7月の世界選手権(韓国・光州)の代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権は2~8日に東京辰巳国際水泳場で行われる。大会前日の1日は有力選手が会場で調整を行い、男子背泳ぎの入江陵介(29)=イトマン東進=は平成最後の日本選手権制覇を誓った。
新元号「令和」発表の瞬間をテレビで見守ったという入江は「新元号は不思議な感覚で新鮮。東京五輪で大きな花を咲かせられるよう、歴史の教科書に載るような年にしたい」と元号に込められた意味に思いをはせた。そして新しい元号以上に思い入れをのぞかせたのが自らの人生とほぼ重なる「平成」だった。「2006年から日本代表に入り、平成の半分ぐらい代表だったので感慨深い。競泳では平成生まれ初の代表だったし、今後新しい元号の代表が出てくるのは不思議な感覚」と競技人生とともにあった時代をかみしめた。
日本選手権では200メートル背泳ぎで10連覇を含む11度の優勝を果たし、平成の3分の1以上を王者として君臨し続けた。それだけに今大会への思いにも力がこもる。「平成最後の日本選手権なので、100と200でしっかり代表権を取りたい」。平成を有終の美で締めくくり、新時代を泳ぎ出す。 (川村庸介)