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【東京】

「生活保護廃止 追い込まれた」 立川の40代男性自殺 調査団が市に報告書

大霜俊夫副市長(右)に報告書を渡す調査団の宇都宮健児弁護士=立川市で

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 立川市で二〇一五年十二月、生活保護を受給していた四十代の男性が生活保護の廃止決定直後に自殺した問題で、生活困窮者の支援者や弁護士らでつくる調査団が二十八日、「行き過ぎた就労指導や生活保護廃止によって自殺に追い込まれた可能性が高い」として、再発防止を求める調査報告書を市に提出した。

 報告書によると、市は一五年九月以降、男性に求職活動をするよう指導・指示したが従わなかったとして、同年十二月九日に生活保護廃止を通知。男性は翌十日に自宅で自殺した。

 男性の生前の様子から「発達障害や軽度の知的障害の可能性があった」と指摘。市の対応を「個別の事情を把握しないまま不適切な就労指導を行った。生活保護廃止後のフォローもせず、配慮を欠いた画一的なものだった」と批判した。

 報告書は、市役所で調査団の宇都宮健児弁護士が大霜俊夫副市長に手渡した。市は自殺と廃止の因果関係を否定し、対応は適切だったとしているが、担当者は「改善すべきところは改善したい」と話した。

 市はこれまでの調査団との協議を受け、職員研修を実施。生活保護廃止対象者に、相談機関の連絡先を記した文書を配布することも決めた。 (服部展和)

 

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