大相撲春巡業が1日、奈良県五條市で行われ、新大関貴景勝(22)=千賀ノ浦=が新元号「令和」初の横綱に照準を合わせた。平成最後の大関にして新元号初の大関。令和初の称号は譲らない。「そこを目指す価値は大きい。大関になったことでもう一つ上がある。次の番付を目指す」と新時代の先頭を突っ走る。
令和初となる夏場所(5月12日初日、両国国技館)の優勝にも意欲を見せた。「優勝するだけの実力を上げていかないと。新しい地位を守るのでなく、力を出し切るのが大事。最初といういい区切りでいいスタートを切りたい」
突き押し一本で出世したが、押し相撲にバリエーションを持たす考えもある。「押し相撲にもおっつけ、突っ張り、はず、のどわとある。今まではまわしを取らせない、自分の武器を磨いた相撲。今までやってこなかったけどこれからは必要になる。勉強して高めたい」と進化を誓った。この日の巡業では大関として稽古をスタート。土俵の上で四股など基礎運動を入念にこなしたほか、若い衆を担いでのスクワットなど、まずは体作りに専念した。「しっかりと土台を作って。土台がないと応用はない。イチからのスタート。今までの自分に新しく持つものも大事。新しく作っていきたい」。角界の若き看板が新たな時代を切り開いていく。 (荒木司)