大相撲の春巡業の幕開けとなる伊勢神宮の神宮奉納大相撲(中日新聞社後援)が31日、三重県伊勢市の同神宮一帯で行われた。新大関貴景勝(22)=千賀ノ浦=は新たな地位で初めて土俵に上がり、「今まで通りやっていく」と新元号で迎える新大関場所へ、マイペースを強調した。
伊勢神宮参拝後の三役そろい踏みでは「新大関」のアナウンスに、見守った7700人からどよめきが起こった。早速のフィーバーにも22歳はほとんど表情を変えず、平常心そのものだった。
この日は参拝優先で見送ったが、朝稽古もオレ流を貫くつもりだ。横綱と大関は通常、相手を指名して連続で取るが「基礎からしっかり。指名でも申し合いでも、こだわりはない」。平幕力士と横並びでも気にしない。慣れ親しんだスタイルで万全の調整を目指す。
幕内力士トーナメントでは、1回戦で錦木に寄り切られてほろ苦デビューとなったが、焦りはない。「変に格好つけて、やりたくない。稽古により一層、集中して番付を上げたい。1個上があるから」と頂点を目指して日々、経験を積み重ねていく。 (志村拓)