[1]エフェクト

一通り塗ったらエフェクトを入れていきます。


■光の効果

まずは光の当たる部分を少しだけ明るくにじませます。

「エアブラシ 強め」の不透明度を30%、[不透明度影響元設定]で[筆圧]をオンにして、[ブラシサイズ影響元設定]の[筆圧]はオフに設定したサブツール「エアブラシ 筆圧」を作ります。

「下描き」レイヤーの上に新規レイヤー「光」を作成し、合成モードを[オーバーレイ]に設定しました。

この「光」レイヤーに、明るい黄色などで光が当たっている建物や橋、雲などを塗ると、光が当たって光っているような効果が出ます。
光が強すぎたら[消しゴム]ツールで消したり、塗る色の明度や彩度を下げたりして調節します。


■明暗の調整

「光」レイヤーの上に新規レイヤー「色」を作成し、合成モードを[オーバーレイ]にしておきます。
この「色」レイヤーを使って、明るくしたいところや暗くしたいところを部分的に調整します。

先ほどと同じ設定の[エアブラシ]ツールで、空全体の明るさや川の水しぶきなどの明暗を少し調整しました。

色調補正レイヤーを使って全体の明暗を調整します。
[レイヤー]メニュー→ [新規色調補正レイヤー]→[レベル補正]を選択すると、[レベル補正]ダイアログが表示されます。

ダイアログには絵全体の明暗のレベルが表示されており、それらを調整することができます。
キャンバスのプレビュー結果を確認しながら、ヒストグラムの下の▲を左右に動かして調整します。

説明が難しいのですが、ごくごく簡単に言うなら、左の▲(シャドウ入力)で暗いところを、右の▲(ハイライト入力)で明るいところを、真ん中の△(ガンマ入力)で中間色を微調整できます。

今回は[入力]にある三つの▲のうち、[シャドウ入力]と[ハイライト入力]を少し中央寄りに動かして、暗いところをちょっと暗く、明るいところをかなり明るくなるよう調整しています。

【POINT】
作成した色調補正レイヤーのサムネイルをダブルクリックするとダイアログが再び表示され、効果を設定しなおすことができます。

[2]加筆修正

エフェクトを入れたところで、全体を見て細かい加筆修正をします。

石橋の凸凹感を少し描き足したり、不自然な色の木を少し修正したりしています。

全体を見ながら細かく修正していきます。

[3]要素の追加

■渡り鳥

新規レイヤー「鳥」を作成して、こういう絵に定番の渡り鳥を描き足します。

ほぼシルエットだけですが、単調にならないようにサイズや羽の動きに変化を持たせています。

新規レイヤー「光」を作成して、雲間からの日差しを加筆します。
合成モードは[ハードライト]にしました。

[1]エフェクトで作成した 「エアブラシ 筆圧」で、空と雲の中間ぐらいの色を選んで、斜めに直線的に塗ります。
薄ければ、何度か塗り重ねて調整します。

▼レイヤー構成は下図のようになりました。

[4]完成

最後にもう一度全体を見渡して、当初のイメージに沿う雰囲気になっているかを確認します。
一晩置くなどすると、絵の問題点に気付きやすくなります。特に問題なければ完成です。

こちらのメイキング講座は、「CLIP STUDIO PAINT PRO 公式ガイドブック」(エムディエヌコーポレーション刊)に掲載されているイラストと制作工程を追加・再編集しています。