福ちゃん通信 最終週
2019年3月29日
2019年03月30日 (土)
ヒロイン・福子役の安藤サクラさんの最終週の感想は「福ちゃんと萬平さんと鈴さん。3人ヒロインみたいなドラマ」です。
そんなサクラさんに、撮影時のエピソードや印象的だったシーンなどについて振り返ってもらいました。
お母さんにきちんとお礼が言えてよかった。
大病をして九死に一生を得た鈴さん。白昼夢に出てきた咲姉ちゃんの「最後にみんなにありがとうって言えたから」若くして亡くなっても後悔はないということばを聞き、「生前葬」をあげることを思いつきます。生前葬当日は、参列した親族や仲間が次々に弔辞を読み、そのたびに鈴さんはお礼を言っていきます。福ちゃんも今までの思い出とともに鈴さんへの感謝の思いを伝えます。
「生前葬のシーンは、実際にやるまではどんなシーンになるのか想像もできなかったのですが、みんな喪服を着て、本当のお葬式のようでした。みんなの喪服姿もすてきでした。吉乃ちゃんが色っぽくて。
とはいえ、泣くのもおかしいし、ツッコミ所満載だし、いったいどういう顔をしていたらいいのかなと思いました。きっと福ちゃんたちもそうだったと思います。
鈴さんらしい、『まんぷく』らしいエピソードですよね。
今思うと、お母さんとの時間を振り返るいい機会だったなと思います。お母さんにきちんとお礼が言えてよかったです。
生前葬の撮影日は、私の誕生日だったんです。娘の誕生日が咲姉ちゃんの結婚式の撮影日で振り袖を着ていて、私の誕生日が鈴さんの生前葬で喪服着ていて。
物語の始まりと終わりの対になる大がかりな2シーンが、娘の誕生日と私の誕生日だったので、とても縁を感じました。私にとっても娘にとっても、思い出深い誕生日になりました。
福子がスピーチしたのも結婚式と生前葬ですしね」。
野呂さんのお料理「も」と言ったのは・・・。
ついに発売された「まんぷくヌードル」。その斬新さとおいしさに感激した加地谷さんと野呂さんが、感動を伝えるため福ちゃんに電話をかけてきてくれます。
「加地谷さんの電話の声がすごく老けていて驚きました。すっかりおじいさんの声になっていて。
野呂さんとの電話のシーンで、野呂さんが『まんぷくヌードルおいしいなあ』って言ってくださって、福子は『野呂さんの料理もおいしいですよ』って言うのですが、ホテルでシェフをされてきた野呂さんのあんな立派なレストランのお料理とカップ麺を同等に並べるなんて・・・、と今の私たちの感覚では感じるかもしれませんが、それぐらい、当時はカップ麺というものが、画期的で価値のあるものだったんだなと思いました。
もし『あれ?』と思った方がいらっしゃったら、このころには本当に珍しい物だったということを思い返していただければと思います」。
カップ麺を歩きながら食べるのはなかなか難しい!
「食器いらずで、どこででも食べられる」という「まんぷくヌードル」のよさをたくさんの人に分かってもらいたい福ちゃんは、家の外に出て「まんぷくヌードル」を食べながら歩き、ご近所さんに「便利、便利」とアピールします。
「できたてのカップ麺をしゃかしゃかと歩きながら食べるというのは、実際はなかなか難しいものでした。やってみようと思う方がいらっしゃったら、最初に何口か食べて、スープをすすってから歩き出すことをおすすめします。フルの状態でやるとスープがこぼれやすいです」。
歩行者天国のシーンは笑いが絶えないロケでした。
福ちゃんのひらめきで、「まんぷくヌードル」の本当の価値が分かるのは若者たちだと気づいた萬平さんは、若者の自由の象徴「歩行者天国」で「まんぷくヌードル」の大試食会を開催します。
「カップ麺が発売された当時の実際の歩行者天国の映像が残っていて、それを見たのですが、本当にみんなカップ麺を持って歩いていたんです。
『まんぷく』の歩行者天国のシーンは、その映像がリアルに再現されていて、すごいなと思いました。エキストラの方たちも当時の格好をされていて。
ロケは久しぶりだったのですが、本当に楽しくて笑いの絶えないロケでした。
(映像には映っていませんが)、最後、みんなで萬平さんを胴上げしたんですよ。
その場の流れで本当に胴上げした男の人たち、すごいなと思いました」。
本当に最後の最後に撮ったラストシーン。
歩行者天国での試食会が成功し、「まんぷくヌードル」は大ヒット商品になりました。
福ちゃんと萬平さんは約束通り「世界1周麺の旅」へ。物語は、タイのバンコクの屋台で、福ちゃんと萬平さんがトムヤムスープの麺を「おいしい!」「楽しい!」と言いながら食べているシーンで幕を閉じます。
「ラストのシーンは、本当に最後の最後に撮ったのですが、最後の最後まで、なんてことないことで萬平さんと笑い合って終わりました。
台本を読んだ時は、(料理指導の)広里先生が作るトムヤムスープの麺が楽しみだなって思ったのですが、やっぱりおいしかったです。
タイの方がエキストラで来てくださったのですが、テストの時に、麺をすすって、丼を持ってスープを飲んでいたら、そんな風に食べてはいけないって教えてくださったんです。
福ちゃんたちは、それを知らないはずだし、『まんぷく』ではずっと、丼を持ってスープを飲んで、麺をすすって食べてきたので、それをいかすべきかどうか悩みました。
結果的には、隣の席の人たちの食べ方をまねして、レンゲの上に麺を乗せて食べる、ということにしました。でも萬平さんはすすって食べています。それも福ちゃんと萬平さん、2人の性格を表していて、おもしろいなと思います」。
ヒロイン福子役 安藤サクラさんからみなさまへ。
「福ちゃんが普通の主婦というなかなかないヒロインだったからこそ、福ちゃんと萬平さんと鈴さん、3人ヒロインみたいなドラマだったなと思います。それは最初のころからそう思っていました。
脚本の福田先生が描かれる『まんぷく』という世界が、希望の塊のような、色鮮やかで彩り豊かな世界で、『まんぷく』とかかわっていた毎日がとても新鮮でした。日本で毎日、みなさんに届けられるドラマって“朝ドラ”だけだと思うんです。このドラマを通じて、楽しくすてきなこの世界をみなさんと共有するというのを1番の目標に毎日を大切に過ごしていました。それはすごく幸せなことでした。視聴者のみなさんとすてきな時間を共有することができたことに感謝申し上げます。楽しい時間をありがとうございました」。
《お知らせ》
本日3月30日18時ごろより、ヒロイン福子役・安藤サクラさんからメッセージ動画を公式ホームページ・公式Instagramで公開いたします。ぜひご覧ください。
公式ホームページ:https://www.nhk.or.jp/mampuku/
公式Instagram:https://www.instagram.com/nhk_mampuku/
半年間、毎週土曜日にお届けしてきました『福ちゃん通信』も今回が最終回です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!