この連載では、「世の中」の諸地域の猫事情をご紹介! 猫や動物が大好きな方、猫と暮らしている方はぜひご覧ください。
筆者と愛猫ミルテのオランダねこ暮らしも毎月お届けします♪
あらたな連載エッセイを開始することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
この連載では、わたしが日常の暮らしをとおして最もよく知るオランダやたまに里帰りする日本のみならず、
時にはもう少し「世の中」の諸地域の猫事情の動向にも目を向けてみたいという思いもあり、
タイトルを「世のねこ」としてみました。
でも、まずはやはりオランダと日本から始めましょう。
以前の連載中、オランダには、犬猫、ウサギ・ハムスター、鳥などを保護するアニマルシェルターがひじょうに多いということをご紹介しました。
そこは、日本の行政でいまだに行われているような大量殺処分を意味するのではなく、保護した動物たちの健康を守り、世話をして、迷子なら元の飼い主を、さもなければ里親を探すことを第一の目的とするところです。
オランダに暮らしつつ日本を思いながら悲しい気持ちでそれを取り上げた一年ほど前と比べると、幸いなことに、日本の保健所の状況にも徐々に変化が現われつつあるように思います。というか、何年も前から殺処分をなんとか減らそうという行政側の努力が実を結び始めたということなのかもしれません。
わたしが偶然目にしたのは、つい最近では千代田区の行政と民間とが連携した地域猫活動、少し前には熊本市の動物愛護センターの犬猫殺処分ゼロの取り組みです。
熊本市とどのような関わりがあるのか(ないのか)は不明ですが、これに力を注ぐ地元の政治家もおられるようです。
以下、読者のみなさまの地域でもぜひご参考になさってください。
保健所の職員とて、これまでどんな思いで辛い業務に携わり続けていたかと思うと胸が痛みます。わたしとしては、地域住民と協力したこのような取り組みは日本の風土や生活形式に合っているような気もしますし、全国に広まっていってほしいと切に願っています。
わたしは、日本人は賢い国民であり、なにか新しい物事を受け入れるとそこにさらに細やかな加工を施し発展させる能力があると思っています。
そのうち、ペットの動物たちとの共存のしかたも洗練されたものとなり、今度はむしろ他国から賞賛されるように…なるかもしれませんね、いや、ぜひそうなってほしいと思います。
どうか、日本の幸せな飼い猫ではない猫さん方が、意味もなく殺処分されることがなくなりますようにと祈ります。
荷台の上にいっぱいのチューリップの球根を見おろすのが、なにやらお気に召したようでした。
國森由美子のブログ「オランダなんでもメモ」
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