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どのようにすれば聞こえるのか?

周波数について

 
すべての船舶気象通報局は1670.5KHZを使用して放送しています。電波形式はH3E(A3H)でSSBです。意味は振幅電話単側波帯全搬送波(AMだが6KHZ幅の中心から片側を使う占有周波数帯幅が3KHZのもの)です。それで一番良く聞こえるのが1669KHZになる訳です。受信モードをUSBにしてゼロインするとこの周波数になります。もちろんAMモードでも受信できます。

この他に海上交通センターや船舶通航信号所、潮流信号所がありますが1651KHZ、1665KHZ、2019KHZいずれもH3Eで1.5KHZ下が受信周波数になります。

受信機について

船舶気象通報局はじめ海上交通センターなどのユーティリティー局は普通の中波ラジオではたぶん聞こえないでしょう。なぜかといいますと普通のラジオはAMバンドは522KHZ~1611KHZ(または1620KHZ)をカバーするように作られています。ポリバリコンを使った安いラジオだと裏のトリマーを調整して同調周波数を変えられるでしょうが感度や選択度で劣るので受信には不向きです。

   FT747懐かしい?

もしアマチュア無線をやられていてHFトランシーバーをお持ちであればほとんどの機種は受信部がゼネラルカバレッジなのでそのまま受信可能です。最近はV・UHF機でも広帯域受信できるハンディー機があるのでそれを使っても聞こえるかもしれません。

  SONY ICF7600D
BCLをやられている方、または海外出張などで短波ラジオをお持ちの方はラジオのバンド範囲を確認してください。国際バンドにしか対応していない機種もありますので・・・ ちなみに私の持っていたICF2001DやICF-7600Dはゼネラルカバレッジ機なので問題なく受信できました。アメリカのAMラジオは1.6MHZ帯も使っているので使えるかもしれません。

出来ればオールモード、ゼネカバラジオ(トランシーバー)を準備していただけるとFBです。もっともこのページをごらんの方々のほとんどは持っていると想像していますが?

アンテナについて

先ず、ラジオのアンテナについてですが、私の知っている限りではAMバンドはバーアンテナを使用し、HF帯はロッドアンテナを使います。たぶん外部アンテナ端子(ジャック)が付いていると思いますが、付いていない時はカップラー(誘導コイル)かロッドアンテナに直に接続する事になります。アースは適当なGNDを見つけて接続します。使用するのはHF帯の方です。

  一番左のジャックがANT端子になっている

アマチュア無線機か通信機型受信機をお使いの方はHF帯または受信端子にアンテナ(コネクター)を接続します。

アンテナの種類はいろいろありますが、まずは今持っているアンテナの中でもっとも波長の長いアンテナで試してみてください。ロッドアンテナしかない方はとりあえず聴いて見て下さい。多分3.5MHZのDPやGPより短い波長のアンテナだとかなり近距離の局でないと弱く聞こえたり、聞こえないと思います。特に7Mの短縮コイルが入ったDPなどではメーターが振れないと思います。

一番お手軽に感度を上げる方法はシングルワイヤー(ロングワイヤー)アンテナを使う事です。ロングといってもアンテナを張れるスペースに制限があると思いますので、できるだけ長く、そして高く張れるように工夫しましょう。もしアンテナカップラーや野外型オートチューナーがあればそれを利用します。なければなくてもなんとかなります。このアンテナは接地型のアンテナなのでアース(接地)を取りましょう。受信専用だとそれほど接地抵抗に気を配らなくても問題ないですが、低ければ低いほど受信結果は良くなると思います。アースを取れない人は家にある物で代用できる物がないか探してみましょう。たとえばコンセントのアース端子、ガス管や鉄の水道管、灯油タンクの配管、などです。できるだけ地面に近いところに接続します。注意しなければいけないことは雷が近づいてきたらアースとアンテナ、そして受信機を切断することです。特にガス管は注意が必要です。もしそれもなければ、擬似アースを利用します。カウンターポイズとも言われていますが本来1/4λの線を放射状に数十~数百本、地表数メートルの所に展開する物です。アマチュア無線では1本でもこの言い方を使っています。なるべく長いビニール線かホルマル線(銅線だったら何でも良い)を適当に引き回してください。

      

もし3.5Mや7MのDPを建てているのであればそれを利用してT型アンテナにしてもFBだと思います。同調が取れればトップバンドアンテナにもなりますし・・・

バーチカルを建てている方はローディングコイルを増設すると簡単にトップバンドアンテナになります。

           
                ルーフタワー最上部がスモールループアンテナ

もしワイヤーアンテナを張るスペースがない、外来ノイズが多くて聞こえないという方にはスモールループがお勧めです。私はバーチカルアンテナを使っていますがノイズが多くて酷い時はSメータが9まで振れる時もありお手上げ状態でした。そこで先月スモールループを作ってみましたら非常に良好な受信状態を得る事ができました。バーチカルではノイズに隠れて聞こえなかった局がスモールループではメーターが振れないほど弱い信号でも浮かんで聞こえます。実に爽快ですよ!大きさも50センチ四方から使えますし、バリコンで同調させても良いですがバリキャップでリモートコントロールさせると手元で簡単に調整できます。
         スモールループ製作記ここをクリック

      

             
      無線機の下がリモートコントローラー           ピックアップループ部

            
         バリキャップを使った可変C            給電部とDC-AC分離器

他にビバレージアンテナなどの進行波形アンテナ、EWE、FLAG、などありますが国内向けだと上記のスタイルでほとんど受信可能だと思います。

ビバレージアンテナの製作予定

上に紹介したアンテナで秋田市固定からほとんどの海上保安系無線局の受信に成功しましたが、どうしても聞こえない局が2局あります。「ひのやました」と「どうかいハーバーレーダー」です。どちらも送信所が北九州市にありますが、ひのやましたは送信出力がわずか2Wと聞きます。どうかいの方は同一時刻に2局の混信があり距離、方向共に同じ位(100km前後、7度差)に位置しているのでループの性能では限界がありました。ループは水平方向に対しては8の字特性を持ちますが、垂直方向には無指向性です。現状では1000km離れたQRP局を強力に受信するのは困難なので、指向性が鋭く、打上げ角の低いアンテナが必要だと思いました。ビバレージはDX局の受信には定評があるので、一度実験したいと思っていたのでとりあえず主要部品の製作をしました(2003年4月17日)。

下の写真は1:9バランです。50Ω給電で450Ωの出力を得られます。作り方はとても簡単で、フェライトコアにトリファラー巻きした物を配線するだけです。予定では400~600Ωの終端抵抗値を得ますので、390Ω、100Ω、51Ω×2の金属皮膜抵抗(1W)を用意しました。試しに390+51Ωで計測したところ1~35MHZでVSWRが1.1と良好に動作しました。

 1:9バラン 端子間に抵抗を付け計測 フラットな性能でした