かなりの根気が必要な作業だが、どうやって行なっていたのだろうか。
「『買い・売り・中立』については、ローソク足の傾きや移動平均線より上か・下かで見ていきます。上昇トレンドが続いていれば4タームすべてが買い優勢を示します。
しかし、トレンドの途中で押し目をつくるときは1分足が売り優勢となる。売りに転じていた1分足が買い優勢へと戻れば押し目が終了した可能性があるため、買いで入りやすいですよね」
こうした組合わせを下記のような感じで、81パターンすべてについて考察を進めていったようだ。
そして、「長いタームのトレンドには逆らわない。短いタームの方向が転換しても、長いタームの示す方向性に戻る可能性が高い」と考えてトレードしているとのこと。
■「チキン利食い」防止に平均足も使用していた
こうした検証の積み重ねで分析眼を養ったきゃりーさんは、利益を積み上げていく。
「当時は、ローソク足ではなく平均足も見ていました。通常のローソク足だと陽線・陰線が切り替わりやすく、『チキン利食い』(伸ばせたはずの利益を伸ばせないこと)となってしまいやすい。ところが平均足を使うと、その難点を克服しやすかったためです」
(出所:ヒロセ通商)
■「わかるところ」だけ取って、苦手はテスターで克服
移動平均線に続いて平均足も登場したが、きゃりーさんの分析は、テクニカル重視なのだろうか。
「僕のメインは、膨大なトレードと検証で積み上げた『勘と感』。テクニカルは何でもいいと思っています。移動平均線だろうが、平均足だろうが、自分と相性のいいものを1つか2つ使えば、それで十分。個人的には、ローソク足だけでもいいと思っています。
大切なのは、『自分がわかるところ』だけを取ること。そうすれば無駄なヤラレを減らすことができます。わからないところはトレードせず、テスターで経験を積んで克服すればいいですから」
■資産は未曾有のケタに達しても検証を欠かさない
「ほかにもさまざまなツールがありますので、必ずしもフォレックステスターにこだわる必要はありませんが、何かしら自分に合ったテスターを使って検証を行なっているかどうか、トレード記録をつけているかどうかで、大きな差がつくと思います。
最初の時期はリアルトレード以上にテスターで検証していましたし、今もテスターは使い続けています」
きゃりーさんがテスターを使うときには、15分足、5分足、1分足の3つのチャートを同時に開いて、マルチタームのチャートを確認しながら検証を進めていくそう。
「テスターを使えば、1日の値動きを短時間で経験できる。自分の場合は、過去の日付をランダムに選んで1日分の値動きを3時間で検証、5営業日分を15時間で検証する感じですね。相場が動いていない週末の1日で、1週間分の値動きを検証できます」
このような徹底した検証の繰り返しでトレード力を鍛えたきゃりーさんは、アルバイトで稼いだ15万円を元手にしてFXを再開。そして、わずか3年で1億円以上の利益を上げたというわけだ。
現在、きゃりーさんの資産は…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)