提督の憂鬱 作:sognathus
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今日もその日課のトレーニングをこなしていると後ろから那智が声をかけてきました。
那智「大佐、曙」
提督「フッフッ......おお、那智」
曙「那智さんおはよう」
那智「朝練か? 精が出るな」
提督「一応毎日の日課だからな」
曙「ふふー、大佐やるじゃない。最近はわたしのペースに着いてこれるようになったわね」
那智「曙の? 駆逐艦のペースと一緒とは凄いじゃないか」
提督「毎日こいつと一緒に走った成果だな」
那智「毎日一緒?」
曙「そうよ。いつからか一緒に走り始めたのかは覚えてないけど」
那智「......曙、大佐。これからは私も一緒させてもらってもいいだろうか?」
曙「那智さんも? そうね......大佐とわたしに着いて来れたらいいわよ!」
那智「ふふ、重巡と侮るなよ? これでも他の仲間たちの中では普段から運動している方だからな。体力は自信がある」
提督(重巡が駆逐艦に対して能力差を保証する様は何か新鮮だな......)
曙「言うじゃない? それじゃ大佐、那智さん行くわよ!」
提督「おい、あまりペースをあげると......」
――数十分後
提督「こう......ゼェー......ハァー......なる......」グテー
那智「ハァー......ハァー......っぐ......ふぅ......」グッタリ
曙「ごめん二人とも......調子に乗り過ぎちゃった......」
提督「少し......休憩だな。那智、大丈夫か?」
那智「流石に......息があがって......動けないな。だから......休憩には賛成だ」
曙「あ、わたし濡らしたタオルと飲み物持ってくるわね」
提督「頼む、助かる」
曙「うん。待ってて」タタッ
那智「大佐は......いつもこんなペースで走ってるのか?」
提督「いや、流石にあれはない。俺だってほら、こんな状態だ」
那智「そうか......ふふ。駆逐艦は凄いな」
提督「そのペースに俺みたいに練習もしないでここまで着いてこられたお前もなかなかのものだと思うぞ」
那智「ふ......煽てるな。お返しは何もできないぞ。少なくとも今の状態では......な」
提督「別にそんなの望んでない。素直に賛辞を受けろ」
那智「そうか......ありがとう」
提督「ああ。それでいい」
那智「ん。曙はまだ来ないみたいだな」パタパタ
提督「暑いか?」
那智「ああ、流石に汗だくだ。......悪いが後ろを向いていてくれないか? 服を絞って汗を取りたい」
提督「分かった。俺もそうしよう」
ギュー、ポタポタ......
那智「大佐も凄い汗の量だな」
提督「ん? そっちはもう絞り終わったのか?」
那智「あ、まだだ。振り向かないでくれ。大佐の汗の量に驚いて見入っていた」
提督「こんなので見入られてもな。まぁ、お前も早く絞れ」
那智「ああ」
那智(大佐の背中広いな......流石に男というところか。こんな逞しい背中を持つ男に、いつも私達は命を預ける意味も持つ指示を貰っているんだな......)
曙「お待たせ! 持って来た......わ......よ」
提督「ん。ご苦労」←半裸(服を着るところ)
那智「ポー......」←提督の背中に見とれて服を着ることを忘れてる
曙「な......な......」
提督「曙? どうした?」
曙「なにセクハラしてるのよ!? こんのクソ提督!」
提督「? 一体なにを――ぶ」
バシン!と、塗れたタオルが提督の顔を直撃した。
この後曙は泣きながら提督に謝ったそうです。
そして何故かその時那智も一緒に謝っていたそうです。