あさなぎ型護衛艦


護衛艦あさなぎ型1969年時




戦後、フレッチャー型駆逐艦は武装を解除し、米軍に兵員輸送艦として移管または、民間へ譲渡され、漁船や貨物船、旧日本軍兵士の引き上げ船などに使用されていた。
これらを解体してスクラップにしようと米軍は画策したが、冷戦の突入に伴い海軍力の増強のために艦艇が欲しいソ連と意見が一致せず、朝鮮戦争が勃発するまで放置されていた。
朝鮮戦争が始まると、元フレッチャー型駆逐艦は米軍製の武装やレーダーなどの電子機器が供与され、海上警備艦として第二の人生を歩み始めた。
問題は艦名だった。そこで艦名を募集したが、募集した艦名が改装艦の数を超えたためくじ引きで選ぶことになった。このため「くじ引き警備艦」のあだ名がつくことになった。
結果的に艦名は、「あさなぎ」、「ゆうなぎ」、「ふぶき」、「すずつき」、「はまかぜ」、「しぐれ」、「たまなみ」が決定した。
艦名の決定後、直ちに供与された電子機器や武装を施す改装工事を開始。前部38口径5inch単装両用砲1基を撤去し、ヘッジホッグMk.15発射機2基を並列に配置した。
また、同時に大戦時に製造された機関に亀裂などがあったため機関を換装、同時にCICの設置などで完了予定の1954年よりも1年長く改装工事することになった。
改装完了後の1955年、海上警備隊に編入され日本海や東シナ海の哨戒に従事した。
1968年に採用されたばかりのHOS-301を2基設置する改装を行った。この時、膨張式救命筏も追加装備された、
朝鮮戦争終結後、海上警備隊から護衛艦隊への改変によって護衛隊群に配属され、1970年まで在籍した。
1970年に地方隊への転換が行われることになり各種改装を施された。このことについては別ページで詳しく解説します。

諸元 あさなぎ(第一次改装後)
排水量:2100t
全長:114.8m
全幅:12m
吃水:3.8m
出力:60.000hp
最大速力:34kt
機関:Babcock & Wilcox罐・重油焚×4基
   General Electric式ギヤードタービン×2基
レーダー:SC-2(捜索レーダー)及びSG(対水上レーダー)
ソナー:SQS-10
FCS:FD Mark4×2
武装:38口径5inch単装両用砲 3基
   20mm単装機関砲 4基(片舷2基、両舷4基)
   ヘッジホッグMk.15発射機 2基(並列に配置)
   (1968年にHOS-301(68式3連装短魚雷発射管) 2基(片舷1基、両舷2基))
   爆雷投射機 6基
   爆雷投下軌条 2基
同型艦:DD-300 あさなぎ
    DD-301 ゆうなぎ
    DD-302 ふぶき
    DD-303 すずつき
    DD-304 はまかぜ
    DD-305 しぐれ
    DD-306 たまなみ

あとがき この艦の参考にしたのは以下のページです。
     駆逐艦フレッチャー、護衛艦ありあけのデータはT-KEYのみりたり~なぺーじを参考にしました。
     武装に使用した素材は坂井百貨店にて購入(ダウンロード)したものです。
     初版 2011年4月3日 いろいろ手間取ったがようやく完成。