イヴァン・イグナーチエヴィチ・シェレポフ
歩兵。軍歴の最初と最後において、敵軍の攻勢により教育を中断して最前線へ投入された経験を持つ。戦局に翻弄された不運な兵隊生活と言えなくもないのだが、しかしその談話からは過酷な戦いを生き抜いた兵士たちの精気あふれる姿が浮かび上がってくる。同時に、呆気ないほど簡単に人の命が失われる戦場の実相も。
また、これは特に最初の戦いを語ったくだりで顕著なのだが、鮮明に憶えている部分と忘却に沈んだ部分とが混ざり合い、悪い夢を見た時に似た奇妙な生々しさを感じさせる。体験者の記憶の中の戦争は、このような形で生き続けているのだろう。イヴァン・シェレポフへのインタビュー:
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