この連載では、「世の中」の諸地域の猫事情をご紹介! 猫や動物が大好きな方、猫と暮らしている方はぜひご覧ください。
筆者と愛猫ミルテのオランダねこ暮らしも毎月お届けします♪
本連載今年2月22日公開「猫の日おめでとう」号にて、私がオランダの仲間たちと行っている
福島やその周辺の子どもたちへのチャリティー活動およびオランダの猫アーティスト、アリー・デヨングさんのことをご紹介しました。
アリーさんがプロジェクトに寄付してくださった福猫てるてるぼうずたちももうすぐ日本へ旅立つので、
筆者も引き続き忙しく過ごしています。
そんな中、アリーさんより悲しい知らせが届きました。
アリーさんが福猫てるてるぼうずのモデルにした愛猫たちのうち、きくちよが死んでしまったとのことでした。
愛猫との別れは辛いものです。
アリーさんにはすぐにお悔やみのメールを送信しましたが、
その返信にご主人と2人して毎日泣き暮らしているとあり、胸の塞がれる思いでした。
私自身の体験は、前連載 「オランダねこ暮らし」シリーズに書きましたが、
アリーさんからの便りによると、きくちよとの突然の別れの場面も私のときと少し似ていたようでした。
このような知らせを受けると、私もつい当時を思い出してしまいます。
そんなときに浮かんでくる景色の1つは、動物の葬儀場です。
私の亡き愛猫アポロンは、亡骸をまず行きつけの獣医さんに見てもらったのですが、近くに動物の葬儀・火葬場があり、獣医クリニックからの移送の手配をしてくれるというのでお願いしました。
そして、その後そこへ改めて出かけていき、告別式の日取りや火葬に関しての相談・予約をしました。
葬儀場は自宅から車で20分くらいの距離にありました。
以前は農家だったところのようでした。
ちょうど、オランダの(人間の)葬儀や告別式の会場の縮小バージョンさながら、20人ほどが集まれるようになっている部屋や、大小さまざまな棺や遺灰を納めるためのウルン(骨壷)が置いてある部屋がありました。
なんとも悲しい日々ではありましたが、獣医さんや葬儀場からの温かい心づかいもありました。
葬儀場から後日届いたカードには、アポロンの葬儀の日の記録とともに
「涙にくれる日々のむこうに、思い出にほほえむ時が待っています」というような慰めの言葉が並んでいました。
葬儀場の裏は墓地になっていました。
5年契約で更新するシステムだとのことでした。
アポロンの遺灰を引き取りに行った日、少しゆっくり見せてもらいましたが、みなそれぞれ、生前大切にされていたことがよくわかる、心のこもったかわいいお墓ばかりでした。
アリーさんもお住まいのホールンで、きくちよとのお別れをしたことでしょう。
人と同じように、動物たちとも生きている間にともに過ごす時間を大切に、大事に接したいものですね。
五月晴れだね
國森由美子のブログ「オランダなんでもメモ」
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