科学万能時代に生まれた、もう一つの科学

魅惑の似非科学

研究室へようこそ。現代科学に裏付けられた理系読み物サイトです。

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内容についての保障はいたしません。解釈は個人の責任でお願いします。

 


目次:

9/26/2004 少年よ、天才プログラマーを目指せ(形から)の似非科学 (NEW)

8/15/2004 続3・まごころを運ぶんだ!10t箱車に乗るドライビングテクニック(魚編) - 頭文字Tの似非科学

7/26/2004 もうひとつのパソコン高速化~クリック&クリーンとセンド&ストレッチ法の似非科学

5/26/2004 世界の中心で、ウィルスを書く~ アンダーグラウンド三部族の似非科学

5/5/2004 いけいけフレッシャーズ、スケジューリングと電子手帳の似非科学

4/4/2004 東西冷戦再び~第一次IT世界大戦の似非科学

3/16/2004  緊急なお知らせ

3/16/2004 続2・まごころを運ぶんだ!10t箱車に乗るドライビングテクニック(魚編) - 頭文字Tの似非科学

2/22/2004 氷河期を生き抜いたパソコン雑誌の似非科学

1/25/2004 PC事情レッドデータブック2004の似非科学

1/13/2004 続・まごころを運ぶんだ!10t箱車のドライビングテクニック(魚編) - 頭文字Tの似非科学

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12/17/2003 平成仮面ライダーの真の野望の似非科学

12/2/2003  HomeStyleの似顔絵機能で心霊写真を創造しよう!の似非科学

11/10/2003 Office2003System速攻レビューの似非科学

10/15/2003 まごころを運ぶんだ!10t箱車のドライビングテクニック(魚編) - 頭文字Tの似非科学

10/6/2003 イビキ防止グッズと家庭崩壊の日々の似非科学(前編)

9/24/2003 Office2003と官房長官の似非科学

8/24/2003 頭文字T 緊急号外~プロドライバーが飲酒運転をするときの似非科学

8/3/2003 WindowsMEの社会的役割の似非科学

7/21/2003 関係者立ち入り厳禁!CDのコピー対策の似非科学

7/10/2003 打ち込め、青春!マシン語ダンプリストのミッシングリンクをつなげ!の似非科学

6/29/2003 相対論的サッカー論の似非科学

6/15/2003 75万Hit総力企画~世界最小最安価!自動お掃除ロボ製作記の似非科学

6/1/2003 最速の世界の最大の閉塞の似非科学

5/21/2003 おたくもゼヒ!~似非USBデバイス製作記の似非科学

5/5/2003 あなたに届け~善意のチェーンメールの似非科学

4/23/2003 デジタル画像に命の大切さは語れるのか?の似非科学

4/9/2003 巨星落つ~テキスト100KBytesの壁の似非科学

4/7/2003 (頭文字T ラリー競技のオンボードカメラ動画配信を再開しました

3/26/2003 .NET FRAMEWORKを主婦(57歳)に説明するにはどうすればいいか?の似非科学

3/13/2003 電子ブロックってこんなに楽しかったっけ~進ぬ!電波時計3の似非科学

3/1/2003 新入女性社員と細胞結合の似非科学

2/24/2003 やればできるさ(意味深)~出生率と人口再生産費用の似非科学

2/11/2003 Dead or Aliveエクストリームビーチバレー~ブラックジャック攻略の似非科学ダウンロード開始

1/27/2003 幕の内弁当とオフプロ誕生の似非科学

1/13/2003 手持ちの道具で犬語翻訳機を作ってみようの似非科学

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12/15/2002 忘年会の小ネタための似非経済学~アメリカンバブルの正体

12/8/2002 ゆく年くる年 レッドデータブック2002の似非科学

11/25/2002 最新囲碁ソフトレビュー~最強の囲碁2003 速攻インプレッション

11/12/2002 鯖と一緒に泳ぐ日々の似非科学

10/29/2002 50万Hit記念原稿 相対性理論は間違っている。。のか?の似非科学(前編)

10/14/2002 頭文字T外伝 - ラリー競技のオンボードカメラ映像の似非科学

10/6/2002 エクストリームプログラミングの光と影~XP or XoPの似非科学

9/24/2002 終わることがわかっている終わらない日常~電子商取引におけるシーガイア=ザウス限界の似非科学

9/17/2002 アナアナ変換における携帯一揆の似非科学

9/9/2002 進ぬ!電波時計2~毒電波をきみに。の似非科学

9/3/2002 進ぬ!電波時計2~毒電波をきみに、の似非科学(未完成)

8/25/2002 頭文字T外伝~ついに優勝!ラリーで勝つことの似非科学2

8/18/2002 お盆脱力企画: 真夏の夜の夢~まっさらパソコンの似非科学

8/11/2002 読書感想文が青少年に与える影響についての似非科学

7/21/2002 ロジスティックにおけるV/C限界の似非科学

7/7/2002 頭文字T外伝~ついに優勝!ラリーで勝つことの似非科学

6/30/2002 逆賊のプロ意識~XBOX逆転のシナリオの似非科学

6/18/2002 進ぬ!電波時計の似非科学(前編)

6/10/2002 蚊の行動規範に関する動物学的研究の似非科学

6/2/2002 逆賊のプロ意識~ホームサッカー・ヒールサッカーの似非科学

5/26/2002 緊急報告

5/26/2002 頭文字T外伝~霧の峠道をぎりぎりまで攻めるドライビングテクニックの似非科学

5/19/2002 とりもどせ、日本の青い空!テラリウムの似非科学

5/12/2002 鉄郎、999に乗りなさい~蒸気機関車の唯一の自由度をめぐる似非科学

5/5/2002 2009年問題と近代農法の将来は?PDA Visorの似非科学(2)

4/21/2002 現代によみがえるメソポタミア文明~PDA Visorの似非科学(1)

4/14/2002 続10・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学

4/7/2002 30万Hit記念CDを作ろう――耐年数100年CD-Rの似非科学

3/31/2002 世界一簡単~似非式PCゲルマラジオ製作記の似非科学

3/25/2002 似非科学なんでも相談の似非科学

3/10/2002 Get a Party! オンライン宴会の似非科学

3/3/2002 魅惑戦隊エセレンジャー2100の似非科学

2/24/2002 続9・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学

2/18/2002 真・おとなの科学~電磁波による男女産み分け実験の似非科学

2/11/2002 速攻インプレッション一太郎12~その知られざる野望の似非科学

2/3/2002 史上最強キャリアDDIポケット--KX-HV200とパソコン接続の似非科学

1/27/2002 IR式競馬必勝法の似非科学

1/20/2002 続8・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学

1/14/2002 さよなら小泉首相~構造改革の似非科学(1)

1/8/2002 センターオブザパソコンへの御招待の似非科学

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12/24/2001 30兆円国債問題とコンビニ国債の似非科学

12/16/2001 続7・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学

12/10/2001 MS Access見栄講座-レポート速成の似非科学 ~そうはいいながら長い道(最終回

12/5/2001 MS Access見栄講座-レポート速成の似非科学 ~そうはいいながら長い道(2)

12/2/2001 MS Access見栄講座-レポート速成の似非科学 ~そうはいいながら長い道(1)

11/25/2001 20万Hit記念CDを作ろう――CD-R偏光すかしの似非科学 (おすすめ)

11/18/2001 続6・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学 (おすすめ)

11/11/2001 閑話休題 雀の行動規範に関する動物学的な検証の似非科学

11/4/2001 似非式携帯電話進化論の似非科学

10/28/2001 ADSL番外地-ADSLディバイド問題の似非科学

10/21/2001 続5・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学

10/14/2001 ツールレス・ファイル偽装の似非科学

10/7/2001 祝ヤクルトリーグ優勝 日本頂上決戦の似非科学

9/30/2001 W32-Nimdaウィルスとマーフィーの大予言の似非科学

9/21/2001 続4・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学

9/14/2001 ブロードバンドとラストワンフットの似非科学

9/7/2001 食欲の秋、女心とステーキの似非科学 (おすすめ)

9/2/2001 身を滅ぼす中国茶の似非科学

8/25/2001 その一瞬のきらめきを見逃すな~続・パソコン購入5年周期の似非科学 (おすすめ)

8/17/2001 続3・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック - 頭文字Tの似非科学

8/10/2001 真夏のコンパの似非科学

8/3/2001 たまには昔の話を~カセットテープインターフェースの似非科学(その1

7/27/2001 続・似非英語――英会話リスニングの似非科学

7/21/2001 続2・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学 (おすすめ)

7/13/2001 王様の飲み屋さん9―人生で起こることはすべて、飲み屋さんでも起こるの似非科学 (おすすめ)

7/6/2001 続・10万Hit記念CDを作ろう――手動CD-R焼き機の似非科学

6/28/2001 地球にちょこっとやさしいパソコン清掃術の似非科学

6/21/2001 続・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック - 頭文字Tの似非科学

6/15/2001 井川遥ちゃんにリスペクト!詩人の魂の似非科学 (おすすめ)

6/8/2001 王様の飲み屋さん8-厨房のジレンマの似非科学

6/1/2001 超高配当totoを予想せよ!-Million TOTOの似非科学 (おすすめ)

5/25/2001 非推奨マシンにおけるOfficeXP速攻インプレッションの似非科学

5/18/2001 10万Hit記念CDを作ろう――発ガン性CD-Rの似非科学

5/11/2001 王様の飲み屋さん7-ビールとF1と男と女の似非科学

5/4/2001  危険物を確実に運ぶドライビングテクニック - 頭文字Tの似非科学

4/27/2001 青島ぁ、確保の時が一番危険なんだぁ-徘徊の似非科学(完結編)

4/26/2001 青島ぁ、徘徊老人を確保せよ!-徘徊の似非科学(予告編)

4/20/2001 鬼畜系賢い消費者とは?-マイライン戦略の似非科学 (おすすめ)

4/13/2001 似非式ダンス!ダンス!ソリティア!製作記の似非科学(後編)

4/6/2001  王様の飲み屋さん6-ダブルパーティーの似非科学

3/30/2001 2001年4月はいちばん無情な月~準情報とカフス~傷だらけの地図~の似非科学

3/23/2001 人はなぜキレるのか? - キレ状態の似非科学 (おすすめ)

3/16/2001 似非式ダンス!ダンス!ソリティア!製作記の似非科学(前編) (おすすめ)

3/9/2001  王様の飲み屋さん5-戦う飲み屋さんの似非科学

3/2/2001  土星人のプログラミングスキルは?-遺伝子コンパイラの似非科学

2/23/2001 デフレスパイラルの恐怖~ゼロ金利政策の似非科学

2/16/2001 ヒカルの歌・佐為の夢 - コンピュータ囲碁の似非科学

2/9/2001  王様の飲み屋さん4-厨房の裏技あれこれの似非科学 (おすすめ)

2/2/2001  ゲームセンターのスナイパー――インカムアッププレイヤーの似非科学 (おすすめ)

1/26/2001 続8・雪道を観光バスで攻めるドライビングテクニック-イニシャルTの似非科学

1/19/2001 流体力学は迷える子羊を救えるか?故障中の自動改札機の似非科学 2/3より正式版ダウンロード開始

1/12/2001 王様の飲み屋さん3-最大ゲイン経営術の似非科学

1/5/2001  パソコン購入5年周期の法則の似非科学

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12/29/2000 続7・雪道を観光バスで攻めるドライビングテクニック-イニシャルTの似非科学 (おすすめ)

12/21/2000 火星人のプログラミングスキルを推定せよ-人間の遺伝子プログラムの似非科学

12/15/2000 王様の飲み屋さん2-厨房数学の似非科学 (おすすめ)

12/8/2000 クレジットカード最適化の似非科学

12/1/2000  続6・雪道を観光バスで攻めるドライビングテクニック-イニシャルTの似非科学 (おすすめ)

11/24/2000 マザーボード改造の理想のファッションとは?静電気は胸毛の夢を見るかの似非科学 (おすすめ)

11/17/2000 王様の飲み屋さん-外食産業の似非科学  

11/10/2000 人体分泌物の電解質を測れ!唾液電池の似非科学 (おすすめ)

11/3/2000  似非英語の似非科学

10/27/2000 祝!白川教授ノーベル化学賞受賞!高分子=人間?の似非科学

10/20/2000 続5・雪道を観光バスで攻めるドライビングテクニック-イニシャルTの似非科学 (おすすめ)

10/13/2000 金の指輪・銀の指輪の似非科学

10/6/2000 ドルトンの仮説の似非科学 (おすすめ)

9/29/2000 続4・観光バスで雪道を攻めるドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学

9/22/2000 フラットスリーと三体運動問題の似非科学 9/24より正式版ダウンロード開始 (おすすめ)

9/15/2000 あっせん利得罪の似非科学

9/8/2000 続(3)・観光バスで雪道を攻めるドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学 (おすすめ)

9/1/2000  週刊宝島掲載記念 脱・モバイルコンピューティングの似非科学 (おすすめ)

8/25/2000 脳波検出回路製作記の似非科学 (おすすめ)

8/18/2000 続続・雪道を観光バスで攻めるドライビングテクニック-イニシャルTの似非科学

8/11/2000 グローバルスタンダードの複雑系の似非科学(その2) (おすすめ)

8/4/2000  超光速度通信の正体-続・光の似非科学 (おすすめ)

7/27/2000 続・雪道を観光バスで攻めるドライビングテクニック-イニシャルTの似非科学

7/20/2000 グローバルスタンダードの複雑系の似非科学(その1)

7/13/2000 人体のブラックホールを追え!カロリー収支の似非科学

7/6/2000  雪道を観光バスで攻めるドライビングテクニック-イニシャルTの似非科学 (おすすめ)

6/30/2000 もっとも正しい人生訓とは?ゲームの理論アプローチによる似非科学

6/23/2000 あなたの脳のCPUクロックは?大脳ベンチマークの似非科学 (おすすめ)

6/16/2000 続・スーパーの配送とサラリーマン巡回問題と状態遷移の似非科学 (おすすめ)

6/9/2000  援助交際をもっと楽しく…コギャル語の似非科学 (おすすめ)

6/2/2000  続・ストックオプションの似非科学

5/26/2000 スーパーの配送とサラリーマン巡回問題と状態遷移の似非科学

5/19/2000 コギャルと援助交際の似非科学

5/12/2000 トランジスタとウニ丼の似非科学

5/5/2000  秋名のハチロクとの公道バトル記 - 本当のラリーとマンガの世界の似非科学 (おすすめ)

4/28/2000 毛利氏と究極の食生活の似非科学(ダイエット) (おすすめ)

4/21/2000 10%還元ポイントカードの似非科学 (おすすめ)

4/14/2000 道路と車高の似非科学

4/7/2000  ボディビルダーとインフルエンザの似非科学 (おすすめ)

3/31/2000 お茶の遺伝子解析の似非科学

3/24/2000 いろは坂を観光バスで攻めるドライビングテクニック - 頭文字Tの似非科学 (おすすめ)

3/17/2000 フェルマーの最終定理とスープに浮かぶドーナツの似非科学

3/10/2000 コウモリ声翻訳回路製作記の似非科学 (おすすめ)

3/3/2000   トラックの車軸と積載の似非科学

2/25/2000  分数ができない大学生の似非科学

2/18/2000  CPUクロック2.45GHz問題の似非科学 (おすすめ) 「I/O 5月号」(工学社)に全文掲載

2/11/2000  ロレックスとコロッケの似非科学

2/4/2000    プロピンボーラーと超古典力学の似非科学

1/28/2000  官官接待の似非科学

1/21/2000  ストックオプションの似非科学

1/14/2000  角運動量の似非科学

1/8/2000    脳のCPU個数の似非科学

                 究極の観測精度の似非科学

                 光の似非科学


・少年よ、天才プログラマーを目指せ(形から)の似非科学

さて。最近筆者がしみじみ思うことがある。

「極論すれば、プログラマーには2種類しかいない。天才プログラマー貧乏プログラマーである。」

文字通り読めば、プログラマーという職業が頭脳職であり、チャンスがあればお金持ちになれると言っているようにも聞こえる。が、実際には「お金持ちだったらプログラマーなんて誰もやらない」とか「お金持ちになってもプログラマーをやっている人は好きもの」とかいう裏の意味が本音である。

現実に、天才プログラマーというのはどういう人たちなのか。というと、クヌース先生がどうたらこうたらと、さも自分がクヌースの親戚かのようにしゃべり始める人たちもいるが、そこまで遠いところまで行かなくてもイメージできる。大学の初学年の情報工学の授業を思い出せばよい。コンピュータを初めて触る人も多い中、クラスで何人かの学生さんは、授業中にゲームで遊んでいながらもプログラムの課題を一瞬でこなしていく。学生時代に優秀な彼らは、少なくとも学生時代の間は羨望の的、モテモテの「天才プログラマー(仮)」である(特に試験前)。

というわけで、「天才プログラマー」というのは名誉な肩書きなのである。だが、優秀な学生プログラマーが将来の「天才プログラマー」になるか「貧乏プログラマー」になるかは、学生さんの時点では全くわからないのも事実である。その2つを分けるのは何か?今回はその謎に迫ってみよう。

まずは、次のテストをやってもらおう。2つのキーワードA、Bのうちで自分にぴったりのほうを選んでほしい。微妙な設問もあるが、かならずA、Bのうちのどちらかに丸をつけよう。

ジャンル
ボードゲーム マージャン 将棋
昼ごはん カツカレー ミートソーススパゲッティ
レジャー
筆記具 ボールペン シャープペンシル(鉛筆)
趣味 熱帯魚 ビデオ鑑賞
好物 唐揚げ エビフライ
芸能人 さとう玉緒 小倉優子

天才プログラマーの嗜好を探るため、筆者の知人の天才プログラマー数人にアンケートをとってみたが、普通の人と彼らとで特に違う点は見受けられない。プログラマーには変人も多いのはご存知のとおりだが、「天才プログラマー」の域に達した少数の人にかぎれば、見かけは普通の常識人になる。だが、上記の項目に関しては、「天才プログラマー」にはかなりの偏りが見受けられ た。

答えを言うと、実は「天才プログラマー」はAの項目を選ぶ確率がかなり高い(当社比)。

なぜこういう結果になるのか、科学では説明がつかないものがほとんどだと思うが、似非科学的な考察を試みよう。

ボードゲームの項はわりと明らかである。将棋プログラムの必勝アルゴリズムを考えることは、プログラマーなら誰しも一度は試したことがあるだろう。そして普通は「全手探索アルゴリズム」に行き着く。だが実際には、将棋プログラムというのは序盤の定跡を山ほどデータベース化しなければ強くならないのである。「天才プログラマー」はそこで将棋プログラムに失望する。むしろ、マージャンプログラムの評価関数や清一色問題に興味を示すようになる。

また、「天才プログラマー」はプログラムを書いているときに無意識にご飯を食べない。胃に血が集中して、脳がボーっとするのを防ぐためである。そのため、食事は長時間馬力の出る食べ物(たとえばカツカレー)を好む傾向にある。スパゲティは腹持ちが悪いのでだめなのである。また同様に、「天才プログラマー」はよい仕事をしているときに呼吸回数が減る(あるいは呼吸しない)。研ぎ澄まされた知的活動とは生命活動を犠牲にして行われるのだ。筆者の研究によれば、「天才プログラマー」は息を長く止められる傾向があり、必然的に素もぐりやダイビングが得意になる。

また、「天才プログラマー」は消しゴムを使わないことが多い。頭の中にプログラムを書けるからだ。紙を使うのは単なるメモとしてなので、滑りやすいボールペンのほうが使いやすいのだろう。

熱帯魚を趣味に持つ人が多いのは、熱帯魚飼育が「プログラム」に通じるものがあるからだ。金魚を飼うのと違い、熱帯魚を飼うのは化学実験に近い。pH調整カドミウムの無毒化など、現代 化学を駆使するところが工夫のしがいのある「プログラミング」なのである。

「唐揚げ」か「エビフライ」か。。。これは実は多少科学的な根拠がある。脳内の神経伝達に影響する2-アミノエタンスルホン酸、通称タウリンが脳内に 豊富に存在するのは「天才プログラマー」にとって必須だ。そしてタウリンは人体内で生成されるアミノ酸である。一方で「エビフライ」には大量のタウリンが含まれており、一説では 、「エビフライ」を好きな人は体内で生成されるタウリンの量が少なく、不足分を経口摂取で補おうとしているのだといわれる(諸説あります、念のため)。その結果が統計に出たのだろうか。ちなみに、 地球上でタウリンが最も多く含まれている物体はネズミの尻尾らしい。関係ないけど。

芸能人の嗜好の項目は理解不能である。しかしまあ、無理やりプログラミングにこじつけてみれば、仮にもしA・B二人の芸能人が高度にプログラムされたアンドロイドだとすれば、完成度が高いのはどちらか?という問題に関係しているのかもしれない。あぁ、あまり余計なことを書くとファンからカミソリメールが送られてきそうなので、この辺にしておこう。

結局「天才プログラマー」とは、一見プログラムに関係なさそうな事柄にロジックを感じられる人で、そのためには生命活動を犠牲にするのもいとわない人のことを言うのかもしれない。そういった人たちの育成に、当サイト のコンテンツが貢献できれば幸いである。

(P)

 

 

・続3・まごころを運ぶんだ!10t箱車に乗るドライビングテクニック(魚編) - 頭文字Tの似非科学

★ブレーキ踏んで・・・

いつもアクセルばっかり踏んでいると、車も人生も疲れてしまいます。ということで、ちょっと小休止していましたが、前回(続2・まごころを運ぶんだ!10t箱車に乗るドライビングテクニック(魚編) - 頭文字Tの似非科学)の続きということで久々に頭文字T!です。前回を読まれていない方は先にそちらを読んでおくことをお勧めします。

★危険回避

頭文字T 緊急号外~プロドライバーが飲酒運転をするときの似非科学の なかで「大型トラック90Km/h規制もできたが、プロからすると余計事故が増えそうな気がする」と話した理由について触れてみよう。

危険回避の基本はブレーキである。ブレーキをかけて速度を落とすことが鉄則である。しかし、時と場合によっては瞬間的にスピードをあげて危険を回避するような場面もある。 以下は筆者が経験したことだが、空車の状態(すなわち荷物を積んでいない状態)で高速道路を走行中、前の乗用車が左側の側壁に激突してスピンした。

瞬時に、追い越し車線に出てスピンした車をかわすことを考えたが、バックミラーを見ると追い越し車線にも乗用車が 迫っている。このままでは追い越し車線に出ることもできない。また後方の乗用車から見れば、筆者のトラックが死角になって、前方で乗用車がスピンしていることなど気がつかない。

そこで、瞬間的にアクセルを踏み込み追い越し車線に出てスピンした車を回避した。このとき多分90km/h以上出ていたと思う。

当然、後ろから来ていた乗用車は筆者が危険回避したことなど気がつきもしないので、激しいパッシングの嵐である。筆者はいやな思いをした わけであるが、事故は回避できた。

最近の大型トラックの仕様などを見ると、90km/h速度制限からか、トラックのエンジンの出力=馬力=自体も落ちてきている。これだと、上のような状況に陥ったときアクセルを踏んで危険回避をする、ということができなくなる。これでいいのか?国交省!といいたくなるのだが・・・。

話がそれてしまった(熱)、前回の続きに戻そう。

★アクセル全開!

アクセル全開と書くと本当にカッ飛んで(死語)走っているように聞こえるが、荷物を積んで走っているトラックは本当にスピードが出ない。情けないくらいに出ない。その当時、荷物を積んでトラックで走っていると 、ちょっとした上り坂で、それも高速道路のゆるい上り坂であっという間にスピードが落ちていくのである。アクセルを床が抜けるくらい踏み抜いていてもスピードが落ちるのである。

スピードが落ちるとどうするか?というと当然シフトダウンしてスピードを出そうとするのであるが、これがまたギヤ比がかみ合わず、エンジンだけ吹け切ってしまい、スピードがちっとも出ないのである。登坂車線があるようなところだと、必ず それに入ってちんたら走るしかないのである。

荷物を積んでいて車は重い、おまけにちっとも走らない、サスペンションチューニングのおかげで乗り心地は最悪、おまけに登坂車線は重い車が走っている場合が多いので、アスファルトにわだちができ、道路がでこぼこしていて更に乗り心地を悪くして いる、という三重苦以上の苦しみを味あわせてくれる。

★サスペンション

最近のトラックは運転手への負荷を極力軽減しようということで、さまざまな工夫がなされていることが多い。たとえばサスペンションについては、トラックの車体本体が受ける衝撃を少しでも和らげるようにキャブ(キャビン=運転席のこと。タバコじゃないよ)と車体の間にエアサスペンション が設けてあって、衝撃を和らげるようにしてある。更には運転席のシートの下にもサスペンションを設けて、運転者自身への衝撃を和らげようとしたり、というふうにとにかく運転手の負荷を軽減しようとする処置が取られている。

こんな感じである。詳細はトラックメーカーのホームページを調べてもらえれば詳しいことがわかるだろう。

当時、筆者が運転していたトラックには運転席サスもキャブサスもついておらず、非常に乗り心地が悪かったことを覚えている。トラック本体へかかる衝撃がそのまま筆者自身に伝わり、 長時間乗っていると本当に腰を悪くしそうなくらいの勢いで衝撃が伝わってくる。

最近のトラックの乗り心地のよさには特筆に価するが、反面、あまりにもフワフワしすぎて、筆者としては運転していて酔いそうな感じである。

★ダブルクラッチ

最近のトラックはギアのシンクロがよくできていて、ダブルクラッチ(通称:ダブル)なんか踏まなくてもギアが簡単に変えられるようになった。

当時、筆者が運転していたトラックはダブルを踏まないとギアを変えることができず、何度も左足でクラッチを踏みなおしてはアクセルをあおってギアを変えていたのである。

最近の乗用車は9割以上がオートマ車ということで、ギアを変えるときにクラッチを踏むということはないだろう。一方、通常のマニュアル車のギア変更の手順を見てみると、

  1. アクセルペダルを緩める(右足)
  2. クラッチを踏む(左足)
  3. ギアを変更したいギアに変える(左手)
  4. クラッチをつなぐ(左足)

という手順でギアを変えていく(通常の切り替え手順)。ではダブルクラッチとはどういうものかというと、

  1. アクセルペダルを緩める(右足)
  2. クラッチを踏む(左足)
  3. ギアをニュートラルにする(左手)
  4. アクセルをあおる(右足)
  5. クラッチをつなぐ(左足)
  6. クラッチを踏む(左足)
  7. ギアを目的のギアに変える(左手)
  8. クラッチをつなぐ(左足)

実際に体を動かしてシミュレートしてみてほしい。いくつか余計な動作が入っているのがわかるだろうか?当時筆者が乗っていたトラックは、このダブルクラッチの手順を踏まないとギア変更 できなかった。これは、ギアのシンクロが当時のものは今のトラックよりもボロい(当たり前だが)からだと思うが、要は2回クラッチをつなぐ動作が必要だったのである。道でトラック が走っているのを見ていると

「ボーッ、ボッ、ボーッ」(エンジン音)

と聞こえることがあると思うが、これは真ん中の「ボッ」というところでダブルを踏んでいるのである。最近のトラックでこのようなエンジン音を聞いたときは、運転手はかなりの年季が入った運転手か、 あるいは小僧(格好だけ真似ていて、実際にはダブルを踏んでいない)のどちらかといえる。

年季が入った運転手だと、最新型のトラックに乗っていてもダブルを踏む癖が直らず、ギアを変更するときにはあいかわらずダブルを踏むのである。

★非常に疲れる

トラックの運転手の仕事といえば、ただ荷物積んで、走って、目的地でおろして終わり、と思われそうであるが、荷物を積むのも疲れるし大変だし、運転しているときも事故に気をつけなければならないわ、時間通りに目的地につかなければ ならないわ、道路の衝撃は直に来て腰が痛いわ、クラッチ踏む左足のひざは痛くなるわ、挙句に目的地に着いたら荷物降ろさなければならないわで、休む暇がないのである。

運転中も、単調な作業を淡々と繰り返すだけなのではあるが、事故がなくて当たり前、事故れば大損害を運転手がこうむる、という非常に大変な仕事なのである。が、もちろん、いい面もある。

★ガンガン飛ばして

とにかくアクセルを踏み抜いて、夜中の高速道路をひた走る。当時は筆者も若かったせいか、体力もあり余っており、眠くなることはあんまりなかった(たまに眠くなったこともあったが 。続9・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック-頭文字Tの似非科学参照)。

おっと、夜中の高速道路をひた走っていたら、目的の市場に近づいてきた。次回は市場の様子を伝えよう。

(T)

 

 

・もうひとつのパソコン高速化~クリック&クリーンとセンド&ストレッチ法の似非科学

パソコンの高速化関係の情報というのはインターネットや雑誌でよく見かけるものだが、会社のパソコンでは使えないテクニックが多い。

たとえば、リース契約で設定をいじれない、シスアドが設定を固めていて、コンパネを開いていじろうとしてもすぐパスワード、それもすり抜けて(違法)、やっとの思いで高速化しても会社で使っているグループウェアがそもそも遅い、などなど、せっかくの高速化の知識もなかなか応用できないものである。

このような場合にパソコン作業を高速化するにはどうすればよいのかだが、パソコンを高速化できないのなら、自分自身を高速化するしかない、となる。

とはいうものの、ブラインドタッチの習得や、エクセルでちょっとマクロを組む、IMEの設定をチューニングする、などの小技はだいたい皆さんできているのではないかと思う。自分自身のスキルアップでパソコン作業を高速化するのもほぼ限界に来ているのではなかろうか。

そこで今回は、パソコン本体というより、パソコン周りをスピードアップするというITスキルを提案したいと思う。それが、クリック&クリーン法とセンド&ストレッチ法である。

★似非式クリック&クリーン法

クリック&クリーン(以下、C&C)というのは、マウスを(ダブル)クリックしたら、パソコン以外の軽い業務、特に机周りをクリーン(掃除)するという動作をさしている。なんかテクニックというよりも習慣標語のようだが、正しく行えばC&Cの効果は想像以上である。

クリックといっても、マウスをクリックしたら毎回クリーン(掃除)をやるのではない。クリーンに移るクリックと移らないクリックがあるのだ。その違いは砂時計である。砂時計が出るクリック時には必ずクリーンの動作を行う。どういった種類のクリックのときにクリーンを行うかは 、パソコンの機能や使用環境に左右されるので一般的に定義するのは難しい。強いてどのパソコンにも共通するものを挙げれば、Officeや一太郎を起動するときのダブルクリックであろうか。

砂時計の時間というのは短い。待ち時間よりもクリーンにかかる時間のほうが長くなることも多いだろう。だから一見、C&Cは非効率に見えるかもしれない。だが以下のように冷静に数式で考えると、どんな場合でも待ち時間を有効に使えてしまことがわかる。

証明: 砂時計の時間をT、ちょっとしたクリーン(掃除)の時間をtとすれば、

C&Cを行わないときの作業時間=T+t > max(t, T)=C&Cを行ったときの作業時間

なので、C&Cは常に作業時間を短縮する。証明終。

ただし、クリーン動作からパソコン作業に戻るときのオーバーヘッドが加わるとこの式が成立しなくなるため、大きな動作のクリーンはできない。よってここで言うクリーンとは、動作としては少ない動きで可能な机(パソコンのデスクトップではない)の掃除を達成することにある。たとえばペンを筆立てに戻す、メモを片づける、書類をとりあえず重ねる、などの動作である。 驚くべきことだが、上式からわかるようにC&Cは常に作業時間を短縮する。


[本文とはあまり関係ありません]

★似非式センド&ストレッチ法

次はS&Sである。これは、パソコン作業上「データを送る」という動作を行ったら、必ず机を立つということである。

センドというのは、一般的なパソコンの操作としては

といったものである。これらは前述のクリックよりは大きな業務の区切りを発生させるといってよいだろう。このような操作を行ったらすかさず机を立って何か作業をする。たとえば書類をシュレッダーにかけたり、業務を終えた書類を棚に戻す、といった大きめの作業である。

実は、C&Cが常に時間短縮・作業効率上昇を保証するのに対して、S&Sは危険を伴う。パソコンから離れるというのは大きなオーバーヘッドを生むため、仕事の効率はロスすることが多いのである。だがそれでも筆者がS&Sをお勧めするのは、健康面を考えてのことである。

S&Sで重要なことは、筋肉のストレッチ動作をすることにある。単純にパソコンの動作だけを行っていると、視点が動かず、筋肉が動かないという状態が続く。特に待ち時間は最悪である。休憩を取ろうと心がけていても、パソコン操作というのはついついのめりこんでしまうことも多く、オーバーロード状態になるまで休憩を忘れてしまうことも多いだろう。S&Sは強制的に筋肉ストレッチのタイミングを作る手法である。ここは効率を多少ロスしたとしても、足腰の疲労を軽減するために積極的休息をとるべきなのである。

S&Sのロスが必ずしもロスではないもう一つの理由は、ストレスの蓄積の軽減効果である。ストレスに連続してさらされると、おなじストレス強度を断続的に加えたのに比べて精神疾患の発生の差が生まれるのは間違いないところである。また、軽度の鬱については適度の運動が有効だとの研究結果もでている。C&CとS&Sが国民健康増進法に取り込まれる日は近い。

以上を総合して考えればS&Sは、目先のロスという視点ではなく、必要なコストなのだと考えた方がよいだろう。管理職としてはロスであれコストであれ無視するわけにもいかないだろうが、それならばキッチンタイマーを使ってストレッチ動作に時間の上限を持たせるのもいい手だ。しかし、21世紀のパソコンの高速操作アイテムがキッチンタイマーとは・・・

ただ、筆者もこの技を開発したのはよいが、実践するにはかなり意識しないと無理だった。砂時計がでたり、ダイアログに待ち時間が表示されたりすると人間ついついボーっとしたくなるものである。慣れるまで1ヶ月くらいはかかった。 結果はというと、仕事の効率化のほうは微妙な気もするが、少なくとも精神的にパソコンの待ち時間に振り回されている感じはしなくなったのが大きな収穫かもしれない。

(K)

 

 

・世界の中心で、ウィルスを書く~アンダーグラウンド三部族の似非科学

猛威を振るったコンピュータウィルス、Sasserの作者が逮捕された(5月7日)。

捕まったのは18歳の少年、逮捕のきっかけは密告、情報提供者にはMicrosoftから2500万円の報奨金。。。等、なかなか 話題性の多い事件ではある。この手のウィルス作者に対しては、「そんなに高度な技術を持っているのなら、もっと世の中のためになる、あるいは儲かることをやればいいのに。」という反応が一般的だ。だが筆者の考えは少し違う。

まずはコンピュータウィルスの歴史を紐解こう。人類最初のコンピュータウィルスは、不正コピーソフトユーザーに対して警告を与えるパキスタンの商用ソフトウェア(?)だったと言われているが、その辺の説明は他のサイトに任せる。日本で最初にコンピュータウィルスという「技術」が認知されたのは、「The Basic」というPC雑誌(1997年9月に休刊)にウィルスの実動プログラムコードが掲載されたときであろう。

「純粋な技術の探求のために」といった掲載理由だったわけだが、案の定、波紋を呼んだ。このウィルスのソースコードを使ってさまざまな亜種 ウィルスが作られるのではないか?ウィルス作者を増やすのではないか?などなど、実務ユーザーや職業プログラマの立場から見れば生活基盤を揺るがされかねない大事件だったわけである。

当時筆者は学生で、公開されたウィルスのソースコードを非常に興味深くながめたのを覚えている。だから、ウィルス作者の心理がだいたいわかるような気がする。おそらく、ウィルス 製作の動機は次の3つのうちのひとつである。

  1. 自分の技術を全世界に自慢したい。
  2. 全世界の人が困るのを見たい。
  3. 自分の作ったウィルスを全世界に(ただ単純に)ばら撒きたい。

動機1: 自分の技術を全世界に自慢したい

これはウィルス作者には良くある動機で、社会的に認められていない、あるいは抑圧されたプログラマーが、一発逆転を目指して作成するウィルスである。もちろん一発逆転は幻想である。この手のウィルス作者は「xxxのウィルスは自分が作った」と周囲に漏らすことが多い。なぜなら、自慢できなければ目標が達成できないからだ。実際、SASSERの作者も、逮捕の発端が第3者の密告だったのを考えるとこのタイプであろう。警察の事情聴取には「むしゃくしゃしてやった」と答える のが普通。

筆者はこの人たちには多少同情的である。技術革新というのは社会(あるいは会社)ではなかなか認められなくて、裁判を起こさなければ特許の対価すら得られない時代なのだ。技術軽視の日本では、一流の技術者が 地下に潜るのを阻止できない。暴言を許してもらえば「Winny」も「SoftEther」も似たような技術革新だが、片方の作者には逮捕状、もう一方には企業スポンサーが付いた。明暗を分けた理由といえば、開発プロセスの違いとしか言いようがない。(片方は政府関係の支援を取り付けてから開発が行われ、もう一方は某掲示板が支援母体。)

動機2: 全世界の人が困るのを見たい

これは似非プログラマーに多い。この手の人々は、単に人を困らせるのが目的なので、技術の探求などは二の次である。手口は非常に単純なもの(メール添付ファイル式)が多く、人を誘惑する文言(「あなたは当選者です!添付ファイルを今すぐクリック!」等)に凝る。プログラムを工夫するよりは、魅惑的なメールの文言を工夫する方がはるかに簡単だからだ。技術に明るいプログラマーなら、オレオレ詐欺と同等の こういうテクニックを良しとしない。ウィルスの亜種を作る人も大部分はこのタイプで、人の技術を拝借することに抵抗がない。警察の事情聴取には「こんなに大騒ぎになるとは思わなかった」と泣き出す。

動機3: 自分の作ったウィルスを全世界に(ただ単純に)ばら撒きたい

これがウィルス作成の動機になるのは理解しがたい方もいるかもしれない。実はこれは、(主に男性の18禁の)本能がひずんだ形で現れたものである。この動機を持ったプログラマーの作るウィルスは、概して悪さをしない。ウィルスの増殖だけが目的なので、むしろ人に害を及ぼさないように作るのが普通だ。だが実際のところ、ウィルス自体のバグやネットワークトラフィックの増加により人に迷惑をかけることになる。この手の ウィルス作者は、動機が本能に根ざしているので目的が無く、警察には「魔が差して。。。」という曖昧な返事をする。

という具合に、コンピュータウィルス世界のアンダーグラウンドには、地の底から一発逆転を目指している者、技術を盗んでお手軽に人を困らせようとする者、ひずんだ 本能を持つ者、の三部族が住んでいることになる。彼らには「もっと世の中に立つことをしたらいいのに」等のアドバイスは残念ながら伝わらないだろう。だがひとつだけ彼らを救う方法があるとすれば、彼らがウィルスを書いている場所は「かっこいい世界の中心」などでは決してなく、「単に地表より下にある地下」なのだと 教えてあげることではないだろうか。

(C)

 

 

・いけいけフレッシャーズ、スケジューリングと電子手帳の似非科学

経済や政治・社会の振り子がまた反対方向へ動こうしている昨今、フレッシャーズにとっては何にせよ大変な時代である。

昔、歴史を学んでいるとき、戦国時代や第2次世界大戦前の激動の過程を学ぶにつれ、こんな時によくみんな普通の生活をしていたなあ、と思ったものだった。だがある意味激動の現代から振り返ると、そうではなくて、大半の人の普通の生活の上に、へんてこな時代の動きが乗っかっていて、それを人は歴史と呼んでいるのかもしれないと感じる。歴史とは複数の流れの川であり、その一つを取り上げて歴史とみているだけなのかもしれない。

いつの時代でも、フレッシュマンが最初に直面する問題は、スケジュール管理、つまり手帳の書き方である。紙の手帳派の人たちと、電子手帳派の人たちの戦いは、もはや宗教論争の部類に入るわけだが、どちらを選ぶかはかなり重要な問題だと筆者は考えている。

だがその前に、手帳によるスケジュール管理でもっとも重要なのは「どう省略して書くか」なのである。

電子手帳にせよ紙の手帳にせよ、1日の欄はどのような場合でも限られている。特に電子手帳は画面が限られるため一覧性が弱い。そのため、どこまで予定を省略して書くかが重要となるのである。たとえば新聞社でも、たくさんの内容を1行の見出しで総括するためにすごく努力している。見出しを作る専門の部署があるぐらいだ(ただし、他人の記事の見出しばかり考えるので人気はないらしい)。

※ 予断だが、つい先日、裁判所はニュース見出しに対する著作権を否定する見解を出した。

今回は、見出しのような省略する手法をスケジュールのパターンから考えてみることにした。スケジュールをその構成する要素に分けた上で、要素の結合のパターンを考えてみるのである。そのパターン毎に手帳の媒体の優劣を考察してみよう。

★ 単純結合(A[に, と, を, ・・・]B およびその繰り返し)

これが一番スケジュールになじみやすい。例としては「クリーニング回収」「ジョンと会う」「会議に出席」などである。

もちろん、これはジョンが誰なのか、会議がどこで、どんな内容について行われるかを知っている場合について成立することはいうまでもない。これは電子手帳でも紙の手帳でもどちらでも良さそうである。アラームが鳴る分だけ、電子手帳が勝つとも言える。ただ、飛行機に乗ることが多い場合は、無線LAN付きの電子手帳は利用不可だし、離発着の時には電子手帳は全く使えないので、結局紙の手帳を使うことになってしまうだろう。Windows Everywhereのビル君はどうしているのだろう?

ただし、このような単純なパターンでも、書き込んだ本人が見返してわからなくなることもある。筆者の電子手帳に

「ティッシュ 人箱」

という項目が書いてあったことがあり、なんのことかと考え続けたことがあった。結局、

「ティッシュ 一箱」

を誤変換しただけだったが、読み解くのに時間がかかり結局ティッシュを買えなかった。誤字脱字が安易に起こりやすい電子手帳では特に気をつけるべきだろう。

このような単純結合の例も複雑な繰り返しパターンになってくると注意が必要だ。たとえば、

例:研究室から帰るときに鈴木と一緒にスーパーに立ち寄ってイチゴとネギを買う。

こうなると、そもそも予定ではなく未来の状況といってもよいかもしれない。予定を表現しようとすると、見出しではなくて文章になってしまうからである。手帳のうまい使い方とは、こういった予定をどれだけ短い見出しで書けるかにかかっている。ここに各個人のセンスの差が出てくるし、仕事を要領よくこなせるかどうかも現れてくるのだろう。この辺は努力である。とりあえず、筆者が手帳に書き込んだのは、

例:「鈴木イチゴネギ」

★ 停止条件つきスケジュール 「AならばBを行う」

この条件の本格的な定義は民法から来ている。だが、この手のスケジュールは不確定な要素が入るため、実際にそのときにならないと行動が確定しない。手帳に書くだけ非効率なのである。

例:「晴れたら海をドライブ、雨なら家の掃除」

こういう予定であれば

例:「晴海ドライブ雨掃除」

と書くだろうか。かなり苦しい。また、似たようなものに

解除条件つきスケジュール 「AならばBを止める」

がある。これは本質的にスケジュールになじまない。手帳に表記するのはほぼ不可能であろう。なぜなら、Aの到来時期がわからない限り、Bを停止することができないためである。また、これらの条件付きスケジュールが重なると悲惨だ。

例;晴れたら箱根ではなく新宿のデパートに行くが、佐藤さんが来ないなら池袋のデパートに行く、ただしクレジットカードの使用停止通知がきたら行くのをやめる。

もうこうなると予定というよりは本人の迷いを表現しているようだ。ではこのような場合どうするか?方法としてはスケジュールに書く前に出来る限り不確定条件を消すしかないと思われる。

上記の例では、

以上のアクションを取ってなんとか不確定条件を消すと、

「No佐藤 池袋」

といった形で書けるわけだが。。。これもまた時間がたつと意味がわからなくなりそうではある。この手の複合条件の例を記述する手帳としては、条件を確定させる段階で刻々と結果が変わるため、紙の方がよいだろう。

★ 仕事の一つの形として

今回は電子手帳と紙の手帳におけるスケジュールに書く項目からみた優劣ということを考えたかったのであるが、書き終わってみるともっと深い問題にあたってしまったようだ。

ここまで考察してくると、スケジュールに書くことを前提として予定のなかから不確定条件を少なくしていく、というのはある意味仕事の本質だということがわかるからである。そして、スケジュール管理とは、スケジュール表を埋めることではなく、不確定条件を消したうえで設定した予定をスケジュールに記載していくことだということになる。

2009年問題と近代農法の将来は?PDA Visorの似非科学(2)では、仕事のルーチン化が仕事の効率をあげることを述べた。今から振り返ると、そこに取り上げていたルーチンになる仕事とはチェック項目が多い。ということは、定期的な予定として組み込む仕事は、主にチェックであるということになる。チェックが多いデスクワークの場合は、条件付きスケジュールとは違って電子手帳が便利だと言うことになる。

このように仕事の内容により手帳の媒体は優劣が変わる。まあ、結局仕事の内容を把握することがフレッシャーズ諸君のはじめの仕事だということか。紙の手帳がなじむならば、それは君の仕事に不確定要素が多い仕事ということになるだろうし、電子手帳がなじむならば、チェック項目の多い仕事ということになるだろう。

とにかく、どちらの媒体にせよ、スケジュール帳に書き込むとは、要素を把握し不確定な条件を消すことに変わりはない。フレッシャーズ諸君もそこに心がけてみよう。いい仕事ができるかもしれない。

(K)

 

ここで緊急なお知らせです

えと、筆者の2冊目の本が出版されました。

 

 

  書名   「大人の科学研究室」
  出版社  工学社
  著者名  似非科学研究会
  A5版 224ページ 1600円

 

 

 

横書き&ペーパーバックで、絵や図表もふんだんに使われており、読みやすいです。1冊目に比べてコミカルで、カジュアル・サイエンス色が強いです。

このデフレ時代に、本を買ってくれなんて言いにくいですが。。。普段、ひーひー言いながらネタを絞り出して原稿書いている筆者への寄付、あるいは似非科学発展のための援助ということで、ご購入いただくとありがたいです。

オンラインでのご注文:

オンライン書店が便利です。注文しやすいショップを選ぶのが良いでしょう。ご参考までに、送料無料のオンライン書店をリンクしておきます。

書店でのご注文:

紀伊国屋書店等の大手の書店には確実に置いてありますが、街の本屋さんにはなかなか並んでいないと思います。そういう場合は書店のカウンターで取り寄せてください(カウンターでもらえる注文書に書名と出版社を書けばOK。筆者名は書かなくても大丈夫で す)。 もちろん送料は無料となります。

ということで、かなりがんばって製本・校正しましたので、内容と完成度は高い本です。なにとぞよろしくお願いします。

 

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感謝:

2004/5/13 単行本の第2弾が発売になりました。詳しくは緊急なお知らせを。
2002/5/27 単行本が発売になりました。ハードカバー+帯つきです。 内容等は緊急報告を。
2002/2/18 Yahoo!BBマガジンHotTopicsOnline選出
2001/8/1 FirstNewsオススメサイト選出
2001/3/30 (Yahoo!Geocities-ELIST)選出
2000/10/11 Yahoo!サーファーおすすめに選出・「自然科学と技術」カテゴリにも掲載
2000/8/23  週刊宝島 「人気個人サイト 科学・ハイテク部門」 に掲載
2000/6/15  日経BP NetBrain 今日の注目サイト に選出
2000/4/18  月刊誌 「I/O」(工学社) 2000年5月号に原稿全文掲載

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