マリーン・フォース3

~おまけページ~ その3


再び登場、IZMiです。
二度とネットの世界には戻ってこれないと思っていただけに、こうして戻ってこれたことに感激もひとしおですよぅ~☆
今回は、マリーン・フォース3にて物語の背景となっている帝国領土侵攻作戦こと『オーバーローディング』作戦について、説明したいと思います。

なお、今回の地図は、当サイトにて「新機獣戦記ZOIDS」シリーズを連載されておりますテル様よりいただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。







共和国軍、一大反攻作戦
『オーバーローディング』を発動。


「約束の時、ついに来たれり。     
     我ら槍の穂先に勝利を誓わん」


共和国軍海兵隊総司令官 ミラード・ジー・ストックウェル中将がオーバーローディング作戦実行の際に発した言葉。

ZAC2038年6月6日
 みなさん、お元気ですか~???
 ついに3回目の登場のIZMiでございますよぅ~☆

 大好評連載のこのおまけページ、さっそく始めます。
 大好評って、ほとんどなんの反響もなかったやろ。
 影さん、またきたんですか。 アナタ、お呼びじゃないですよ~☆
 だいたい影さんが偉そうに講釈してるから、反響なかったんですよぅ。
 はいはい。くだらない前置きはいいから、さっさと始めよう。
 こういうやりとりって、やってるほうは楽しいけど、読まされるほうは苦痛だから。
 ……ですね。
 管理人にライトノベルを書く才能はないですよぅ~☆
 ……。
 えへへ。

 それでは説明開始ですよぅ~☆
 ヘリック共和国軍は、陸・海・空・海兵隊の4軍を集めた南方遠征軍を編成しました。このとき共和国は、現時点で許されるかぎりで最大の兵力動員を行っております。なんと後方要員も含めると、参加兵士は100万人以上。これ以上大規模な侵攻作戦は、かつて例がないものでした。
 
 ここでさらに補足説明。
 南方遠征軍は、三つの集成軍からなり、それらは陸・海・空・海兵隊の混成部隊となっています。
 陸・海・空は最終的に大統領によって統括されているとはいえ、基本的には独立した指揮系統をもっているわけだけども、それら指揮系統を一本化し運営しやすくしたものを共和国軍は「集成軍」と呼称し編成したのでした。この集成軍が編成されたのは共和国軍でも例のない事柄です。
 指揮系統をすっきりとした一本化というのはびっくりです。まぁ実際、シミュレーションゲームなどで、陸上ユニットと海上ユニットと航空ユニットを別々の人に運用されたら、かなり不利ですもんね。
 まあね。
 戦争が複雑化しているから、それぞれ個々のエキスパートがトップにたって独自に運営されたほうがミスも減って全体的に見れば効率はいいんだけど、一つのことに全力投球するときはやっぱり指揮は一本化したほうがいいんだよね。まぁそれでも一つの組織で運用できる人数は限界があるわけで、各集成軍ごとの総司令官はいるものの、これら遠征軍の総指揮官はやっぱりヘリック大統領その人です。まぁ、あくまで便宜上だけども。
 第1集成軍は、海兵隊の総司令官であるミラード・ジー・ストックウェル中将直率の部隊で、新設されたばかりの海兵隊五個師団(兵員数約8万人)が主力となっています。もちろんこれだけでは兵力不足ですので、陸軍の歩兵師団が10個師団、空軍の1個戦闘機集団と1個輸送集団、そして1個爆撃機集団がおりました。ちなみにこれだけで帝国軍の侵攻部隊『ディー・リヒテハント・フォン・ゼネバス・コーア』(ゼネバスの右腕)とほぼ同数の兵力です。
 これに加えて、第2集成軍、第3集成軍が存在しており、実質帝国軍との動員戦力差は3倍近いものがありました。
 しかも共和国軍はさらにレッドリバー防衛軍を維持しつつ、遠征軍にこれだけの動員をしたわけだから、帝国との戦力差は歴然としているわけだよね。
 それでも共和国軍は帝国軍と五分ですからびっくりですよぅ~☆
 いかに帝国軍が精強か、むしろ共和国軍が脆弱かってことになりますね。
 共和国軍は弱くても強い(?)んです。「勝は大兵にあり」ですよ。弾より多い敵には勝てないというのは戦場の真理だからね。
 ただ、本編でも書かれてますけど、これは共和国軍にとっても乾坤一擲の作戦で、大博打ではあったんですよ。共和国はこのとき国家緊急法により、国内の産業を全部軍事体制へと移行させていたから国内の経済はガタガタになったし、帝国軍の侵攻をテリトリアル・ディフェンスで受け止めているんですからね。
 マリーン・フォース本編でもちゃんと「あと五年もこの状態が続けば、共和国は国家としての体裁を保てなくなる」って言ってますもんね。
 うん。だいたいテリトリアル・ディフェンスっていうのは、ある意味「焦土作戦」だからね。市民の軍隊であるはずの共和国軍が、自国領土を焼いてまで帝国軍の侵攻を鈍らせようとしていたんだよ。しかもそれだけでも間に合わず、急遽、遠征軍の一部をレッドリバー防衛隊に編入させた上に、帝国軍の戦力をわざと遠征軍に向けさせるようにもしてるんだから。本来なら遠征軍に危害が加わらないようにするべきところを。
 それだけ切羽詰っていたってことなんですね。
 そのとおり。
 もしオーバーローディング作戦に失敗していたら、共和国軍はすぐに負けはしないだろうけど、帝国軍もなんとか建て直す時間がえられて戦争は長期化しただろうね。
 結果的に作戦は成功して、第一次中央大陸戦争の一つの転換点となるわけですけど、このとき共和国軍が行った『オーバーローディング』作戦とはいったいどういうものだったのかを簡単に説明します。
 まず作戦名の『オーバーローディング』とは過負荷を意味する言葉です。
 (小声で)……管理人がかの有名な「ノルマンディー上陸作戦」の作戦名オーバーロードを「大君主」ではなく、別の意味に勘違いしてたかららしいぞ。
 ちなみに本編では詳しく解説されていませんからここで解説しておきますと、この『オーバーローディング』作戦は、ミーバーロス港上陸作戦と中央山脈制圧作戦(正確には幹線道路の掌握)、エルステル橋攻略作戦、イリュージョン城陥落作戦のすべてを含めた全体的な作戦名です。
 三つの集成軍で最初に行ったのがミーバーロス港上陸作戦ですけど、これだけを指して『オーバーローディング』作戦というわけではありません。
 まさにオーバーローディング(過負荷)ですな。両軍にとっても。
 なお、ミーバーロス港上陸に成功後は、上記戦略マップをご覧になっていただければわかるとおり、3つの集成軍はみなわかれて行動しています。第1集成軍はイリュージョン城へ、第2集成軍は中央山脈の制圧へ、第3集成軍はエルステル橋攻略です。
 本編では、第3集成軍の『ディスカバードチェック』作戦が主に語られていますが、イリュージョン城陥落を目指した第1集成軍の作成名は『キャスリング』作戦、第2集成軍は『パーペチュアルチェック』作戦と呼称されていました。 
 全部「チェス」の用語なんだよな。
 あい。
 付け加えますと、ディスカバードチェックとは将棋でいうところの「王手飛車取り」みたいなものです。キャスリングとはキングの駒とルークの位置をとりかえること。パーペチュアルチェックとは千日手となる「連続王手」のことです。
 それぞれ作戦名が行動を暗喩しているのが不思議だけどね。
 実際、作戦名をつける場合、その名前で行動がバレる可能性があるようなのをつけるはずがないんだけども。
 ま、そこはエンターテインメントですよぅ~☆
 V作戦とか星一号作戦とかでもよかったと思いますけど(よくはない)。
 第2集成軍、本編ではまったく触れられてないけど、第2集成軍の作戦名が「連続王手(千日手)」というのは管理人も気に入ってるらしいぞ。確かに第1、第3が失敗しても、第2集成軍が作戦を成功させてしまえば、『ディー・リヒテハント・フォン・ゼネバス・コーア』を包囲殲滅できるわけで、それこそ両軍とも遠征軍を失って引き分けになるからね。
 三つの集成軍の中で、一番戦略的目的が高いかもしれませんねぇ。勝たなくても負けなくなるんですから。
 実際、第2集成軍は陸軍の山岳師団を主力として編成されていて、中央山脈の制圧というよりは、幹線道路の掌握、そしてミドルハイウェイの封鎖が作戦の主要目的なのだね。
 それこそが帝国軍の補給路の遮断となる。第2集成軍が目的を達した時点で、帝国の勝利は消滅するわけだ。野球でいえば、同点延長なしの試合で先攻側の9回表の攻撃が終わったようなもんだね。あとは9回裏、敵側の攻撃しかない。
 それだけ第2集成軍の働きにかかっていたわけですねぇ。
 まぁ、主攻はあくまで第1集成軍だけどね。イリュージョン城を陥落させてしまえば、どっちにしろ帰るべき家を失った侵攻部隊『ディー・リヒテハント・フォン・ゼネバス・コーア』は消滅するんだから。散り散りになってゲリラ化するか、包囲殲滅するかの違いはあるにせよ。
 ですね。
 そのために3つの集成軍はミーバーロス港に上陸したのですから。
 そして、ミーバーロス港上陸作戦で活躍したのが、海兵隊の5本の霊槍こと、5隻のウルトラザウルスでした。
 いわゆる5槍艦ね。
 この5隻には試験的に『ブリューナク・システム』と呼ばれる共同交戦射撃統制システムが搭載されていました。これは戦闘情報を司る高速コンピュータの自動データ交換システムであり、ようするに戦闘行動に関わるすべての必要な情報を各艦で共用するというものです。
 これは情報をリアルタイムで共有しているので、戦闘におけるタイムラグがない素晴らしいシステムなんだよね。本編ではさらりと書かれててあまり活躍している印象はえられないけど、イージス・システムよりさらに上の戦闘システムではある。
 アメリカ艦隊などではすでに導入されてるらしいけどね。
 5隻の能力を一つにまとめるわけだから、戦闘力は5倍ですね。
 うん、まあそう単純なものではないだろうけどね。ただ、状況によっては足し算ではなく掛け算的に戦闘力がアップするから、5倍以上ともいえるかもしれない。
 例えば、ある陣地に向けて5隻がやたらめったらに砲撃するより、完全にデータを共有して撃てば無駄弾は省けるし、なにより短時間における効率的な火薬の投射量を実現できる。絨毯爆撃は心理的効果は高いけど、当たらない弾を何発も撃つより、効果的な数発を確実に打ち込んだほうがいいに決まってる。だいたい弾薬の消費量が減るってことは、戦闘時間がのびるってこと。つまるところ大きな目で見れば、本来10人必要な作業を7人ないし8人で行えるようになるわけだし。
 ですねぇ。
 ちなみにあくまで目算ではありますが、この5隻がブリューナク・システムなしで砲撃を行っていた場合、同じ「効果的な砲撃」を実現させるためにはさらに4時間以上の砲撃を必要とするといわれてます。
 そしてその2時間を短縮するために必要なウルトラザウルスはさらに約5隻。つまり、10隻のウルトラザウルスを必要ということになります。
 5隻のウルトラザウルスを戦力化するために海兵隊が必要とした期間が約半年。そしてさらにそれに5隻追加することになれば、さらに戦力化が遅れ……。
 とんでもない事態になっていたかも、ですねぇ。
 といっても、あくまで目安ですけどね。このミーバーロス港上陸作戦には、この5槍艦以外にも、レオン・アニエスハート代将の旗艦『トライデント』や、海軍のウルトラザウルスが上陸支援を行ってますし、海上から砲撃できるのはウルトラザウルスだけではありません。5槍艦の活躍に目を奪われますけど、他の部隊もちゃんと活躍しているんですよぅ~☆
 他の部隊といえば、軍事探索監視衛星“バロール(魔眼)”はブリューナク・システムには欠かせないものだったし、なにより兵站部門は、“ロータスブルーム(蓮の華)”なんて海上事前集積艦もあったしね(まぁ実際は“事前”ではなく、後を追う形になっちゃってたけど)。さながら共和国軍の新兵器実験場だったんだよね。
 ゾイド自体に新しいものがあったわけじゃないんですけどね♪
 既存の兵器とうまく組み合わせた、ハードウェアではなくソフトウェアの面での見本市みたいになっていたんですね。
 そういうこと。
 OSがアップデートすればできる作業や仕事がまるっきりかわるのと同じ。ちなみにゴジュラスも『戦闘機械獣のすべて』によると、初期量産型なんかはあまりにものろくて戦闘には使えなくて作業用にしてたらしい。
 ほえ~。もったいない。
 いずれにせよ、新型ゾイドはいなくても、新型兵器はたくさんあったわけです。ゾイドの世界では、「改造ゾイド」と呼ばれるものが戦局に無視できない効果を及ぼすことがあるけど、それと同じで既存の兵器をアップデートさせたものが大活躍したのがこのミーバーロス港上陸作戦でもあったというわけ。 
 そのかいがあってミーバーロス港上陸作戦は成功しましたが……。
 帝国軍もバカではないので、すぐに防衛作戦を発動。
 基本的にはイリュージョン城にいた予備兵力を使い、第1集成軍の戦いに備えました。そのあたりはバトルストーリー1巻を読むといいと思います。そして第3集成軍の対しては、本国より編成がなったばかりの特別編成505師団、通称【ジバニーツ・カンプフグルッペ】を派遣したんだね。
 もちろんそれだけじゃないけども。
 本来なら、彼らの活躍がメインになってもいいくらいなはずなんですよねぃ。ミルヒ・シュトラーゼを渡り、第3集成軍の後方より襲いかかって、それら主力戦力を大混乱に陥れるなんて活躍をしているわけなんですから。
 そのあたり本編で描かれていないのは残念だよね。
 第3集成軍主力といえば、動員兵力はほとんどが歩兵だけとはいえ10個師団。それに対し、【ジバニーツ・カンプフグルッペ】は完全に機械化されている装甲師団とはいえ、定数不足の半個師団。戦力差は実質20倍ですから、どんな戦いをしたのやら。グラーフとリーザが協力してゴジュラスを倒したシーンはあったけども。
 戦記小説は、立場によってメインとなって描かれる部分が変わるのは当然ですよぅ~☆ 両方を描こうとすれば、それだけ文量を必要としますから。共和国側の話なんですし、帝国側が削られるのは半ば必然です。日本のWW2の架空戦記モノで、アメリカ軍のほうがシーンが多い小説なんてありませんよぅ~☆
 それはともかく、第六章の時点でエルステル橋は陥落し、イリュージョン城への増援はこれで断たれました。
 まぁ、史実でもイリュージョン城は陥落しているので、いくらオリジナルとはいえそこはかえるわけにはいきません。
 公式設定をかえてしまうのは、シェアードワールドストーリーを書く上で重大なルール違反ですから。
 ですね。
 第一次中央大陸戦役は、この戦いがきっかけでミリタリーバランスが傾き、共和国が勝利するのですもんね。
 しかしながら、共和国兵士はこの戦いに「第一次」という言葉がつけられるなんて、このときはまだ思いもよらなかっただろうね。そして、第二次中央大陸戦役で、自分たちの首都が失われることも。
 そして勝つ戦争にも必ず犠牲者がいることも忘れてはいけませんよぅ~。
 最後に、なんで主人公であるレオン・アニエスハートの【レオン・ブリゲイド】が作中で、エルステル橋を戦略目標としているかご存知かね???
 それはもちろん、戦争のお話ですし橋が重要な拠点となるからでしょ。
 もちろんそのとおりなんだけども、エンターテインメント的にみてね。
 たとえば「●●要塞」とかでも話的にはよかったはずだとは思わないかい?
 ガンダムとかでは、最後は必ず要塞戦だけど橋の制圧戦とかで終わったりしないでしょ。
 まぁ、オリジナルの話ですし、公式設定にはない架空の要塞を設定して、それを攻め落とす話でも良かったとは思いますけど……。
 バトルストーリーを読むと、常に勝利のシンボルとして描かれるのが「橋」なんだよ。
 旧バトルストーリーの1巻のラストは、共和国大進撃ということで、橋を渡る大部隊の絵が書かれているし、第2巻では名シーンであるフロストイグアンが活躍するバーナム川の国境の橋争奪戦がまさに転換点となった。
 そして戦局を決定づけたエリクソン大佐のウルトラザウルスと“トップハンター”ことトビー・ダンカン少尉のデスザウラーが戦ったのも橋の上……。
 そして4巻、帝国滅亡のきっかけとなるマッドサンダーが完成する前シーン。これに先立って共和国軍が主要戦力を展開したのは?
 橋です。ゴーレムが橋げたの上を渡っていくやつですね。
 戦局の転換点となるとき、かならずといっていいほどバトルストーリーでは「橋」というものがキーワードになっているのだね。
 なるほど。だから今回も「橋」が重要なキーワードになっているんですね。
 そのとおり。ちなみに本編ではこの橋をひっかけて、全体的なメタファ(暗喩)にもなっている。エルステルとは「カササギ」のことで、ミルヒ・シュラーゼとは「天の河」のこと。
 さらに、本編の日時は7月6日。そしてその翌日は?
 七夕です。その日は、天の河にはカササギの羽の橋がかけられ、織姫と彦星が出会う日……。 
 織姫と彦星がなにを暗喩しているかは、次回の第七章を見てもらうしかないのだけども。
 織姫ってたしか、彦星のせいで天の帝に罰を受けるのではなかったかしら。
 大好きな人を守るために罪を犯し罰を受ける人って、たしか本編では……。
 ……。
 本編第三部「ディスカバードチェック」が、キャラクターと場面をつなげた一つのメタファであるのはいいんですけど、読者に言わなければ気づかれない暗喩は、いい暗喩とはいえませんよぅ~☆
 ……(涙



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