万葉歌碑を求めて!

万葉集の世界に夢と宝を求めて!


□□□ 万 葉 歌 碑 □□□
□歌碑ニュース □
万葉歌碑新碑情報収集中!
********** 歌碑番号 K-041 **********
     (田村本「萬葉二千碑」以降の情報収集) 
<1>田村歌碑番号   府県別の一連歌碑番号:T-関Hー和歌山県

<2>和歌山県日高郡みなべ町「南部梅林」内 金属製和歌札
   
<3>和歌札一覧
番号万葉歌番号万葉歌万葉仮名 作者歌意(注)和歌札写真
01巻4-786春の雨はいや頻降るに梅の花
いまだ咲かなくいと若みかも
春之雨者 弥布落尓 梅花 未咲久 伊等若美可聞 大伴家持春雨は頻りに降っているのに梅の花はまだ咲いていない。木が若すぎるからなのか。 786番和歌札「写真A」「写真B
02巻4-788末若み花咲きがたき梅を植ゑて
人の言繁み思ひぞ吾がする
浦若見 花咲難寸 梅乎殖而 人之事重三 念曽吾為類 大伴家持若すぎて花が咲きそうもない梅を植えたので人の噂が高く思い悩んでいます。 788番和歌札「写真A」「写真B
03巻5-815正月立ち春の来たらば斯くしこそ
梅を招きつつ楽しき終へめ
武都紀多知 波流能吉多良婆 可久斯許曽 鳥梅乎ゝ岐都ゝ 多努之岐乎倍米 大貳紀卿正月になり春が来たならこうやって梅の花を迎えて歓をつくそう 815番和歌札「写真A」「写真B
04巻5-818春さればまづ咲く宿の梅の花
独りみつつや春日暮らさむ
波流佐礼婆 麻豆佐久耶登能 鳥梅能波奈  比等利美都々夜 波流比久良佐武山上憶良 春になれば一番先に咲く我が家の梅の花を私ひとりが眺めて長い春の日を暮らすのか。 818番和歌札「写真A」「写真B
05巻5-820梅の花今盛なり思ふどち
挿頭にしてな今盛なり
鳥梅能波奈 伊麻佐可利奈理 意母布度知 加射之尓斯弖奈 伊麻佐可利奈理葛井大夫梅の花は今丁度満開だ。親しい仲間達よ。 髪に挿そうよ。今。820番和歌札「写真A」 「写真B
06巻5-822わが園に梅の花散るひさかたの
天より雪の流れ来るかも
和何則能尓 宇米能波奈知流 比佐可多能 阿米欲里由吉能 那何列久流加母大伴旅人和何則能尓 宇米能波奈知流 比佐可多能 阿米欲里由吉能  那何列久流加母822番和歌札「写真A」 「写真B
07巻5ー824梅の花散らまく惜しみわが園の
竹の林に鶯鳴くも
鳥梅乃波奈 知良い麻久怨之美 和我曽乃ゝ 多気乃波也之尓 于具比須奈久母阿氏奥嶋梅の花が散るのを惜しんでわが園の竹の林に 鶯が鳴く。824番和歌札「写真A」 「写真B
08巻5-827春されば木末隠れて鶯そ
鳴きて去ぬなる梅が下枝に
波流佐礼婆 許奴礼我久利弖 宇具比須曽 奈岐弖伊奴奈流山口若麿春になると梢に隠れて鶯が鳴いて行く梅の下枝に 827番和歌札「写真A」「写真B
09巻5-828人毎に折り挿頭つつ遊べども
いやめづらしき梅の花かも
比等斯等尓 乎理加射之都々 阿蘇倍等母 伊夜米豆良之岐 鳥梅能波奈加母丹氏麿みんなめいめいに梅の花を折り取って髪に挿して 遊ぶけれどもますます心魅かれる梅の花である。 828番和歌札「写真A][写真B
10巻5-830万代に年は来経とも梅の花
絶ゆることなく咲き渡るべし
萬世尓 得之波岐布得母 鳥梅能波奈  多由流れる己等し奈久 佐吉和多留倍子佐氏子首千年万年と年が経っても梅の花はいつまでも 絶えることなく咲き続けるだろう。830番和歌札「写真A」 「 写真B
11巻5-833毎年に春の来たらば斯くしこそ
梅を挿頭して楽しく飲まめ
得志能波尓 波流能岐多良婆 可久斯己曽 鳥梅乎加射之弖 多努志久能麻米野氏宿奈麿年毎に春が来たならこうして梅を 髪に挿して楽しく飲もう。833番和歌札「写真A」 「写真B
12巻5-834梅の花今盛なり百鳥の
声の恋しき春来るらし
鳥梅能波奈 伊麻佐加利奈利 毛ゝ等利能 己恵能古保志枳 波流岐多流良斯田氏肥人梅の花が今満開である。色々な鳥たちの 声が恋しい春が来たらしい。834番和歌札「写真A」 「写真B
13巻5-837春の野に鳴くや鶯懐けむと
わが家の園に梅が花咲く
波流能努尓 奈久夜?隅比須 奈都気牟得 和何弊能曽能尓 ?米何波奈佐久志氏大道 春の野に鶯を手馴づけようとしてわが家の園に梅の花が咲く837番和歌札 「写真A」 「写真B
14巻5-839春の野に霧立ち渡り降る雪と
人の見るまで梅の花散る
波流能努尓 紀理多知和多利 布流由岐得 比得能美流麻提 鳥梅能波奈知流田氏真上 春の野に一面の霧が立って雪が降るのかと人が見るほどに梅の花が散る 839番和歌札「写真A」 「写真B
15巻5-841鶯の声聞くなべに梅の花
吾家の園に咲きて散る見ゆ
于遇比須能 於登企久奈倍尓 鳥梅能波奈 和企弊能曽能尓 佐岐弖知流美由高氏老鶯の声を聴くその端から梅の花がわが家の園に 咲いて散るのが見える841番和歌札「写真A」 「写真B
16巻5-842我が宿の梅の下枝に遊びつつ
鶯鳴くも散らまく惜しみ
和我夜度能 鳥梅能之豆延尓 阿蘇毘都ゝ 宇具比須奈久毛 知良麻久乎之美高氏海人わが家の梅の下枝で遊びながら鶯が鳴く 梅の散るのを惜しんで。842番和歌札「写真A」 「写真B
17巻5-846霞立つ長き春日を挿頭せれど
いや懐かしき梅の花かも
可須美多都 那我岐波流れる卑乎  可謝勢例抒 伊野那都可子岐 鳥梅能波那可毛小野氏淡理霞が立つ長い春の一日髪に挿して いるがますます離れがたい梅の花であることよ。846番和歌札「写真A」 「写真B
18巻5-849残りたる雪にまじれる梅の花
早くな散りそ雪は消ぬとも
能許利多流 由棄仁末自例留 宇梅能半奈 半也久奈知利曽 由吉波気奴等勿 大伴旅人残っている雪にまじって咲いている梅の花よ。 どうぞ早く散らないように、たとえ雪が消えても。849番和歌札「写真A」 「写真B
19巻5-850雪の色を奪ひて咲ける梅の花
今盛なり見む人もがも
由吉能伊呂遠 有婆比弖佐家流 有米能波奈 伊麻左加利奈利 弥牟必登母我聞大伴旅人雪の色を奪って咲いている梅の花は今満開だ。 見る人もあればよいのに。 850番和歌札「写真A」「写真B
20巻5-852梅の花夢に語らく風流たる
花と我思ふ酒に浮べこそ
鳥梅能波奈 伊米尓加多良し久 美也備多流  波奈等し阿礼母布 左毛尓于加倍許曽
伊多豆良尓 阿例乎知良い須奈 左気尓于加倍許曽
大伴旅人梅の花が夢で語ることには風流な花だと我ながら思う。無駄に散らさないで酒に 浮かべてください。852番和歌札「写真A」 「写真B
21巻6-1011わが屋戸の梅咲きたりと告げやらば
来ちふに似たり散りぬともよし
我屋戸之 梅咲有跡 告遣者 来云似有 散去十方吉 葛井広成わが家の梅が咲いたと知らせたら来いというようなものだ。もう散ってもかまわない。 1011番和歌札「写真A」 「写真B
22巻8-1420沫雪かはだれに降ると見るまでに
流らへ散るは何の花そも
沫雪香 薄太礼尓零登 見左右二 流倍散波 何物之花其毛駿河采女 沫雪がうっすらと降るのかと見るほどに乱れて散るのは何の花だろうか。 1420番和歌札「写真A」 「写真B
23巻8-1426わが背子に見せむと思いひし梅の花
それとも見えず雪の降れれば
吾勢子尓 令見常念之 梅花 其十方不所見 雪之零有者山部赤人あの方に見せようと思っていた梅の花はどれとも分からぬ雪が 降っているので。1426番和歌札「写真A」 「写真B
24巻8-1434霜雪もいまだ過ぎねば思はぬに
春日の里に梅の花見つ
霜雪毛 未過者 不思尓 春日里尓 梅花見都大伴三林霜も雪もまだ消えやらぬのに思いも寄らず春日の里で梅の花を見た。 1434番和歌札「写真A」「写真B
25巻8-1452闇夜ならば宣も来まさじ梅の花
咲ける月夜に出でまさじとや
闇夜有者 宇倍毛不来座 梅花 開月夜尓  伊而麻左自常屋紀郎女闇夜なら来られないのも道理でしょうが、梅の花の咲いている この月夜においでにならなぬおつもりですか。1452番和歌札「写真A」 「写真B
26巻8-1640わが岳に盛りに咲ける梅の花
残れる雪をまがへつるかも
吾岳尓 盛開有 梅花 遺有雪乎 乱鶴鴨 大伴旅人わが丘に盛んに咲いている梅の花を消え残った雪とを見まちがえてしまった。 1640番和歌札「写真A」「写真B
27巻8-1647梅の花枝に散るかと見るまでに
風に乱れて雪そ降り来る
梅花 枝尓可散登 見左右二 風尓乱而 雪曽落久類忌部黒麿梅の花が枝に散りかかるのと見まちがえるほど風に乱れて 雪が降ってくる1647番和歌札「写真A」 「写真B
28巻8-1649今日降りし雪に競ひてわが屋前の
冬木の梅は花咲きにけり
今日零之 雪尓競而 我屋前之 冬木梅者 花開二家里大伴家持今日降った雪に負けまいとしてわが家の庭の冬木の梅は 花が咲いてきた1649番和歌札「写真A」 「写真B
29巻8-1656酒杯に梅の花浮け思ふどち
飲みての後は散りぬともよし
酒坏尓 梅花浮 念共 飲而後者 落去登母与之坂上郎女酒杯に梅の花を浮かべ気の合った同志で飲んだその後は 散ってもかまわない。1656番和歌札「写真A」 「写真B
30巻8-1661ひさかたの月夜を清み梅の花
心開けてわが思へる君
久方乃 月夜乎清美 梅花 心開而 吾念有公紀少鹿郎女月夜が清らかで梅の花のように心も清々しく思うあなたなのです。 1661番和歌札「写真A」「写真B
31巻10-1820梅の花咲ける岡辺に家居れば
ともしくもあらず鶯の声
梅花 開有岳辺尓 家居者 乏毛不有 鶯之音読人不詳梅の花が咲いている岡辺にすんでいると鶯の声をふんだんに聴くことができる。 1820番和歌札「写真A」「写真B
32巻10-1840梅が枝に鳴きて移ろふ鶯の
翼白栲に沫雪そ降る
梅枝尓 鳴而移徒 鶯之 翼白妙尓 沫雪曽落 読人不詳梅の枝に鳴いて飛び移る鶯の翼も真白に見えるほどに沫雪が降る。 1840番和歌札「写真A」「写真B
33巻10-1873何時しかもこの夜の明けむ鶯の
木伝ひ散らす梅の花見む
何時鴨 此夜乃將明
 鶯之 木傳落 梅花將見
読人不詳 何時になったら この夜は明けるのか  鶯が木を伝って散らす 梅の花を見たい1873番和歌札「写真A」 「写真B
34巻10-1883ももしきの大宮人は暇あれや
梅を挿頭してここに集へる
百磯城之 大宮人者 暇有也 梅乎挿頭而 此間集有読人不詳大宮人は暇なのであろう。梅を髪に挿してここに集まっている。 1883番和歌札「写真A」「写真B
35巻10-1918梅の花散らす春雨いたく降る
旅にや君が庵せるらむ
梅花 令散春雨 多零 客尓也君之  庵入西留良武読人不詳梅の花を散らす春の雨がひどく降っている。旅先では君は小屋に 泊まっているのだろうか。1918番和歌札「写真A」 「写真B
36巻10-2325誰が園の梅の花そもひさかたの
清き月夜に幾許散り来る
誰苑之 梅花毛 久堅之 清月夜尓  幾許散来読人不詳何処の庭の梅の花なのか、大空の清い月夜にこんなに散ってくる。 2325番和歌札「写真A」「写真B
37巻18-4134雪の上に照れる月夜に梅の花
折りて贈らむ愛しき児もがも
由吉乃宇倍尓 天礼流都久欲尓 鳥梅能播奈 乎利天於久良牟 波之岐故毛我母大伴家持雪の上に月が照る夜に梅の花を折って贈って やるような可愛い娘がいたらなあ。4134番和歌札「写真A」 「写真B
38巻20ー4500梅の花香をかぐはしみ遠けれど
心もしのに君をしそ思ふ
宇梅能波奈 香乎加具波之美 等保家抒母 己許呂母之努尓 岐美乎之曽於毛布市原王梅の花の香りのようにかぐわしいので、遠いけれど 心も萎えるほどあなたのことを思う。4500番和歌札「写真A」 「写真B
(注)口語訳は元和歌山県立日高高校長 古川成美先生(御坊市在住)

(左)口語訳者の表示木碑(右)和歌札の一例・大伴家持歌札(No37 巻18-4134)
<4>建立年月 平成9年2月11日
   建立者  南部川農林業協議会

<5>所在地  和歌山県日高郡みなべ町晩稲 
     
<6>交通   JR紀勢線 南部駅より北東へ約7km 
        阪和自動車道 みなべICより約3km     


(左)建立者の挨拶文(右)「みかへり坂」の碑

(上)みなべ町付近地図(下)南部梅林付近の地図
<7>関連情報提供者  平井正雄氏

<8>情報確認年月日  平成22年11月12日 
                       

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開設日:平成20年7月4日ー更新日:平成22年12月2日