東邦が的確な分析で好投手を攻略した。相手先発は、1回戦で完封した河野。その投球を見た森田泰弘監督(59)は「立ち上がりはボールが先行する」。示した方針は、低めの変化球を早打ちしないこと。初回、読み通り制球に苦しむ河野から2点先制した。
足でも揺さぶった。「動くことを意識付けすることでプレッシャーを与えられる」と森田監督。「序盤から走れ」と選手に伝え、7盗塁をマークした。
思い切った判断の根拠となったのがデータだ。相手の映像を何度も見た。試合に出られない選手も配球や投手のけん制の癖を分析し、チームで共有した。3安打2盗塁の活躍を見せた4番・熊田は「みんなで隙を突いて勝った試合」と胸を張った。名門対決で見せた16安打12得点は、チーム力の結晶だ。 (佐藤健志朗)