提督の憂鬱 作:sognathus
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今日は、本番で協力(第一部 第17話参照)してくれたZ1も誘って、提督は2人にお菓子を振る舞うことにしました。
イク「大佐、約束通り来たの!」
提督「よく来た。出来上がってるぞ」
テーブルの上には言葉の通りできたのカステラが乗っていた。
イク「わぁ、美味しそうなの♪」
Z1「ホントだ......でも、僕も呼ばれちゃってよかったの?」
提督「二人には水泳大会の時に世話になったからな。これは礼だ」
提督「イク、元々お前にしか菓子の礼の事は言ってなかったのに、俺の都合で頭数を増やしてしまって悪いな」
イク「そんなの気にしなくていいの! 一人だけだし、イクは大佐がお菓子のお礼を覚えてくれていただけで嬉しいの♪」
提督「そう言って貰えると助かる。レイス、そういう事だ。遠慮なく食べてくれ」
Z1「うん。ありがとう!」
イク「う~ん、甘くて良い匂いなの~♪」クンクン
Z1「本当にそうだね。出来たばかりのこの生地の匂い......堪らないね」ウットリ
提督「ほら、切り分けたぞ」トン
イク・Z1「いただきま~す♪」
パク
イク「んん! 美味しい!」
Z1「本当だ......これは予想外」
提督「なんだ、味を心配していたのか?」
Z1「あ、いやそうじゃないんだけど。ここまでの味だとは予想してなかったから」
イク「本当にそうなのよ。これはお店に並んでても許せるレベルなの」
提督「そうか......作った甲斐があった」
Z1(わ......大佐、本当に嬉しそうな顔してる。こんな顔もするんだ......)
イク(凄く優しい目なの。もうこれだけでも満足なの♪)
イク・Z1「......」ポー
提督「ん? どうした?」
Z1「え? あ......な、なんでもないよ?」パク
イク「そうなの♪」モグモグ
提督「......?」
――数十分後
イク「ご馳走様なの~♪」
Z1「本当に美味しかったぁ」
提督「ああ。美味しく頂いてもらってなによりだ」
イク「また食べたいの~♪」
提督「その時はまた誘ってやる」
イク「ありがとう! 大佐だ~い好きっ」!ギュ
Z1「あ、あの! ぼ、僕もまた......呼んで、くれる?」
提督「勿論だ」ポン
Z1「あ......うん。嬉しい。Dank......ありがとう」
イク「じゃぁ、大佐。また誘ってなの~」フリフリ
Z1「ご馳走様でした。失礼します」
提督「ああ」
バタン
~廊下
イク「美味しかったねぇ♪」
Z1「そうだね。とても美味しかった」
イク「全部食べたかったけどやっぱり残ってたのは自分の分だったのかなぁ」
Z1「大佐は一つも食べてなかったらね。きっとそうだよ」
イク「イク達が言うのも可笑しいけど、アレはゆ~っくり味わって食べて欲しいの♪」
Z1「そうだね。甘いものは元気が出るしね」
~深夜、執務室
筑摩「良い匂いですね。これは、お酒ですか?」
提督「そうだ。ブランデーで作ったシロップだ」
提督「本当は一日置いた方がいいんだが、まぁ塗ってから時間もそれなりに経ってるし風味はそんなに問題ないだろう」
霧島「ええ。良い香りです。でも、これはイクとレイスちゃんには出さなかったみたいですね」
提督「なんとなくだ。お酒が飲めないと知っていたわけではないが......まぁ、塗らなくても美味しそうにしていたしいいだろう」
金剛「んー、この香り堪らないネ♪」
榛名「食べた後にちょっとだけ喉が温かく感じます......不思議な美味しさです♪」
那智「これは......美味しいな」
提督「ま、せっかく作ったからな。ちょっとした大人のお茶会だ」
部屋いる艦娘「ありがとうございます大佐♪」
実は筆者は甘い物、特に洋菓子、カステラの類が好きではありません。
では何故書いたのか? というと、ブランデーのシロップを塗ったカステラは好きだからです(オイ