はい。
ということで今回は、タイトル通りの話をしたいと思います。
私は大学4年間で大学院に進まず、学部卒で就職しました。
就職したのは某私立の高校です。
で、そこで3年間教諭として勤めたのですが、3年目の時に県の教員採用試験を初めて受け、幸いなことに一回で合格したので公立に移転しました。
そして今公立で勤めて1年目が終わろうとしています。
先日、あるお話を頂き、自分のキャリアを振り返る良いタイミングだなぁと思ったので
ここで一つ自分のキャリアと
どうしてそういう選択をしてきたのか…ということをまとめてみたいと思います。
多分、
- 学部卒?院卒?どうすべきかな!?
- 教員として働く方法ってどんな感じなのかな!?
- 私学と公立って何が違うのかな!?
みたいな疑問を持ってる人に役に立つだろう。立つだろうか…
一個一個が長くなってしまいそうなので、分割して話をしていこうかと…
今回は大学時代の話をしたい。
学部卒か?院卒か?就職先はどうするか、で迷走した大学時代
私は某国立大学の理学部生です。
そもそも理学部に入ったのは、①生物学を学びたくて仕方なかったので②生物学の専門性高い知識を身に着けた上で教員になりたかったので という2つの理由からでした。
高校で出会った生物の恩師が非常に素晴らしい人だったのと、
自分が生物学大好きだったのとで、
「絶対自分は生物学の布教者になるんだ!!」と教員を志していました。
理学部進んで最初の頃はとっても満足して生活していました。
というか理学部の生活自体は最初から最後まで何も後悔していません。
出会った人、カリキュラム、できた経験・研究含め大変良かった…
皆と議論したり、実験したり、面白いこと学んだり、研究室バイトしたり。楽しい4年間だったなぁ。
しかし、進路に関しては色々思うところがある。
進路についての大きな分岐点がきたのは大学3年生の時でした。
学部卒?院進?
まず、学部で卒業するか?院に進むか?という話。
理学部は学部卒しても、専門職にはなかなか就くことができませんし、
そもそも生物系の理学部卒は割と就職先がありません。
拘らずに一般職や学部関係ない職を選べばそこそこ選択肢はありますが
そのような場所でもじゃあ強みになるものはあるかと言われたらそうそう突出した活かせるものはないわけで…
理学部で得るものというよりは、在学中に得た資格とか、経験とか、そういうものが武器になってきてしまいます。
(真面目に勉強してきた、精進してきた、ってことが武器になればいいのにね…)
そんなわけで、大抵の人は院に進もうとします。
院に行ってもっと勉強したい、研究したい、まだ就職したくない、専門職に就きたい…色んな理由で過半数が院に進むことを決意し、流されて院に行く人も沢山出てきます。
そんな中で学部卒しようとする人は割と異端な存在でした。
自分も院に行くか一瞬悩みました。
研究はちょっとやってみたい。でも、研究で一生食っていきたいというほどの執念はない。
生物学は楽しい。でも生物学だけで生きていくほどの覚悟はない。
そもそも研究をし始めて、自分が思っていたのよりよっぽど研究って大変だなっていうことを感じ始めていました。そして、自分が思っていたのより研究は地道で、ぼんやりしていて、明確な答えにはたどり着けないということにも気づいていた。
だから、やっていたことが全て無に帰する可能性がとてもあるような世界だと分かっていました。
だからこそ、院に行く意味あるかな?と思い…
意味も目的もなくただ逃げるためだけに院に行く、みたいな発想は嫌だったし、
学部で卒業しよう!!と自分は決意しました。
教授にも、「まいんさんは頭も良い、研究も腕が良い、きっとやっていける、けど貴方には研究に対する欲望が欠けている」と言われて、ご尤もだと思い、それも後押ししました。
どこに就職?
次に就職先どこにしようという葛藤。
周りはどんどん就職活動を始めていき、大学の中も就職活動ムードになっていきます。
教員採用試験はどうしても受験期がずれているので、
一般企業の就職活動の間周りが動いているのに自分は動けない状態になってしまいます。
しかも落ちたら先がない…というリスクもある。
で、自分は「教員になるにしたって社会を知らずになってはいけないし、就職活動なんてこんな時にしか味わえないからな」と
色んな社会を勉強しよう!と思って就職活動に入り込んでしまいました。
ここで色んな会社について知れたり、就活の難しさや実際を知ったり、様々な人種と触れ合えたりできたのは良かった、とても価値があった、のですが…
なんと就活にのめり込み過ぎて、メガバンクから内定を貰ってしまいます。
あれ…??って感じ。
しかも、気持ちもなんかだいぶ毒されてしまっていて、「このまま取り敢えず一回メガバンクを経験してみてもいいなぁ、それから教員になったっていいわけで…」と本末転倒な感じに…。
そのせいで大学4年生の時の教員採用試験は受けず、スルーで終わってしまいました。
ということで一度はメガバンクの人生を決断したものの、
時間が経って段々自分の人生について考えていく内に
「本当に私がやりたかったことってなんだろう…?」と思い始め
やはり教育をやってみたいという気持ちが再燃してきます。
教育実習先で言われた「教育をやりたいなら時間がかかる。教育をやりたいなら最初から最後までだ」という言葉も頭をよぎり、
メガバンクなんてやってる時間ないんじゃないか、と思い直す。
で、ここからでも教員になれるのか…??と調べてみたところ、直近で「私学適性検査」という私立学校専用の一律教員採用試験があったので
慌ててそちらに申し込みほぼ飛び込み状態で受験しました。
飛び込みだったけど判定はAAでした。あれは、過去問やれば十分満点とれます。
私学適性検査の場合、その結果が名簿に載って、
その名簿を見た私学から電話がかかってきてお誘いがくるという制度になっています。
幾つかの学校からお誘いを受けたのですが、
- 生物学を教えたいので、生物だけでいいという場所がいい
- 家から近いとプライバシーがないので、家からそこそこ遠いところがいい
- 進学コースがあるようなところで進学指導ができる場所がいい(部活はみたくない)
という条件から、私は最初に就職した私立学校に決めました。メガバンクの内定はお断りしました(本当に申し訳なかったなぁ…)。
でも正直、その時点でもっと考えるべきだったんだよなって今は思います。
今思うこと
まず、公立を受けるべきだった。
私学適性検査は簡単すぎておかしいなと思ったんですよ。適切な苦労なく適切な職場は手に入りません。だって本当に努力しないような人たちすら入っちゃうんだもの。
適当な対価があって初めて適当な報酬があるように、就職でもその関係があったんだろうなって今は思います。
どれだけ苦労しても辛くても、その苦労した方が良い居場所は手に入るのです。きっと。そこで楽しようとしちゃ駄目だ。
あと、公立じゃなくても、もっと自分が何をやりたいか考えて、面白いことができる企業を探して本気で就活できたらよかった。そしたら何か違う人生があったかもしれません。
正直自分が持っていた色んな興味や関心、そして技術をもっと磨きたかったなというのが今の思いです。自分はあの時「私には生物学しかない」って思ってたけど、本当はもっといっぱい色んなものを持っていたんだって思いました。
例えばプログラミングやロボットへの興味もあった。物質の反応への興味もあった。だから学部選択の時からそういう方向へ行っていたら、教育とは違う面白さが待っていたのかもしれません。
教員になってから感じる「自分には何もないんじゃないか」という無能感も、感じなかったのかな…(これは後で話すとして…)
就活、やってる最中は本当に視野が狭くなっちゃって、内定をとることに必死になって
どんな内定でも欲しい!って状態になっちゃうけど、やっぱりそれって違うんですよ。
本当に欲しいものを手に入れるために努力するのが本当は正しいんです。
妥協して手に入れた内定は多分大抵の人にとってそんなもんの価値しか生んでくれません。
欲しいところのものが絶対手に入るほど世の中甘くないけれど、ここの内定が絶対欲しいんだ!ここで働きたいんだ!という気持ちはきっとその職場への一番の近道だと思うんです。
だから就活の時にもっと、ちゃんと在るべき姿に近いものでやれたらよかったよな、って今は思います。きっと今だから思えることなんだろうけどね。
院進については、後悔そこまでしていませんが
正直もっと研究したい、勉強したい欲はあります。今からでも。
社会に出て、あの時楽しかったな、可能なら今もやりたいな、と思ったりする。
でも、研究者になりたいとは思わないから、きっとこれが正解だったんだろう、と思う。
時々、院卒という肩書で殴られることがあるので、その点ではちょっと悔しさがありますね…院卒が学部卒より必ずしも優秀ではないと思うのだけれど、それでも格が違うぞと言われている気もしてしまって。
卒業研究で賞貰えたことや、周りの教授たちにだいぶ認めていただいていた(可愛がってもらっていた?)ことが、自分の自負として背中を支えてくれている気がします。これがなかったら押し負けてたかもなぁ…
ということで取り敢えず大学編終わり。次に続く。