第二章~過去~
二人は外に出た。
周りの人たちがあそこにある山に指をさしている。
「なんだあれ!?」「隕石か?」「一体なんだ??」
ランス:「お、おい、何が起こったんだ??」
町の人「お、ランスか!聞いてくれ!あの山の上に隕石らしき物体がぶつかったんだ!」
ランス:「隕石?」
町の人:「そうだ!俺もよくわからないが」
『ランス、僕行ってみる』
ランス:「あの隕石を調べにか?危険だぞ」
『危険でもいい。これが僕に関わる出来事かもしれないから』
ランス:「へ?何言ってんだ!?意味分からないよ」
僕は強気でそう言った。ランスは、はぁ?という顔をしていた。
『話はあと!一緒に行こう!ランスにも関わる事かもしれないから!』
僕はそう言ってランスを引っ張って山の方に走っていった。
ランス:「なんだよいったい!」
僕はランスには、記憶が喪失していて、よくわからないがカラスト・アルテマの息子なのかもしれないという事を言わなければいけないような気がしていた。
『ランス、真面目に聞いてほしいことがあるんだ。僕は本当に、カラスト・アルテマの息子なのかもしれない』
ランス:「はぁ??」
僕は記憶喪失していることをランスに話した。
『面倒なことになったら困るから、他の人には言わないでよ。』
ランス:「ほ、本当なのか?お前は記憶喪失していて、カラスト・アルテマの息子なのかもしれないって」
『本当なんだ。信じてほしい。』
ランス:「でもいきなり言われたって……。」
ランスは半信半疑だった。
『カラスト・アルテマのこと、知ってたら教えて』
僕はなぜか次から次へと言いたいことがたくさんあった。
ランス:「……カラスト・アルテマは、何百年か前に死んだ英雄だ。
でもほとんどの人がカラスト・アルテマを軽蔑している」
『何百年か前に死んだ?じゃあ僕はカラスト・アルテマの息子じゃないかも知れないんじゃないの?』
ランス:「いや、その息子は何百年か前に生きていた。
でも、この世界の中には時空が飛んでしまう場所があるらしい。』
僕は何がなんだか分からなかった。
『じゃあ僕は時空にのってここに来たかもしれないってわけ?』
ランス:「かもしれないな。他の人にはカラスト・アルテマの息子だって言わない方がいい。
カラスト・アルテマは軽蔑されていたからな」
『軽蔑されていたって、どうして?』
ランス:「俺も良く分からない。でもいつの日かカラスト・アルテマは最悪な奴だって言われていた。」
『………。』
ランス:「あ、そうだ。お前が本当にカラスト・アルテマの息子だったとしたら、教えたいことがある。
実はな、俺の親父がカラスト・アルテマの真実を確かめるために旅に出たんだ。」
『それで?』
ランス:「……そのあとは良く分からない。」
ランスがそう言った瞬間、何かの言葉が頭を過った。
バハ……ート……えはここで……っていろ……オレが…………暴走を……みせる……
考えれば考えるほど頭が痛くなってくる。今は考えることよりあの隕石を調べる方が重要な気がしていた。
『ランス、早く、あの隕石を調べよう!』
ランス:「あ、ああ、わかった。」
過去を振り返るより、今を見た方が良い
どこからかそんな声が聞こえてきたような気がした。
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