宇宙むかし話 ケシザベスかぐや姫 第1話(お題1です)
(BGM:壮大なファンタジー音楽)
N「宇宙むかし話 ケシザベスかぐや姫」
(BGM:一転して日本昔話風になる)
N「むか~し、むかし。宇宙からのまばゆい光が、桃畑に落ちてきた」
(SE:いん石が落下する音)
N「その翌日、おじいさんが、桃畑へ行ってみると、一つの桃が月のように輝いていた。」
おじいさん「おお、なんじゃろうなこの桃は……割ってみるかのう、せ~の!」
(SE:シュパッ!~オギャーオギャー)
おじいさん「な、なんということじゃ」
おばあさん「まぁ、おじいさん、なんて可愛い子なんでしょう。それに、とってもいいニオイ!」
おじいさん「とても香(かぐわ)しいので、かぐや姫という名前にしよう」
N「だが、その時、産まれたばかりの赤ん坊がしゃべった。」
ケシザベス「オギャ~、あたち、ケシザベスでちゅ~」
おじいさん・おばあさん「ん?」
ケシザベス「ハーイ、あたち、ケシザベス、バブーン」
おじいさん「なに言ってるんだ、お前の名前はかぐや姫じゃよ」
ケシザベス「ケシザベス、バブ~」
おばあさん「かぐや姫よ」
ケシザベス「ケシザベスでちゅ~」
おじいさん「お前はかぐや……」
ケシザベス「ケシザベス~」
おばあさん「かぐ……」
ケシザベス「ケシザベス~!」
二人「……」
おじいさん「じゃあこうしよう、お前は、ケシザベスかぐや姫じゃ」
ケシザベス「バブーン!」
N「おじいさんとおばあさんは、その赤ん坊をケシザベスかぐや姫と名付けて、大切に育てた。ケシザベスは、美しく成長し、しかも香しい桃の香りがするというので、大評判になった。だが、ケシザベスは……」
ケシザベス「クンクン、あ~、嗅ぎたい、クンクン、あ~、もっと嗅ぎたい!嗅ぎたい!嗅ぎたい!」
N「ケシザベスは、自分がかぐわしいだけでなく、クンクンとニオイを嗅ぐの大好きな、かぎた姫でもあったのだ。それを聞いて、国中から香り高き、高貴な男たちが集まってきた。」
(BGM:雅な音楽)
N「むせかえるようなバラの香りがする、メジャー級のビート・ローズ右大臣。」
ビート「ボクは香り高き、ビート・ローズ!メジャーリーグでヒット世界一の記録を持ってるんだ。ボクがバットを振れば、バラの香りでホームランさ!」
N「ムスクの香りの、ダルマ・サンガー・コロン大納言。」
ダルマ・サンガー「ダルマ、サンガ~、コロンダ!……いなご~ん。ハハハ、ケシザベス、オレっちは、野性的なムスクの香りで、お前を包んでやるんだ、いなご~ん!」
N「そして、下総(しもうさ)の国から、インコのク・チバシの皇子(みこ)がさえずりながらやってきた!」
(BGM:生演奏)
インコ「♪キーキー、キキキ、インコのくちばし、ニオイを嗅ぐと~キーキー、キキキ、幸せに、なれるのですよ。さあ~、まろのくちばしのニオイを嗅ぎたもれ~、さぁ、もっと近うよれ~、近うよれ、近うよれ~」
ケシザベス「わかったわよ、クンクン」
インコ「クーーッ!ええのう~!」
N「インコのくちばしの皇子は、くちばしのニオイを嗅がれると、目が、チバシルのであった!」
ビート「ケシザベス、バラの香りがスキなんだろ?」
ダルマ・サンガー「ムスクが一番だぜ!」
インコ「くちばしのかおりであるぞ!」
三人「よろしくお願いします!」
ケシザベス「う~ん、三人ともごめんなさい」
三人「ええ~!」
ケシザベス「こんないいニオイなんて男らしくない!私は、もっと強烈なニオイが好きなのよ!」
N「ケシザベスは、香り高き男たちをあっさりと振ってしまった。」
(BGM:日本むかし話)
おじいさん「ケシザベスよ、あんなに高貴なお方たちを振ってしまって、お前はこれからどうするつもりじゃ?」
おばあさん「そうよ、せっかく玉のこしに乗れたのに」
ケシザベス「おじいさん、おばあさん、私はもっともっと強烈なニオイを探して、
旅に出ます!」
二人「ええっ」
おじいさん「強烈なニオイって、どうしてそんなものが好きなんじゃ?」
ケシザベス「それは……」
(BGM)~
ケシザベス「私は幼い頃から、桃のかおりのいいニオイがするって、チヤホヤされてきた。みんなにいいニオイ、いいニオイって言われて……でも、私はそんないい子ちゃんじゃない!本当はもっと刺激的なニオイが好きなのよ!だから、本当の自分をもっと知るために、ニオイの塔へ行ってみたいの!」
おじいさん「ニオイの塔?」
ケシザベス「そこはニオイの達人たちが修行する場所だと聞いたわ。そこへ行けば、自分が本当に好きなニオイと出会える気がするの。お願い、行かせてください!」
二人「ケシザベス……」
N「どうしても旅に出るというケシザベスに、おじいさんは、お供の家来を紹介した。」
おじいさん「何かと役に立つ、ワシの幼なじみの、サルイ・ヌキじいじゃ」
サルイ「ワシがお供の、サルイ・ヌキじいでござる!嗅覚は犬と同じで、人間の100万倍でござる!」
ケシザベス「犬並みの嗅覚、語尾にござる……犬と猿は入ってるけど、キジの特徴が全然入ってないじゃない!」
サルイ「ワシは、クサイニオイを嗅ぐと、鳥肌が立つのでござる!」
ケシザベス「そこだけ!?」
N「ケシザベスは、サルイ・ヌキじいを連れて、旅に出た。」
(BGM:日本むかし話風)
N「だが、ヌキじいは高齢のため、恐ろしく足が遅かった」
サルイ「お~い、ケシザベス、待ってくれでござる~」
ケシザベス「もう、役に立つって言ったのに、これじゃ足手まといじゃない!」
サルイ「すまんのう、なにしろワシも歳でござるからのう」
かごや「エッホエッホ……」
サルイ「おっ、お猿のかごやが来た!お~い、かごや!乗せてくれでござる」
かごや「エッホエッホ……」
サルイ「楽ちんでござる~!」
ケシザベス「なんで私が歩いて、家来のあんたがかごに乗って行くのよ!経費がかかってしょうがないわ!」
N「かごに乗ったヌキじいとケシザベスは、どこまでもどこまでも旅を続けた。そして、ある日、ケシザベスの目の前に、バベルの塔によく似た塔が現れた」
サルイ「ゾクゾクゾク~ッ!あ~、鳥肌でござる~!クンクン、この塔、匂うでござる!」
ケシザベス「なにかしら?看板があるわ……スメルの塔!?」
サルイ「スメルとは英語でニオイのことでござるよ」
ケシザベス「じゃあ、ここが私の求める、ニオイの達人たちが修行すると言われる、ニオイの塔なのね!」
(SE:重い扉が開く)
N「その時、まるでケシザベスたちを招き入れるかのように、塔の扉が開いた」
ケシザベス「行ってみましょ!」
N「ケシザベスとサルイ・ヌキじいが中に入ると……」
(SE:ズシーン!と扉が閉まる)
サルイ「と、扉が閉まったでござる」
ケシザベス「もう後戻りは出来ないってことよ」
(SE:ドラの音)
ラフレシア「ホッホッホッホ!スメルの塔へ、ようこそ!」
サルイ「ゾクゾクゾクゾク~!うわっ、く、クサイでござる!」
(SE:強烈なニオイが迫り来る)
(BGM:音楽)
ラフレシア「私は、世界一、大きくてクサイ花、魔女、ラフレシア!その色は死んだ獣の
肉のよう……そして、私のニオイは、そのものズバリ、トイレのニオイさ!」
ケシザベス「くっさ~!でも、くせになりそう!」
ラフレシア「ホッホッホッホ!私のトイレのニオイをかいで、そんなことをいう娘は初めてよ。よ~し、もっと嗅がせてやる!」
N「ラフレシアは、さらにトイレのニオイを振りまいた。だが、ケシザベスは……」
ケシザベス「わたし、ちっちゃい頃から、トイレが一番落ち着くの、このニオイなら、何日嗅いでても平気!」
ラフレシア「おもしろい!どこまで耐えられるかやってごらん!」
(BGM:ピアノ生演奏)
N「一日目。ケシザベスは、ラフレシアと同じ部屋ですごした。」
ラフレシア「こ、こんなにクサイわたしと、四畳半の部屋で、ずっと一緒にいるなんて」
N「二日目。ケシザベスは、ラフレシアと同じテーブルで、食事をするようになった」
ラフレシア「こ、この子、私のニオイを嗅ぎながら、繊細な味付けの京都の松花堂弁当を食べるなんて……」
N「三日目、ケシザベスは、ラフレシアと同じソファに座りながら、映画を観た」
ラフレシア「よく、私のニオイを嗅ぎながら、純愛ラブストーリーの映画を五本も見られるわね!」
N「四日目、ケシザベスは、ラフレシアと同じベッドですやすや眠った」
ラフレシア「私のクサイベッドで、しかも私の腕枕で、一緒に眠るなんて……こんな子は初めてよ!」
N「そして、五日目。」
ラフレシア「ケシザベス、あんたとならうまくやっていけそうよ」
ケシザベス「じゃ、友達になりましょ!」
ラフレシア「だけど、もう時間がないわ……楽しかったわ、ケシザベス……」
N「花の命が五日間しかないラフレシアは、静かに散って行った。」
ケシザベス「ラフレシア……」
(BGM:ファンタジー音楽)
サルイ「ケシザベス、さぁ、次のフロアへ行こう!」
N「魔女ラフレシアを倒し、らせん階段を上り、二階へ行くケシザベスたち」
サルイ「うわっ、これまでにない鳥肌でござる!ゾクゾクゾクゾク~!」
(SE:ドラの音)
シュウヘイ「ねえちゃん、よく二階まで上がってきたな!」
N「カレイ・シュウへぇが現れた!」
シュウヘイ「オイラは、カレイ・シュウへぇ!日本に初めてカレー粉を輸入した華麗なる一族の末裔なんだけど、耳の後ろから出る加齢臭が臭くて、しかも、ついおならしちゃうんだよね。だから、カレイ・シュウ、へぇ!」
サルイ「くっさ~!ゾクゾクゾク!」
ケシザベス「でも、このニオイ、おじいちゃんのニオイだ!かぐや姫として生まれ変わる前に、ふでばこ村で嗅いだ、おじいちゃんのニオイ!なつかしい!おじいちゃ~ん、一緒に遊ぼ!」
シュウヘイ「オレみたいなじじいに、こんな可愛い子がベタベタするなんて……プ~!あっ、気がゆるんでおならが……プ~!プ~!プ~!プ~~~!」
N「おならが止まらなくなったカレイ・シュウヘイは、空に飛び、ガスに火がつき、ほうき星のようになって消えて行った。」
(SE:ピカーン!)
(BGM:ファンタジー音楽)
ケシザベス「さぁ、次のフロアよ!」
N「さらにらせん階段を上り、次の階へ行くケシザベス。」
(SE:ドラの音)
N「そこで待っていた、ニオイの達人( ① )、( ② )のニオイを発するが、それをケシザベスは( ③ )して、次の階へ上がっていった!」
※例。ニオイの達人、(①ニオイ忍者ニン・ニク丸)。(②強烈なニンニク)のニオイを発するが、それをケシザベスは、(③餃子に入れておいしく食べてしまった。)
ケシザベス「別に彼氏いないから、関係ない!」
N「数々のニオイの達人たちを倒したケシザベスは、最上階へたどり着いた」
(SE:強烈に迫り来るニオイ)
ケシザベス「ん?……なに、このニオイ!?」
サルイ「ゾクゾクゾク!全身鳥肌でござる~!クンクン、ううう~!鼻がしびれる!」
(SE:ドラの音)
(BGM:音楽)
N「有名なユルキャラによく似たボスキャラが現れた!」
ふなずっしー「ボク、ふなずしのユルキャラ、ふなずっしーだ、ずっし~!」
ケシザベス「ふなずっしー?」
ふなずっしー「ボク、滋賀県の名産品のフナの発酵食品ずっし~!魚肉のタンパク質がうまみ成分であるアミノ酸に分解されることによって、独特の発酵臭がするんだずっし~。使うフナは、ニゴロブナだずっし~!その歴史は奈良時代にまでさかのぼるずっし~」
ケシザベス「豆知識はいらないって!」
ふなずっしー「そういうこというと、ふなずし汁、ずっしゃ~~!」
(SE:ブシャーー!)
N「ふなずっしーは、強烈にクサイふなずし汁を、ケシザベスに噴射!」
サルイ「うわあ!くっさいでござる!」
N「さぁ、ふなずし汁を浴びたケシザベスは一体どうなる!?第2話に、つづく!」
ということでお題1は、
N「そこで待っていた、ニオイの達人( ① )、( ② )のニオイを発するが、それをケシザベスは( ③ )して、次の階へ上がっていった!」
ニオイの達人がどんなニオイを発して、ケシザベスはどのように撃退するのか?です!
お題の投稿はこちらから…
イラストやお話の展開、新キャラなどなどはこちらからお願いします!
投稿者:番組D1号 | 投稿時間:14:30 | カテゴリ:台本・お題 | 固定リンク
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