知られてるらしいですよ。唐辛子と原理は同じっぽいですね。
ということは、食べなくてもいいのかな?
他には、怪我したときは赤チンを患部に塗ると良いらしいですよ。
(薄めてから塗った方がいいかも)
どちらも金魚以外にも効くのかは未調査ですが。



(さくだいおう)う~む。いろいろとあるんですね。

赤チンは、以前、金魚の水綿病やミズカビ病で試しましたところ、
効果がテキメンでした。これは人間以外でも傷全般にOKのようです。

ただ、爬虫類のカメで治療を施した経験ですが、甲羅の傷の治療時は
ショックで死んでしまいました。プレコに食われて広い範囲で傷が
ありましたので、治療関係無く死んでいたかもしれませんけど。

赤チンを薄めるレベルや、魚類よりも複雑な組織を持つカメでは
違う塗布方法も配慮するべき…でした。




おなかのマッサージなど Ryyuさん [URL]

今日は転覆病についての自分なりの調査結果を。
やっぱり治りにくいらしいですね。治療不可が通説のようです。
でも少ないながらも回復したケースをご紹介します。

一つはお腹のマッサージです。
エラから肛門に向かって何度もさすってやると治ることがあるとか。
浮き袋のガスを抜いてやる感じですかね。
本当に転覆病だったのかどうかは疑問が残りますが。

もう一つは、スポイトで直接口からビオフェルミンを投与。
ビオフェルミンって整腸剤ですよね・・・
どちらも転覆病ってよりお腹の病気に効果がありそうです。
浮き袋とお腹ってつながりあるのでしょうかね?
以上、必殺!唐辛子作戦(笑)でした!!!

てなわけで、ツモ!!!!!



(さくだいおう)…というわけで、読者の皆さんも書籍をまるっと信じるだけでなく、
色々と工夫してみるのも重要だと思いますよ♪

おっと、ザンクですよ。Ryyuさん、ソレ。安いテ…

(マージャンを知っている人にだけ通じる…)



通りすがりのジェノなんですが、一応、あのページのファンです・・・・・

それで、情報提供しようと思ったのでメールします。
双頭アロアナっていうアロアナなんですが、
ひとつの体に、2つの頭が付いてい る、アロアナの奇形で す。

知っているかもしれませんが一応提供します、
画像もつけているのでよろしけれ ば見てください。 よろしくおねがいします。





はい。

三ページ後で触れますが、
アロワナの産卵の仕方の宿命で出来やすいそうですね。

この場合、手術が出来るかどうかは繋がり次第です。

一般の疾病なら治療も簡単。

←治療中の遡上サツキマス(長良川産)

←こちらは、もっと大きい固体。転覆中。

以下オマケ:

色々な意見があり、簡潔に返事を書いてみます。

Q)温度を上げれば治った。切開する必要はありません。

作者)その治療法では冷水魚や海水魚では殺すことになります。

Q)数日経ったら治りました。

作者)放置して治るのは食いすぎの可能性大ですね。

Q)切開位置が分かりません。

作者)魚によって違いがあり「有気管浮き袋」の魚や「無気管浮き袋」もいるので要図鑑・解剖図で勉強を。
または(私が)実物を診断して、切りやすい場所、切る長さなどを症状から最適な薬剤、選択肢を見つけますから、
まずは、魚の淡水・海水・種類、発症からの期間、角度の違う鮮明な写真、飼育水の情報、
可能な限りの詳細なデータをお送りください。今までの相談経験では、注射器での吸い出しや、
網を水面に引いて空気中の部位を押さえたり放置で治る「飼育ミス」で弱った「転覆病ではない」ものばかりでした。

Q)アロワナが転覆するわけありません。

作者)何を根拠に仰られているのか微妙に悩んでしまいます。


ご意見の前後を読みますと、多少の知識をもっている人たちからと思いましたが、
なぜ淡水・海水・魚種を区別・限定せず、全ての種や病気に応用が効く方法を基準にするのか?と疑問です。

ネットでは専門家なのか、自称専門家なのか区別がつかない第三者も多くいます。
専門家というのは、あらゆる方向から問題をとらえ、最良の解決策を導き出そうと努力するものです。

=生きようと頑張っているサツキマス

IPNウイルスが病原菌の魚病分析など難しい専門用語を使っては普通の方々は理解できません。
当方はいかに簡単に伝えるかを工夫していますが、それは逆に誤解を生むことがあります。
永遠のテーマですね。

合成抗菌剤として含まれているものを市販薬で探す有名どころを一部ピックアップしますと…
メジャーどころ
オキソリン酸 通称OA アクアリスト向けに混合市販されている効果弱の薬剤。
スルフィソゾール 通称SIZ よく効くが、抵抗力を持つ菌が多くなっている。
フロルフェニコール 通称FF 耐性を持つものが少ないので併用するとOKだ。
他の抗菌剤
スルファモノメトキシン、リンコマイシン、アモキシシリン。
上のメジャー3つと合わせて6つが研究者などがよく使う薬剤で水産試験場でも同様
養殖ブリなどにも使用されるので、研究界隈なら聞くことが多いビック6薬と言えます。
業務用ではない市販薬(参考として)
素人使用の安全性に配慮しながらアクリノール(傷消毒)やメチレンブルー(消毒色素材)、
ニトロフラゾン(抗菌)、先のオキソリン酸(抗菌)などが、適当に混合されている。
品名としては、エルバージュ、ハイートロピカル、グリーンF、グリーンFゴールド、
グリーンFクリア-など多数有り、診断を間違えても何かが効くようになっている。
薬局で売っているトイレの流し水を青くするのがメチレンブルー(消毒色素材)だ。

よっぽどの場合じゃないと引き受けませんので(メール処理の分量等を想像ください)、
作者状況などを把握してからに申し込みしてください。一応、マナーとしてお願いします。
本当は全て引き受けたいのですけど、やはり作者は一人しかいませんので……。

☆治療相談は冒頭に書きましたが終了しています。

究極の飼育テクニックとは

お魚さん飼育の究極のテクは飼育水の管理
濾過装置の適度な管理や水換えみたいにソレにつきます。

アクアリウム業界の方が何をどう言おうとソレ。

エサが売れなくなるだろうが、調整剤などが売れなくなるだろうが…(いや、営業妨害じゃないよー)
…とにかく基本をキッチリやるのが飼育者の責任だ。

上級者向けサツキマス(アマゴの降海型)の飼育法
水族館でも飼育不能な最難関の遡上魚(=サケなど)にチャレンジしてみよう。
海水魚や渓流の魚を軽くこなせたら、これがアクアリストの頂点かと…

個別アドバイスは終了させたので、次ページで多少の相談ログを残します。ご参考に。

また、イトウやオショロコマ、ヤマメを飼育している方からの相談は別ページにあります。
サケなどの冷水魚を飼育している方は、目からウロコの特徴を記述してますので、ご参考に。



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