米大リーグは28日、米国各地で本格開幕し、ヤンキースの田中将大投手(30)は本拠地ニューヨークのオリオールズ戦で2年ぶり4度目の開幕投手を務め、5イニング2/3を無四球で2失点(自責1)と踏ん張り、開幕戦の自身初白星を挙げた。
6-2の6回2死二塁。交代を告げたブーン監督にボールを手渡す際、田中は2度うなずいた。ベンチに歩みつつ帽子のつばに手をやり、本拠地ファンの総立ちの拍手に応えた。「『やったー』とかはない。特別という感じはない」。そう語りながらも「しっかり試合をつくることができたし、チームも勝った。いい一日だった」と振り返った。
4度の開幕投手は、野茂英雄(元ドジャースなど)の3度を抜き、メジャー日本投手の最多を更新。セベリーノの故障で回ってきた大役とはいえ、“4度目の正直”で初めて白星を手にした田中は「一つ、成長した姿を見せられた」と納得の表情を浮かべた。
特徴的だったのは、今春に習得に励んだナックルカーブだ。昨季はカーブの投球割合が4%だったが、この日は9球投げ、全83球の11%と大幅増。そのうち7球がストライクと制球も合格点で、大リーグ公式サイトによると、ブーン監督は「大舞台でマサに投げてもらうときは、いつも良い気分だ。厳しい場面になるほど好投してくれる。完璧に感情を制御していた」と幸先の良いシーズン滑り出しに目を細めた。