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ゴルフカート、県道違法横断 東名富士CC

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 静岡県小山町のゴルフ場「東名富士カントリークラブ(CC)」で、車両登録していないゴルフカートに客やキャディーを乗せ県道を通行させたとして、県警は、道路運送車両法違反の疑いで東名富士CCに改善を指導した。昨年末以降、指導を重ねるが、東名富士CCは「検討中」として抜本的な対策を講じず、違法通行が常態化している。

 東名富士CCは、県道をはさんで東西にコースが分かれている。このため十八ホールを回る間、ゴルフ客はカートに乗って二度、県道を横切っている。三十年以上前から続いているという。

 道路運送車両法は、公道を走る自動車にはブレーキランプをつけるなどの保安基準を定めている。カートも適合を証明した上で、国土交通省に車両登録することを義務付けている。

 御殿場署は昨年末、東名富士CCのカートが保安基準を満たさず、車両登録もしていないことを把握。横断をやめるか、県道に陸橋をかけるなど具体策も示し、早急な対策を求めた。

 指導を受け、東名富士CCは県道を走行する車など向けに「注意 カート横断」と注意を促す看板を四カ所に設置したが、根本的な対策は講じていない。

 署幹部は「街中と比べて交通量は少なく、これまで大事故は起きていない。現時点では自発的な対策を求めている」と話す。現状が続けば「(横断地点で)カートの取り締まりも想定する」とし、その場合、運転手らが対象となる。県警によると同法違反でカートを取り締まった前例はない。

 東名富士CCの磐田恭三社長は、本紙の取材に「カートの改造を視野に、国交省に保安基準を問い合わせているところ。公道をカートで横断するゴルフ場はほかにもあり、事故は起きていない。横断をやめる、やめないの結論は出していない」と答えた。

 同じ小山町にある富士国際ゴルフ倶楽部も、県道でコースが分かれるが、県道下に地下道を造っている。神奈川県大磯町のレイクウッドゴルフクラブは公道にカートを走らせず、客は歩いて渡っている。

◆ナンバーの取得が必要

 大阪大大学院の中井宏准教授(交通心理学)の話 公道を走るのであれば、カートには小型特殊のナンバー取得が必要。(現場は)速度の出やすい坂の途中で、下ってきた車とカートが接触すれば、重大事故にもつながりかねない。

(牧野新、杉原雄介、谷口武)

 

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