アレクサンドル・ヴァシーリエヴィチ・プィリツィン


歩兵。懲罰大隊の隊付指揮官として、戦争の中盤からベルリンまでを戦い抜いた。その活躍はロドリク・ブレースウェート著『モスクワ攻防 1941 戦時下の都市と住民』(川上洸訳、白水社、2008年)でも言及されている。
この談話はロシアで出版された懲罰隊関連の論文集に掲載されたもので、当然のことながら懲罰大隊での様々な経験が主な聞き取りの内容となっている。全体として、聞き手・語り手ともに現代の放恣な懲罰隊イメージに対する反発が強いらしく、とりわけ2004年にロシアで製作されたテレビドラマ「シトラフバート」が槍玉に挙がっている。聞き手の質問にも誘導的なところがあり、必ずしも中立的なインタビューとは言い難いのだが、体験者ならではの得難い談話であることは間違いない。とりわけ懲罰大隊と懲罰中隊の違い、隊員の補充と除籍、叙勲、武装などについての情報は貴重なものだと言えよう。

(出典:Военно-Исторический Сборник "Штрафбаты по обе стороны фронта" М., 《ЯУЗА》《ЭКСМО》, 2008)

アレクサンドル・プィリツィンへのインタビュー:

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