日本テレビは、3月に『ズームイン!!朝!』、4月には『ルックルックこんにちは』を立ち上げた。報道情報番組のエンターテインメント化が始まった年でもあったのだ。
ただし、世の中にニュースが起きれば、まだ誰もが習慣的にNHKにチャンネルを合わせていた。
'79年の重大ニュースといえば、1月26日に発生した三菱銀行猟銃人質事件。無職の梅川昭美が、強盗目的で大阪・三菱銀行北畠支店に押し入った。
梅川は金を奪うと逃走を図るも警官隊に囲まれ、約30人の人質と籠城。梅川は4人を射殺し、立て籠もりを続けた。
膠着状態となった翌27日の19時のNHKニュースは視聴率32.9%。翌朝、警官隊の突入を生中継したNHKの特別番組も40.9%を記録した。
世界中が注目した3月28日。米国・スリーマイル島の原子力発電所2号機で給水ポンプの故障による炉心溶融事故が発生し、放射性物質が蒸気ともに漏れた。
原発を国内に多く抱える日本を震撼させたこの日の19時のNHKニュースは視聴率20%の大台に乗った。
台風20号が本州に上陸した10月19日は、19時のNHKニュースが視聴率30%超え。テレビは生活情報を得るためにも欠かせない手段だった。
ちょうど40年前、テレビは日本人の生活の中心にあった。だからこそ、テレビに元気があった。1979年はテレビの青春時代だった。